鹿児島市
鹿児島県庁所在地 ウィキペディアから
鹿児島県庁所在地 ウィキペディアから
鹿児島市(かごしまし)は、鹿児島県の中部に位置する市。鹿児島県の県庁所在地であり、中核市に指定されている。
かごしまし 鹿児島市 | |||||
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国 | 日本 | ||||
地方 | 九州地方 | ||||
都道府県 | 鹿児島県 | ||||
市町村コード | 46201-2 | ||||
法人番号 | 1000020462012 | ||||
面積 |
547.61km2 | ||||
総人口 |
583,061人 [編集] (推計人口、2024年10月1日) | ||||
人口密度 | 1,065人/km2 | ||||
隣接自治体 | 薩摩川内市、南さつま市、南九州市、姶良市、垂水市、日置市、指宿市 | ||||
市の木 |
クスノキ (1968年11月1日制定) | ||||
市の花 |
キョウチクトウ (1968年11月1日制定) | ||||
鹿児島市役所 | |||||
市長 | 下鶴隆央 | ||||
所在地 |
〒892-8677 鹿児島県鹿児島市山下町11番1号 北緯31度35分49秒 東経130度33分26秒 | ||||
外部リンク | 公式ウェブサイト | ||||
ウィキプロジェクト |
鹿児島湾西岸の市街地から桜島を望む景観がイタリアのナポリからヴェスヴィオ火山を望む風景に似ていることから、「東洋のナポリ」と称される[3]。
南九州地域の主要拠点都市の代表格にあたる都市で、政治・経済・文化・交通の中心地でもある[4][5][6][7]。鹿児島県本土中西部に位置し、古くから島津家による薩摩藩、72万石の城下町として栄えてきた。幕末期には山口県の長州藩とともに薩長同盟を組み、明治維新に大きく貢献するととも西郷隆盛や大久保利通などの政府要人の生誕の地でもある。1889年4月1日に日本で最初に市制を施行した31市の一つで、現在は福岡市、北九州市、熊本市に次ぐ九州第4位の人口を擁する[8]。
1996年に第一期の中核市(1996年度の自治省(現在の総務省)が定めた地方自治法の政令によって)に指定された[9]。2021年4月現在、中核市では船橋市(千葉県)、川口市(埼玉県)に次いで第3位であり、政令指定都市ではない県庁所在地では第1位である。又、国際会議観光都市にも指定されている。本市は、県人口の約三分の一(約35 %)が集中している首位都市でもあり、周辺の自治体と鹿児島都市圏を構成する。中心市街地である天文館地区は南九州最大の繁華街である。アミュプラザ鹿児島や九州新幹線開業以降、鹿児島中央駅周辺も商業地として発展している。
2011年の九州新幹線(博多駅 - 鹿児島中央駅)の全面開業により、福岡市や山陽・関西の各都市からのアクセスが向上し、更なる発展が期待される。一方で元々鹿児島市は地理的要因により地域ブロックの拠点として発展してきた側面もあり、福岡都市圏と短時間で結ばれるようになることで、ストロー効果などのマイナス面も懸念されている。
鹿児島市と全国の年齢別人口分布(2005年) | 鹿児島市の年齢・男女別人口分布(2005年) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
■紫色 ― 鹿児島市
■緑色 ― 日本全国 | ■青色 ― 男性 ■赤色 ― 女性 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
鹿児島市(に相当する地域)の人口の推移
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総務省統計局 国勢調査より |
2007年に鹿児島市が定めた"かごしま都市マスタープラン"では以下のような区分により地域・地区を定義している[10]。面積は2011年1月1日現在、人口は2020年4月1日現在である[11]。所管支所は2020年(令和2年)の「鹿児島市役所支所設置条例」改正後のとおりである[12]。
地域・地区 | 所管本庁・支所 | 人口(人) | 面積(km2) | 人口密度(人/km2) | 市制町村制施行時 | 備考 | |
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中央地域 | 中央地区 | 市役所本庁 | 287,222 | 48.2 | 5,959 | 鹿児島市 | |
上町地区 | 鹿児島市、吉野村(一部) | 竜ヶ水地区は吉野町の一部 | |||||
鴨池地区 | 中郡宇村 | 1934年、中郡宇村が鹿児島市に編入 | |||||
城西地区 | 鹿児島市、伊敷村(一部) |
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武・田上地区 | 西武田村 |
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谷山地域 | 谷山北部地区 | 谷山支所 | 161,140 | 106.8 | 1,509 | 谷山村 |
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谷山地区 | |||||||
伊敷地域 | 伊敷支所 | 50,055 | 57.1 | 877 | 伊敷村(一部) | 1950年、伊敷村が鹿児島市に編入 | |
吉野地域 | 吉野支所 | 50,015 | 33.2 | 1,506 | 吉野村 | 1934年、吉野村が鹿児島市に編入 | |
桜島地域 | 東桜島地区 | 桜島支所 | 4,021 | 76.8 | 52 | 東桜島村 | 1950年、東桜島村が鹿児島市に編入 |
桜島地区 | 西桜島村 |
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吉田地域 | 吉田支所 | 10,095 | 54.8 | 184 | 吉田村 |
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喜入地域 | 喜入支所 | 10,990 | 61.2 | 180 | 喜入村 |
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松元地域 | 松元支所 | 16,938 | 51.1 | 331 | 上伊集院村 |
| |
郡山地域 | 郡山支所 | 7,068 | 57.8 | 122 | 郡山村、下伊集院村(一部) |
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鹿児島市には2023年(令和5年)現在、町のみが設置されており、「○○町」又は「○○△丁目」と表記される。大字は1911年(明治44年)までは大字として西田、荒田、塩屋が設置されていたが、西田の大半が常盤町、荒田の大半は上荒田町、塩屋は塩屋町(後の甲突町)となり、それ以降は設置されていない。
周辺の町村を編入した際にも合併時に既存の大字の区域を町に置き換えており、2004年(平成16年)の鹿児島郡吉田町・桜島町・日置郡郡山町・松元町・揖宿郡喜入町の編入の際にも既に町として設置されていた牟礼岡一丁目から牟礼岡三丁目を除いた大字は編入時に大字の区域を廃止し、新規に町の区域が設定されている[13][14]。吉田・松元・郡山地区は旧大字名を町に読み替え、桜島・喜入地区は旧大字名を町に読み替えて旧自治体名を冠するが、一部例外もある。
2015年(平成27年)発刊の『鹿児島市史第5巻』によると2014年(平成26年)現在、鹿児島市で最も人口が多い町丁は3万2691人の吉野町であり、次いで1万人台が上福元町、6千人台が下福元町及び中山町(ちゅうざんちょう)、5千人台が鴨池新町、川上町、春山町となっている[15]。
九州の南端部近く、福岡市から南へ約280km、熊本市から南へ約180kmの場所に位置し、鹿児島県内の薩摩半島の北東部および桜島全域を市域とする。鹿児島湾(錦江湾)を望み、桜島などに年間約900万人の観光客が訪れる観光都市でもある。
平野部の大部分が商業地域、住宅地域、工業地域に占められ耕作地域はほとんどない。市街地に近い傾斜地や山間部の多くも宅地開発され団地やニュータウンが数多い。しかし、都市の発展に道路開発が追いついておらず、朝夕はいずれの幹線も渋滞が激しい。市街地が南北に細長いこともあって、とくに谷山地区や吉野方面からの通勤渋滞がひどく、大きな課題となっている。
国道10号線の吉野 - 姶良間沿岸部での総雨量が200mm以上になると通行制限がされる(制限経緯:集中豪雨災害「平成5年8月豪雨」いわゆる「8.6豪雨(8.6水害)」を参照)。そのため、同じく平行して通るJR九州の日豊本線も独自の規定雨量近くに達した場合、運転を見合わせる時がある。
市域中心部の対岸(直線距離約4km)に位置する桜島は、1980 - 90年代に比べればかなり沈静化しているが、2000年以降もなお活発な火山活動を続けており、市中心部にもしばしば降灰する。活火山を抱えながら、これだけの人口規模を有する都市は世界的にも稀である。
火山に近く泉源数が多いため、市内の入浴施設のほとんどが温泉である。詳細については「鹿児島市街地の温泉」を参照。
鹿児島市の東西南北それぞれの端は以下の位置となっている[20]。
北端 北緯31度45分09秒 東経130度32分12秒 ↑ | ||
西端 北緯31度34分48秒 東経130度23分12秒← | 市役所 北緯31度35分49秒 東経130度33分26秒 | 東端 →北緯31度38分00秒 東経130度43分47秒 |
↓ 南端 北緯31度17分36秒 東経130度32分44秒 | ||
温暖で多雨の太平洋側気候を呈する。年平均気温は19℃前後で、真夏日が年間80日前後、夏日は年間160日前後あるのに対して、冬日は年間数日程度であるが、郊外の丘陵地や山間部では明け方に0度を下回る事も少なくない。強い冬型の気圧配置となり西回りで寒気が流れ込む時には東シナ海からの雪雲が入りやすく、雪が降る。積雪は無い年が多いが、2011年1月1日には過去2番目となる積雪25cmを記録するなど、九州の県庁所在地の中で最南端ながら一度に積もる量は多い。しかし、南岸低気圧による降雪はまず無く、暖かい雨となる。大陸からの寒気の影響を受けやすいために、一時的に平年を5度以上も下回る寒さとなることもある。年間降水量は概ね2000 - 2500mm前後と多雨。年間日照時間は約1800 - 2100時間である[21]。
なお、鹿児島地方気象台は1993年に上荒田町から東郡元町へ移転している。近年は温暖化に加え、都市化によるヒートアイランド現象の影響を強く受け、最低気温が急速に上がっている。平年値の上昇率は全国官署地点のなかでもトップクラスである。
鹿児島地方気象台(鹿児島市東郡元町、標高4m)の気候 | |||||||||||||
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月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年 |
最高気温記録 °C (°F) | 23.9 (75) |
24.3 (75.7) |
27.6 (81.7) |
30.2 (86.4) |
31.7 (89.1) |
34.5 (94.1) |
37.2 (99) |
37.4 (99.3) |
35.7 (96.3) |
33.5 (92.3) |
29.5 (85.1) |
24.7 (76.5) |
37.4 (99.3) |
平均最高気温 °C (°F) | 13.1 (55.6) |
14.6 (58.3) |
17.5 (63.5) |
21.8 (71.2) |
25.5 (77.9) |
27.5 (81.5) |
31.9 (89.4) |
32.7 (90.9) |
30.2 (86.4) |
25.8 (78.4) |
20.6 (69.1) |
15.3 (59.5) |
23.1 (73.6) |
日平均気温 °C (°F) | 8.7 (47.7) |
9.9 (49.8) |
12.8 (55) |
17.1 (62.8) |
21.0 (69.8) |
24.0 (75.2) |
28.1 (82.6) |
28.8 (83.8) |
26.3 (79.3) |
21.6 (70.9) |
16.2 (61.2) |
10.9 (51.6) |
18.8 (65.8) |
平均最低気温 °C (°F) | 4.9 (40.8) |
5.8 (42.4) |
8.7 (47.7) |
12.9 (55.2) |
17.3 (63.1) |
21.3 (70.3) |
25.3 (77.5) |
26.0 (78.8) |
23.2 (73.8) |
18.0 (64.4) |
12.2 (54) |
6.9 (44.4) |
15.2 (59.4) |
最低気温記録 °C (°F) | −5.7 (21.7) |
−6.7 (19.9) |
−3.9 (25) |
−1.0 (30.2) |
3.9 (39) |
9.0 (48.2) |
15.9 (60.6) |
16.5 (61.7) |
9.3 (48.7) |
2.6 (36.7) |
−1.5 (29.3) |
−5.5 (22.1) |
−6.7 (19.9) |
降水量 mm (inch) | 78.3 (3.083) |
112.7 (4.437) |
161.0 (6.339) |
194.9 (7.673) |
205.2 (8.079) |
570.0 (22.441) |
365.1 (14.374) |
224.3 (8.831) |
222.9 (8.776) |
104.6 (4.118) |
102.5 (4.035) |
93.2 (3.669) |
2,434.7 (95.854) |
降雪量 cm (inch) | 1 (0.4) |
0 (0) |
0 (0) |
0 (0) |
0 (0) |
0 (0) |
0 (0) |
0 (0) |
0 (0) |
0 (0) |
0 (0) |
1 (0.4) |
2 (0.8) |
平均降水日数 (≥0.5 mm) | 10.2 | 10.2 | 13.2 | 11.1 | 10.7 | 16.9 | 12.8 | 12.2 | 11.3 | 8.0 | 8.9 | 9.9 | 135.4 |
平均降雪日数 | 2.1 | 1.6 | 0.4 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.8 | 4.9 |
% 湿度 | 66 | 65 | 66 | 68 | 71 | 78 | 76 | 74 | 72 | 67 | 68 | 67 | 70 |
平均月間日照時間 | 132.6 | 139.3 | 163.2 | 175.6 | 178.2 | 109.3 | 185.5 | 206.9 | 176.4 | 184.0 | 157.7 | 143.2 | 1,942.1 |
出典:気象庁(平均値:1991年 - 2020年、極値:1883年 - 現在)[22][23] |
旧鹿児島地方気象台(上荒田)・1961 - 1990年平均の気候 | |||||||||||||
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月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年 |
平均最高気温 °C (°F) | 12.2 (54) |
13.1 (55.6) |
16.5 (61.7) |
21.3 (70.3) |
24.7 (76.5) |
27.3 (81.1) |
31.4 (88.5) |
32.2 (90) |
29.5 (85.1) |
25.1 (77.2) |
19.8 (67.6) |
14.6 (58.3) |
22.3 (72.1) |
日平均気温 °C (°F) | 7.2 (45) |
8.3 (46.9) |
11.4 (52.5) |
16.4 (61.5) |
20.1 (68.2) |
23.4 (74.1) |
27.4 (81.3) |
27.9 (82.2) |
25.1 (77.2) |
20.0 (68) |
14.5 (58.1) |
9.2 (48.6) |
17.6 (63.7) |
平均最低気温 °C (°F) | 2.6 (36.7) |
3.7 (38.7) |
6.5 (43.7) |
11.8 (53.2) |
15.9 (60.6) |
20.0 (68) |
24.2 (75.6) |
24.5 (76.1) |
21.4 (70.5) |
15.3 (59.5) |
9.6 (49.3) |
4.4 (39.9) |
13.3 (55.9) |
出典:理科年表 |
喜入(1991年 - 2020年)の気候 | |||||||||||||
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月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年 |
最高気温記録 °C (°F) | 23.6 (74.5) |
23.7 (74.7) |
26.7 (80.1) |
29.2 (84.6) |
32.9 (91.2) |
34.5 (94.1) |
36.4 (97.5) |
37.4 (99.3) |
36.5 (97.7) |
33.1 (91.6) |
28.7 (83.7) |
25.5 (77.9) |
37.4 (99.3) |
平均最高気温 °C (°F) | 13.1 (55.6) |
14.5 (58.1) |
17.6 (63.7) |
22.0 (71.6) |
25.7 (78.3) |
27.7 (81.9) |
32.1 (89.8) |
32.9 (91.2) |
30.3 (86.5) |
25.8 (78.4) |
20.5 (68.9) |
15.3 (59.5) |
23.1 (73.6) |
日平均気温 °C (°F) | 8.6 (47.5) |
9.6 (49.3) |
12.5 (54.5) |
16.5 (61.7) |
20.4 (68.7) |
23.6 (74.5) |
27.6 (81.7) |
28.2 (82.8) |
25.5 (77.9) |
20.8 (69.4) |
15.5 (59.9) |
10.5 (50.9) |
18.3 (64.9) |
平均最低気温 °C (°F) | 4.1 (39.4) |
4.9 (40.8) |
7.6 (45.7) |
11.4 (52.5) |
15.6 (60.1) |
20.2 (68.4) |
24.1 (75.4) |
24.6 (76.3) |
21.7 (71.1) |
16.4 (61.5) |
10.8 (51.4) |
6.0 (42.8) |
13.9 (57) |
最低気温記録 °C (°F) | −6.3 (20.7) |
−3.6 (25.5) |
−1.4 (29.5) |
2.1 (35.8) |
6.0 (42.8) |
12.1 (53.8) |
17.2 (63) |
18.2 (64.8) |
11.5 (52.7) |
5.8 (42.4) |
0.7 (33.3) |
−2.6 (27.3) |
−6.3 (20.7) |
降水量 mm (inch) | 98.9 (3.894) |
136.8 (5.386) |
193.2 (7.606) |
229.9 (9.051) |
231.2 (9.102) |
634.5 (24.98) |
385.2 (15.165) |
228.2 (8.984) |
249.8 (9.835) |
115.0 (4.528) |
126.4 (4.976) |
107.5 (4.232) |
2,765.7 (108.886) |
平均降水日数 (≥1.0 mm) | 10.2 | 10.2 | 12.9 | 10.7 | 10.5 | 16.8 | 12.6 | 11.6 | 11.0 | 7.9 | 8.5 | 9.5 | 133.0 |
平均月間日照時間 | 123.8 | 133.1 | 161.7 | 183.1 | 182.1 | 107.3 | 192.4 | 220.1 | 173.9 | 181.1 | 151.8 | 132.7 | 1,938.2 |
出典1:Japan Meteorological Agency | |||||||||||||
出典2:気象庁[24] |
「鹿児島」という名の由来は、野生の鹿の子(鹿児)が多く生息していたからとか、多くの水夫(かこ)が住んでいたから、火山を意味するカグという言葉から由来したなど諸説ある[25]。さらに、神話から来たという説もあり現在でもどれが正しいか確定していない。しかし、「カゴ」は崖という意味の古語であり、桜島の四方が崖になっていたので島名を鹿児島(麑嶋)と称する様になり、それが対岸の神社名(鹿児島神宮)として定着し、更には鹿児島郡として郡名に拡大したという説が有力である。
都市としての始まりは、島津家第6代当主島津氏久が東福寺城(鹿児島市清水町)を居城にしたとき(1340年ごろ)とみられる。1549年(天文18年)、フランシスコ・ザビエルが現在の市域に当たる場所(祇園之洲町付近)に上陸し、日本初のキリスト教伝来の地となる。
19世紀の中ごろにはヨーロッパの機械文明を取り入れた研究が進み、第28代当主島津斉彬のもと集成館(現・尚古集成館)事業として反射炉や溶鉱炉が造られ、日本における近代工業化の発祥の地となり、近代日本の黎明期、明治維新において政治家、官僚、軍人など数多くの人物を輩出し、近代日本建設の礎となる。
中心市街地は、薩英戦争による砲撃、西南戦争による戦火、第二次世界大戦の鹿児島大空襲と三度も壊滅的打撃を蒙ったため、城下町としての面影は殆ど残っていない。
表中の■は鹿児島市、■は鹿児島市を除く市、■は町を示す。その他の色は村である。
1889年4月1日 | 1889年 - 1910年 | 1910年 - 1930年 | 1930年 - 1950年 | 1950年 - 1970年 | 1970年 - 1990年 | 1990年 - 現在 | 現在 |
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鹿児島市 | 鹿児島市 | 1967年4月29日 鹿児島市(新設) |
鹿児島市 | ||||
鹿児島郡中郡宇村 | 1934年8月1日 鹿児島市 | ||||||
鹿児島郡西武田村 | |||||||
鹿児島郡吉野村 | |||||||
鹿児島郡伊敷村 | 1950年10月1日 鹿児島市 | ||||||
北大隅郡東桜島村 | 1897年4月1日 鹿児島郡東桜島村 | ||||||
谿山郡谷山村 | 1897年4月1日 鹿児島郡谷山村 |
1924年9月1日 鹿児島郡谷山町 |
1958年10月1日 谷山市 | ||||
鹿児島郡吉田村 | 1972年11月1日 鹿児島郡吉田町 |
2004年11月1日 鹿児島市 | |||||
北大隅郡西桜島村 | 1897年4月1日 鹿児島郡西桜島村 |
1973年5月1日 鹿児島郡桜島町 | |||||
日置郡上伊集院村 | 1960年4月1日 日置郡松元町 | ||||||
日置郡郡山村 | 1956年9月30日 郡山町 | ||||||
日置郡下伊集院村(一部) | |||||||
給黎郡喜入村 | 1897年4月1日 揖宿郡喜入村 |
1956年10月15日 揖宿郡喜入町 |
年月日 | 区分 | 面積(km2) | 人口(人) | 町数 |
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1889年(明治22年) | 4月 1日市制施行 | 14.03 | 57,822 | 47町3大字 |
1911年(明治44年) | 9月30日第一次編入 | 15.91 | 73,085 | 53町 |
1920年(大正 | 9年)10月 1日第二次編入 | 16.73 | 103,180 | 56町 |
1934年(昭和 | 9年) 8月 1日第三次編入 | 78.25 | 176,900 | 68町 |
1950年(昭和25年)10月 | 1日第四次編入 | 181.54 | 229,462 | 81町 |
1967年(昭和42年) | 4月29日新設合併 | 279.15 | 385,866 | 91町 |
1970年(昭和45年)10月 | 1日第一次埋立 | 280.72 | 403,340 | 101町 |
1975年(昭和50年)10月 | 1日第二次埋立 | 284.04 | 456,827 | 130町 |
1980年(昭和55年)10月 | 1日第三次埋立 | 288.29 | 503,360 | 185町 |
1985年(昭和60年)10月 | 1日第四次埋立 | 289.07 | 530,502 | 195町 |
1990年(平成 | 2年)10月 1日第五次埋立 | 289.44 | 536,752 | 229町 |
1995年(平成 | 7年)10月 1日第六次埋立 | 289.60 | 546,282 | 248町 |
2000年(平成12年)10月 | 1日第七次埋立 | 289.79 | 552,098 | 263町 |
2004年(平成16年)11月 | 1日第五次編入 | 546.80 | 605,308 | 322町 |
この節では1889年(明治22年)の市制施行以後の鹿児島市の歴代市長を列記する[34]。鹿児島市と対等合併又は編入合併した市町村の市町村長については当該市町村の記事を参照。
旧・鹿児島市(1889年 - 1967年) | ||||
---|---|---|---|---|
代 | 氏名 | 就任期間 | 備考 | |
1 | 上村行徴 | 1889年(明治22年)5月31日 - 1891年(明治24年)3月31日 | ||
2 | 上村慶吉 | 1891年(明治24年)4月13日 - 1907年(明治40年)6月30日 | ||
3 | 有川貞壽 | 1907年(明治40年)8月16日 - 1913年(大正2年)11月12日 | 死去 | |
4 | 兒玉利實 | 1914年(大正3年)4月4日 - 1914年(大正3年)4月30日 | ||
5 | 山本德次郎 | 1914年(大正3年)7月21日 - 1922年(大正11年)8月15日 | ||
6 | 伊集院俊 | 1923年(大正12年)4月27日 - 1925年(大正14年)2月3日 | 死去 | |
7 | 上野篤 | 1925年(大正14年)5月28日 - 1926年(大正15年)9月23日 | 山陽本線特急列車脱線事故で死去 | |
8 | 白男川讓介 | 1926年(大正15年)10月30日 - 1928年(昭和3年)11月24日 | ||
9 | 樺山可也 | 1929年(昭和4年)6月17日 - 1932年(昭和7年)10月27日 | ||
10 | 岩元禧 | 1933年(昭和8年)6月13日 - 1936年(昭和11年)1月27日 | ||
11 | 伊地知四郎 | 1936年(昭和11年)7月12日 - 1940年(昭和15年)7月11日 | ||
12 | 久米成夫 | 1940年(昭和15年)7月19日 - 1944年(昭和19年)7月18日 | ||
13 | 岩切重雄 | 1944年(昭和19年)8月17日 - 1945年(昭和20年)12月15日 | ||
14 | 勝目清 | 1946年(昭和21年)6月21日 - 1959年(昭和34年)4月29日 | 初の公選市長 | |
15 | 平瀨實武 | 1959年(昭和34年)5月1日 - 1963年(昭和38年)4月29日 | ||
16 | 三ッ井卯三男 | 1963年(昭和38年)5月1日 - 1967年(昭和42年)4月28日 | ||
新・鹿児島市(新設合併後、1967年- ) | ||||
代 | 氏名 | 就任期間 | 備考 | |
17 | 末吉利雄 | 1967年(昭和42年)5月21日 - 1975年(昭和50年)5月20日 | ||
18 | 山之口安秀 | 1975年(昭和50年)5月21日 - 1984年(昭和59年)12月3日 | ||
19 | 赤崎義則 | 1984年(昭和59年)12月24日 - 2004年(平成16年)12月22日 | ||
20 | 森博幸 | 2004年(平成16年)12月23日 - 2020年(令和2年)12月22日 | ||
21 | 下鶴隆央 | 2020年(令和2年)12月23日 - |
候補者名 | 当落 | 年齢 | 党派名 | 新旧別 | 得票数 |
---|---|---|---|---|---|
柳誠子 | 当 | 62 | 立憲民主党 | 元 | 13,960票 |
藤崎剛 | 当 | 49 | 自由民主党 | 現 | 12,007票 |
宇都恵子 | 当 | 40 | 立憲民主党 | 新 | 11,259票 |
柴立鉄平 | 当 | 43 | 自由民主党 | 現 | 11,129票 |
岩重礼 | 当 | 44 | 自由民主党 | 現 | 9,780票 |
長田康秀 | 当 | 45 | 自由民主党 | 現 | 9,604票 |
松田浩孝 | 当 | 58 | 公明党 | 現 | 8,165票 |
福司山宣介 | 当 | 64 | 無所属 | 現 | 7,978票 |
寺田洋一 | 当 | 69 | 自由民主党 | 現 | 7,731票 |
宝来良治 | 当 | 54 | 自由民主党 | 現 | 7,666票 |
森昭男 | 当 | 50 | 公明党 | 現 | 7,657票 |
村野俊作 | 当 | 46 | 公明党 | 新 | 7,278票 |
本田静 | 当 | 41 | 自由民主党 | 新 | 6,879票 |
小川美沙子 | 当 | 70 | 無所属 | 新 | 6,871票 |
上山貞茂 | 当 | 60 | 無所属 | 現 | 6,849票 |
平良行雄 | 当 | 63 | 日本共産党 | 現 | 6,819票 |
岩重仁子 | 当 | 49 | 無所属 | 現 | 6,627票 |
森山博行 | 落 | 58 | 国民民主党 | 新 | 4,915票 |
田代芳樹 | 落 | 49 | 日本維新の会 | 新 | 4,875票 |
吉田浩司 | 落 | 40 | 参政党 | 新 | 4,739票 |
外城戸昭一 | 落 | 61 | 自由民主党 | 現 | 4,389票 |
有川博幸 | 落 | 64 | 自由民主党 | 新 | 3,988票 |
安楽英美 | 落 | 53 | 無所属 | 現 | 3,867票 |
山崎太郎 | 落 | 53 | 無所属 | 新 | 2,433票 |
原口武義 | 落 | 47 | 無所属 | 新 | 1,766票 |
大門五郎 | 落 | 70 | 無所属 | 新 | 826票 |
2019年4月7日に行われた、鹿児島県議会議員選挙の鹿児島市の開票所で、投票総数が投票者数を10票上回った持ち込み事件が発覚した[36][37][38]。
2004年頃まで、鹿児島市やその周辺で「街」と言えば「天文館」と通じる程、市内中心部の天文館地区が絶対的な繁華街であった。これは、鹿児島市がその時間距離のために北部九州の影響を受けにくかったこと、また平地が極端に少なく、地価も同規模の都市と比較して割高で中央資本や大型ロードサイド店舗の進出が遅かったことなどの理由による。
しかし、九州新幹線の一部開業を契機とした鹿児島中央駅周辺地区の一体的大規模開発や都市計画用途指定の緩和に伴う郊外型大型店舗の増加によって、天文館地区以外の商業地も発展してきた。九州新幹線開業による北部九州へのストロー効果は限定的であるが、商圏内における鹿児島中央駅周辺地区や郊外大型店舗とのエリア間競争は激化している。
近年開発が進んでいる。
4の都市と姉妹都市・友好都市の関係がある[50]。
38校
79校
70局
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32局
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鹿児島市は本州方面から続く鉄道・道路が終結、奄美・沖縄航路へ始発する九州南端の総合交通ターミナルとなっており、近代においては県内最大の交通の要衝として発展してきた。これらの背景から、本州北端の青森市と比較されることも多い。特に鹿児島港は古くから対岸の桜島・大隅半島・県内離島及び沖縄航路の要で、これらが都市の拠点性を高め、発展させた要因でもある。
鹿児島市と他地域を結ぶ高速バスとして、以下の路線が運行されている。主なターミナルとして鹿児島中央駅、同駅前鹿児島中央ターミナル、天文館、鹿児島本港高速船ターミナルなどがある(路線により発着地は異なる)。
かつては本州方面とを結ぶ夜行高速バスも数多く運行されていたが2016年までにすべて休廃止され、九州島内運行の鹿児島発着の夜行高速バスも2020年までにすべて休廃止されたため、現在は九州島内主要都市や鹿児島県内他都市への昼行路線のみとなっている。
愛称名 | 運行会社 | 運行区間 |
---|---|---|
桜島号 | 鹿児島交通 鹿児島交通観光バス 南国交通 JR九州バス 西日本鉄道 |
福岡市(天神高速BT・博多BT)・筑紫野・高速基山・久留米IC・八女IC - 高速伊敷 - 鹿児島中央駅前南国BT - 天文館 - 鹿児島本港高速船T |
南九号 | 南九州観光バス | 福岡市(キャナルシティ博多) - 下伊敷 - 鹿児島中央駅東口 |
きりしま号 | 鹿児島交通 南国交通 九州産交バス |
熊本市(熊本駅・桜町BTほか)・高速益城・八代IC・人吉IC - 下伊敷 - 鹿児島中央駅前南国BT - 天文館 - 鹿児島本港高速船T |
せんだい号 | 鹿児島交通 | 鹿児島市(鹿児島駅・金生町・天文館・鹿児島中央駅) - 高速伊集院 - 高速東市来 - 薩摩川内市(向田・純心女子大学ほか) |
こしきじま号 | 鹿児島交通 | 鹿児島市(鹿児島駅・金生町・天文館・鹿児島中央駅) - 高速伊集院 - 高速東市来 - いちき串木野市(本町・串木野新港ほか) |
鹿児島市内の通りも参照
鹿児島市を通る高規格幹線道路のうち、高速自動車国道は、九州縦貫自動車道鹿児島線(営業路線名:九州自動車道)及び、東九州自動車道があり、いずれも高速自動車国道の路線を指定する政令において鹿児島市が終点に指定されており、国土開発幹線自動車道の終点としては鹿児島市は最南端となる。東九州自動車道は姶良市の加治木JCTから鹿児島ICまでの区間は九州自動車道に重複する。
国土交通大臣指定に基づく高規格幹線道路(一般国道の自動車専用道路)は南九州西回り自動車道(鹿児島道路)がある。
鹿児島県の県道一覧を参照
(※ 太字は故人)
陸軍軍人
|
海軍軍人 |
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