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日本の東京都渋谷区にあるバス事業者 ウィキペディアから
ジェイアールバス関東株式会社(ジェイアールバスかんとう、英語: JR BUS KANTO CO.,LTD.)は、東京都江東区に本社を置くJR東日本グループのバス事業者である。JRバスグループの一つ。
2021年に移転した東京支店構内にある新本社屋 | |
種類 | 株式会社 |
---|---|
市場情報 | 非上場 |
略称 | JRバス関東 |
本社所在地 |
日本 〒135-0043 東京都江東区塩浜二丁目18番13号 |
設立 | 1988年3月3日 |
業種 | 陸運業 |
法人番号 | 1011001029621 |
事業内容 | 乗合バス事業、貸切バス事業、旅行業他 |
代表者 | 代表取締役社長 小塙 隆一 |
資本金 | 40億円 |
売上高 |
110億8,500万円 (2024年3月期)[1] |
営業利益 |
3億9,300万円 (2024年3月期)[1] |
経常利益 |
4億2,100万円 (2024年3月期)[1] |
純利益 |
5億8,800万円 (2024年3月期)[1] |
純資産 |
40億5,100万円 (2024年3月期)[1] |
総資産 |
114億1,700万円 (2024年3月期)[1] |
従業員数 | 883名(2023年03月31日現在) |
主要株主 | 東日本旅客鉄道 100% |
主要子会社 | ジェイアールバステック |
外部リンク |
www |
関東地方と福島県、長野県、愛知県にわたる広域に拠点を持ち、東京と各地を結ぶ高速バスを中心に一般路線バスや貸切バスも営業する。近年では市町村が運営するコミュニティバスの運行も数多く受託している。
東日本旅客鉄道(JR東日本)が100%出資する完全子会社である。日本国有鉄道の分割民営化に伴い1987年4月、関東・東北自動車局の全部と中部地方自動車局のうち伊那・下諏訪の両自動車営業所のバス事業がJR東日本に継承された。
その1年後の1988年にバス事業を分社化することになり、同年3月3日にジェイアールバス関東株式会社が設立された。同年4月1日、関東、信越地区の事業を引き継いで営業開始した。東北地区はジェイアールバス東北に継承された。但し、福島県内は両社が営業区域としており、おおむね磐越東線が境界のラインになっている。 福島県内は一部路線は専用道路を走行しているものもある。 このときの車両数は492両、社員数は888人、免許キロは約2,700 km、現業機関は13営業所9支所2派出所という体制であった。車両は、もともと関東管内はいすゞ(車体は帝国→日野で架装が多く、純正の川重→IK→いすゞと富士重の車体より多い)と日野が主体で高速バスは三菱ふそうが主力であったが、旧信越。中部管内に日産ディーゼルが多く、4メーカーを保有することとなった。
高速バス車両でスカニア社製の二階建てバスの導入が増えたことにより、スカニアとのパートナー関係が強化され、東京支店が同社製のバスに関する整備サービス(バスサービス、事故修理)、販売サービス(部品販売)の指定ディーラーとなった[2]。
車両の整備については、中央道支店(現:伊那支店)に大規模な整備工場を構築し、自社で車両改造・リニューアル等の作業も行う。エンジンのオーバーホールやシャーシーの修繕をはじめ、シート生地の張り替えや座席配列の変更など大掛かりな仕様変更といったことまであらゆることを内製化している。最近では、その整備・施工のノウハウを土浦支店とも共有し、同支店でも中古購入車両の自社仕様への変更なども施工できるようになっている。
主な収益は高速バス事業であり、東京を拠点に関東地方・東北地方・中部地方・近畿地方・四国地方の各方面へ近距離から長距離(夜行)まで及び長野県内と京都・大阪を結ぶ長距離(夜行)にて5,654.8 km(2023年3月31日現在)[3] の路線を持ち、車両数400両(2023年3月31日現在)[3] を保有する。バス事業者としては大手に数えられる規模である。
2013年時点では、車両数440両で、高速路線車が270台、一般路線車が122台、貸切44台、特定4台(白河の連節車)となっており、台数の過半を高速路線車が占めることでも象徴されるように、名実ともに長距離高速バスの代表事業者であり、JRバスグループの中でも路線数、車両数ともに中心的存在である[4]。
東京の主要ターミナルには東京駅とバスタ新宿がある。東京駅八重洲南口のJRハイウェイバスターミナルの管理・運営を行っており、同バスターミナルに乗り入れる他社路線の発券、案内などを代行している。バスタ新宿は日本バス協会および当社をはじめとする11社の出資による新宿高速バスターミナル株式会社によって運営されている。同社には元会長の万代典彦が初代社長に就任し[5] バスタ新宿の運営の中核を担っている。自社管理のバスターミナルの他、栃木県佐野市から管理・運営を受託している佐野新都市バスターミナルのように地元自治体が設置して、当社のバスがメインに乗り入れているバスターミナルもある。
高速バスのインターネット座席予約システムは高速バスネットを採用しており、当社がジェイアール東海バス、西日本ジェイアールバスとともに開発し、中国ジェイアールバスを加えた4社共同で運営している。
一般路線バスは、概ね旧国鉄バス路線の一部を継承し、縮小傾向にあるが、関東地方の茨城県・栃木県・群馬県・千葉県のほか、東北地方の福島県、中部地方の長野県の各一部地域にも路線を有している。福島県内については、おおむね磐越東線を境に北側がジェイアールバス東北にエリア分けされており、かつては磐越東線の南側に当社、北側にジェイアールバス東北の一般路線があった。
コミュニティバスの運行事業も展開しており、白河市、那須塩原市、佐野市、古河市、匝瑳市、香取市、草津町、小諸市、長和町、諏訪市、下諏訪町、岡谷市、伊那市、南箕輪村、箕輪町から運行を受託している。
貸切バスは、東京都(島しょ部を除く)、千葉県、茨城県、栃木県、群馬県、長野県、福島県の全域を事業区域としており、JR東日本の豪華寝台列車「TRAIN SUITE 四季島」の日光エリアでの「深遊探訪」メニューを巡るバスの運行も担当している。なお、四季島専用バスにはKEN OKUYAMA DESIGNがデザインした車両を使用されている。「ジェフユナイテッド市原・千葉」のチームバスの運行も請け負っており、選手輸送が無い日には一般貸切利用が可能である。JR東日本の新幹線・特急の駅や空港から定期観光バスを運行するなど、その先の魅力的な地域へ新たなブランドとなる商品開発にも取り組んでおり、2020年秋からは二階建オープントップバス「めいぷるスカイ」を使用した定期観光バスを季節に合わせたコースが各地で運行している。床下トランクに自転車を折りたたまずに収納できる専用ラックを装備し、自転車とともに乗れる「サイクリストの移動基地」がコンセプトのサイクリスト向けツアーバス「B.B.BASE」も運行する。また、自社の二階建てバスや引退する車両などを使用したバスファン向けの参加者募集型ツアーも多く催行されている。
この他に駐車場・駐輪場やコインランドリー、物販、飲食など各種の関連事業も行っている。
子会社のジェイアールバステックは、当社支店での車両整備や清掃業務の他、自社運行や当社からの委託による高速バスの運行も行っているが、もともとは駅での窓口業務受託、バスターミナル業務、清掃業務などの関連事業を行っていた日本交通観光社を系列化したもので、2000年に社名変更した。
2013年6月に「安全研修センター」を栃木県佐野市に設立し、高速バス対応「訓練専用車」も導入し[6] 安全教育の充実化を図っている。
2018年には長野県伊那市や福島県棚倉町で行われたバスの自動運転技術の実用化に向けた実証実験に協力している。佐野市や那須塩原市、伊那市、小諸市、新城市との間で公共交通や観光振興、定住促進などに関する包括連携協定を締結しており、コンパクトシティを志向し地域の活性化を目指す各市町村とともに、公共交通の活性化に積極的に取り組んでいる[7]。
2018年7月の豪雨災害では、被災したJR西日本の広島地区の山陽本線や呉線のバス代行輸送に車両、乗務員を派遣した(9月10日から12月下旬まで)[8]。また、中国ジェイアールバスの運行する夜行高速バス「ニューブリーズ号」(東京-広島線)を2018年8月2日から11月30日まで代替運行した[9](運行車両は同社から借用)。令和元年東日本台風(台風19号)の豪雨災害では、被災したJR東日本両毛線、八高線、吾妻線の鉄道代行バスに車両、乗務員を派遣するなどJR東日本の鉄道代行輸送に動員されることも多い。
2021年8月13日の大雨ではJR東海・飯田線の辰野~宮木間の横川橋梁が損傷したため、8月23日より岡谷~伊那新町間でバス代行輸送を実施する。8月26日からはバス代行区間が辰野~伊那新町間に短縮し、伊那バスとともに飯田線運行再開の前日の11月14日まで運行した。
JR東日本とJRバス関東では、「WATERS takeshiba」の全面開業に伴い、竹芝地区への訪問客の利便性と回遊性の向上を図る目的で環境に配慮した燃料電池バスによる東京駅丸の内南口からの無料循環バス「JR竹芝 水素シャトルバス」の運行を2020年10月24日より運行を開始した。
2020年度からは新型コロナウイルス感染拡大の影響が長期化し、バスの利用者が大幅に減少している。このため、高速バスの多くが運休や減便となり、貸切バスも受注数も大幅に減り、減収、減益を余儀なくされている。そんな中でも各支店・営業所では沿線の市町村や企業との連携をより強化し、自転車をバスの前面に積載して運ぶ自転車ラックバスやアニメとのコラボラッピングバスの運行、高速バスのトランクを利用して農産物や物品などを東京などに輸送する貨客混載サービス、コロナワクチンの接種会場への送迎バスの運行や接種後の待機場所としての車両提供、地域の要請に応じた高速バス新規路線開設、コミュニティバス新規ルートの実証試験運行など、地域とバスが密着した様々なサービスを積極的に展開している。路線バスを運行するいくつかの沿線の市町村と包括連携協定を結んでおり、地域課題解決や相互の発展を目的として共同で様々な施策に取り組んでいる。栃木県佐野市とはコミュニティーバス事業の経営を改善するため、同市に社員を20年春からの3年間で2人出向させた。愛知県新城市とは高速バスの空きスペースを利用した貨客混載事業などを行った。長野県小諸市とは協定に基づくコミュニティバスグリーン化の一環で、2023年2月に市と共同で小型EVバスを1台購入して市内巡回バスで運行するなど、各地域で様々な施策を実施している。
「TOKYO 2020 大会」(オリンピック、パラリンピック)では大会期間中に選手や関係者を空港、ホテル、選手村、関係施設などへ輸送するシャトルバスの運行を担当した。福島県内競技会場の輸送についても白河支店などで担当した。パラリンピックでは東京支店に配置されている車椅子対応車両も座席を半分以上取り外した上で輸送に投入した。また、各支店では観客輸送に向けて中古購入した路線バスタイプの車両を整備し、準備していたが、こちらは無観客になったため、この輸送では使用せずに終った。さらに西日本、中国、九州から応援に来たJRバス各社の宿泊、車両整備等のサポートも実施した。
アルテック株式会社(東京都中央区)がトルコの商用車メーカーKARSAN社が製造する小型ノンステップ電気バス・e-Jestの欧州仕様車を輸入し、日本市場へ新規参入するにあたり、アルテックとパートナーシップを組み、点検整備サービス面で協力していくことを2022年10月20日に発表した[10]。
宇都宮支店では、2023年(令和5年)8月26日に水都西線の運行エリアで宇都宮ライトレール宇都宮芳賀ライトレール線(芳賀・宇都宮LRT)が開業した。これにより、同線の宇都宮と清原、芳賀地域を結ぶという使命をLRTへ譲り、JR宇都宮駅方面へ乗り入れる系統(宇都宮~茂木)は朝夕の僅かな本数の運行となった。新たに宇都宮市、芳賀町より運行を受託する各地域の循環バス路線を含め、LRTのフィーダー路線を運行することとなり、大きな転換期を迎えた。
2021年度から国土交通省の「遠隔IT点呼の実証実験」にも参加し、点呼に必要なすべての業務、機器を統合した「IT点呼支援システム」の導入している[11]。このシステムの導入により、運転士の出勤時と到着時の飲酒検査漏れや運転免許証不携帯など起こり得るヒューマンエラーを未然に防ぎ、より厳正な点呼を行えるなど、運行管理業務の効率化も進めている。
民営化以前は国鉄バスを参照。
この節の加筆が望まれています。 |
JRバス関東では、営業エリア内に17の支店を有する。このうち、東京駅JR高速バス乗り場に併設されている東京営業支店と新城支店を除く各支店は車庫機能を有し、車両が配置されているほか、分車庫・出張所にあたる「営業所」を有する支店もある。
会社発足時に営業所ごとの自主予算制度を導入しており、支店制度を導入した後は支店ごとの独立採算性を重視し、社内では毎年の収支から支店毎にランクが付けられていた[111]。
しかし、この方法では収益性の良い高速バスを担当している支店と一般路線バスのみの支店との格差が大きくなるため、高速バスの担当も各支店に配分する事でバランスを保っている。このため、ほとんどの支店が何らかの形で高速バス運行に関わっている。また、東京発の夜行高速バスの運行を沿線以外の地区の支店の乗務員が担当するケースもある[112]。車両についても各支店に配分されているため、1998年の時点では運用上の都合から東京支店常駐となる車両も存在した[113]。 2003年頃からツアーバスの影響を大きく受けるようになり、支店ごとの独立採算制の方向性も変え、会社全体でのバランスをより重視するようになっている[114]。それまで支店単位で管理していた高速路線は方面別に統括する支店を選定、車両を集中してコントロールするように変更し、ドライバーの勤務と車両の稼働を分離し、より機動的な働きができるようにした[114]。このことを示すように便によっては車両とドライバーの所属が一致していないことがある。
また、支店、営業所が主要高速道路沿線の各地に点在することを生かし、夜行便、昼特急などを新城支店、中央道支店、小諸支店の最寄りの施設で西日本ジェイアールバスの乗務員との交代を行うことで、完全ワンマン運行による輸送の効率化、人件費低減を図っている[115]。これは国鉄バス時代より行われている運行方式である。
支店の権限は大きく、車両の節で後述するように、2007年度までの導入車両は支店ごとに仕様が異なっていた。
※=Suicaと相互利用カード(PASMO・Kitaca・TOICA・manaca・ICOCA・PiTaPa[116]・SUGOCA・nimoca・はやかけん)が使える路線がある支店
「JRバス関東の歩みは高速バスを抜きにしては語ることはできない」と言われる[117] 程、会社発足後の高速バス路線開設は多く、全国的にブームのごとく高速バス路線開設が多かった時期の1989年だけで13路線も運行開始しており、1988年の会社発足当時に1000km強だった高速バスの免許キロは、1990年には4,257kmとなっている[115]。こうして次々と路線を開設した結果、夜行高速バスとしては最大手の事業者[118] となった。高速バスの収入だけで、会社全体の収入の60%(パーセント)を占めている[119]。
その一方、半ば強引とも言える参入により、他社との軋轢を生じた例も少なくない[117]。いわゆる「中央高速バス問題」を始めとして、「ラ・フォーレ号」や「シリウス号」・「ニューブリーズ号」では4社共同運行となり、「らくちん号」では参入予定だった事業者の参入取りやめという事態にもなった[120]。しかし、日本の高速バスにおける黎明期から培った運行・営業のノウハウや、変化への対応力から信頼性は高まり、共同運行事業者も2011年時点では日本最多である[121]。
近年では、地方支店が東京発着の高速バスを担当していることから、それまで各支店から鉄道を利用して東京へ乗務員を送り込んでいたものを、効率化のため営業便による送り込みとして開設された路線も存在する[122] ほか、主要高速道路の沿線に点在する支店を活用し、運行区間のほぼ中間点で乗務員を交代する独自の運行方式でハンドル時間やワンマン運行の距離でも法令の規定範囲内で乗務員の負荷を軽減した適正運行が行なわれている。また、ドライバーの勤務と車両の稼働を分離し、より機動的な動きができるようになっている[114]。このことを示すように便によっては車両とドライバーの所属が一致していないことがある。また、需要の多い路線には複数の支店が動員されている。
低価格を売り物にする首都圏と各地の都市を結ぶツアーバスに対しては攻めの姿勢を見せており、各種割引運賃の設定などで運賃が多様化している[123]。3列シートには特注のクレイドル(ゆりかご式)シートを採用し、快適性の向上を図っている[124]。また、東京~京阪神系統の夜行便では、4列シート・トイレ付きで低価格の青春エコドリーム号から個室タイプのドリームルリエ号まで多様なニーズに合わせた多彩な車両のラインナップが用意されている。さらに、2018年7月から古参の二階建てバスを置き換える形でヨーロピアンスタイル2階建てバス(Inter City DD型)を導入開始するなど進化を続けている。
都内の乗降場所の拡大も進めており、従来からのターミナルである東京駅や新宿駅に加え、王子駅、上野駅、新木場駅、谷保駅と、降車専用で池尻大橋や都営浅草駅、中野坂上が追加されている[125]。市町村でのバスターミナルの設置も進んでおり、佐野新都市バスターミナルや多古台バスターミナルなどが設置されている。
東京発着以外の新たな路線展開として、2015年10月1日から長野県内と京都・大阪を結ぶ「青春ドリーム信州号」も開設している。
上野駅入谷口乗降場については、上野湾岸線(上野駅 - TDL)が開業時より使用していたが、同線は廃止後され、常磐道系統の上り便の降車で使用していた(現在は昭和通りの東京メトロ本社前に移動)。その後、つくばセンター~大阪駅間などのドリーム号(上野駅発着に短縮後に廃止)、東京~金沢間の夜行便が使用していたが、現在は自社の貸切ツアーの発着場所として活用されている。
大宮駅西口乗降場については、ONライナー(大宮 - 成田空港)が開業時より使用していたが、同線からJRバスが撤退し、同号の乗降場が移設、さいたま・つくば号(大宮 - つくば)でも使用されたが、同号が廃止されたことにより、バス乗降場として使用されなくなった。
都市部や観光地などの交通渋滞緩和のため、末端交通機関である自動車等を郊外のバス停に設けた駐車場に停車させ、そこから路線バスや高速バス等の公共交通機関に乗り換えて目的地へ行くパーク&ライド方式を多くの高速バス路線の停留所で導入している。
2010年3月8日より、従来車内に持ち込みできなかった折りたたみ自転車などの手回り品を有料(500円)で取り扱うサービスを一部路線[126][127][128] で開始している。
2014年12月16日より、ビィー・トランセホールディングスの銀座駅・東京駅 - 成田空港線「THE アクセス成田」に参入し、東京駅の成田空港行き乗り場を八重洲通りからJR高速バスターミナルを変更の上、共同運行するようになった[129]。こちらは好評につき、ダイヤ改正の都度、増便を繰り返した。なお後発参入のため、この路線だけ精神障碍者福祉手帳割引が適用される(逆に茨城県や福島県では、一般路線バスでは唯一対象外の事業者となっている)。さらに2020年2月1日からは京成グループの運行する東京シャトルと統合し、8社共同運行の「エアポートバス東京・成田」に生まれ変わり、1日あたり往復284便を運行する「日本最大のエアポートバス」となった。その後、コロナウイルス感染拡大の影響などで需要が減衰し、大幅に減便されていた。
バスタ新宿では、2番カウンターがJRバス関東(高速バスネット)の取り扱い窓口になっている(バスタ新宿発着路線のみ発売)[130]。
JRバス東京駅では、2017年12月10日より、きっぷうりばに英語・中国語にも対応したインフォメーションカウンターを開設する[131]。※現在、休止中
高速バスの他会社運行委託については東京、長野~京阪神系統の新城または小黒川以西と東京~金沢系統の東部湯ノ丸以北を西日本ジェイアールバスに、つくば系統と東名高速名古屋系統の一部をジェイアールバステックに、伊勢崎系統の一部を群馬中央バスに、可児系統を東濃鉄道に、徳島系統を徳島バスに委託している。西日本ジェイアールバスが実施しているような夜行続行便の観光バス会社への運行委託は当社では実施していない。
2023年4月現在、バス業界全体で乗務員不足が深刻化しており、当社と共同運行会社においても影響により、いわき号、東京駅~多古台BT線が減便運行となっている[132]。
一部路線に、女性専用席を設けている。
乗務員に対する教育・訓練では、2013年6月に「安全研修センター」(栃木県佐野市)を設置し、高速バスタイプの訓練専用車を導入し、教育、訓練のより一層の充実を図っている。安全研修センターには経験豊富な専任講師が常駐し、新任乗務員の養成をはじめ、全ての乗務員に対する定期的な訓練を統一した基準とカリキュラムに基づいて実施している。訓練専用車では、乗務員の運転操縦や注意配分など安全運転に関わるさまざまなデータの収集が可能で、科学的な視点に基づく教育・訓練と安全対策に役立てている。
車両の安全対策としては、衝突被害軽減ブレーキシステムなど最新の安全装置を搭載した新型車両の導入を積極的に進めており、2022年3月現在、高速線車両の平均車齢は6.9年となっている。また、従来型車両にも安全装置を新たに備え、高速線車両の全車に安全装置を装備している。
長距離高速バスの乗務形態では、関西方面は道の駅もっくる新城または小黒川PA、金沢方面は東部湯の丸SAにおいて共同運行の西日本ジェイアールバスの乗務員と交代する国鉄バス時代から継承される独自のワンマン乗継運行を採用することでハンドル時間やワンマン運行の距離でも法令の規定範囲内で乗務員の負荷が軽減される適正運行が行なわれている。また東京支店内に「高速バス運行本部」を設置し、高速バス全体の運行統制を行っている[133]。高速バス全車両ではGPS内蔵通話装置により、運行管理者がバス走行位置把握システムによりリアルタイムでバスの走行箇所を把握するとともに、必要な連絡、指示が出来る体制としている。
社内で運転コンクールを毎年開催しているほか、2017年からはJRバスグループ8社で「全国JRバスグループ運転競技会」を毎年開催している[134]。
2015年4月に高速バス乗務員用タブレット端末を導入した[135]。乗務員が座席管理や運行表(スタフ)の閲覧などに使用しており、ジェイアールバス関東では、最新道路交通情報のインターネット閲覧、緊急時の対処方法や車両点検方法等の各種マニュアルの電子化も進めており、今後もタブレットを活用し、さらなる業務効率化、安全運転の遂行、サービス向上につなげていきたいと考えている。
携帯電話・スマートフォン充電用の座席コンセントを2013年度導入の新車から導入し、2014年度車からはコンセントをUSBタイプに変更。それ以前の導入車両も一部にコンセントまたはUSBタイプが後付けされている。
2018年1月の諏訪営業所の5台を皮切りにフリーWi-Fiが取り付けられている[136]。東京駅~東京港フェリーターミナル線では、全車両Free Wi-Fi、電源、トイレ付きを売りにしている。
ラッピングバスや車体の側面やリアガラスなどへの広告の掲示を行なっている。ラッピングバスは沿線の市町村や観光施設を中心に様々な業種から受注している。キャラクターを用いたものが多く、広い層からの注目を浴びている。
< >内は共同運行会社
夜行便のバスタ新宿及び東京ディズニーランド発着については発着枠の関係により2号車以降は乗り入れできず通過または非経由となる。このことから東京駅発着・バスタ新宿非経由の2号車や臨時便を別途運行することが多い。
下記の路線で他社に運行を委託している。
他社への委託ではなく、提携の形にて、提携相手がJRバス関東に準じたデザイン(車両に描かれたJRバス関東ロゴの「JR」部分が親会社であるJR東日本正規ロゴとは異なっているのが特徴的)の車両で運行しており、JRバス関東は直接運行には関わらず、運行ノウハウや乗車券販売などで間接的にサポートする形の路線[147](ただし、共通の停留所等ではJRバス関東の路線のひとつとして集約して案内されている)。運行事業者の路線案内には「JR BUS KANTO ALLIANCE」と記載されている[148]。
廃止路線を除き、運行支援業務は継続。ニューブリーズ号については、後述の理由により代替運行の形で一時的に復帰した。
運行支援業務を行う路線(上記撤退路線を除く)。
一般路線については、一部の枝線の廃止はあったものの発足後しばらくは国鉄バスから引き継いだ路線をそのまま運行していた。1993年11月に一般路線の総距離の40%に相当する35路線87区間・総延長591.6kmの路線を、1998年までに廃止することを表明し[166]、地元との協議により同意が得られた路線は廃止が進められ、1988年の会社発足当時に約1,700km強だった路線バスの免許キロは、1997年には1,214kmに減少している[115]。廃止の理由としては、以下のような理由が挙げられていた[167]。
廃止対象となった路線の一部は、自治体からの補助金により運行が継続されたり、一部路線では運行主体を自治体とし、運行受託として路線自体は存続されているケースもみられる[注釈 4][リンク切れ]。また、観光路線などでは季節運行により存続しているケースもある。
国鉄時代から運行される路線では、昔ながらの旧道を運行する区間が多く存在するのが特徴である。
旧国鉄一般路線縮小の一方、規制緩和以降は大型ショッピングセンターアクセス路線や深夜バスなど収益性の高い新規路線の開拓も限定的ながら行われた。
館山や小諸では高速バスとの直通運行が行なわれており、収支が厳しい中、限られた車両数で効率良く地域の輸送を維持している[168]。宇都宮支店では沿線イベントや真岡鉄道のSL運行に合わせた臨時バスの運行など特需対応を積極的に行なっている。館山支店では沿線住民から意見を募るなどして、花火大会に合わせた臨時便の運行や金曜日のナイトバスの運行、大型スーパーへの買い物バスの運行、乗り継ぎに配慮した路線の延伸などで地域に寄り添ったきめ細かな対応で積極的に利便性向上を図っている。成田空港支店(旧東関東支店)では成田空港や空港関連施設へのアクセス改善や新規開業病院への路線開設など新たな需要創出に積極的である。東京支店では他支店の高速バスの東京折り返し待機の間合い活用等による東京駅 - 国際展示場駅・東京ビッグサイト・東京港フェリーターミナル線を他支店とともに運行している。
2018年6月1日よりJR東日本が発売している訪日外国人旅行者向けフリーきっぷ「JR EAST PASS」でフリーエリア内のJRバス(関東・東北)が運行する路線バスの利用可能になった。
水戸支店では収益の改善が見込まれないことから、2020年3月31日をもって一般路線から完全撤退した。
館山支店では2020年10月28日からオリジナルアニメーション「戦翼のシグルドリーヴァ」とのコラボを実施していた[169]。館山駅のJRバス待合所にポスターを掲示したり、洲の崎線・南房州本線では各キャラクターの場面写のラッピングバスを運行した(運行車両の廃車により2021年10月中に終了)。これに合わせ日東交通とアニメコラボの共通1日乗車券も限定発売している。2021年3月20日からは洲の崎線で自転車をバス前面に2台積載可能な自転車ラックバスの運行を開始した。一般路線を対象とした様々な営業施策を実施している。
2021年12月20日より、東京都内完結の一般路線バス「東京駅 - 国際展示場駅・東京ビッグサイト・東京港フェリーターミナル線」の運行を開始した。
土浦・成田空港・長野原・佐野・宇都宮・西那須野の各支店、古河営業所の各一般路線ではSuica並びに相互利用カードで乗車できる。
千葉県館山地区、長野県長久保地区以外の一般路線では、定期券がスマートフォンで購入できる「スマホ定期」も発売している。
一般路線定期券のインターネットからの事前予約が可能となった(定期券の購入及び受け取りは、各支店窓口での取り扱いとなる)。
宇都宮支店の水都西線では、2023年(令和5年)8月26日に宇都宮ライトレール宇都宮芳賀ライトレール線(ライトライン)が開業したことで、宇都宮と清原、芳賀地域を結ぶという使命を同路線へと譲るため、JR宇都宮駅方面へ乗り入れる茂木系統は朝夕の僅かな本数の運行となり、新たに宇都宮市、芳賀町より運行を受託する各地域の循環バス路線を含め、LRTのフィーダー路線に転換し、大きな転機を迎えた。
コミュニティバス、無料循環バスなどの受託運行。
貸切バスは福島県・栃木県・茨城県・千葉県・東京都・群馬県・長野県の各地を出発、又は到着する行程であれば利用が可能である。本社の運輸営業部と新城以外の各支店で受け付けている。
現在は運行されていない。
以前は関東や信州エリアで観光地を巡る定期観光バスを運行していた。2020年秋からは二階建オープントップバスを使用したコースも運行されていた。
近距離高速路線及び一般路線の一部でSuicaを導入している。宇都宮支店管内一般路線では古くから3社共通バスカードを導入していたが、2021年春に交通系ICカード「totra(トトラ)」へ移行した。
それらとは別にスマートフォンアプリを使用した定期券や回数券も導入しており、路線や地域実情に合わせながら必ずしもSuicaに拘らない乗車券の電子化に積極的である。
一方、紙製の企画乗車券も多数設定している。
近距離高速バス及び土浦・成田空港・長野原・佐野・宇都宮・西那須野の各支店、古河営業所の各一般路線ではSuica並びに相互利用カードで乗車できる。
当初は利用できるカードはSuica・PASMOに限定されていたが、2013年3月23日の交通系ICカード全国相互利用開始と同時に10種類の相互利用に拡大した。
土浦支店の一部路線で交通系ICカード割引運賃も設定されている。IC定期券は未導入。
高速バス路線では、つくば号、みと号(茨城交通運行便以外)、かしま号、はさき号、東京駅 - 匝瑳市役所線、マイタウン・ダイレクトバスTDR・新浦安ルート、新宿 - TDR(TDR発のみ)、エアポートバス東京・成田(空港行きのみ)、マロニエ東京号、マロニエ新宿号、境町 - 東京線の車内で交通系ICカードを使用して運賃支払いが可能。一部の路線ではICカード割引運賃も設定されている。
宇都宮市内の一般路線ではICカードを使用した日中帯の運賃上限制度がある。
栃木県内(宇都宮支店・西那須野支店)の一般路線(那須塩原市ゆ~バス除く)は2021年3月21日にSuicaの機能を備えた地域連携ICカード「totra」を導入[77][79][80]。当社では宇都宮支店、西那須野支店で発売する。
「totra」の宇都宮ライトレールとバスとの連絡定期券は、宇都宮支店・西那須野支店でそれぞれ発売する(宇都宮ライトレール区間のみの定期券は発売不可)。 通常の区間指定の定期券の他、以下の種類が存在する。
宇都宮市内では「totra(トトラ)」などの交通系ICカードを使って日中(午前9時~午後4時)に路線バスを利用すると、1乗車の運賃の上限が400円になるバスの上限運賃制度がある[175]。
福島県浜通り・県南地域において、地域連携ICカード「LOCOCA」が導入され、それに伴い、白河支店の一般路線において、交通系ICカードの利用が可能となった[176]。
2017年3月末限りでJR東日本の駅窓口(白河・新白河・磐城棚倉・成田・佐原・土浦・軽井沢)での定期券委託発売を終了。
それと前後してスマートフォンアプリ「バスもり!コンシェルジュ」(現バスもり!)による「スマホ定期券」を日本で初めて導入した。スマホ定期券は千葉県館山地区、長野県長久保地区では未導入。Suicaなどの交通系ICカードの仕組みを使わず、従来の紙製定期券と同様の乗車方法をとる。
通勤・通学定期券を発売している。定期券での深夜便利用については差額の支払いが必要になる。座席指定予約制のかしまサッカー号では定期券が利用できない。
2019年4月1日よりつくば号、かしま号、境町~東京線の定期券はスマホアプリ「バスもり!」で購入できるようになった。
同社の高速バスが利用できる企画乗車券には次のようなものがある。
支店ごとに発売している回数券が異なる。
運行会社の窓口での発売に加え、コンビニ端末やインターネットなどを活用する「発車オ〜ライネット」に参加しているが、2006年には同社が中心になってシステム開発した「高速バスネット」の運用を開始した。このシステムでは、ITを活用したリアルタイムで予約・販売できるほか、同システムで完売した便についても「マルス」や「発車オ〜ライネット」の管理している空席を販売できる仕組みにより販売(売れ残り)リスクの軽減を図っている[181]。さらに、路線によっては「高速バスネット」で事前に予約・購入やクレジットカード決済をすると、運賃を割り引くなどの特典を実施している。特に同社とJRバス他社との共同路線については、「高速バスネット」への移管が進められている。ただし、つくば号、みと号、かしま号、東京~富里・多古線、みと号、新宿~TDR線(TDR発のみ)、マイタウンダイレクトバスTDR・新浦安ルート、エアポートバス東京・成田(成田空港行きのみ)などの一部の近距離路線については先着制・予約不可となっている。
中央高速バス諏訪・岡谷線については、運行の主体がアルピコ交通および京王バスであるため、京王電鉄バスが運営するハイウェイバスドットコムでの予約・販売となっている。
一部の路線では、往復割引、学生割引、団体割引、大人の休日会員割引なども設定されている。東名ハイウェイバスの東京駅~東名富士間、静岡駅間、浜松駅間、名古屋駅間と静岡駅~名古屋駅間では都市間往復割引きっぷを発売している。JRの周遊券での高速バス利用については、周遊券の廃止に伴い、この制度自体がなくなった。
早期購入割引、得割、トク特割、往復割引、大人の休日会員割引については「お得なきっぷを取り揃えています」に詳細が記載されている。
2016年6月1日より、京阪神線、草津温泉線、佐久・小諸線、佐野線、伊勢崎線、長野~関西線、箱根線、館山線、御殿場アウトレット線、金沢線、知多半田線、吉川・松伏線において、高速バスの乗車券(指定席)にQRコードを添付することにより、乗車時の乗務員による乗車券チェックを簡素化、よりスムーズに乗車できるようにするとともに、高速バスネットWEBサイトでの乗車変更や払戻しの出来る時期を拡大している。
2021年4月より、バスと旅先のアクティビティのチケットのセットなどをWEBアプリで購入することが可能となる新たなシステム「高速バスネットプラス」を運用開始した。高速バス往復チケットと周遊券や施設利用券などのセットを格安で販売している。
2023年7月5日より、高速バスネットにおいて、モバイル決済導入した。対応ブランドはau PAY、d払い、楽天ペイ、PayPay。乗車券購入時のWEB決済におけるQRコードによるモバイル決済方式となっている[182]。
東京駅八重洲南口のJRバス窓口では、昼行便の座席指定制及び予約定員制の便の乗車日当日のキャンセル待ちの受付も行なっている[183]。但し、東京駅発車後にも乗車停留所がある便や一部の路線は除く。
その他、高速バスを利用すると、乗り場周辺の飲食店やマッサージ、サウナ等が割引となるサービス利用券の配布などの各種サービスも実施されている。
三菱・UDトラックス(旧:日産ディーゼル)・日野・いすゞ・ボルボ・スカニアの6メーカーを保有している[注釈 5] ほか、ネオプラン製等の輸入車の導入実績がある。
支店ごとに実情に合わせて車両仕様が決定されており[184]、1992年度までは支店の判断により、同時期導入の車両でも国鉄バス色と高速バス色のどちらで導入するかが異なっていた[185]。
地域により乗降方式やICカード対応有無などの違いがあるため、各ドア脇の表記が入口・出口・出入口・締切と異なり、「IC」ステッカーも有り・無しなど、所属支店・営業所によって違いがある。また、座席配置も観光地では2人がけ座席が多いタイプ、都市部では座席数が1人がけ座席が多いタイプなどの違いがある。さらに白河支店では車体が若干長い長尺車を好んで導入している。
長野原支店や小諸支店のように観光輸送の比率が高い支店では、高速車や貸切車から転用したハイデッカー車を導入することがある[186]。また、館山支店や小諸支店では高速バスとの直通便があり、同便の一般路線区間や高速バスの間合い運用主体の東京駅~東京港フェリーターミナル線もハイデッカー車で運行する。宇都宮支店では、以前は栃木県バス協会との申し合わせによりエリア内の他社に合わせて方向幕の位置も他の地区と異なる仕様で、部内やバスファンからは「宇都宮仕様」と呼ばれることがあった[187]。
近年では中古購入(過去には都営バス・川崎市営バス・横浜市営バス・西武バス・京浜急行バス・東急バス・立川バス・国際興業バス・しずてつジャストライン・東濃鉄道などの中古購入実績あり)が多く、最近では、2009年に東急バスから三菱ふそう・ニューエアロスターノーステップバスを購入したのを皮切りに、2020年現時点では国産4メーカーとも購入実績がある。また、2010年にはJR東海バスから日野・ブルーリボンシティハイブリッドノンステップバスを購入している。
2016年度より再び一般路線車の新車購入が再開され、2016年度はいすゞ・エルガノンステップバスが6台(宇都宮支店に3台、土浦支店に1台、東関東支店に2台)投入されている。2017年度以降は日野・ブルーリボンと日野・レインボーが購入されている。
また、長野原支店では1994年以降に高速バスの車両を大改装した上で水戸岡鋭治がデザインを担当した「イエローバス」を運行したことがあった[188](詳細は志賀草津高原線#イエローバスを参照)。西那須野支店では「もみじバス」を既存車両の塗装変更[189] 及び新車[190] で導入した。また、棚倉支店では、車体に白河市・表郷村(現在は白河市に合併)・棚倉町の名物を描いた通称「だるまバス」を運行したことがあった[191]。
2014年には、国鉄バス時代(1960年 - 1971年)の塗装を復刻した「復刻デザイン路線バス」(L538-02503)を登場させた[192]。2017年4月より白棚線にて開業60周年を記念して、鉄道時代に運行していた国鉄C1225型の蒸気機関車をイメージした「SLラッピングバス」(L527-03502)を運行している(白河支店の1輌)[193]。また、2018年1月に高遠線が開業70周年を迎えるのを機に、国鉄時代の塗色を復活させた復刻塗装バス(L538-99206)を中央道支店で運行している[194]。
長野原支店では2018年冬期から毎年冬期の繁忙期輸送にジェイアールバス東北青森支店より新幹線E5系はやぶさカラーのハイデッカー車2台を借用して志賀草津高原線の臨時急行便で運行している[195]。2020年度冬季輸送は同社からの車両の借り入れ無し。
2019年度末時点のノンステップバス導入率は約61%(適用除外車両を除く)である。車両更新にあたっては地域の事情にあわせてノンステップバスへの置き換えを進めていくとしている[196]。
行先表示機は方向幕タイプからLEDタイプに置き換わったが、2019年から中古購入車も含め、黒地に白文字表示の液晶タイプが採用されるようになった。LEDタイプでも駅や空港などの行き先にピクトグラムを付けて表示することが多くなった。
2023年現在、新たに投入される一般路線車は中古購入車がメインとなっているが、伊那支店には登山輸送などでの使用を見越した着席重視型で2人掛けシートの多い所謂”ワンロマ”タイプ[197]、長野原支店には鉄道線との連絡輸送のための一度に65人を輸送可能なハイデッカー車、など各支店の路線の特性に合わせた車両が選択されている。
成田空港支店の新型エルガの1台がユーグレナ社のバイオディーゼル燃料「サステオ」を使用して運行されている。
最新の安全装置を搭載した新型車両の導入を積極的に進めており、2022年3月現在、高速線車両の平均車齢は6.9年となっている。また、従来型車両にも安全装置を新たに備え、高速線車両の全車に安全装置を装備している[198]。
会社発足直後に高速バス路線の増強が行われたため、続々と新車が投入され、その中でも三菱ふそう製はまとまった台数で購入され、同社製の比率が高くなった[117]。特に夜行高速バスへの参入が多かった1988年(昭和63年)から1990年(平成2年)までの期間には、三菱ふそう・エアロクィーンMだけで41台が導入されている[199]。1999年には西日本車体工業製車体を架装した日産ディーゼル(現・UDトラックス)製の夜行高速バス車両を導入し[200]、2000年から2005年まで昼行高速バス車両でも同社製が導入された(夜行高速バス車両は2006年まで導入)。開設当初のスーパーニュードリーム号や青春ドリーム号、初期の楽座シート搭載車でも同メーカー製が選択された。S型ボディやC型ボディの車両を購入した支店もありバリエーションが豊富であった。
1997年から2004年までは車両調達価格の低廉化にも力を入れ、車内設備も簡略化されていた[201]。常磐道や東関東道の近距離路線を中心に低馬力仕様のハイデッカー、ミドルデッカーも多く導入された。他のJRバスとの同一仕様車両による共同発注も実施している[202]。また、貸切車に便所を追設の上、昼行高速車に転用した車両も存在した[203]。
その一方で、定員が多く、乗客1人あたりのコスト低減を図ることができる[注釈 6]ダブルデッカーを導入している。1991年開業の「ドリームふくふく号」では初めて夜行高速バスにダブルデッカーを導入、その後需要の多い「ドリーム神戸号」にも同車種を導入し、ダブルデッカーによるワンマン運行を実現した。その後、東北・東海・近畿・中国・四国方面にも投入され、夜行便の主力車種となっている。1993年にはヨンケーレ(ベルギー)製も2台導入した。三菱ふそうでのエアロキングの生産中止に伴い、ダブルデッカー車は2010年度を最後に同車種の新車導入が止まり、老朽化による廃車も進み保有台数が徐々に減少し、使用路線も減少していた。2018年7月14日より、スカニア/J-InterCityDD[注釈 7] が新たに登場したこともあり、ダブルデッカー車の導入が再開された[204]。
また、JRバスの中では輸入車両の導入台数が最も多く、1990年に東京駅 - 東京ディズニーランド間の「ファンタジア号」に、ネオプラン・スカイライナーを中古で導入したのを皮切りに続々と新たなメーカーの新たな車種を導入していった。
1996年からは、ダブルデッカーほど車両価格は高くないが座席数が通常のスーパーハイデッカーよりも多く確保できるという理由[205] で「ドリームふくふく号」へボルボ・アステローペを就役させ、徐々に増車し、同車の導入台数は25台に達した。さらに1997年からは夜行高速バス車両としても座席数の多くとれる[206] ネオプラン・スカイライナーを導入、さらに2000年には全長15 mの長大バスである、ネオプラン・メガライナーもお目見えした。なお、ネオプラン社製の車両は、現在は全て引退している。日本に輸入された4台のメガライナーのうち、2台が火災事故を起こしたことから国土交通省の指示で運行を終了、残りの車両もドイツに返却された。先述の通り、2018年7月14日より、スカニア・InterCityDDが新たにラインナップに加わった[204][注釈 8]。
2004年度後期以降、快適性と安全性をさらに追求し、従来型に比べて格段に広い「楽座シート」やマイナスイオン発生装置付空気清浄機を装備、安全性を配慮した各種最新安全装置を搭載した車両の導入が進んでいる[207]。
かつて「上州ゆめぐり号」(一部の便は除く)および「知多シーガル号」には、前部2列目までがGシート(3列)のプレミアムコーチを投入していた(現在は一般車両に改造)。「超得割青春号」には、貸切車を改造したトイレ無し車両を使用していた(運行終了)。
三菱ふそう製は2013年度に館山支店に3台配置された三菱ふそう・エアロエース以降に新車導入がなく、新車導入は日野・セレガに統一されている。2014年度車にいすゞ・ガーラが2台存在するのはドリームルリエ導入時に種車として捻出したセレガと西日本ジェイアールバスのガーラをトレードしたものである。
2011年度からは、東京支店、鹿嶋支店、東関東支店、館山支店、土浦支店、水戸支店、佐野支店にメーカー標準品のハイエンドシート・補助席無しの44座席仕様の日野・セレガを多数導入している。2012年度には、東京支店にトイレ無しの49座席+補助席11席仕様車両を3両導入し、スカイツリーシャトルや新宿湾岸線などに投入していたが、現在は3台とも貸切車や一般路線車に転用されている。2013年度には、旧国鉄バスの塗装を施した、復刻デザインバス「青いつばめ」と「赤いつばめ」の運行を開始。前者は「東名ハイウェイバス」ほか、後者は「いわき号」ほかに投入された[37](2015年7月12日をもって運行終了[208])。 2014年度には、東京・新宿 - 京阪神間に3列完全独立型シート28席仕様の「グランドリーム号」、「グラン昼特急号」用新型車両を4両を導入した。
ダブルデッカー車両は、1階席のプレミアムシートに仕切りカーテンを装備した豪華仕様のプレミアム車両、3列シート車両、4列シート車両(青春タイプ)、4列シート車両(エコドリームタイプ)が存在する。導入車種は、三菱ふそう・エアロキングに統一し、2008年度に青春ドリーム・昼特急用で4両[209]、2009年度に青春エコドリーム号用で4両[209]、2010年度にプレミアムドリーム・昼特急用で2両を導入した[209]。2023年夏より4列シート車両(青春タイプ)の新車導入が再開された。
2016年度には、中距離高速路線用として、後部一面に広いパウダールームを設置し、シートもシートメーカー(天龍工業)と共同でリクライニングポイントを少し上げ、シートピッチの数値以上の居住性を確保した新車(日野セレガ・ハイデッカー)を25台購入した。これらを小諸、草津、会津若松の各線に投入して評価を行った上で2017年度以降も導入、いわき、日立、東名高速線などにも投入。また、JRバスの都市間高速バスでは初となる車両左側中央部に車椅子乗降用のリフトを装備する車両(日野セレガ・ハイデッカー)も1台購入した。 2017年度導入車からは、座席の枕カバーの材質をレザー製に変更した。
2017年3月31日から、東京と大阪を結ぶ夜行高速バス「ドリーム号」に最上級のプレシャスクラス(2列シートエリア4席)とアドバンスクラス(3列シートエリア14席)を併せ持つ「ドリーム ルリエ (Relier) 」を新規投入した。この専用車両には、2011年度導入の日野セレガ・ハイデッカーが2台改造された(うち1台は西日本JRバスに移籍)。さらに2018年4月27日から、ルリエ号が増強され、新たにプレシャスクラス6席、アドバンスクラス10席の仕様の新車両を追加投入した。この追加車両にも、2011年度導入の日野セレガ・ハイデッカーが2台改造された(うち1台は西日本JRバスに移籍)。
2018年度には、はとバスの全面的な協力のもと[210]、スカニア社・バンホール社が共同開発したアストロメガ(InterCityDD)の導入を開始した。車内は4列シートで座席数は58席と車椅子1台である。導入後、バスタ新宿~東京ディズニーリゾート間、東京駅~名古屋駅間で運行し、2019年5月17日からは東京・新宿~京阪神線(青春昼特急号、青春エコドリーム号)にも投入する[57](2019年4月26日から青春エコドリーム号2号車にてプレ運行を開始し、4月30日には平成ドリーム令和号で運行)。2019年4月13日、14日には春の白棚線沿線ツアーにもインターシティDDを使用した。InterCityDDは2018年度に5台、2019年度頭に1台を青春エコドリーム仕様で導入。新タイプのグランエコ仕様を2019年度に3台、2021年度に2台を導入した。2023年度は青春エコドリーム仕様を追加している。老朽化したエアロキングを置き換えている。
四季島バスやスカニアInterCityDDに採用していたフルカラーデジタル行先表示器が2019年度のハイデッカー新車でも採用された。
貸切バス部門は、国鉄バス時代は民間バス事業者の貸切バスが供給不足になる場合に限定的に認められただけに過ぎなかったが、民営化後には他のJRバス同様に拡大が行われた。民営化当初の認可台数は30台で、一般路線の沿線での営業しか認められていなかったものが、認可が都道府県単位になった上に増車が認められた結果、1998年には100台の認可を得ている[115][注釈 9]。会社発足時は各営業所に富士重工R3ボディの日産ディーゼル車、同いすゞ車が1~3台ずつ配置された。
1989年度から2008年度までは貸切専用のスーパーハイデッカー車を購入し、貸切バスのラインナップ強化を図っていた。
近年、観光バスの参入自由化により事業者が増加し、競争が激化したことから、当社では貸切車を減車している。そのため、専用の貸切車両は僅かとなり、高速バスとの兼用を考慮した高速バスから転用したトイレ付きのハイデッカーが大半を占めるようになった[211][212]。公益社団法人日本バス協会による貸切バス安全性評価認定の資料(2023年6月30日現在)での貸切バス車両数は50両と記載されている。
また、信越本線の廃止区間である横川 - 軽井沢間(碓氷峠)を代替運行する碓氷線は貸切事業許可での運行のため、小諸支店の貸切車で運行されている。
当社の特徴的な貸切車両としては、ジェフユナイテッド市原(当時)のチームバス専用車として1992年に導入されたボルボ・アステローペが挙げられる。チーム遠征先の移動にも使用されたため、日本全国の試合会場でその姿を見る事ができた[213]。その後一般貸切車として使用されたが、廃車までカラーリングはそのままであった。この車両の評価が、高速車でアステローペの導入を検討する際に役立ったという[205]。 現在、ジェフユナイテッド市原・千葉のチームバスは、成田空港支店に所属する2018年式の日野セレガのハイデッカー車両となっている[214]。 この車両は今回で3代目となるチームバスとなり、2018年11月17日にホームスタジアムのフクダ電子アリーナ(千葉市)前の広場でデビュー公開された[215]。 車体デザインは力強さを表すために黒色の車体を採用した。さらに天井面には、勝利にこだわって全員の力で勝つことを表した「WIN BY ALL!」マークを、ジェフのシンボルカラーのイエローでデザインしている。 車内は選手の闘う環境を全面サポートするため、ゆったり座席で各座席にUSBポートを完備している。そのほか冷蔵庫、トイレ、無線Wi-fiも設置している。
以前にはJR東日本の国内旅行ツアーで使用する「びゅうばす」が専用塗装で用意されていたが、「びゅうばす」の運行がなくなり、現在は小諸支店所属のハイデッカー1台(H647-12419号車)のみとなっている。この車両も現在は「びゅう」の車体ロゴは消されているが、塗装変更されることなく貸切や碓氷線で使用している。また、以前には高原エリアでの運行のために環境面に配慮した低公害ハイブリッドバス仕様の日野・セレガHIMRも導入されていた(廃車済)[203][216]。
JR東日本が運行する豪華列車「TRAIN SUITE 四季島」の深遊探訪メニューを巡るバスを当社で担当するが、これには2007年度導入の日野セレガ・ハイデッカー1台(H657-07403)をKEN OKUYAMA DESIGNによるデザイン、本革シート、座席数38名の専用車両「イーストブルー」に改装している。このバスの車両前面等の外装工事は東急テクノシステムが担当した[217]。
滋賀県守山市と提携し、スポーツ自転車で琵琶湖を一周する〝ビワイチ〟を楽しんでもらうため、東京から愛車を積み込んだバスで琵琶湖畔まで行く「ビワイチサイクルツアー」(2泊3日・車中1泊)を2018年11月2日より開始した。このツアーには車体に専用ラッピングを施した東京支店所属の日野セレガ(H657-18411)で運行された。この車両は現在、JR東日本の自転車と一緒に旅ができる観光列車「B.B.BASE」と連動し、サイクリスト向けのツアーバスとして使用するために床下トランクに自転車を折りたたまずに収納可能な専用ラックを搭載し「B.B.BASE」用の車両として東京支店に配置されている。車体には「B.B.BASE」のラッピングがされている。
2020年度に定期観光バスなどで使用するための屋根無しオープントップ仕様の二階建てバス(三菱ふそう・エアロキング)を中国ジェイアールバスより1台購入した。この車両は元々ジェイアールバス関東に所属していたD674-02503をベースに改造され、広島市内観光バス「めいぷるスカイ」で使用されていたものである。季節毎の周遊コースに合わせて西那須野支店、館山支店、諏訪支店、小諸支店に配置変更をし、各エリアの周遊運行に使用している。
JR東日本とJRバス関東では、「WATERS takeshiba」の全面開業に伴い、竹芝地区への訪問客の利便性と回遊性の向上を図る目的で環境に配慮した燃料電池バスによる東京駅丸の内南口からの無料循環バス「JR竹芝 水素シャトルバス」の運行を2020年10月24日より運行を開始した。このシャトルバスには専用で用意した燃料電池バストヨタ・SORAを使用している。車両は「水」をイメージした青いデザインとなっており、2台あるうちの1台に「SDGs デザイン」、もう1台に「ゼロカーボン・チャレンジ 2050 デザイン」が施されている。
市町村のコミュニティバスについては、当社所有のものと市町村が所有しているものとがある。また、以前に他事業者が運行していた車両をそのまま引き継いで運行しているものも存在する(伊那市、佐野市、古河市などの一部の車両)。
大半は小型車の日野・ポンチョや日野・リエッセ、三菱ふそう・ローザではあるが、三菱ふそう・ローザのボンネットバスやトヨタ・ハイエースなどのワゴンタイプも配置されている。塗装はワゴンタイプに真っ白なものも存在するが、大半が各市町村の独自のカラーに塗られている。
小諸支店では当社初のEVバスとして小諸市と共同で中国BYD社製小型EVバスを1台購入し、2023年2月より「e-ミライ(いいみらい)号」として市巡回バスで運行している。
中型車では佐野支店や白河支店にいすゞ・エルガミオや日野・レインボーが当社標準色で配置されている。白河支店には木目調の内装や特注のフロントグリル取り付けなどのカスタマイズを施した独自のカラーの日野・レインボーの新車も1台配置されている。
日野・ブルーリボンハイブリッド連節バスが1編成が白河支店に配置され、JR東日本総合研修センターと新白河駅を結ぶ社員送迎バス専用で使用されている。
2010年12月に走行試験が行なわれ、2011年秋に特定輸送車(JR東日本総合研修センターの社員送迎バス専用)として、元京成バスのボルボ製富士重工車体の連節バス(B10M)が白河支店に4編成が配置されたが、2023年夏までに全車廃車となっている。
2020年度には新たに日野・ブルーリボンハイブリッド連節バスが1編成が配置された。同型は国内導入二社目となる。
長野県伊那市からの委託により長谷地区にて2021年4月1日より運行開始した予約制乗合タクシー「ぐるっとタクシー」にはトヨタ・ヴォクシー、トヨタ・ノア・日産・リーフを使用している。
発足後しばらくは国鉄バスの附番法則をそのまま使用していたが、1990年に附番法則について改定を行い、既存車もすべて改番された[218]。
S | 6 | 7 | 4 | - | 90 | 4 | 01 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
床高さ | 車種 | 形状 | メーカー | 年式 | 装備 | 固有番号 |
上記の法則により、「S674-90401」は「3列リクライニングシート・トイレ装備のスーパーハイデッカー高速車で三菱ふそう製、製造年はxx90年で、空気ばね装備の前扉車両」における01号車ということになる。
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