乗鞍高原
飛騨山脈南部東側に位置する高原 ウィキペディアから
飛騨山脈南部東側に位置する高原 ウィキペディアから
乗鞍高原(のりくらこうげん)は、飛騨山脈(北アルプス)南部東側に位置する高原。 観光利用が盛んであり、夏は避暑、夏から秋にかけては登山、冬はスキーを目的とする観光客が多く訪れる。また複数の温泉が湧出しているほか、他所(湯川源泉)からの引湯もなされている。標高1600m付近に「休暇村乗鞍高原」がある。
乗鞍岳から東麓に流出した溶岩(主に番所溶岩)によって形成された東西に細長い山麓高原である。全域が長野県松本市安曇(旧南安曇郡安曇村)の大野川区に属しており、西半部(高標高側)は中部山岳国立公園にかかる。西端の最高所で約1800m、東端の最低所で約1100mという標高があり、夏でも気候は冷涼である。
2000年の国勢調査によれば356世帯910人を数えるが、うち年少人口率は約15%、老年人口は約18%であり、日本の山間部にあっては比較的若い人口構成となっている。県道乗鞍岳線(乗鞍エコーライン)に沿って東から大野川、中平、宮ノ原、番所、千石平、楢ノ木、鈴蘭の7つの集落が存在する。
豊富な自然を生かした観光産業が発達しており、住民の多くは観光産業に従事している。ペンション・民宿・旅館・ユースホステル・国民宿舎などを合わせると100以上の宿泊施設があり、レストラン・そば店・お土産屋・貸しスキーなども多い[1]。
3月初めには南極観測隊隊員候補が1週間、ルート工作や雪上歩行やビバークなどを訓練する、冬訓練を行う[2]。
高標高側ではシラカバやカラマツなどの針葉樹林が広がる一方、低標高側では広葉樹林も混じるという植生状況にある。一方広大なスキー場を擁するため草原も多く、また集落周辺には畑も見られ、ソバなどの栽培が行われている。
自然が豊富で多様な動植物が生息する。運がよければ特別天然記念物のニホンカモシカが見られる。
1970-80年代のスキーブーム時代からは、スキー人口が大きく減少しており、冬季の観光では往時のにぎわいを失っている。
2011年7〜10月の乗鞍高原訪問観光客数は、延べ27万4900人であった。これは前年同期比10%近い減少であり、東日本大震災や6月の上高地土砂災害の他、週末に天候不順が重なった影響が大きいと考えられる。観光客数は、マイカー規制を始めた2003年の41万2500人以降、減少傾向が続いている。2012年4月28日〜5月6日に春山バス(乗鞍観光センターと乗鞍山頂近くを結ぶ)を利用したのは1316人だった[3]。
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