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コミュニティバス(community bus,略称コミバス)とは、市・区・町・村などの自治体が住民の移動手段を確保するために運行する路線バスである。市街地などの交通空白地帯において公共交通サービスを提供するもののほか、市街地内の主要施設や観光拠点等を循環する路線などのさまざまなタイプがあり、従来の乗合バスを補う公共交通サービスとして全国的に急速に導入され、そのサービスは、その後一部のバス事業にも採用されている。
地元のバス会社に実際の運行を委託するなどし、必要に応じ自治体側が経済的な支援を行うのが一般的である。
「コミュニティバス」は法的に明確に定義されている概念ではなく、普通の路線バス(乗合バス)と同様、道路運送法などの規定にしたがって運行されているものである。
なお、実際運行されているものから考えると以下のようなものをコミュニティバスと指すことがほとんどである。
コミュニティバスは、既存のバス事業者(又はその子会社)が運行するもの、貸切バス事業者が運行するもの、地方自治体が運行するものなどがある。自治体が運行する場合にあっても、コストや運転士、車両の面などから地方自治体が国土交通省から運行許可を取得し、実際の運行は地元の貸切バス事業者に委託されている例も見られる。
また、たいていは自治体側がコースを決めている例が多く見られたが、沿線住民が路線の設定等、運行計画に当初から関与していくケースが増えている(三重県鈴鹿市のC-BUS (コミュニティバス)が挙げられる)。なお、これらの中には事例としては少ないものの、NPO法人などに事業の運営を委託するケースも見られる(四日市市の「生活バスよっかいち」、京都市醍醐地区の「醍醐コミュニティバス」などの事例がよく知られている)。
また、廃止代替バスの形態で運行されることもある。これは、需要の問題からバスではなく、乗合タクシーとして運行されることもある(宮城県石巻市稲井地区の「いない号」)。
通常の乗合バスですら高速バスを除き経常的な赤字の状況であり、ましてやコミュニティバスは乗合バス事業者が運行しない又は撤退した地域を運行し、しかも運賃は低廉であることから、収支均衡させることは極めて困難であり、純然たる営利事業として捉えることは適当でない。経常的収支で赤字計上は覚悟せざるを得ないものの、交通空白地帯の解消、公共交通の確保という公益的な観点から、市町村から運行費用の補助(赤字補填)が行われるのが一般的である。市町村自身が、路線、便数、停留所位置などコミュニティバスの基本的な要素を計画したうえ、運行の委託を地元貸切バス会社に委託することも多い。なお、通常の路線バス(4条バスと呼ばれる)においても、国土交通省や都道府県、地元市町村による赤字補填の仕組みがある(路線形態、延長、実行実績によって、役割分担が決まっている)。
公営バスは地方公営企業として公営企業会計が適用され、一般会計と分離され、独立採算による運営であるという点でコミュニティバスと大きく異なる。ただし、赤字基調であり、一般会計から繰出(運行補助)を行い、運行を支えている場合がある。
コミュニティバスのさきがけは、1980年の東京都武蔵村山市の市内循環バスであるとされる。武蔵村山市内は鉄道が走っていないため、市民の足を確保するために市が車両を購入し、立川バスに運行を委託した乗合バスであった。1986年には、東京都日野市で「ミニバス」が開設された。これは日野市が行政サービスの一環として、市内のバス路線のない地域に小型バスによる路線バスを運行するというものであった。市が直接バス路線を開設することは現実的でないため、日野市内で路線バスを運行していた京王バスが路線開設と実際の運行管理を引き受けた。
その後1990年代に入ると、運賃無料という福祉を目的としたバスの設定も行われるようになるが、ミニバスを使って自治体が交通空白地帯をなくすために乗合バスを運行することも意識されていた。このような中で、1995年の武蔵野市におけるムーバスが設定される。今までのバスのイメージを刷新するような積極的な施策がとられ、その結果成功を収めたため、日本各地においてコミュニティバスの設定が盛んに行われるようになった。
特徴については次項で記す。
概ね次の様な特徴を持つ事が多い。
コミュニティバスは、低廉な均一運賃であり、収益を上げていくのが基本的に難しい仕組みであり、交通事業としては事前に十分に検討する必要がある。陥りやすい問題としては、次の事項が挙げられる。
なお、平成の市町村合併に関連して旧市町村の庁舎や市街地を連結する交通手段確保の観点からコミュニティバスの運行が計画された地域もある。
地方別・都道府県別に50音順で並べてある。
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