企業博物館(きぎょうはくぶつかん)は、企業が設置したその企業活動などにまつわる博物館・美術館。企業ミュージアム(Corporate Museums)とも。
これら企業博物館の設立目的は多種多様である[1][2]。
- 企業が自社の企業活動のテーマ、保持する特殊な技術、専門知識を一般に公開保存する意図で設置したもの(トヨタ博物館など)[2]
- 創業者や最高責任者が個人的な趣味から収集した美術品、絵画、骨董を展示、公開するために設置されるなど(サントリー美術館など)[2]
その他、企業メセナとして学術研究活動を支援し、それが研究型のミュージアムというかたちをとっているという例(生命誌研究館)や特定の分野で共通の事業を行なっている団体が合同で運営する例(逓信総合博物館)なども稀にある。また、富士フイルムフォトサロンやニコンサロンのように企業製品の利用者を中心に、その発表の場を提供するのも企業博物館の一つであると言える。その他にも多種多様な企業博物館がある。
日本は長い歴史を持つ企業が多いこともあり、世界的にみても特に企業博物館が多く開設されている国である[3]。日本最古の企業博物館は、京都市に1889年開設の織物参考館(現在の川島織物文化館)であった[4]。
なお企業博物館は、博物館法の適用を受けているとは限らない[2]。
会社または創業者所有の美術工芸コレクション
九州
- 出光美術館(門司)(財団法人出光美術館、福岡県北九州市)
- 二階堂美術館(二階堂酒造、大分県日出町)
南関東
九州・沖縄
- TOTO歴史資料館→TOTOミュージアム(TOTO、福岡県北九州市)
- ゼンリン地図の資料館→ゼンリンミュージアム(ゼンリン、福岡県北九州市)‐ 2020年(令和2年)6月6日リニューアルオープン。
- 第一交通産業記念館(第一交通産業、福岡県北九州市)
- 小倉工場鉄道ランド(九州旅客鉄道(JR九州)、福岡県北九州市)- 2022年(令和4年)4月23日オープン
- ニッスイパイオニア館(日本水産→ニッスイ、福岡県北九州市)
- 出光創業史料館(出光興産、福岡県北九州市)
- 門司電気通信レトロ館(西日本電信電話(NTT西日本)、福岡県北九州市)
- 門司麦酒煉瓦館(サッポロビール、福岡県北九州市)
- 九州鉄道記念館(九州鉄道→九州旅客鉄道(JR九州)、福岡県北九州市)
- 安全創造館(九州旅客鉄道(JR九州)、福岡県北九州市)
- 安川電機みらい館(安川電機、福岡県北九州市)
- わかちく史料館(若築建設、福岡県北九州市)
- 白島展示館(白島石油備蓄、福岡県北九州市)
- 日立金属鋳物記念館(日立金属、福岡県京都郡苅田町)
- 西日本シティ銀行ココロ館 歴史・文化サロン(西日本シティ銀行、福岡県福岡市)
- マルタイミュージアム(マルタイ、福岡県福岡市)
- 浜池酒造 酒蔵資料館(浜池酒造、福岡県福岡市)
- にしてつバース(西日本鉄道、福岡県福岡市)- 2023年(令和5年)2月25日オープン。
- 博多の職と文化の博物館(ふくや、福岡県福岡市)
- 博多百年蔵(石蔵酒造、福岡県福岡市)
- コンペイトウミュージアム福岡(大阪糖菓、福岡県福岡市)
- とんこつラーメン博物館(一蘭、福岡県糸島市)
- 大橋松雄農業機械歴史館(福岡九州クボタ、福岡県久留米市)
- 富安本家酒造 酒資料館(富安本家酒造、福岡県久留米市)
- 花の露 酒蔵資料館(花の露、福岡県久留米市)
- 久光製薬ミュージアム(久光製薬、佐賀県鳥栖市)- 2019年(令和元年)オープン(単独での公開はしておらず工場見学をする場合に限り受付可能)。
- 村岡総本舗羊羹資料館(村岡総本舗、佐賀県小城市)
- 大平庵(たいへいあん)酒蔵資料館(大平庵、佐賀県多久市)
- 玄海原子力発電所展示館(九州電力、佐賀県東松浦郡玄海町)
- 福鶴じゃがたらお春博物館(福田酒造、長崎県平戸市)
- たびら平戸口駅 鉄道博物館(松浦鉄道、長崎県平戸市)
- 長工醤油資料蔵(チョーコー醤油、長崎県大村市)
- BOAT RACE発祥の地記念館(大村競艇場、長崎県大村市)- 2022年(令和4年)4月29日リニューアルオープン。
- 三菱重工業長崎造船所史料館(三菱重工業、長崎県長崎市)
- 十八銀行 史料展示室(十八銀行→十八親和銀行、長崎県長崎市)
- 長崎路面電車資料館(長崎電気軌道、長崎県長崎市)
- 海底線史料館(NTTワールドエンジニアリングマリン、長崎県長崎市)
- 千代の園酒造史料館(千代の園酒造、熊本県山鹿市)
- 阿蘇火山博物館(阿蘇製薬、熊本県南阿蘇村)
- 納豆資料館(マルキン食品、熊本県熊本市)
- 新聞博物館(熊本日日新聞、熊本県熊本市)
- 瑞鷹酒蔵資料館(瑞鷹、熊本県熊本市)
- 再春館製薬所歴史資料館(再春館製薬所、熊本県上益城郡益城町)
- ISEKI Dream Gallery Kumamoto(井関農機、熊本県上益城郡益城町) - 運営は子会社の井関熊本製造所が行っている。
- 通潤酒造資料館(通潤酒造、熊本県上益城郡山都町)
- イルカミュージアム(丸建水産、熊本県天草市)
- 球磨焼酎ミュージアム白岳伝承蔵(高橋酒造、熊本県人吉市)
- 薫長酒蔵資料館(クンチョウ酒造、大分県日田市)
- 豊後森機関庫ミュージアム(日本国有鉄道→九州旅客鉄道(JR九州)、大分県玖珠町)
- 八丁原発電所展示館(九州電力、大分県九重町)
- 日本竹野博物館(貴嶋、大分県別府市)
- 旭化成延岡展示センター(旭化成、宮崎県延岡市)
- 杜の展示館(雲海酒造、宮崎県東諸県郡綾町)
- じゃじゃ君と行く みやにちミュージアム(宮崎日日新聞、宮崎県宮崎市)
- 宮崎日機装 展示室(宮崎日機装、宮崎県宮崎市)
- グリーンパークえびの(コカ・コーラウエスト→コカ・コーラボトラーズジャパン、宮崎県えびの市)
- 鉄道資料館(観光SL会館)(九州旅客鉄道(JR九州)、鹿児島県姶良郡湧水町)
- 川内原子力発電館(九州電力、鹿児島県薩摩川内市)
- 田苑酒造焼酎資料館(田苑酒造、鹿児島県薩摩川内市)
- 杜氏の里笠沙(杜氏の里、鹿児島県南さつま市)
- 南薩鉄道記念館(鹿児島交通、鹿児島県南さつま市)
- 山川発電所展示室(九州電力、鹿児島県指宿市)
- 薩摩酒造焼酎文化資料館明治蔵(薩摩酒造、鹿児島県枕崎市)
- 沖縄郵政資料センター(日本郵政、沖縄県那覇市)
- 琉球新報新聞博物館(琉球新報、沖縄県那覇市)
- ゆいレール展示館(沖縄都市モノレール、沖縄県那覇市)
- サタケ八重山ハヤシ記念館(サタケ、沖縄県石垣市)
香港
- カップヌードルミュージアム 香港(日清食品ホールディングス、尖沙咀)
山中俊之『世界で通用する「地頭力」のつくり方』CCCメディアハウス、2018年
旧・東郷青児美術館→安田火災東郷青児美術館→損保ジャパン東郷青児美術館→東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館
旧・松下電工 汐留ミュージアム→パナソニック電工 ミュージアム→パナソニック ミュージアム
“アサヒビール大山崎山荘美術館、多目的ホール「夢の箱」オープン”. 日本食糧新聞(日本食糧新聞社). (2012年6月8日)
“雪印乳業「雪印乳業史料館」26日オープン”. 日本食糧新聞 (日本食糧新聞社). (1994年4月29日)
“雪印メグミルク、「雪印乳業史料館」改修し一般公開 “歩みと姿勢”示す”. 日本食糧新聞 (日本食糧新聞社). (2010年3月24日)
“札幌の「雪印乳業資料館」などが北海道遺産に決定”. 日本食糧新聞 (日本食糧新聞社). (2004年11月3日)
“雪印メグミルク、3社合併で新たなスタート 新総合乳業メーカーへ”. 日本食糧新聞(日本食糧新聞社). (2011年4月1日)
“貨幣博物館、きょう再開”. 朝日新聞(朝日新聞社). (2015年11月21日)
“71年モノの缶詰、ミュージアムへ 東京で来月にも展示”. 朝日新聞(朝日新聞社). (2015年9月17日)
“東洋製罐、本社ビル1階に「容器文化ミュージアム」開設 歴史などわかりやすく紹介”. 日本食糧新聞 (日本食糧新聞社). (2012年5月11日)
“味の素、ファン拡大目指す 主力工場至近に体感の場”. 日本食糧新聞 (日本食糧新聞社). (2015年5月1日)
尾中香尚里(2015年5月9日). “味の素:見学施設、川崎にオープン 製造工程を紹介”. 毎日新聞 (毎日新聞社)
“静岡地区食品産業特集:フェルケール博物館、缶詰記念館に先駆者の努力を偲ぶ”. 日本食糧新聞(日本食糧新聞社). (2003年3月7日)
“大判小判17枚を百五銀行公開へ 津の資料館”. 中日新聞 (中日新聞社). (2016年1月12日)
“ヤンマーの100年 体感 長浜に新施設、21日にオープン 小さなものから大きなものまで”. 京都新聞(京都新聞社). (2013年3月19日)
“黄桜酒造、「河童資料館」オープン、起源・伝説など展示”. 日本食糧新聞(日本食糧新聞社). (2002年10月21日)
“震災全壊の「菊正宗酒造記念館」復興オープン”. 日本食糧新聞(日本食糧新聞社). (1999年1月27日)
“ビジネスフォーカス:三島食品・楠苑(三島食品資料館)”. 日本食糧新聞(日本食糧新聞社). (1999年3月17日)
“広島のTV局が「ふりかけ今昔」放映、地元の三島食品と田中食品が登場”. 日本食糧新聞(日本食糧新聞社). (2002年10月18日)
“発祥の地・広島に日本初の「お好み焼博物館」がオープン”. 日本食糧新聞(日本食糧新聞社). (2003年7月4日)
“カンロ、創業100周年記念資料館オープン 創業地の山口県光市でセレモニー開催”. 日本食糧新聞 (日本食糧新聞社). (2013年4月10日)
“日本食研・大沢一彦代表取締役社長に聞く、「味づくりの作曲」30年”. 日本食糧新聞(日本食糧新聞社). (2001年12月10日)
“日本酒の博物館「酒泉館」竣工 北の誉酒造、100周年事業で”. 日本食糧新聞(日本食糧新聞社). (1996年11月11日)
“北の誉、「酒泉館」完成で披露式典”. 日本食糧新聞(日本食糧新聞社). (1996年11月15日)
“フランス水紀行・水文化を考える(7)NMWは簡便性飲料”. 日本食糧新聞(日本食糧新聞社). (1994年8月8日)
“上智大学とイオン1%クラブ、「シハヌーク・イオン博物館」開館”. 日本食糧新聞(日本食糧新聞社). (2007年11月14日)
“国際:中国「張裕酒文化博物館」オープン、ブドウ酒産業の歩みを展示”. 日本食糧新聞(日本食糧新聞社). (2002年10月7日)