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デンソー

日本の自動車部品メーカー ウィキペディアから

デンソー
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株式会社デンソー: DENSO CORPORATION[6])は、愛知県刈谷市を本拠に置く、トヨタグループの自動車部品メーカーである。2009年以来、自動車部品業界では国内最大手である[7]日経平均株価およびTOPIX Large70JPX日経インデックス400の構成銘柄の一つ[8][9][10]

概要 種類, 機関設計 ...
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概要

前身はトヨタ自動車の開発部門であり、現在もトヨタグループに属している。36カ国に拠点を置き、従業員数は約17万人、売上高は2023年(令和5年)3月時点で6兆4000億円である。自動車部品業界では、独ボッシュに次いで世界第2位、日本では1位である。

1949年昭和24年)に日本電装株式会社(にっぽんでんそうかぶしきがいしゃ)として創業以来、トヨタ自動車を中心に自動車用電装部品を拡販し、現在では世界の主要なカーメーカーに幅広い製品を供給するメガサプライヤーである。主な製品は自動車の熱機器関連、エンジン関連(各種センサECU燃料噴射装置点火装置噴射ポンプコモンレールシステム)、電気機器関連、電子機器関連、ITS関連である。自動車部品を広範囲に扱っているが、センサ技術を応用した産業用無人航空機ヒロボーが機体開発に協力したドローン)分野にも参入した[11]。また近年、バイオ分野やヘルスケア分野、情報分野、製品としてはワインセーバーや基礎化粧品など、様々な取り組みもしている。1970年代には Nippon Denso から取られたNDで始まる型番のアマチュア無線機器を生産[注釈 1]、またKDDI[注釈 2]を中心に携帯電話端末も供給していた。2007年(平成19年)まで細々とではあるがNTTドコモ自動車電話「デジタル・カーホン」を生産していた。

プロ棋士とソフトウェア棋士が対戦をする将棋電王戦に使われているロボットアーム、新電王手さん電王手くんなどは、同社、およびデンソーウェーブが開発したものが使われている。

携帯電話にURIなどを転送する際に使われる、QRコードの開発を行ったのは同社である。QRコードは同社の子会社である株式会社デンソーウェーブ登録商標である。CO2冷媒ヒートポンプ給湯器「エコキュート」は同社と電力中央研究所東京電力が共同開発した技術である。CO2冷媒カーエアコンの開発技術を生かして製品試作段階から深くかかわっている。現在もコロナ向けエコキュートのOEM生産を行っている。「エジェクタサイクル」を世界で初めて実用化に成功させた。これを搭載した冷凍庫は、従来のシステムに比べて冷凍能力25%、エネルギー効率は50%向上。運転時の動力は33%低減し、年間の消費電力を60%も低減可能にする。

埼玉県に本社を持つ日本電装(にほんでんそう)とは旧社名の漢字表記が同じであるが、両者の間で資本・提携関係は一切ない。

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沿革

要約
視点
  • 1949年(昭和24年) - トヨタ自動車の赤字部門であった「電装部」が分離独立、「日本電装株式会社」として設立。独立時の累積赤字は1億4000万円、独立により極度の業績悪化、社員の30%に対し人員整理を行う。
  • 1953年(昭和28年) - ドイツのボッシュと電装品に関する技術提携を締結。
  • 1954年(昭和29年) - 技能養成所を開設。
  • 1955年(昭和30年) - 噴射ポンプ準備室を開設。
  • 1961年(昭和36年) - デミング賞を受賞。
  • 1965年(昭和40年) - 池田工場及び広島工場の操業開始。
  • 1966年(昭和41年) - 米国シカゴに営業所を、ロサンゼルスデトロイトに出張所を開設。
  • 1967年(昭和42年) - 安城製作所の操業開始。
  • 1968年(昭和43年) - IC研究室を開設。
  • 1970年(昭和45年) - 西尾製作所の操業開始。
  • 1971年(昭和46年) - ロサンゼルスに初の海外販売会社を設立。
  • 1972年(昭和47年) - タイオーストラリアに初の海外生産会社を設立。
  • 1974年(昭和49年) - 高棚製作所の操業開始。
  • 1977年(昭和52年) - 技能五輪国際大会で初の金メダルを獲得。
  • 1979年(昭和54年) - 大河内記念生産賞を初受賞。
  • 1982年(昭和57年) - 大安製作所の操業開始。
  • 1984年(昭和59年) - 額田テストコースを開設。
  • 1987年(昭和62年) - 幸田製作所、豊橋製作所の操業開始。
  • 1990年平成2年) - 阿久比製作所の操業開始。
  • 1991年(平成3年) - 基礎研究所の設立。
  • 1994年(平成6年) - デンソー基本理念を制定。
  • 1996年(平成8年) - 商号を「株式会社デンソー」に変更。
  • 1998年(平成10年) - 善明製作所の操業開始。
  • 2000年(平成12年) - 「デンソーエコビジョン 2005」を策定。
  • 2001年(平成13年) - 網走テストセンターを開設。
  • 2002年(平成14年) - 国内全事業所でゼロ・エミッション達成。
  • 2004年(平成16年) - 長期経営指針「DENSO VISION 2015」を策定。
  • 2005年(平成17年) - タイに初の海外地域研修センターを設置。
  • 2013年(平成25年) - デンソーグループ2020年長期方針を策定。
  • 2016年(平成28年) - デンソーエコビジョン2025を策定。
  • 2017年(平成29年)
    • 1月1日 - ブランドスローガン「Crafting the Core」を策定[13]
    • 6月21日 - モビリティ(移動)や製造業の将来をテーマとした企画小説集『未来製作所』(幻冬舎)を発売[14]
    • 7月23日 - 高棚製作所に工場見学コース「TAKATANAファクトリーツアー」設置[15][16]
  • 2018年(平成30年)4月1日 - アスモ(静岡県湖西市)との経営統合[17]により、自動車用小型モータの生産拠点としてデンソー湖西製作所を設置。
  • 2020年令和2年)7月6日 - 旧羽田空港ターミナル跡地に建設中の羽田イノベーションシティ自動運転車の試験走行を行える試作開発拠点「Global R&D Tokyo, Haneda」を開設[18][19]
  • 2022年(令和4年)9月1日 - 愛三工業にフューエルポンプモジュール事業を譲渡[20]
  • 2023年(令和5年)7月10日 - 日本特殊陶業との間でスパークプラグと排ガス用センサー事業の譲渡について検討開始[21][22]
  • 2024年(令和6年)
    • 1月1日 - エヌエスアイテクスを吸収合併[23]
    • 7月1日 - オーバスを吸収合併[24][25]

エピソード

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デンソー製のドラム式洗濯機の広告(1954年)

初代社長・林虎雄はデンソー独立時について下記のように述べており、そのためトヨタグループのなかでも独立色が強くなっている。

さて、引き継ぎをしてみると挙母(本社)への借金が1億4千万円ぐらいある。僕のハラではこの借金は、無期限のある時払いと軽く考えていたところ、豊田社長は『この借金は電装にやったんじゃない、貸したんだから、そのことを忘れんように』と一本クギを刺され、なおその上に『社会的信用は何もないんだから、豊田の信用でやる限りは豊田の信用を食いつぶしてもらっては困るぞ。また、社名にトヨタを使うことも遠慮してもらいたい』と厳命された。誠に厳しい言葉ではあるが、豊田社長としては当然のことであって、私たちは今もってそのことばが忘れることのできない励ましとなっている。そこで私は、これは容易ならぬ立場に立ったと思ったが、それだけにまた決心もいよいよ強固になった。分離独立までの経緯[26]
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経営者

要約
視点

歴代社長は創業以来一貫して生え抜き社員が就任しており、同族会社が多いトヨタグループの中では異例の企業である[27]

現取締役

  • 会長 - 有馬 浩二(2015年6月~)
  • 社長 - 林 新之助(2023年6月~)
  • 副社長 - 松井 靖(2021年6月~)
  • 経営役員 - 伊藤 健一郎(2021年6月~)
  • 取締役 - 豊田 章男(2019年6月~)
  • 取締役 - Joseph P. Schmelzeis, Jr. ※社外取締役
  • 取締役 - 櫛田 誠希(2019年6月~)※社外取締役
  • 取締役 - 三屋 裕子(2019年6月~)※社外取締役

歴代会長

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歴代社長

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主要製品

要約
視点

自動車分野

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かつてIDO向け端末として製造した 528G DIGITAL minimo(1998年)
  • 電気機器
  • 情報安全
    • ボデー機器 - メータ、エアコンパネル、リモートキー、ワイヤレスドアロックコントローラ、バック&コーナーソナー、セキュリティシステム、ボデーコンピュータ
    • ITS - カーナビゲーションETC車載器、車両運行管理システム、データ通信モジュール(DCM
    • 走行安全 - エアバッグ用各種センサ&コンピュータ、ABS用アクチュエーター&コンピュータ、車間制御用レーザレーダ&コンピュータ、プリクラッシュセーフティシステム用ミリ波レーダ&コンピュータ、ディスチャージヘッドランプ用バラスト、ヘッドランプコントロールシステム用コンピュータ
  • モータ - ワイパシステム、ウォッシャシステム、パワーウィンドーモータ、パワーシートモータ、パワーステアリングモータ、他各種モータ

新事業分野

  • 産業機器
    • 自動認識関連製品(QRコード(マトリックス型二次元コード))
    • FA関連製品 - ロボット
    • 冷却・空調関係製品
    • 遠赤外線ヒータ(エンセキ)
    • 農業支援(プロファーム)
    • 手術支援ロボット
  • 生活関連機器 - 自然冷媒(CO2)ヒートポンプ式給湯器(エコキュート
    • ワインセーバー
    • 化粧品開発(ハンドクリーム moina)

製品別売上高

2014年度(2014年4月1日2015年3月31日)の製品別売上高構成(連結)は以下のようになっている[28]

  • パワトレイン機器: 35.5%
  • 熱機器: 28.5%
  • 情報安全: 14.5%
  • 電子機器: 8.7%
  • モータ: 7.0%
  • 空調冷熱: 2.7%
  • その他: 1.6%
    • 自動車分野計: 98.5%
  • 産業・機器生活関連機器: 1.2%
  • その他:0.3%
    • 新事業分野計: 1.5%
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国内拠点

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スポーツ関連

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提供番組

要約
視点

現在

2011年10月から約1年間は「志村&所の戦うお正月」などのスペシャル番組のみであった。また、2020年4月から全国ネットのレギュラー提供がない。

※ジャック・オッフェンバックのオペレッタ「地獄のオルフェ(邦題「天国と地獄」)」の序曲が2019年版のCMに使われている。本CMは2020年11月頃までデンソーYouTubeチャンネルでも視聴することができた(その後は削除されている)。

過去

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縁のある人物

トラブル・不祥事など

  • デンソー製の燃料ポンプに不具合が発生し、2020年3月以降、これに起因するリコールが約268万台に達していることが、2023年11月に明らかになった。エンストの虞も指摘されており、これまでにトヨタ自動車ホンダなどが、2023年11月3日現在でリコールを計17回にわたり届け出ている。社会的影響の大きい事案であるにもかかわらず、デンソーはこの件を11月まで報道発表していなかった[30]。同年12月13日になって、同年7月に鳥取自動車道トンネルで発生した死亡事故がこの燃料パイプの不具合に起因するものと判明、デンソーは本件について謝罪のコメントを発表した[31]。12月15日には斉藤鉄夫国土交通大臣が重大な問題と指摘し、デンソーや自動車メーカーに対して「対処方法をユーザーに提供することや、速やかにリコールを行うよう指導している」と述べた[32]
    • 2024年1月26日に、燃料ポンプによる不具合が相次いでいる問題について、新たに自動車メーカー4社と二輪車メーカー2社が約48万台のリコールを届け出た[33]。一連の問題で、二輪車メーカー(ヤマハ、ホンダ)によるリコールは初という[34]。今回のリコールを含め、自動車メーカーなど10社から、合わせて約430万台のリコールとなる[35][33]
  • 2024年3月19日、合理的な根拠がないにもかかわらず、車内の空間除菌効果が3か月持続するとうたって除菌サービスを提供したとして、消費者庁は、デンソーと子会社のデンソーソリューション、トヨタ系とマツダ系のディーラー8社に景品表示法違反(優良誤認)で再発防止を求める措置命令を出したと発表した。 10社は2022年8月から2024年1月、デンソーが大幸薬品と共同開発した「車両用クレベリン」という空間除菌装置を使った車内の除菌・消臭のサービスについて、自社サイトで「除菌効果3か月間」などと表示していた。同庁は根拠となる資料を求めたが、提出された資料は施工中の15分間の二酸化塩素の濃度を示したもので、効果が3カ月続く根拠とはみなせないと同庁は判断した[36][37][38]

脚注

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関連項目

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外部リンク

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