Remove ads
ウィキペディアから
NHK(日本放送協会)における選挙報道(せんきょほうどう)は、国政選挙ならびに都道府県知事選挙といった、注目される選挙の開票状況を伝える報道体制を記す。
開票速報はNHKニュース速報として字幕による放送および地方選挙・国会議員補欠選挙での地方局独自編成による特設ニュースによる放送、国政選挙(衆議院総選挙、参議院通常選挙)と統一地方選挙(いわゆる「前半戦」と「後半戦」)で行われる全国向け・長時間編成の放送がある。
当選確実の判定(以下、当確判定)には開票情報のみに頼らない。情勢分析として記者による票読み取材や世論調査の動向分析により投票前の情勢分析を行い、また投票日に出口調査を行うことで、得票率予測並びに議会選挙の獲得議席予測を行う。こうした予測と開票情報を照らし合わせてNHKの当確判定は行われる。
開票速報では、NHKが独自に集計した全国各地の開票情報を反映させるために、ホストコンピューターを核にして情報共有を図る「選挙システム」というコンピュータネットワークを構築しており、選挙システムからデータを出力して原稿の作成や開票情報の画面作成を行う。また、放送だけでなくインターネットにも反映される。
放送では、開票情報や当確判定、候補者並びに政党幹部の最新動向、選挙戦総括などの解説と分析、インタビューや記者会見の模様を放送する。また放送にはローカル放送と全国放送などがある。
地方選挙や国会議員補欠選挙の場合、主にラジオ第1や総合テレビの定時ローカルニュースの中で詳しく報じられる。定時ローカルニュースで伝えきれないと判断している場合、通常編成を差し替えて放送時間の確保を行う。場合によってはニュース速報としての放送や全国向けニュースでも放送する。統一地方選挙では、全国放送を行う。総合テレビの場合、都道府県の知事選・議会議員選挙が集中する前半戦は投票締切時刻に合わせて放送。市町村の首長選挙や議会選挙が行われる後半戦は締切時刻からの放送は行わない。各放送局は独自に編成の組み替えを行う。地方選挙の開票速報はテレビのデータ放送ならびにインターネットのNHKオンラインでも閲覧出来るが、実施しない場合もある。
国政選挙では、公示から投票翌日にかけて特別編成を敷く。まず慣例的に、公示日の直前に行われる日本記者クラブ主催の党首討論会を中継。公示日の夜は7時の定時ニュース(『NHKニュース7』)を拡大して各党党首への個別インタビューを放送。投票前日の夜は総合テレビで党首の選挙戦を追ったドキュメンタリーを放送。投票日朝の『日曜討論』は休止する。開票速報の放送に関して、投票日と開票日が異なった場合は投票日の夜に選挙戦をふりかえる特集番組を、開票日に速報番組を放送。即日開票する場合は投票締切時間(1998年以降、20時)より速報番組を編成、全ての当選者が判明するまで終夜放送する。開票速報では環境が整った場合、日曜討論の要領で政党党首へのインタビューを行う。テレビ(総合テレビ・NHK BS1)では開票開始から翌日朝[注 1] にかけて、L字型画面、またはその変形となるU字型画面を使って、各党の獲得議席数、最新の当選者情報、関連ニュース(これはティッカーロール表示)を行う。
投票日翌日は『NHKニュースおはよう日本』『ラジオあさいちばん』は選挙関連の内容で構成。総合テレビでは『連続テレビ小説』のあとローカルニュースを挟んで『列島ドキュメント』を放送。夜は総合テレビとラジオ第1で選挙後の政局を問う討論会を同時放送する。尚、これらの放送は国際放送のNHKワールド・ラジオ日本とNHKワールド・プレミアムで同時放送。英語放送のNHKワールドTVと衛星放送のNHK BS1では独自の開票速報を、データ放送ならびにNHKオンラインでも開票速報を閲覧出来る。
2009年より国政選挙・統一地方選挙前半戦では投票締切5分前より放送し、締切までの5分間は議席予測や当確判定の仕組みについての説明を行う。また、NHK大河ドラマは当該日のみ総合テレビでの放送時間を繰り上げて19時10分、または19時15分より放送[注 2]。
FM放送は、1998年に24時間放送が完全実施されて、2005年以前までは「ラジオ深夜便」のラジオ第1とのサイマル放送となる選挙翌日の1:00-5:00の飛び乗りで同時ネットとしていたが、それ以後は中波の難聴取・混信対策として、原則としてラジオ第1の開票速報開始時間(19:55or20:00)に合わせて、翌日5:00まで[注 3] 同時放送するようになった。ただし、投票日にFIFAワールドカップ[注 4] や近代オリンピック[注 5] との重複が生じた場合はラジオ第1は引き続き選挙速報を行い、スポーツ中継はFM放送で行われる。
Eテレ(教育テレビ)では2020年代前半までは選挙特番を組まずに通常番組を編成していたが、2023年4月の第20回統一地方選挙では総合テレビの開票速報番組の一部を手話通訳付きで放送[1]。2024年10月実施予定の第50回衆議院議員総選挙では国政選挙としては初めて手話通訳付きで総合テレビの開票速報番組の一部を同時放送する予定[2]。
衛星放送での選挙報道は2010年参院選までは、BS1は地上波とは別に独自の長時間特番形式による選挙開票速報を展開し、地上波の難視聴対策のために行っていたBS2[注 6] の「おはよう日本」も、通常5時飛び乗りのところを、総合テレビと同じ4時半からの同時放送として、7時台前半まで選挙速報を同時放送していたが、テレビのデジタル放送完全移行による中継局整備やケーブルテレビでの配信、更には期間限定開局の衛星のセーフティーネットによる補完放送(総合テレビ=BS291 難視聴地域に該当する地区のみ)が行われるなどの難視聴対策改善が進んだことから、デジタル完全移行後最初の選挙に当たる2012年の衆院選以後、BS独自での長時間速報とはせず、22-23時台を中心に、平日の「ワールドWaveトゥナイト→国際報道2014」のフォーマットを準用[注 7] した特番のみ行っている(ただしL字型画面は通常番組中にも挿入する形で放送している)。
東京の開票速報本部はNHK放送センターニュースセンターのスタジオ内(NC-B)に設けられる。
1928年の第16回衆議院議員総選挙の際に、ラジオの臨時ニュースや特設ニュースの形式で選挙結果が報じられたという[3]。
ラジオ第1で開票速報が選挙特別番組として最初に行われたのは1946年4月の第22回衆議院議員総選挙のときである[4][5]。この選挙では投票日翌日の4月11日の午後0時15分に行われた第1回開票速報を放送したのを皮切りに、13日の午後6時30分まで計23回にわたって開票速報の時間が設けられ、候補者別の得票状況や党派別当選者数を報じた。1949年1月の第24回衆議院議員総選挙では、東京と全国7か所の中央放送局を結んだリレー方式で開票速報が行われ、北は札幌から南は熊本まで各管内の開票状況が伝えられた。このときまでは選挙管理委員会の発表に基づいて開票速報が行われていた。
1952年の第25回衆議院議員総選挙から、NHKの自主取材に基づく開票速報となった。全国の放送局に放送記者が配置され取材網が整備されたことや、民放ラジオが新聞社との提携で開票速報に力を入れ始めていたことが背景にある。この時の開票速報では、大都市全ての開票所、小都市の選挙管理委員会、郡部では地方事務所に、それぞれ取材要員を配置した。そして東京ではスタジオに開票速報本部を設置し、アルバイトを含め180名余のスタッフを動員し、開票所からの報告をそろばんで集計して当確判定が行われた[6]。
総合テレビでの開票速報が初めて行われたのは1955年2月の第27回衆議院議員総選挙[7] で、投票日当日の午後10時から12時までと、翌日の午前8時から午後7時まで、正午の定時ニュースを除いて、13時間にわたって行われた[8]。この時の開票速報はラジオでも同時に行われていた速報の音声をそのまま流す方式で実施され、ラジオで候補者と開票数のアナウンスが行われるのに併せて、表に書かれた候補者氏名を棒で示して、その経過を伝えた[9][10]。翌年の第4回参議院議員通常選挙では、あらかじめ用意した空欄のある表に、スタッフがフェルトペンで数字を逐次書き込んだものを撮影する方式がとられた[9]。
1958年の第28回衆議院議員総選挙での開票速報に際しては、証券取引所で出来値表示に使用されていた回転式数字表示器[注 8] を採用して、視覚的・効率的に開票速報を行うことが可能になった[10]。
開票速報の際にコンピューターを活用した得票数予測をするようになったのは1962年の第6回参議院議員通常選挙から[11]で、1967年の第31回衆議院議員総選挙においては、番組制作共通システム「NHK-TOPICS」と上記の回転式表示器を連動させた装置[11]を導入。これによって、懸案となっていたテレビとラジオの開票速報分離が実現した[12]。1968年の第8回参議院議員通常選挙では、回転式表示器に代わって電子式文字表示装置「JAM」を導入。画面の瞬時切り替えに加え、得票予測や議席比率などのグラフ表示が可能となった[11]。
視聴率は午後8時台で20.3%、午後9時台で18.9%とトップだった。
※放送時間は日本時間。
2009年(平成21年)7月12日に投開票が行われた東京都議会議員選挙は、地方選挙であったにもかかわらず、日程的に第45回衆議院議員総選挙前最後の大型地方選挙となったことから、本来の「首都圏ローカル」枠をはみ出し、全国に向けて放送された。
衆議院は、2009年(平成21年)7月21日に解散され、同年中に必ず行われることとなっていた第45回衆議院議員総選挙は、同日の閣議において、8月18日公示、30日投開票の日程が決まった。
当日は、総合テレビジョン、BS-1、ラジオ第1を中心にして今回は衆議院選挙への世間の関心度が高いことを考慮して、初めて投票締め切り5分前の19時55分から翌朝4時にかけて、連続して開票速報が編成されることが8月21日に発表された。これに伴い、総合テレビでは、通常20時から放送されている大河ドラマ『天地人』第35回は、19:10に開始を繰り上げて放送される。また、『サンデースポーツ』『サラリーマンNEO』など、21時以降の通常番組は休止される。
地域開票速報スタジオ進行・全国放送における比例ブロック速報等を担当するキャスターに限る。
第22回参議院議員通常選挙の執行に伴い編成。当日は深夜に2010 FIFAワールドカップ・決勝が放送される予定だったが、選挙実施に伴い総合テレビの中継は教育テレビにて、ラジオ第1の中継はFM放送にてそれぞれ振替放送された。
放送終了後NHKオンデマンドで見逃し番組サービスとして7月25日までの2週間、配信される(ただし、放送内容は関東地方のものとなる。)。
総合テレビ、NHKワールド・プレミアムでの編成は次の通り。
開始時刻 | 番組 |
---|---|
19:00 | NHKニュース7(短縮) |
19:10 | 龍馬伝(28)「武市の夢」 |
19:54.30 | 参院選2010開票速報(終夜放送) ※NHKワールド・プレミアムは7/12の2:00(JST)で途中飛び降り、4:30まで別番組差し替え(総合テレビでは列島ドキュメントを放送)。 |
7/12 04:30 |
NHKニュースおはよう日本 |
最初の5分半は、その後の開票速報をどのように進めていくかを東京のスタジオ担当者が説明する。また、テレビのデジタル化などに伴い、データ放送やインターネットサイトでの開票速報の見方なども併せて解説される。そして投票が締め切られる20時に、NHKとしての各党別獲得議席数の予想を発表する。その後の編成は各放送局ごとに任されるが、以下の各放送局については母局(右側)連動となる。ただし、水戸局・関西・東海エリアは開票状況により府県単位で放送する場合もある。
この節の加筆が望まれています。 |
「G」は総合テレビ、「B」はBS 1。総合テレビは『NHKニュース7』や18時台地域ニュースなどの担当者が進行。予告スポットには、武田と小郷が出演した。
衆議院は、2012年(平成24年)11月16日に解散され、第46回衆議院議員総選挙が12月4日公示・16日投開票の日程となった。
日本国内におけるテレビ放送の完全デジタル化およびNHKネットラジオ らじる★らじるが開始してからは初めての大型国政選挙となる。この日は東京都知事選挙も同時に実施される。BS1ではこれまで地上波とは別に独自で衆議院議員総選挙および参議院通常選挙の開票速報番組を編成していたが、今回からテレビ放送における開票速報番組は総合テレビ(サイマル放送されるNHKワールド・プレミアムを含む)の放送に一本化され、BS1の放送では関連の討論番組に重点を置くことになった。なお、BS1でも通常番組を行いつつ、L字型画面とほぼ同じ形態にした上で地上波と同じフォーマットの当選確実者及び獲得議席数の速報テロップを表示した。
NHKオンデマンドでも見逃し番組サービスとして開票速報本編(首都圏ローカルを含めて全編東京発)が12月23日まで、関連番組の列島ドキュメントは12月31日まで配信される。
※そのほか、NHKワールドTVでは実質「NHK NEWSLINE」の時間枠を拡大し、「ELECTION SPECIAL JAPAN DECIDE」のタイトルで独自の開票速報番組を放送。
2013年(平成25年)6月23日に投開票が行われた東京都議会議員選挙は、地方選挙であったにもかかわらず、日程的に第23回参議院議員通常選挙前最後の大型地方選挙となったことから、前回都議会議員選挙同様全国に向けて放送された。
(他地域はNHKスペシャル『大海原の決闘!クジラ対シャチ』アンコール)
この節の加筆が望まれています。 |
この節の加筆が望まれています。 |
この節の加筆が望まれています。 |
この節の加筆が望まれています。 |
この節の加筆が望まれています。 |
この節の加筆が望まれています。 |
この節の加筆が望まれています。 |
この節の加筆が望まれています。 |
この節の加筆が望まれています。 |
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.