中部地方
日本の地域 ウィキペディアから
中部地方(ちゅうぶちほう)は、日本の地域の1つで、近代以降における本州中央部の地方[1]。その範囲に法律上の明確な定義はないが[注釈 2]、一般的には新潟県・富山県・石川県・福井県・山梨県・長野県・岐阜県・静岡県・愛知県の9県とされている[2]。
域内最大都市である愛知県名古屋市を中心とした中京圏の意味で用いられることもある(その場合、近畿地方に属する三重県も含む)。
概要
要約
視点


日本列島の中央に位置する。関東地方・東北地方と近畿地方の間に挟まれた地域を指し、これらのいずれにも分類されない地域に対する暫定的な呼び名として明治後期に用いられ始めた[3]。広義では、七地方区分やそれに類似する範囲を慣用的に指す場合が多いが、狭義(企業・官庁の管轄エリア名など)では、東海地方や中京圏に類似した範囲を指すこともある。[4]
七地方区分では以下の9つの県を含み、さらに日本海に面する北陸地方、内陸部の中央高地(東山地方)、太平洋に面する東海地方の3つの下位区分がある[注釈 3]。
- 交通史での用語
現代における地域分類
中央部に険しい日本アルプスがそびえること、日本の経済・文化の東西の中心地である東京と大阪の中間に位置することから、中部地方は東側と西側でも様々な面で違いがあり、地方としての一体の結びつきは他の地方ほど強くない。大まかにいえば、文化面では糸魚川大井川線、地質や植生ではフォッサマグナが東西の境界となる[注釈 4][6][7]。文化的・経済的統一感に欠ける中部地方という概念に対して、都市圏を中心とした以下の地域分類の方がインフラやメディアが発達した現代の実態により即していると言える。中央省庁の地方支分部局(出先機関)においても下記の地域分類が用いられることが多い。なお、以下の地域分類は一般的な例の一つであり、公的機関や民間企業によってその管轄の範囲は様々である。
- 関東甲信越
糸魚川浜名湖線から東側は広域関東圏に含まれることがあり、特に東京都に隣接する山梨県は首都圏の一角を占めていて、文化・スポーツ面では、関東ブロックの大会(箱根駅伝など)への参加が圧倒的である。加えて、新潟県、長野県も新幹線や高速道路でのアクセスのよい関東地方(特に東京)との結びつきが強い。そのため関東地方の外縁部に当たる甲信越(山梨県・長野県・新潟県)の3県は関東甲信越地方と分類されることが多い。
- 東海地方
他方で愛知県名古屋市を中心とする地域では、日本三大都市圏の1つである中京大都市圏が形成されている。歴史的には近畿地方に属している三重県は県北部(北勢)を中心に経済やメディアで愛知県(特に名古屋)と繋がりの強いため、太平洋に面していない内陸県の岐阜県とともに、東海地方として扱われることが一般的である(詳しくは「東海3県」「中京圏」「名古屋都市圏」を参照)。一方で、東海地方東部に位置する静岡県は地理的に東西に広いため、一般的には名古屋を中心とした上記のような都市圏には含まれない。静岡県西部は愛知県、県東部は首都圏との繋がりが強い。静岡県は関東地方と同一の管轄である場合もある。
- 北陸地方
日本海側に面する北陸地方の4県については、経済的・文化的なブロックを形成している北陸3県(富山県・石川県・福井県)と、関東甲信越の一角である新潟県は異なる分類をされることもあり、単に北陸地方と言った場合に北陸3県を指す場合も多い。なお、福井県は近畿地方と同一の管轄である場合もある。
なお、各県内でも河川の流域や交通事情などによって細かに違いがある(静岡県伊豆地域、三重県伊賀地域、福井県嶺南など)。
→詳細は「三重県 § 三重県の分類」、および「山梨県 § 日本の地方区分における位置づけ」を参照
範囲
要約
視点
慣用的な「中部地方」の範囲
![]() | この節には独自研究が含まれているおそれがあります。 |
前述のように「中部地方」の範囲に対して法律上の明確な定義は存在しないため、慣用的に様々な範囲が用いられている。三重県は地理的な要因では中部地方ではなく近畿地方に含める場合が多い[8]。なお、中部圏開発整備法において法律的に定められた「中部圏」(富山県、石川県、福井県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県[9])については、本項では取り上げない(該当記事を参照)。
以下はその一部。
法律・計画上の位置づけ
「中部」を冠する国家機関・企業・法人の管轄エリア
「中部」の名を冠する国家機関・企業・法人は名古屋に拠点を置きその周囲のエリアを管轄する例が多く、七地方区分と比較してそのエリアは狭い。この場合、新潟県や山梨県など名古屋よりも東京に近いエリアは東京に置かれた拠点の管轄となる例が多い。
- 人事院中部事務局
- 富山県 - 石川県 - 福井県 - 岐阜県 - 静岡県 - 愛知県 - 三重県
- 公正取引委員会中部事務所
- 富山県 - 石川県 - 岐阜県 - 静岡県 - 愛知県 - 三重県
- 警察庁中部管区警察局
- 総務省中部管区行政評価局
- 富山県 - 石川県 - 福井県 - 岐阜県 - 静岡県 - 愛知県 - 三重県
- 公安調査庁中部公安調査局
- 岐阜県 - 愛知県 - 三重県 - 富山県 - 石川県 - 福井県
- 林野庁中部森林管理局
- 富山県 - 長野県 - 岐阜県 - 愛知県
- 経済産業省 中部経済産業局
- 富山県 - 石川県 - 岐阜県 - 愛知県 - 三重県
- なお、電力事業については静岡県富士川以西および長野県、都市ガス事業については静岡県西部も含む。
- 富山県 - 石川県 - 岐阜県 - 愛知県 - 三重県
- 国土交通省中部地方整備局
- 長野県(南部) - 岐阜県(河川部、木曽川水系・庄内川水系、矢作川水系) - 静岡県(富士川水系を除く) - 愛知県 - 三重県
- 国土交通省中部運輸局
- 福井県 - 岐阜県 - 静岡県 - 愛知県 - 三重県
- 国土地理院中部地方測量部
- 岐阜県 - 静岡県 - 愛知県 - 三重県
- 環境省中部地方環境事務所
- 富山県 - 石川県 - 福井県 - 長野県 - 岐阜県 - 愛知県 - 三重県
- 防衛省近畿中部防衛局 ・(および陸上自衛隊中部方面隊第10師団)
- 富山県 - 石川県 - 福井県 - 岐阜県 - 愛知県 - 三重県
- 都市再生機構中部支社
- 富山県 - 石川県 - 岐阜県 - 静岡県 - 愛知県 - 三重県(名張市を除く)
- 日本赤十字社中部ブロック(第3ブロック)
- 石川県 - 富山県 - 福井県 - 長野県 - 岐阜県 - 静岡県 - 愛知県 - 三重県
- 中部電力パワーグリッドの管轄
- 長野県 - 岐阜県(下記一部除く) - 静岡県(富士川以西) - 愛知県 - 三重県(熊野市以南を除く)
- au(KDDI)の中部サービスエリア
- 長野県 - 岐阜県 - 静岡県 - 愛知県 - 三重県
- 全国知事会中部圏知事会議
- 富山県 - 石川県 - 福井県 - 長野県 - 岐阜県 - 静岡県 - 愛知県 - 三重県 - 滋賀県
- 中部経済連合会
- 長野県 - 岐阜県 - 静岡県 - 愛知県 - 三重県
- 緊急消防援助隊の中部ブロック
- 富山県 - 石川県 - 福井県 - 岐阜県 - 静岡県 - 愛知県 - 三重県
地理
要約
視点
本節では、七地方区分に基づく範囲について述べる。
気候
冬の富山市街と立山連峰
- 北陸地方、長野県、岐阜県の豪雪地帯は世界的に見ても人の生活圏としては珍しい程の豪雪地帯である。
- 山梨県、長野県(日本海側気候の地域を除く)は寒暖差が烈しく、日本アルプスを抱える地方である。
- 静岡県、愛知県などの東海地方は、特に平野部では温暖な気候となる。
地形
山脈・山地


- 主な山脈
- 主な山地
- 主な丘陵
河川

日本最長の信濃川

湖沼
諏訪市と諏訪湖
- 主な湖
- 主な池
- 主な干潟
海岸

- 主な湾
- 主な浜
- 主な灘
岬
半島

島嶼
- 主な島

平野

盆地

台地

高原

人口
要約
視点
本節では、七地方区分に基づく範囲について述べる。
- 順位・人口・割合は2003年10月1日のデータによる。
年齢構成
次のグラフは新潟県・富山県・石川県・福井県・山梨県・長野県・岐阜県・静岡県・愛知県・三重県の人口を合計した。
年齢5歳階級別人口
2004年10月1日現在推計人口
総計 [単位 千人]
年齢5歳階級別人口
平成16年10月1日現在推計人口
男女別 [単位 千人]
- データ出典:第10表/都道府県, 年齢(5歳階級), 男女別人口-総人口
(総務省統計局)
主要都市
- 中部9県の主要都市を掲載する。
→三重県については「近畿地方」を参照
中部地方の主要都市 | |||||||||
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# | 都市名 | 県名 | 人口 | # | 都市名 | 県名 | 人口 | ||
1 | 名古屋市 | 愛知県 | 2330376人 | 11 | 豊橋市 | 愛知県 | 361953人 | ||
2 | 浜松市 | 静岡県 | 770969人 | 12 | 長野市 | 長野県 | 360195人 | ||
3 | 新潟市 | 新潟県 | 763369人 | 13 | 春日井市 | 愛知県 | 303073人 | ||
4 | 静岡市 | 静岡県 | 668452人 | 14 | 長岡市 | 新潟県 | 254702人 | ||
5 | 金沢市 | 石川県 | 454561人 | 15 | 福井市 | 福井県 | 253964人 | ||
6 | 豊田市 | 愛知県 | 413329人 | 16 | 富士市 | 静岡県 | 238545人 | ||
7 | 富山市 | 富山県 | 402446人 | 17 | 松本市 | 長野県 | 236485人 | ||
8 | 岐阜市 | 岐阜県 | 393448人 | 18 | 甲府市 | 山梨県 | 185088人 | ||
9 | 岡崎市 | 愛知県 | 380483人 | 19 | 安城市 | 愛知県 | 185500人 | ||
10 | 一宮市 | 愛知県 | 372004人 | 20 | 沼津市 | 静岡県 | 180273人 |
- 金沢市(454,561人)
- 豊田市(413,329人)
- 富山市(402,446人)
- 岐阜市(393,448人)
- 岡崎市(380,483人)
- 一宮市(372,004人)
- 豊橋市(361,953人)
- 長野市(360,195人)
- 福井市(253,964人)
- 松本市(236,485人)
- 甲府市(185,088人)
歴史
教育
要約
視点
本節では、七地方区分に基づく範囲について述べる。
国立大学
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公立大学
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私立大学
|
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高等専門学校
- 新潟県
- 富山県
- 石川県
- 石川工業高等専門学校
- 国際高等専門学校(私立)
- 福井県
- 長野県
- 岐阜県
- 静岡県
- 愛知県
交通
文化
方言
中部地方の方言は、次のように分類される。
→詳細は「西日本方言 § 東西の境界」を参照
世界遺産
→世界遺産については「日本の世界遺産」を参照



- 富士山地域
- 山頂の信仰遺跡群
- 大宮・村山口登山道(現・富士宮口登山道)
- 山口登山道(現・御殿場口登山道)
- 須走口登山道
- 吉田口登山道
- 北口本宮冨士浅間神社
- 西湖
- 精進湖
- 本栖湖
- 富士山本宮浅間大社
- 山宮浅間神社
- 村山浅間神社
- 須山浅間神社
- 冨士浅間神社(須走浅間神社)
- 河口浅間神社
- 冨士御室浅間神社
- 旧外川家住宅
- 小佐野家住宅
- 山中湖
- 河口湖
- 忍野八海
- 出口池
- 御釜池
- 底抜池
- 銚子池
- 湧池
- 濁池
- 鏡池
- 菖蒲池
- 船津胎内樹型
- 吉田胎内樹型
- 人穴富士講遺跡
- 白糸ノ滝
- 三保の松原
- 明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業(2015年7月登録)
スポーツ
野球
サッカー
バスケットボール
バレーボール
- 中部地方に本拠地を置くVリーグチーム
- V1
- V2
- V3
ラグビー
- 中部地方に本拠地を置くリーグワンチーム
- DIVISION 1
- DIVISION 3
フットサル
- F2
- 女子
ソフトボール
- 女子リーグ(JDリーグ)
ハンドボール
- 中部地方に本拠地を置くJHLチーム
- 男子
- 女子
フィールドホッケー
- 中部地方に本拠地を置くHJLチーム
- 男子
- 女子
アメリカンフットボール
- 中部地方に本拠地を置くXリーグチーム
卓球
- 中部地方に本拠地を置くTリーグチーム
サイクルロードレース
- 中部地方に本拠地を置くJCLチーム
バドミントン
- 中部地方に本拠地を置くS/Jリーグチーム
- 男子
- 女子
脚注
関連項目
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