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新潟県新潟市の行政区 ウィキペディアから
北区(きたく)は、新潟市を構成する行政区のひとつ。市域北東部を流れる阿賀野川の右岸側に位置する行政区である。
東区の北東に位置し、新潟市中心部から見て最北部の行政区である。地理的には新潟市の東端にあたり、区域のほとんどは東区よりさらに東側にある。 平成の大合併前から新潟市域であった北地区(松浜、濁川、南浜地域)と、同合併時に編入された旧豊栄市域で主に構成され、区役所は旧豊栄市域に置かれている。
なお区域にはこの他、新潟市石山地区事務所管内であった細山の一部、旧横越町域であった横越・小杉の各一部、及び十二前も含まれる[1]。また松浜町は阿賀野川を挟んで東西にあるが、このうち左岸側は東区中地区(下山地域)に属している。
日本海東北自動車道、国道7号(新新バイパス)、国道113号、JR白新線等により新潟市都心部から比較的交通アクセスが良い。
越後平野が広がっており、区内で最も標高の高い地点でも30 mに満たない。海側の松浜・南浜地区は新潟砂丘の砂丘列が何本も横切るため比較的標高が高いが、一方で内陸部は大半が標高0-4 mと低く、帯状にできた僅かな自然堤防の微高地に古くからの居住地が形成されてきた[6]。高度成長期以降には盛土による宅地開発により後背湿地にも市街地が拡大した[6]。低地ゆえに1966年(昭和41年)の7.17水害(下越水害)や1967年(昭和42年)の8.28水害(羽越豪雨)、1998年の8.4水害(平成10年8月新潟豪雨)など幾度となく水害に苦しめられてきたが、それらを受けて新井郷川の排水機場や福島潟放水路など排水施設の整備が進んだため、2000年代以降の豪雨の際は大きな浸水被害は発生していない。
海岸部(島見浜)では海水浴が可能。南東端にある福島潟はかつて大きな潟であったが、近世以降に干拓が進み面積が縮小。近年は水の公園福島潟として観光用に整備・保全されている。
旧豊栄市の区域である「豊栄地区」と旧新潟市の「北地区」で構成される。なお、豊栄地区は区域が広大であるため、旧豊栄市の地区割りに準拠し、「葛塚地区」、「木崎地区」、「岡方地区」、「長浦地区」として記載する。
区の中心は豊栄駅周辺の
かつて新発田街道や新発田川の交通拠点・宿場として栄えた[14]木崎を中心とする地域。南部の早通地区では1960年代に県営アパートなどが建設されたのを機に、早通駅を中心とした宅地開発が急速に進んだ(詳細は早通駅#駅周辺を参照)。また1970年代からは新新バイパスの開通を前に旧国道7号沿いで「尾山ニュータウン」などの宅地開発が進んだ。いずれも交通の利便性を活かし、一躍新潟市のベッドタウンへと成長した。
南西部の岡方地域は大規模な宅地開発が行われておらず、県道など幹線道路沿いに集落が続いている。
南東部の長浦地域では、葛塚地区と新井郷川を挟んで隣接している川西地域が葛塚小学校の移転、美里地域が光晴中学校の新設を契機に宅地開発が行われた程度であり、その他は県道など幹線道路沿いに集落が続いている。
区北部の日本海沿いに位置し、平成の大合併前から新潟市であった地域である。北地区はさらに3地域に細分され、最も大きな市街地を有するのが松浜地域である。
旧松ヶ崎浜村の阿賀野川右岸側であり、新潟市への編入後は北地区の行政・商業の中心地となっている。松浜漁港があり、松浜では近代以降現在に至るまで定期市が開かれている[15]。阿賀野川と新井郷川分水路に挟まれた中洲に商店街や住宅地が集積しており、その後は松浜の市街地周辺で宅地開発が進められた。新井郷川分水路右岸側には三菱ガス化学の工場がある。
松浜地域の南に位置する濁川地域は、かつては農村部だった。しかし1970年代から新崎駅北側で大手不動産会社などにより宅地開発が進められた。駅南側には県と市により開発された新崎金属工業団地があり、各種製品やセメントなどの製造拠点が設けられた。さらに1990年代以降は駅南側でも住宅開発が進んだ。
松浜地域の東に位置する南浜地域は砂丘と水田が広がる農村部だが、松浜に隣接する太夫浜地区では1980年代後半から「陽光ニュータウン」などの宅地開発が進んだ。区の北東端、南浜地区の島見町・太郎代、豊栄地区の横土居は新潟東港の区域。港周辺には物流団地や工業団地などが整備されている。
住居表示は、豊栄地区では葛塚中心部と早通、木崎の尾山ニュータウン内、北地区では松浜、濁川、南浜地域の各一部(市街地および住宅地)で施行されている。但し豊栄地区(特に旧葛塚町一帯)では、住居表示施行未施行にかかわらず、「中嘉山」「下町」「稲荷浦」「月見町」などといった自治会名もよく使われており、投票所やごみ収集の区域割りに利用されている。
豊栄地区には東栄町(とうえいちょう)、北地区には東栄町(ひがしさかえまち)が存在する。両地域は距離が離れており、前者は住居表示を実施済で区役所・文化会館・図書館等を抱える文教地区・住宅街、後者は住居表示を未実施で、競馬場厩舎街である。
阿賀野川左岸側の、現在江南区の区域となっている大江山地区と横越地区には同河川の右岸側に飛地があり、このうち細山と十二前は、政令市移行後から北区豊栄地区(岡方地域)の区域となっている。これらは大正時代から昭和時代初頭にかけて行われた阿賀野川の河道改修で、流路が直線化されたことによって飛地となったものである(改修の経緯は阿賀野川#阿賀野川水系の総合開発を参照。また江南区の飛地は江南区 (新潟市)#飛地を参照)。なお、これら飛地の行政業務の一部は、現在も江南区の管轄下で行われている。[要出典]
明治の大合併以降、この地域に新潟空港周辺部を含めた一帯は北蒲原郡西部郷(7ヶ町村)と呼ばれていた。そのため昭和の大合併時には、県の指針としては1市町村になるべきとしていた。
しかし、阿賀野川の両岸に村域を有していた松ヶ崎濱村(松浜地区)は新潟飛行場を抱えており、新潟市に近いということもあり、早期から新潟市への編入で動いていた。そこで残り6ヶ町村の北側(濁川村・木崎村・南浜村)と南側(岡方村・長浦村・葛塚町)の2自治体とする合併案も出たが、結果的には濁川村・南浜村も新潟市への編入、残り4町村は新設合併をして豊栄町(その後市制施行し豊栄市)となっていた。
以上の背景もあり、ほぼ全域が阿賀北地域であったにもかかわらず、松浜地区は新潟市編入のかなり前より、また濁川・南浜の両地区は新潟市編入後、阿賀北地域との繋がりが薄れていった。また豊栄地区に関しては、昭和の大合併後、市制施行までの15年間は北蒲原郡に所属し続けていたこともあり、新発田市などの阿賀北地域との関連も保っていたが、高度経済成長以後は新潟市のベッドタウンとして宅地化が進んだため、生活圏は次第に新潟市へと移っていった。なお、合併以前の豊栄市は、普通科の高等学校区はその流れもあり「新発田・村上学区」に属していた[21]。合併に際して豊栄地区は2006年度入学者から新潟学区に変更された。その後の2008年度入学者からは新潟県は全県一学区に移行し、学区制は撤廃された。 ちなみに、2014年11月の時点で不動産登記は北地区が新潟地方法務局であるのに対して、豊栄地区はまだ新発田支局のままである。
北区役所は豊栄地区公民館とともに2021年(令和3年)2月1日に新庁舎に移転した[28]。
豊栄地区、北地区とも市街地・住宅地・集落の外郭部はその大部分が水田で占められており、稲作が盛んである。
豊栄地区と北地区の濁川地域はトマトの栽培が特に盛んで、北区内の生産量は県内総生産量の約6割を占める。豊栄は1973年(昭和48年)に国の指定産地に認定され、現在は主に「桃太郎」を生産している。濁川では国内でいち早く節水栽培に取り組むなど生産技術の高さがあり、主に「麗容」を生産している。
また豊栄地区はナスの栽培も盛んで、特に豊栄独特の特大の長ナス「やきなす」は地区の特産品として知られる。北地区のうち南浜地区は砂丘地であることからスイカ、メロンなどの栽培が盛んである。
製造業(区内に拠点を置く主な企業)
日本郵政グループ
区内の主な病院は下記の通り。
大学
高等学校
中学校
小学校
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名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
区域は東日本旅客鉄道(JR東日本)白新線の沿線となっており、区内には4つの駅がある。中心駅の豊栄駅は特急列車も停車し、新潟方面から同駅までは普通列車が20分間隔で運転されている。県有の貨物路線である黒山駅分岐新潟東港専用線(新潟東港鉄道)は、黒山駅から分岐して新潟東港の南西部に至る。
北区内の路線バスは、新潟交通と同社の地域子会社である新潟交通観光バスが運行している。南浜地区の島見町、新潟東港工業団地内には新潟交通の新潟北部営業所があり、市内路線バスの運行拠点としている。
運行系統を大別すると、新潟市中心部から区北部の松浜・南浜方面へ向かう系統、市中心部から豊栄北部を経由して新発田市中心部方面に至る系統、主に新潟競馬場の開催日・場外発売日に合わせて運行される系統(一部平日のみ運行)、そして豊栄駅と新発田市豊浦地区の月岡温泉を結ぶ路線がある。
但し、これら新潟交通のバス路線網は区内を東西に横断するものがほとんどで、区内を南北に縦貫する路線は非常に脆弱。また、かつては豊栄中心部から黒山・佐々木を経由して新発田市中心部に至る路線や、岡方や長浦を経由して阿賀野市の京ヶ瀬・水原方面に至る路線もあった[34]がいずれも不採算で廃止されている。
なお現在、先述の岡方・長浦など豊栄南部地区は鉄道・バスによる公共交通の空白域となっているため、事前登録の相乗り方式のタクシーによる自宅からのデマンド交通で補われている。
以下、ダイレクト便やモーニングライナーなどの特殊系統は省略した。詳細は各路線番号のリンクを参照。路線図や時刻表は「のりば・路線(新潟交通)」を参照。
後述の日本海東北自動車道・葛塚BSには、新潟 - 山形線が停車する。
区北部を東西に貫く国道7号新新バイパスは、土盛の連続立体交差方式となっている。
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