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ラテン文字の9番目の文字 ウィキペディアから
Iは、ラテン文字(アルファベット)の9番目の文字。小文字は i であるが、トルコ語とアゼルバイジャン語では点のない ı がある。
大文字は、一本の縦棒である。しかし、それではLの小文字や数字の 1 など混同し易い(ホモグリフ)せいもあって、手書き文字(ブロック体)であってもセリフを上下に付けて区別することがある。
同様にして、数字の 1 は飾りを上だけにする、数字の 7 は鉤を付ける、小文字の L は筆記体で ℓ と書く、というように区別することがある。
また、iだけを小文字にして、他の字を大文字にするのも見受けられる。
筆記体では、本体は下部が左に流れるが、ベースラインを超えない。また、右下から左に弧を描いて文字の頂点までの飾りを付ける。フラクトゥールはで、書体によっては(J) と区別が付かない(あるいは、もともと異体字であったIとJの区別を設けていない)。このため、記号としては(J) を抜かすことがある((I) の次の記号に(K) を使う)。また、T の筆記体と紛らわしいが、フラクトゥールでTはのようであり、区別が付く。
小文字は、縦棒の上に(トルコ語とアゼルバイジャン語を除き)点を付ける。縦棒はしばしば下部が右に曲がり、折り返すこともある。筆記体で前の文字から続くときは、下部左から、右上に向かって後で書かれる本体に合流する。フラクトゥールは。文字の上部に付けるダイアクリティカルマークが付く場合、普通は点を取った上で付ける。
ギリシャ文字の Ι(イオタ)に由来し、キリル文字の І, Ј と同系の文字である。元々は同一の文字で、基本形の I と、装飾として I の下部を伸ばして曲げた J の2形があった。例えば、ローマ数字の 23 が、XXIII ではなく XXIIJ と書かれた。
発音面では、ラテン語において語頭の I は半母音 [j] を表わしていたが、後期から次第に [j] を発声する際の舌の位置が上がって [dj] に変化しはじめ、古フランス語では [dʒ]、中期フランス語では [ʒ] となった。英語では、古フランス語の発音である [dʒ] が現在まで維持されている。
文字としての両者の区別は、1524年に始まる。en:Gian Giorgio Trissinoがイタリア語正書法について、口語的には別々の発音が文字では同一になっている事態を是正するため、母音 /i/ を I 、半母音 [j] を J と書き分けるよう提案した。同時に U と V の書き分けも提案され、時間はかかりつつも多くの言語に影響を及ぼした。 英語においては、1629年出版のジェームズ王欽定訳聖書が初めて I と J を区別したが、両者の混在は長く続き、18世紀のJohnsonの辞書でも I と J が同列に並べられていた。
この文字が表す音素は、/i/ないしその類似音である。
音声記号としては、[i] は「非円唇前舌狭母音」、小型大文字 [ɪ] は「非円唇前舌広め狭母音」を表す。
商標、作品名等については、I (曖昧さ回避)参照。
大文字 | Unicode | JIS X 0213 | 文字参照 | 小文字 | Unicode | JIS X 0213 | 文字参照 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
I | U+0049 |
1-3-41 |
I I |
i | U+0069 |
1-3-73 |
i i |
半角 |
I | U+FF29 |
1-3-41 |
I I |
i | U+FF49 |
1-3-73 |
i i |
全角 |
Ⓘ | U+24BE |
‐ |
Ⓘ Ⓘ |
ⓘ | U+24D8 |
1-12-34 |
ⓘ ⓘ |
丸囲み |
🄘 | U+1F118 |
‐ |
🄘 🄘 |
⒤ | U+24A4 |
‐ |
⒤ ⒤ |
括弧付き |
𝐈 | U+1D408 |
‐ |
𝐈 𝐈 |
𝐢 | U+1D422 |
‐ |
𝐢 𝐢 |
太字 |
𝐼 | U+1D43C |
‐ |
𝐼 𝐼 |
𝑖 | U+1D456 |
‐ |
𝑖 𝑖 |
イタリック体 |
𝑰 | U+1D470 |
‐ |
𝑰 𝑰 |
𝒊 | U+1D48A |
‐ |
𝒊 𝒊 |
イタリック体太字 |
ℐ | U+2110 |
‐ |
ℐ ℐ |
𝒾 | U+1D4BE |
‐ |
𝒾 𝒾 |
筆記体 |
𝓘 | U+1D4D8 |
‐ |
𝓘 𝓘 |
𝓲 | U+1D4F2 |
‐ |
𝓲 𝓲 |
筆記体太字 |
ℑ | U+2111 |
‐ |
ℑ ℑ |
𝔦 | U+1D526 |
‐ |
𝔦 𝔦 |
フラクトゥール |
𝕀 | U+1D540 |
‐ |
𝕀 𝕀 |
𝕚 | U+1D55A |
‐ |
𝕚 𝕚 |
黒板太字 |
𝕴 | U+1D574 |
‐ |
𝕴 𝕴 |
𝖎 | U+1D58E |
‐ |
𝖎 𝖎 |
フラクトゥール太字 |
𝖨 | U+1D5A8 |
‐ |
𝖨 𝖨 |
𝗂 | U+1D5C2 |
‐ |
𝗂 𝗂 |
サンセリフ |
𝗜 | U+1D5DC |
‐ |
𝗜 𝗜 |
𝗶 | U+1D5F6 |
‐ |
𝗶 𝗶 |
サンセリフ太字 |
𝘐 | U+1D610 |
‐ |
𝘐 𝘐 |
𝘪 | U+1D62A |
‐ |
𝘪 𝘪 |
サンセリフイタリック |
𝙄 | U+1D644 |
‐ |
𝙄 𝙄 |
𝙞 | U+1D65E |
‐ |
𝙞 𝙞 |
サンセリフイタリック太字 |
𝙸 | U+1D678 |
‐ |
𝙸 𝙸 |
𝚒 | U+1D692 |
‐ |
𝚒 𝚒 |
等幅フォント |
記号 | Unicode | JIS X 0213 | 文字参照 | 名称 |
---|---|---|---|---|
ı | U+0131 | ‐ | ı ı | トルコ語で使用される小文字 |
ɪ | U+026A | ‐ | ɪ ɪ | LATIN LETTER SMALL CAPITAL I |
ᴵ | U+1D35 | ‐ | ᴵ ᴵ | MODIFIER LETTER CAPITAL I |
ⁱ | U+2071 | ‐ | ⁱ ⁱ | SUPERSCRIPT LATIN SMALL LETTER I |
ᵢ | U+1D62 | ‐ | ᵢ ᵢ | LATIN SUBSCRIPT SMALL LETTER I |
ᶦ | U+1DA6 | ‐ | ᶦ ᶦ | MODIFIER LETTER SMALL CAPITAL I |
🄸 | U+1F138 | ‐ | 🄸 🄸 | SQUARED LATIN CAPITAL LETTER I |
🅘 | U+1F158 | ‐ | 🅘 🅘 | NEGATIVE CIRCLED LATIN CAPITAL LETTER I |
🅸 | U+1F178 | ‐ | 🅸 🅸 | NEGATIVE SQUARED LATIN CAPITAL LETTER I |
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