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日本の鉄道模型ブランド ウィキペディアから
TOMIX(トミックス)は、トミーテックが展開する日本の鉄道模型ブランドである。
この記事は広告・宣伝活動のような記述内容になっています。 (2012年10月) |
1976年(昭和51年)に玩具メーカーのトミー(現・タカラトミー)によって創設されたブランドである。2001年には同社子会社の株式会社トミーテックに事業譲渡された。直流2線式のNゲージの車両・線路・ストラクチャー・アクセサリー・制御機器など、および直流2線式のHO(16番)ゲージの車両を製造している。模型専門店のみならず、一般向けの玩具店や量販店にも販路を持つことを強みとしている。
1959年のプラスチック汽車レールセット(プラレールの元祖)以来、鉄道玩具プラレールや「高級電気玩具OOO(スリーオー)ゲージ 新幹線夢の超特急セット」[注 1]を販売していたトミーは、1969年、アメリカのバックマン社のNゲージ鉄道模型製品を輸入し、1974年からトミーナインスケールブランドで日本型を発売した。単品販売のほか、模型運転に必要な線路と車両、制御機器をまとめた「基本セット」を発売し、Nゲージの普及を試みた。
車輌については、バックマン製のアメリカ型車輌だけではなく、日本型車輌も開発・販売された。日本型車輌のED75形電気機関車[注 2]や2軸貨車はケーダー社[注 3]製で、先行していた関水金属製品に比べて安価だった。続いてDD13形ディーゼル機関車とKSKタイプCタンクが発売され、バックマン製の小形スイッチャーはCタイプディーゼルとして日本風の塗装で発売された。これらの製品は、日本型車両がまだわずかであった当時の日本のNゲージ市場に少なからぬ実績を残した。
1976年、トミーは本格的にNゲージ総合メーカーを目指すこととし、新ブランドTOMIX(トミックス)を立ち上げる。外国への生産依存の姿勢を脱して製品を国産化することとした。また、関連製品を含めて、鉄道模型システムを構築しているドイツの鉄道模型業界の要素を取り入れ、1977年からNゲージプラスチック製道床つきの組み立て式レールシステムとそれと組み合わせるストラクチャーや制御機器を発売した。同年、トミー初のHO(16番)ゲージ車両としてトミーHOスケールブランドで国鉄EF58形電気機関車、国鉄12系客車が発売されたものの、生産は一度にとどまった。なお、直ちに全ラインナップが国産製品に統一されたわけではなく、まず両ブランドはしばらく並立で展開され、1979年にトミーナインスケールのブランドをクローズした。この際、トミーナインスケール時代に製品化された香港製貨車群など一部のラインナップは香港製のままトミックスブランドに合流し、ストラクチャーでも砕石場のようにバックマンの製品をトミックスブランドとして発売しているものが一部含まれた。さらには国鉄583系電車のように価格の安さを狙って香港製の新規製品を投入した事例もあったが、これらの香港製品は国産製品の品質向上に追従できず1980年代中に淘汰された。
1980年、トミー工業は新たに栃木県壬生町に栃木事業所(現・トミーテック本社工場)をTOMIX専用工場として設立した。その後、1995年の国鉄10系客車から、トミックスブランドでのHO(16番)ゲージ車両製造に本格的に参入した。
ブランド制定から一貫して、Nゲージ鉄道模型のシステム化に力を入れている。特殊な線路、サウンド機能付き制御機器、レイアウト用品などの関連製品も積極的に展開している。HO(16番)ゲージは車両のみを展開している。
製品は射出成形によるプラスチック製がほとんどで、基本的に塗装済み完成品として販売している。
製品化の傾向として、1970年代以降の国鉄黄金時代の車両を中心に据え、塗装変更車などのバリエーション展開は積極的だが、ヨンサントオ以前の車種や蒸気機関車、新幹線及び首都圏を除くJR型車両、特に優等列車に関してはそれほど積極的ではない。しかし昨今の国鉄車両人気の高まりとともに見直され、C57形蒸気機関車やスハ32系客車など、戦前の名車の発表が相次いでいる。近年ではセット販売が主体で単品販売は少ない。Nゲージ車両セットの一部製品は3両セットを基本にしており、「マイプラン」のシリーズ名で販売される線路・制御機器とのセットと、好きな車両セットを自由に組み合わせることが可能である。HO(16番)ゲージの車両セットは4両が基本となっている。また、実車の新車登場後間もない段階での製品化が結果的に初期車の少数グループとなってしまう傾向にあり、仕様追加された増備車両への対応がなされないこともある[注 7]。
同一形式の色違い・仕様違いが豊富であり、国鉄車両の広範なグループの地域カラーや派生形式を積極的に製品化している。近年では車体部品の共用を行わず、細部の違いを再現するために専用の金型を製作することも多い。地方ごとに特色のあるデザインの車両の製品化もされており、115系を例に取ると湘南色、横須賀色(山スカ)、信州色、長野色、コカ・コーララッピング編成、新潟色(初代・2代目・3代目・懐かしの新潟色)[注 8]、弥彦色(初代・2代目)、瀬戸内色、身延色、福知山線タイプ[注 9](限定品)、しなの鉄道色、岡山地区黄色などのバリエーションがある。
JR西日本207系1000番台電車は、再生産スケジュールが予定されていたが、321系電車を製品化後の2009年2月に、新塗色車が発売された。
JR東日本E233系電車は、車体がフラットなどの理由で新しい金型を必要とした2000番台の製品化をもって全番台の製品化を達成した。ただし改造転用された8500番代は製品化されていない。
細部にこだわったハイグレードシリーズ (後述)の製品は高価であるほか、既存製品も新規金型を使用したリニューアルが実施されると価格帯が上昇する。一方で他社と競合するものや入門者向けの車種では、TNカプラー(後述)の装備を省略してオプション品とする・転写シートといった一部のユーザーパーツを増結セットに同梱させる・一部に安価な部品を採用するなどして価格帯を下げる傾向も見受けられる。
2019年には先頭車や客車1両のみが入った「ファーストカーミュージアム」が発売。展示を前面に打ち出した商品展開も行われるようになる。
最も力を入れて居る商品。特に国鉄車はリニューアル再販を機にハイグレード仕様で発売が多い。JR車も積極的に発売しているが、JRの特急車については消極的。 成田エクスプレスとJR西日本287系電車・JR北海道261系気動車・カシオペアくらいであったが、近年はJR西日本281系電車・JR東日本251系電車・瑞風・四季島・ゆふいんの森と少しずつではあるが製品化されつつある。
鉄道模型メーカーの中では最も多く製品化している。縮尺は他社の新幹線車両と同様に1/160としている。最初の製品である200系以来、全周を貫通する形態が実車とは異なるものの新幹線特有の外幌を再現している。連結器(カプラー)はフック式カプラー[注 11]もしくはTSカプラー[注 12]を採用している。2005年には独特な先頭形状で製品化が困難と言われたE4系を各社に先駆けて発売[注 13]、また700系3000番台(B編成)の発売により、運行されている新幹線列車をほぼ網羅することとなった。さらに、東北新幹線で行われている「やまびこ+つばさ」などの2編成の併結運転を、収納式TNカプラーの採用により実車同様の実感的な形で可能とした[注 14]。但しドクターイエローは発売しているがイーストアイや試作車は製品化されていない。
2010年時点でC57形(135号機、2代目製品)やきかんしゃトーマスシリーズなどを発売しているが、歴史的に見れば蒸気機関車の製品化にはあまり積極的ではなかった。かつて発売した自社設計の蒸気機関車は、トーマスシリーズを別とすればK.S.KタイプCタンク(三井埠頭専用線の5号機に似たスタイル) 、C57形(初代製品)、9600形程度で、いずれも短期間で生産終了している。しかし、2015年時点では特定番号の動態保存機(C57 1・C57 180・C61 20など)を中心に、牽引される客車と合わせて、ファインスケールで展開している。
ディーゼル機関車では実在しないフリースタイルのCタイプ小型ディーゼル機関車も発売しており、車体カラーはオレンジ・黄・青・緑・白・茶色の6色がある。
「トミーナインスケール」の頃より種類は豊富で、事業用車など特殊な車両まで展開している。2軸・小型貨車は他社が2両以上のセット販売が多い中で、1両単位で販売している。初期の香港製の製品は1987年(昭和62年)に製造中止となっている[注 15]。 香港製が主流だった1987年頃まではボギー貨車のラインナップも充実していたが、現在ではコンテナ貨車以外は一部にとどまる。
かつて発売されていたタム6000形は、先述のCタイプ小型ディーゼル機関車と同様に実在しないフリースタイルの貨車であったが、現在は「タム500タイプ」として発売しており、実車にはない銀色や黄色のものも発売している。また、コム1(積載コンテナであるC10コンテナも同様)やチ1も「タイプ」と銘打っており、実車とはサイズもスタイルも異なる。
コンテナ車は、上記コム1の他コキ5500[注 2]を発売していた程度だったが、コンテナ1個単位で着脱可能なコキ50000系を発売して以降、載せ替え用のコンテナやコキ100系列・コキ200といったJR貨物の新系列コンテナ貨車・新型コンテナの発売に力を入れるようになった。2000年代に入ると実車同様の台枠シースルー化や国鉄型コンテナ貨車の商品化、2016年には完全フラット構造でありながら最後尾のテールライト点灯を再現した商品までもが販売されている。
特にコキ50000系で確立したコンテナの脱着機構はサードパーティー製品を含めた他社においてもほぼそのままの形で採用されるとともに、2008年以降はジオコレシリーズのトラックコレクション・トレーラーコレクションで発売されたコンテナ輸送用トラック[注 16]や鉄道むすめコンテナコレクションにも採用された。このためこれらの商品で展開されたコンテナとTOMIXのコンテナ・車両で相互に乗せ換えることが可能になっており、商品パッケージの写真にも使用されている。
寝台車は14系14形、24系25形100番台を中心に長年発売してきたが、2001年以降14系15形、24系24形・25形0番台などが順次製品化された。今日のラインナップは列車名を冠してその編成独自の個室車・改造車が含まれたものなどのセット販売が中心となっており、単品販売は少ない。
一方で一般型客車は、初期から販売しているオハ35系および50系程度だったが、2009年のC57形蒸気機関車(2代目製品)発売の布石として、60系およびスハ32系を相次いで発売した。
なお、2001年以前に発売された客車は、旧型のボディーマウント式TNカプラーには対応していなかった。旧型ボディーマウント式TNカプラーでは、カプラー復元バネの構造上連結面のアソビの部分が少ないため重心移動によるショックを吸収できず、脱線を起こしやすかったことによるもの[注 17]。
ただし、2009年になって新登場したコイルバネ式の改良型ボディーマウントTNカプラーは上記の問題点が大幅に改善され、それ以降の客車の新規製作品はほぼ全てがボディーマウント式TNカプラー対応になっている。これによって従来は連結機能の無いダミーカプラー化が必須条件だった客車最後尾の細密表現が、連結機能を損なうことなく可能になった。
小田急ロマンスカー(GSE、VSE、LSE、HiSE)[注 18]や、名鉄パノラマカー、パノラマDX、東武スペーシア、リバティ、スカイライナー、近鉄特急(ビスタEX、アーバンライナー、しまかぜ、ひのとり)等の大手私鉄特急電車と、ミニカーブレールに対応した小型の第三セクター鉄道の軽快気動車、既製品のバリエーションとして地方私鉄・第三セクター鉄道譲渡車輛がある。歴史的には1980年代の西武5000系レッドアロー以降コンスタントに私鉄車輌を製品化していて、私鉄特急電車の分野ではNゲージメーカーの中で一番製品が充実していた時期も長かったが、1995年発売の東武100系スペーシアが大きなキャンペーンを行ったにもかかわらず販売が振るわず、以後2005年発売の小田急ロマンスカーVSE[5]まで10年間私鉄特急の新製品が途絶えることになった[6]。またレールバス等第三セクター鉄道各社の車輛も積極的に製品化しているが、2000年代以降製品を急速に拡充してきた他社と比べて現在の製品ラインナップは多いとはいえない。特に2005年(平成17年)以降は同じくトミーテックが製造販売する鉄道コレクションで販売される車種の方が多くなっている。また通勤型車両の製品化には消極的ではあるが、2010年以降はE233系列列車に属する相鉄11000系電車・小田急4000形電車・都営地下鉄10-300形電車(4次車)といった新製品も見受けられる。
古くからある製品ではライトや動力機構等の製品仕様が旧来のままで近年の新製品と比べて見劣りするものも多く、リニューアルも軽微なものにとどまる傾向にある。西武5000系電車のようにリニューアルされる事も無く生産中止となった製品もある。
イギリスのテレビ番組『きかんしゃトーマス』の製品群を展開しており、Nゲージでは世界初としている[2]。機関車はトーマス・パーシー・ジェームス・ヘンリーのみで、他に客車や貨車、ストラクチャー(駅舎・水車小屋・風車)、スタートセットを発売している。通常のNゲージ製品(1/148 - 1/160)よりも大振りで、玩具的な形態が特徴。1998年度から総合カタログなどに掲載されていた予定品のうちゴードンのみ製品化されず、2014年度のカタログで発売予定が取り消された。2016年より、CGバージョンの顔とコアレスモーターに変更したトーマス・パーシー・ジェームスが再生産された。
1981年、当時の最新車両であるクモヤ193系電気検測車の先頭台車にヤスリ付き車輪を搭載した「国鉄193系 クリーニングカーセット」が発売された。クリーニングカーは日本初であった[注 19]。逆回転するヤスリでレール表面を研磨することによって汚れを落としていたため、レールを削りすぎてしまう恐れがあった。クリーニング台車の交換用としてトレーラー台車が付属していたが、クリーニング用のモーターにスイッチは付いていないので走行と連動して回転してしまった。
クリーニング機能を廃した車両は1982年と2003年に発売され、2002年には塗色変更して443系タイプとして発売された。
2000年、ディスクを交換することにより吸引・乾式(やすり)・湿式(布)の3機能を備えた「マルチレールクリーニングカー」を発売した。上部にはフィルターカバーやレールクリーナーの注入口、D.C.フィーダーNの差し込み口、スイッチがあり、下部には付属のスポンジや刷毛ブラシを付けることができる。車両は架空のもので、塗色は『軌道保線車 (カヤ)』や『連結注意』などと書かれた事業用車タイプのほかに、スケルトン、オリエント急行風、ドクターイエロー風、ひかりレールスター風、○○周年記念モデル[7]などが存在する。
最近では、45周年記念カラーのマルチレールクリーニングカーが出ている。
海外でも注目されており[注 20]、各メーカーにより輸入販売されている。米国のAtlasは2003/4年に塗色変更した数種類の「Track Cleaning Car」を販売した[9]。英国のDapolは同国で独占販売しているほか、この製品の技術を利用したOO/HOゲージ版の「Motorised Track Cleaner」を2008年より製造・販売している[10]。HO版はトミーテックでも輸入販売している[11]。
2005年、キハ187形の前面にCCDカメラを搭載した「TCS車載カメラ搭載セット(キハ187形)」が発売された[注 21]。
走る車両からの前面展望映像をレールで伝送し、アナログビデオ出力して簡単に楽しめる車両型カメラのセット。音声は対応していない。他社のカメラはマイクロ波で空間伝送するので壁を隔てた場所やトンネル内などで映像が乱れたが、本製品では問題ない。レールを通して伝送するため伝導性の良い銀製車輪だが、それでも普段以上に車輪とレールをきれいに維持する必要がある。電波式と違い1チャンネルのみで、1つの線路上には1台しか使用できないが、線路が電気的に切り離されていれば複数の車両を使用できる。また線路配置によって映像が乱れる場合は、ノイズを低減させるノイズキャンセラーを用いる(エンドレール型・フィーダー型・踏み板形)[12]。
この節の加筆が望まれています。 |
2017年6月には第1弾としてE233系3000番台(東海道線・高崎線・宇都宮線など)の前面にCMOSカメラを搭載した「車載カメラシステムセット(E233-3000系)」が発売された[13]。2018年10月には第2弾として225系0番台も発売されている。
これは2.4Ghz帯Wi-Fi通信を使用したカメラで、あらかじめ専用のアプリをインストールしたスマートフォンやタブレットにVGA(640×480)の映像を映し出す仕組みになっている。線路側には特殊な加工を行う必要がないが、車両を増結させる場合、他の動力車にも専用動力ユニットを使用しなければならない。停止時に電力が切れるとWi-Fiもリセットされるため、実質的に常点灯対応のパワーユニットが必要である。
1970年代にバックマンのHOスケール製品をトミーHOスケールブランドで販売しており、後に香港製のEF58形電気機関車や12系客車を縮尺1/80・16.5mmゲージで発売した。発売前のメーカーの見本市でこのEF58を予定価格4800円としており、対して見本市でエンドウのNゲージ第一作目金属製EF58が予定価格6500円と注目をあつめた[14]。その後は長らく中断していたが、1990年代半ばに再参入した。
トミックスでは1/80スケール・16.5mmゲージの16番ゲージ日本型製品を長らく「HO」と表記していたが、2012年のカタログからは鉄道模型趣味誌「製品の紹介」コーナーで永年採用されている「1/80・16.5mm」表記に改めている(品番はHO-***のまま)。
品番やカタログにおいてはNゲージのようなジャンルごとの区分けはされず、一括りで扱われている。
EF66形・DF50形・EH500形等の機関車を始め、電車・気動車・客車・貨車を発売しており、一部の製品にはハイグレード仕様のものもある。蒸気機関車は製品化していない。貨車は、タンク車・ホッパ車・コンテナ車を中心とした製品展開を行っていて、タンク車・ホッパ車には、1両のみの完成品と2両分が入った組み立てキットという2種類の販売形態がある。コンテナ車は、Nゲージ同様に載せ替え用コンテナも展開している。また、南部縦貫鉄道キハ10形レールバスをはじめとして、1両でも運転を楽しめる小型車両も多く展開している。
さよなら運転や、新型車両デビューなど、特別な列車を再現した製品を発売している。当日の当該列車に充当された編成や機関車を、車両番号から内装・特別装飾が施された場合はその装飾に到るまで完全に再現して製品化している[注 22]。寝台列車の衰退から、「さよなら○○」シリーズは寝台列車が多く発売されている。
また、各種イベントやテックステーション限定商品として既存製品のバリエーション製品やフリーランスデザインの貨車も発売されている。
1976年、トミーナインスケールからTOMIXへのブランド変更と同時にNゲージとしては日本メーカー初のプラスチック製道床つき組立式システムレールを発売した。これは平面性が確保しづらい畳や絨毯の上で軽いNゲージ車両を運転しても安定した走行を確保できるものであった。それまでの日本のNゲージでは、道床のない組立式線路を台枠の上に固定して、そこで車両を走行させることを最良としていた。しかし日本では狭い住宅などの事情によって鉄道模型専用に部屋を持てない状況が多い中、遊ぶ毎に敷設し撤去も容易にできる線路の需要が存在している。そのため、16番ゲージでは道床付きの組立式レールが製品化され、「お座敷運転(お座敷レイアウト・フロアレイアウト)」に好んで使われていたが、Nゲージではトミックスレール以前には道床付きレールはごく一部の外国メーカー製品しかなく一般的ではなかった。トミックスレール発売以後は、日本のNゲージにおいては道床付きレールが普及し、日本国外も含めて他メーカーも道床付きレールを製品化するようになった。
また、ターンテーブルもフロアレイアウトで線路と直接接続できるもので、長らく国内唯一の存在であった[注 23]。その一方で固定式レイアウトでの使用も考慮し、道床の厚みは比較的低く、固定用の釘穴も開けられている。
アクセサリーなどの関連製品が充実しており、システム性が高いことも特徴である。トミックスはヨーロッパで一般的な、綿密に計算されシステム化されたレールシステムを日本へ導入した。また、輸入に頼らず国産化し普及させたが、現在では生産拠点をコストの低い中国へとシフトしている。
2002年に、トミックス線路製品のジョイナーの耐久性が低かった点を改善し、ファイントラック (Fine Track)と名付けて発売した。
鉄道コレクションやBトレインショーティーなどの小形モデル・デフォルメモデルが多数発売されるようになった。
他社と比較して種類が豊富でレイアウトの自由度が高い。小型化に力を入れており、全長わずか70mmの電動ポイントも製品化している。
パワーユニット[注 25]を電源とし、分岐器駆動用のポイントマシンや電動ターンテーブルの制御装置など各種機器を取り付けて拡張できる(一部安価な製品を除く)。当初の黄緑色パワーユニット時代とNECST時代は周辺機器がバラ線交流17Vで、電動ポイントもバラ線の交流3線式だった。現在はNECST-neo(ネクスト・ネオ)シリーズとして、ポイントも含めた周辺機器は全て専用コネクター経由の直流12V2線式になっている。これは、電源が高価で重いトランス式から安価で軽いスイッチング電源に変遷し、交流17Vを出力できなくなった事が影響している。
またNECST時代から、実車の運転台さながらの速度計やブレーキ圧力計などが付いたパワーユニットや、車両内照明の常時点灯が付いたパワーユニットを展開している。NECST-neoになって、列車走行音などを鳴らせるパワーユニットや、無線操縦のパワーユニットを発売している。[16]さらに、デュアル・キャブ・コントロールの技法を応用し、車両への加工なしで複数車輌制御を可能とする「TNOS」を開発している。
NECST時代から、センサーで連動する信号機と踏切を展開している。現在のNECST-neoでは、信号機は腕木式と色灯式があり、色灯式は2灯から5灯まであり、4灯と5灯では停止から進行まで全ての現示方式を再現(京急電鉄等の抑速現示は表示モードの切り替えで対応)した。踏切は、列車の接近を感知して遮断機が上下し(4本ある遮断機では2本ずつ下がる)、実際の踏切警報機の電子警報音を5種類再現している。
ユーザーがお座敷運転にとどまらず、本格的なシーナリー付レイアウトに取り組めるように、早くから独自ブランドによる商品展開を行っている。カラーパウダー・バラスト・レイアウトマット・樹木などの他、ベース用木製ボード、ボンド・シリコーン・プラスターなどのDIY店が存在しないと入手しにくい素材まで、きめ細かい商品展開を行い、自社の販路を用いて入手しやすくする方針を貫いている。
「トミーナインスケール」の頃はバックマンの製品を販売していた[注 26]。TOMIXブランドが創設されると一部[注 27]を除いて全廃され、日本の建物が新規作製され置き換えられた。初期から販売している木造駅舎・わらぶき農家の他、商店・ビル・住宅など、鉄道関係以外の建物も数多く発売している。基本的に、内装や屋上機器類を省略された簡素な形態である。
ガソリンスタンド(エネオス・JOMO・出光興産・コスモ石油・キグナス石油)やコンビニエンスストア(セブン-イレブン・ローソン・ファミリーマート・スリーエフ)のように、実在の企業名を許諾の上使用した製品も存在する。
線路関係では、先述の信号機と踏切のほか、線路の標識類、ミニカーブレールに対応した路面電車の併用軌道が再現できるパーツなども発売している。
2009年以降、人形や一部を除く自動車等のアクセサリー類は、ジオコレシリーズのTHEカーコレクション、情景コレクションに一本化され、トミックスブランドでの販売を中止することになった。2015年(平成27年)現在、トミックスブランドの自動車はフォークリフト、クム80000形貨車に付属する4tトラックのみとなっている。樹木についても、情景コレクションの方が取扱品目が多い。
1977年よりトミックス総合カタログを毎年発行している。当初から西暦の末尾2桁で「'89」という単年表示だったが、「1990」~「1996」「97-98」「98-99」「2000」~「2003」「2004-2005」~「2008-2009」と変遷している。「2009-2010」版から、「トミックス総合ガイド」という名称に変更した。しかし、2021-2022版はコロナウイルスの影響もあってか(TOMYTECは諸般の事情と説明)毎年12月に発売していたカタログは、2022年4月に発売延期となっている。
カタログを補完する速報版として小冊子の「キロポスト」を1983年(昭和58年)より年数回発行している。キロポスト別冊としてキロポストに掲載されたレイアウトを集めた「レイアウトルーム総集編」などを発行している。
他にレイアウトプラン集やパーツリストも、カタログと別に発行している。
1990年代後期から2000年代前半にかけて、TOMIX DIGITAL(トミックスデジタル)のブランドで鉄道運転シミュレーションゲームなどのソフトウェアを展開した。 この他に、東芝EMIから発売されたTOMIXのデジタルカタログやゲームソフト『ガタンゴトン』、アイマジックの『鉄道模型シミュレーター』(一部のバージョン)の制作にも協力している。 また、1990年代ごろには『トミックスモデルワールド』として店頭上映向けのビデオを制作し、途中のタイトルからは一般販売もされた。2001年のTOMIX25周年の際には「第17号・総集編」としてVHSとDVDの両方で発売され、これが最終作となった。その後も、初心者向けのシリーズ解説DVDなどは新作が発売されている。
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