コンテナ車
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コンテナ車(コンテナしゃ、英語 Container Car)とは、輸送コンテナを積載するための鉄道車両(貨車)である。外観は長物車に似ており、上面がフラットな台枠にコンテナを固定するための装置(緊締装置)が取り付けられており、側面の構造が長物車とやや異なっている。
世界各地で汎用貨車として使用されており、国土の広いアメリカ合衆国などでは、陸上における効率的な大量輸送手段として、コンテナ車を100両以上連ねた長大な貨物列車が運転されている。一般的には、コンテナを1段に積載するだけであるが、車両限界の大きいアメリカなどでは、2段に積載する例(ダブルスタックカー)もある。
日本国有鉄道(国鉄)および日本貨物鉄道(JR貨物)における用途記号は、コンテナの“コ”(1966年までは長物車の一種として“チ”)。
コンテナによる貨物輸送は、他の輸送機関への積み替えが容易で、車扱貨物のような駅や操車場での複雑な貨車の組み替えも不要[注釈 1]であり、効率化のため拠点間直行輸送を主体とする2007年現在の日本では、鉄道貨物輸送の主流を占めている。
そのため、日本における鉄道による広域貨物輸送をほぼ一手に担うJR貨物に在籍する貨車の大半はコンテナ車である。一時期、さいたま新都心開発にともなう残土輸送のため、私有貨車が存在したことがあるが、同輸送終了後にJR貨物に譲渡された。私鉄では、鹿島臨海鉄道がコキ2000形を2両保有しており、JR貨物以外に車籍を有する唯一のコンテナ車となっている。
日本で最初に運転されたコンテナ列車は、1959年(昭和34年)に運行開始された汐留 - 梅田間のコンテナ特急“たから号”である。コンテナ輸送が開始された当初は、その形状から長物車(形式記号“チ”)に分類されていたが、1966年(昭和41年)3月の車両形式称号規程改正により、長物車から“コンテナ車”として分離され、記号“コ”が制定された。その際、それまで記号“コ”を使用していた衡重車(こうじゅうしゃ=車両の重さを量るはかりの精度を調べる重りを積んだ事業用車)は検重車に改称され、記号も“ケ”に改められている。
コンテナ輸送黎明期には、2個または3個積みのローカル線用の二軸車も存在したが、基本的に車体中央部の高さを大きくした魚腹形台枠をもつ2軸ボギー車が現在に至るまで主力であり、初期のコキ5500形では10フィート形コンテナ5個積であったが、1971年(昭和46年)に登場したコキ50000形以降は車体を延長し、12フィート形コンテナ5個積みが標準となった。それ以前に製造された10フィート形コンテナ5個積のものは、12フィートコンテナ4個積みに改造されている。
コンテナ輸送は、拠点間の高速輸送においてメリットを発揮することから、高速化にも意が注がれており、最初のコンテナ列車“たから号”の最高速度は、当時の一般的な貨物列車の最高速度65 km/hを大きく上回る85 km/hで、1966年には、最高速度100 km/hのコキ10000形が登場した。しかし、コキ10000形はブレーキ装置などへの圧縮空気供給の関係から、牽引する機関車が限定されるなどの欠点もあり、1971年からは最高速度を95 km/hながら牽引機を選ばないコキ50000形に移行した。
1987年(昭和62年)の国鉄分割民営化後に貨物輸送を引き継いだJR貨物では、最高速度110 km/hのコキ100系を開発した。コキ100系では、海上コンテナの積載に配慮して床面を下げており、後年製造された改良型では、より多様なコンテナの積載に対応するようになっている。
2004年(平成16年)には、さらなる高速化を図るため、動力分散方式を採用した日本初の本格的貨物電車列車M250系が登場した。同車により、最高速度130 km/hによるコンテナ輸送が東京貨物ターミナル駅 - 安治川口駅間で行なわれている。
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