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2012年に行われた日本の衆議院選挙 ウィキペディアから
第46回衆議院議員総選挙(だい46かいしゅうぎいんぎいんそうせんきょ)は、2012年(平成24年)12月16日に日本で行われた国会(衆議院)議員の総選挙である[1]。
第46回衆議院議員総選挙 | |||
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内閣 | 野田第3次改造内閣 | ||
解散日 | 2012年(平成24年)11月16日 | ||
解散名 | 近いうち解散 | ||
公示日 | 2012年(平成24年)12月4日 | ||
投票日 | 2012年(平成24年)12月16日 | ||
選挙制度 | 小選挙区比例代表並立制 | ||
改選数 |
480() 小選挙区 300 比例代表制 180 | ||
議席内訳 | |||
有権者 | 満20歳以上の日本国民 | ||
有権者数 | 1億395万9866人 | ||
投票率 | 59.32%(9.96%) | ||
各党別勢力 | |||
党順 | 第1党 | 第2党 | 第3党 |
画像 | |||
党色 | |||
党名 | 自由民主党 | 民主党 | 日本維新の会 |
党首 | 安倍晋三 | 野田佳彦 | 石原慎太郎 |
就任日 | 2012年10月1日 | 2011年8月29日 | 2012年11月 |
前回選挙 | 119 | 308 | 新党 |
選挙前議席 | 118 | 230 | 11 |
獲得議席 | 294 | 57 | 54 |
増減 | 176 | 173 | 43 |
得票数(小) | 2564万3309票 | 1359万8773票 | 694万2353票 |
得票率(小) | 43.02% | 22.81% | 11.64% |
増減 (小) | 4.34% | 24.62% | 新 |
得票数(比) | 1662万4457票 | 926万8653票 | 1226万2228票 |
得票率(比) | 27.79% | 15.49% | 20.38% |
増減 (比) | 1.06% | 26.92% | 新 |
党順 | 第4党 | 第5党 | 第6党 |
画像 | |||
党色 | |||
党名 | 公明党 | みんなの党 | 日本未来の党 |
党首 | 山口那津男 | 渡辺喜美 | 嘉田由紀子 |
就任日 | 2009年9月8日 | 2009年8月8日 | 2012年11月28日 |
前回選挙 | 21 | 8 | 新党 |
選挙前議席 | 21 | 8 | 61 |
獲得議席 | 31 | 18 | 9 |
増減 | 10 | 10 | 52 |
得票数(小) | 88万5881票 | 280万7244票 | 299万2365票 |
得票率(小) | 1.49% | 4.71% | 5.02% |
増減 (小) | 0.38% | 3.84% | 新 |
得票数(比) | 711万6474票 | 524万5586票 | 342万3915票 |
得票率(比) | 11.83% | 8.77% | 5.69% |
増減 (比) | 0.38% | 4.5% | 新 |
党順 | 第7党 | 第8党 | 第9党 |
画像 | |||
党色 | |||
党名 | 日本共産党 | 社会民主党 | 新党大地 |
党首 | 志位和夫 | 福島瑞穂 | 鈴木宗男 |
就任日 | 2000年11月24日 | 2003年11月15日 | 2011年12月28日 |
前回選挙 | 9 | 7 | 1 |
選挙前議席 | 9 | 5 | 3 |
獲得議席 | 8 | 2 | 1 |
増減 | 1 | 3 | 2 |
得票数(小) | 470万289票 | 45万1762票 | 31万5604票 |
得票率(小) | 7.88% | 0.76% | 0.53% |
増減 (小) | 3.66% | 1.19% | 0.53% |
得票数(比) | 368万9159票 | 142万790票 | 34万6848票 |
得票率(比) | 6.13% | 2.36% | 0.58% |
増減 (比) | 0.9% | 1.91% | 0.04% |
選挙状況 | |||
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< 2009年2014年 > | |||
2009年(平成21年)8月30日に施行された第45回総選挙では、新憲法施行以来初めて保守政党(自由党→自由民主党)直系以外の政党である民主党が単独で過半数を獲得したが、この選挙で当選した衆議院議員の任期が2013年(平成25年)8月29日で満了を迎えるため、同年10月8日までに次の総選挙を行うことが必須となっていた。
2012年(平成24年)の第180回国会において、野田佳彦内閣総理大臣・民主党代表は社会保障と税の一体改革を巡る消費税増税法案の採決に際して、近いうちに国民の信を問うことを条件に自由民主党・公明党の協力を取り付け、同法案を成立させた。しかしこの国会中に解散はされずに会期を終えた。その後、9月の民主党代表選挙・自由民主党総裁選挙を経て、10月末に第181回国会が召集されたが、それ以降も解散が行われる気配はなかった。
しかし11月14日、野田首相は国家基本政策委員会合同審査会における党首討論で「(衆議院議員定数削減法案への賛同の)御決断をいただくならば、私は今週末の(11月)16日に解散をしてもいいと思っております」と、翌々日にも解散するつもりがあることを突如として表明[2]、安倍晋三自由民主党総裁もこれに同調したため、その日の夕方に政府・民主党の首脳が総理大臣官邸で会合を開いて協議した結果、総選挙の日程を12月4日公示、12月16日投開票とする旨を決定した[3]。
こうした動きを受け、衆議院議院運営委員会が11月15日に理事会を開催し、11月16日に衆議院解散を宣するための本会議開催を決定[4]、11月16日午後3時50分、日本国憲法第7条の規定によって衆議院が解散された[5][6][7]。現憲法施行後、総選挙の投票日が12月に設定される「師走選挙」は、1983年(昭和58年)の第37回総選挙以来29年ぶり5回目となった。
衆議院議員の任期が1年9ヶ月を切った2011年12月頃から、総選挙を睨んで国会議員が既成政党を離党し、国会議員5人以上によって政党要件を満たして新党を結党する動きがおこり、新党大地・真民主、新党きづな、国民の生活が第一、みどりの風、日本維新の会、減税日本、太陽の党(旧たちあがれ日本)が政党要件を満たした政党として結党した。
また、2012年12月以前にも2005年8月から9月に第44回衆院選を睨んだ新党結党(国民新党、新党日本)、2008年8月から2009年8月に第45回衆院選を睨んだ新党結党(改革クラブ(後の新党改革)、みんなの党)、2010年参院選を睨んだ新党結党(たちあがれ日本(後の太陽の党)、新党改革(旧改革クラブ))が政党要件を満たす新党結党が起こっていた。
2004年7月には日本の国政政党は5党(自由民主党、民主党、公明党、日本共産党、社会民主党)に収斂されていたが、上述のように2005年8月から2012年11月までに政党要件を満たす新党が11も結党されており、その結果、野田首相が解散表明をした翌日の2012年11月15日時点では国政政党数が以下のように16にものぼっていた。
これについて、有権者からは政党が乱立しすぎてわかりづらいという声が上がった。また、民主党勢力と自民党・公明党勢力以外の第三極の勢力が分散しすぎているという指摘もあった。
2012年11月15日以降も、民主党から離党した上で別政党に入党して立候補しようとする国会議員が出た。
また第三極について、以下のような政党の離散集合などが行われた。
その結果、2012年12月4日までに選挙に立候補を表明している政党要件を満たす政党は以下の12となり、小選挙区比例代表並立制が導入された1996年以降の衆議院議員総選挙としては、要件を満たした政党の立候補届出が過去最多となった。
政党の乱立にあわせ、立候補者数も現憲法下で最多となった。また、新興政党では日本未来の党が公示日の比例立候補者名簿の届け出が大幅に遅れ、総務省の審査作業が深夜にもつれ込む事態となったほか、日本維新の会は事前に公表した候補者リストの名前や年齢、性別などで誤植が頻繁に見つかり、発表直後の選挙区変更や、公示日に立候補予定者が出馬を辞退するなど迷走を続けた[8]。
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小選挙区と比例代表合わせて1504名が立候補を届け出た。候補者を擁立した政党は12党で、小選挙区制が導入された1996年(平成8年)の第41回衆議院議員総選挙以後では、最多となった。また候補者数についても現行憲法下では最多となっている[17]。
党派 | 計 | 内訳 | 男性 | 女性 | 小選挙区 | 比例代表 | 公示前 | |||||||||||||||
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前 | 元 | 新 | 計 | 前 | 元 | 新 | 男性 | 女性 | 計 | 単独 | 重複 | 前 | 元 | 新 | 男性 | 女性 | ||||||
民主党 | 267 | 212 | 2 | 53 | 230 | 37 | 264 | 209 | 2 | 53 | 227 | 37 | 267 | 3 | 264 | 3 | 0 | 0 | 3 | 0 | 230 | |
自由民主党 | 337 | 106 | 73 | 158 | 310 | 27 | 288 | 105 | 70 | 113 | 264 | 24 | 326 | 49 | 277 | 1 | 3 | 45 | 46 | 3 | 118 | |
日本未来の党 | 121 | 60 | 4 | 57 | 93 | 28 | 111 | 53 | 4 | 54 | 85 | 26 | 119 | 10 | 109 | 7 | 0 | 3 | 8 | 2 | 61 | |
公明党 | 54 | 15 | 6 | 33 | 50 | 4 | 9 | 2 | 4 | 3 | 9 | 0 | 45 | 45 | 0 | 13 | 2 | 30 | 41 | 4 | 21 | |
日本維新の会 | 172 | 11 | 18 | 143 | 160 | 12 | 151 | 11 | 12 | 128 | 139 | 12 | 172 | 21 | 151 | 0 | 6 | 15 | 21 | 0 | 11 | |
日本共産党 | 322 | 8 | 2 | 312 | 242 | 80 | 299 | 2 | 2 | 295 | 228 | 71 | 35 | 23 | 12 | 6 | 0 | 17 | 14 | 9 | 9 | |
みんなの党 | 69 | 8 | 0 | 61 | 66 | 3 | 65 | 7 | 0 | 58 | 62 | 3 | 68 | 4 | 64 | 1 | 0 | 3 | 4 | 0 | 8 | |
社会民主党 | 33 | 4 | 2 | 27 | 27 | 6 | 23 | 3 | 0 | 20 | 19 | 4 | 33 | 10 | 23 | 1 | 2 | 7 | 8 | 2 | 5 | |
新党大地 | 7 | 3 | 0 | 4 | 5 | 2 | 7 | 3 | 0 | 4 | 5 | 2 | 7 | 0 | 7 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | |
国民新党 | 3 | 2 | 0 | 1 | 3 | 0 | 2 | 1 | 0 | 1 | 2 | 0 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 2 | |
新党改革 | 2 | 0 | 0 | 2 | 2 | 0 | - | - | - | - | - | - | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 0 | 0 | |
新党日本 | 1 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | - | - | - | - | - | - | - | - | 1 | |
幸福実現党 | 63 | 0 | 0 | 63 | 43 | 20 | 20 | 0 | 0 | 20 | 12 | 8 | 42 | 42 | 0 | 0 | 0 | 42 | 30 | 12 | 0 | |
二十一世紀日本維新会 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | - | - | - | - | - | - | - | - | 0 | |
当たり前党 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | - | - | - | - | - | - | - | - | 0 | |
アイヌ民族党 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | - | - | - | - | - | - | - | - | 0 | |
安楽死党 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | - | - | - | - | - | - | - | - | 0 | |
世界経済共同体党 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | - | - | - | - | - | - | - | - | 0 | |
無所属 | 49 | 6 | 8 | 35 | 45 | 4 | 49 | 6 | 8 | 35 | 45 | 4 | - | - | - | - | - | - | - | - | 10 | |
合計 | 1,504 | 436 | 115 | 953 | 1,279 | 225 | 1,294 | 403 | 102 | 789 | 1,101 | 193 | 1,117 | 210 | 907 | 33 | 13 | 164 | 178 | 32 | 479 | |
出典:総務省|平成24年12月16日執行 衆議院議員総選挙・最高裁判所裁判官国民審査結果調 | ||||||||||||||||||||||
選挙期間中、各政党はCMや新聞、インターネットの動画サイト等を使って積極的にプロモーション展開をした。
投票率が59.32%と過去最低の総選挙となった。前回総選挙と比較すると10ポイント近い下落となった[18]。
前述の通り自民党の圧勝となったが、比例代表の獲得議席や得票率では議席配分比ほどの大差とはならなかった。実際、自民党の比例代表の議席は前回総選挙と比較しても2議席しか増えておらず、比例の獲得票自体は減少している。これは、政党の乱立により民主党や第三極の各政党が、それぞれの小選挙区に候補者を擁立したことで、票を食い合った点も指摘されている[19]。
2009年の前回の総選挙から解散を経る事なく約3年3か月にわたって続いた民主党政権は、鳩山由紀夫内閣時代の政治と金を巡る疑惑、菅直人内閣下での東日本大震災、福島第一原子力発電所事故への対応や経済不況、尖閣諸島中国漁船衝突事件に対する問題、外交で中国及び米国と関係を損ねた点、野田佳彦内閣での震災復興政策や、2009年に政権交代に伴い掲げたマニフェスト(公約)の多くを実現出来ずに、経済対策でも対応が遅れた点などで国民の失望を買い、野田内閣まで続いた低支持率が選挙結果に影響し、国民の民主党政権に対する厳しい評価が浮き彫りとなった衆議院選挙となった。
選挙の結果、野党第一党の自由民主党は294議席(改選前119議席[20]/解散・公示後の増減を含む。以下同じ)を獲得し、単独で絶対安定多数(269議席)を確保する大勝で第一党に返り咲いた。また、公明党の31議席と合わせて衆議院再可決が可能となる3分の2を超える325議席を獲得し、政権を奪還した。この選挙で圧倒的な安定多数を得た自民党は、公明党と新たな連立政権樹立に合意し、野田佳彦首相の引責辞任と内閣総辞職に伴い、新たに第96代首相に就任した自由民主党総裁安倍晋三によって第2次安倍内閣が発足した。これによって安倍は2007年9月26日の辞任から5年3か月ぶりに首相に再び就任した。首相再就任は1948年(昭和23年)に成立した第2次吉田内閣の吉田茂(第45代・第48 - 第51代)以来64年ぶりである。この時点で参議院では自公両党の合計議席は過半数に達していなかったが、この衆参ねじれ国会は翌年2013年の第23回参議院議員通常選挙での自公連立政権の勝利によって解消された。
一方、与党であった民主党は改選前の230議席からほぼ4分の1、前回衆院選の308議席からは5分の1以下に留まる57議席となり、歴史的かつ壊滅的な大敗を喫した[21][22]。比例代表では日本維新の会に次ぐ第3党に転落した。
特に現職閣僚の落選者が続出し、内閣官房長官の藤村修が現憲法下では初の現職官房長官の落選となったのを始め、総務大臣の樽床伸二、財務大臣の城島光力、文部科学大臣の田中眞紀子、厚生労働大臣の三井辨雄、国家公安委員長の小平忠正、金融担当大臣の中塚一宏の7人が落選。国民新党の郵政民営化担当大臣の下地幹郎も落選したため、現憲法下では最多の8人の現職閣僚が落選した[注釈 1][23]。また、副大臣・大臣政務官も23人落選しており、合わせて31人の政務三役が議席を失う形となった[24]。党執行部も副代表の鹿野道彦、川端達夫、仙谷由人、選対委員長の鉢呂吉雄が落選。さらに鳩山内閣で内閣官房長官を務めた平野博文、不祥事で閣僚を辞任した元法務大臣の田中慶秋、元環境大臣の松本龍なども議席を失った。このほか、前首相の菅直人、前衆議院議長の横路孝弘、元農林水産大臣の赤松広隆、元経済産業大臣の海江田万里、元総務大臣の原口一博、元文部科学大臣の高木義明、元国家戦略担当大臣の荒井聰などの首相・議長・閣僚経験者も選挙区で相次いで敗れ、辛うじて比例復活で議席を確保した。内閣総理大臣経験者と直近の元衆議院議長の比例復活は現行の小選挙区比例代表並立制が導入されて以降初の例となった[注釈 2]。また政権与党の候補者でありながら、供託金没収となる選挙区も発生した[注釈 3]。議席数は1998年の結党以来最少にまで落ち込み、同党の参議院議員の数(88人)より少なくなった[25]。野田首相は「最大の責任は私にあります」と即日党代表の辞任を表明した[26]。同様に連立与党であった国民新党は小選挙区を制した野間健の1議席に留まった。
選挙での動向が注目されていたいわゆる第三極では日本維新の会が54議席(改選前11議席)、みんなの党が18議席(改選前8議席)と大幅に躍進した。選挙区では維新・みんなの候補が民主候補を上回り2位に付けるケースも相次いだ。また比例では維新が近畿ブロックで10議席を獲得するなど全ブロックで1議席以上を獲得。みんなの党も北海道・中国・四国各ブロック以外で議席を獲得している。維新では前東京都知事の石原慎太郎が国政に復帰を果たし、前宮崎県知事の東国原英夫[注釈 4]、その後の維新の執行部を担う馬場伸幸などが初当選し国政に進出している。なお、維新・みんなの両党は一部で選挙協力を行ったが、28の選挙区では競合し、東京2区・東京5区・東京6区・長野3区の4選挙区では日本維新の会公認候補とみんなの党公認候補の得票数の合計では当選した他党公認候補の得票数を上回るにもかかわらず共倒れする結果となった。民主党から維新またはみんなの党に移籍して立候補した者も数名いたが、当選できたのは維新は元環境大臣の小沢鋭仁、元内閣官房副長官の松野頼久と石関貴史、今井雅人、阪口直人(全員が比例復活)の5名、みんなの党は杉本和巳(比例復活)の1名であった。
一方、民主党離党者を糾合し結成した日本未来の党は、改選前61議席から激減し9議席と惨敗を喫した。新進党時代から非自民勢力間で権勢を誇っていた小沢一郎系の勢力は影響力が薄れたこともあり、小選挙区で議席を獲得できたのが小沢と亀井静香の2名のみで、比例区も北海道・北陸信越・中国・四国の各ブロックを除いて議席を獲得したが各1議席に留まり、比例票も伸び悩んだ。元国家公安委員長の山岡賢次や元農林水産大臣の山田正彦といった民主党政権での閣僚経験者に加え、前回選挙で民主党躍進の象徴でもあった岡本英子、三宅雪子、福田衣里子などの小沢チルドレン(小沢ガールズ)のほとんどが議席を失う結果となった。選挙直前の11月に結党した日本未来の党は大敗を契機に、代表であった滋賀県知事の嘉田由紀子系と小沢系の内紛が表面化し、早くも同年12月には小沢系は未来の党を継続する形で「生活の党」に改称、嘉田系は別の政治団体「日本未来の党」を設立し分裂したため、日本未来の党はわずか1か月ほどで消滅する結果となった。同様に未来の党と協調路線を取った新党大地は比例北海道ブロックの1議席に留まり、所属国会議員が3名となったことで政党要件を喪失した。
鳩山内閣後に政権から離脱した社会民主党は、小選挙区で照屋寛徳と比例区で九州ブロックの吉川元がそれぞれ議席を獲得しただけに留まり、改選前から3議席を失い得票数もほぼ半減させた。民主党政権と距離を置いていた日本共産党も改選前から1議席を失うなど、結果的に第三極に埋没する形で左派・中道左派政党の敗北が目立つ形となった。
この選挙の結果、12月26日の第182回国会において第2次安倍内閣(自公連立政権)が発足した。2009年9月に発足した民主党を中心とする政権は1期・3年3カ月(1,198日)で幕を閉じた[27][28]。
党派 | 獲得 議席 |
増減 | 小選挙区 | 比例代表 | 公示前 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
議席 | 得票数 | 得票率 | 議席 | 得票数 | 得票率 | ||||||
自由民主党 | 294 | 176 | 237 | 25,643,309.437 | 43.01% | 57 | 16,624,457 | 27.62% | 118 | ||
公明党 | 31 | 10 | 9 | 885,881.000 | 1.49% | 22 | 7,116,474 | 11.83% | 21 | ||
民主党 | 57 | 173 | 27 | 13,598,773.592 | 22.81% | 30 | 9,628,653 | 16.00% | 230 | ||
国民新党 | 1 | 1 | 1 | 117,185.000 | 0.20% | 0 | 70,847 | 0.12% | 2 | ||
日本維新の会 | 54 | 43 | 14 | 6,942,353.536 | 11.64% | 40 | 12,262,228 | 20.38% | 11 | ||
みんなの党 | 18 | 10 | 4 | 2,807,244.610 | 4.71% | 14 | 5,245,586 | 8.72% | 8 | ||
日本未来の党 | 9 | 52 | 2 | 2,992,365.627 | 5.02% | 7 | 3,423,915 | 5.69% | 61 | ||
日本共産党 | 8 | 1 | 0 | 4,700,289.803 | 7.88% | 8 | 3,689,159 | 6.13% | 9 | ||
社会民主党 | 2 | 3 | 1 | 451,762.273 | 0.76% | 1 | 1,420,790 | 2.36% | 5 | ||
新党大地 | 1 | 2 | 0 | 315,604.000 | 0.53% | 1 | 346,848 | 0.58% | 3 | ||
幸福実現党 | 0 | 0 | 65,983.000 | 0.11% | 0 | 216,150 | 0.36% | 0 | |||
新党改革 | 0 | - | - | - | 0 | 134,781 | 0.22% | 0 | |||
新党日本 | 0 | 1 | 0 | 62,697.000 | 0.11% | - | - | - | 1 | ||
二十一世紀日本維新会 | 0 | 0 | 17,711.000 | 0.03% | - | - | - | 0 | |||
当たり前党 | 0 | 0 | 7,831.000 | 0.01% | - | - | - | 0 | |||
アイヌ民族党 | 0 | 0 | 7,495.000 | 0.01% | - | - | - | 0 | |||
安楽死党 | 0 | 0 | 2,603.000 | 0.00% | - | - | - | 0 | |||
世界経済共同体党 | 0 | 0 | 1,011.000 | 0.00% | - | - | - | 0 | |||
無所属 | 5 | 5 | 5 | 1,006,468.027 | 1.69% | - | - | - | 10 | ||
欠員 | 0 | 1 | - | - | - | - | - | - | 1 | ||
総計 | 480 | 300 | 59,626,567.905 | 100.0% | 180 | 60,179,888 | 100.00% | 480 | |||
有効票数(有効率) | - | - | - | 59,626,568 | 96.69% | - | 60,179,888 | 97.60% | - | ||
無効票数(無効率) | - | - | - | 2,040,970 | 3.31% | - | 1,480,081 | 2.40% | - | ||
投票総数 | - | - | - | 61,667,538 | - | - | 61,659,969 | - | - | ||
不足数 | - | - | - | 1,935 | - | - | 2,978 | - | - | ||
投票者数(投票率) | - | - | - | 61,669,473 | 59.32% | - | 61,662,947 | 59.31% | - | ||
国内投票者数(投票率) | - | - | - | 61,648,335 | 59.36% | - | 61,641,381 | 59.35% | - | ||
在外投票者数(投票率) | - | - | - | 21,138 | 19.97% | - | 21,566 | 20.38% | - | ||
棄権者数(棄権率) | - | - | - | 42,290,393 | 40.68% | - | 42,296,919 | 40.69% | - | ||
国内棄権者数(棄権率) | - | - | - | 42,205,695 | 40.64% | - | 42,212,649 | 40.65% | - | ||
在外棄権者数(棄権率) | - | - | - | 84,698 | 80.03% | - | 84,270 | 79.62% | - | ||
有権者数 | - | - | - | 103,959,866 | 100.0% | - | 103,959,866 | 100.0% | - | ||
国内有権者数(国内率) | - | - | - | 103,854,030 | 99.90% | - | 103,854,030 | 99.90% | - | ||
在外有権者数(在外率) | - | - | - | 105,836 | 0.10% | - | 105,836 | 0.10% | - | ||
出典:平成24年12月16日執行 衆議院議員総選挙・最高裁判所裁判官国民審査結果調 - 総務省 |
自由民主党 民主党 日本維新の会 公明党 日本未来の党 みんなの党 社会民主党 国民新党 無所属
自民党 民主党 維新の会 公明党 みんなの党 未来の党 社民党 共産党 新党大地
落選者は前職者のみ表記。
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