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複数の国で活躍する企業 ウィキペディアから
多国籍企業(たこくせききぎょう、英語:Multinational Corporation、略称:MNC)とは、活動拠点を一つの国家だけに限らず複数の国にわたって世界的に活動している大規模な企業のことである。
国際経済に対する独占力を表す概念であることから[1]、規模にも着目し単純な空洞化と区別する。
上記の他、経済学者レイモンド・バーノンが唱えた製造業に限定したもの、親会社の出資比率25%を要求したりする定義もある。
実際に多国籍企業とされているものは、サービス業であったり、投信を利用し直接の出資比率を下げたりしている。
多国籍企業という言葉は、1960年にアメリカのD.リリエンソールが論文の中で初めて使用したとされる[2]。
多国籍企業が国際問題となった明確な端緒というものは存在しない。多国籍企業に関する学術研究は、したがってイギリス東インド会社までさかのぼって行われることもあった[3]。個別の多国籍企業史を時系列に整理して一冊に圧縮するような冒険も敢行された[4]。しかし、多国籍企業が東インド会社の17世紀から延々と議論されてきたというわけではない。多国籍企業は、「国際関係が高度に緊密化した現代資本主義のもとにおける、巨大独占企業の一般的な存在形態」として問題視された[1]。「国際関係が高度に緊密化した現代資本主義」とは何を指すのか、出典の著者は究明していない。この点を考える手がかりを示す。まず、(1)多国籍企業に関する研究文献の氾濫は1960年代後半以後に顕著である[5]。また、(2)国連が多国籍企業を定義した意味の一つは、1974年12月に国連総会で採択された「諸国家の経済権利義務憲章」にある[6]。そして同じころ、(3)イギリスの製薬産業の3/4がメルク・アンド・カンパニーやエフ・ホフマン・ラ・ロシュといった外資の支配下にあると指摘されている[7]。(2)(3)は英米両国が同時に機関化された時代である。そして(1)はセカンダリー・バンキング商戦でシティの敗北がほぼ決定し、ユーロクリアが設立されてLIBORがロンドンに上陸した時期であった。そしてそのときこそ、機関投資家が分散化する国際金融市場の趨勢を決したのであった。「国際関係が高度に緊密化した現代資本主義」とは、実際において機関化経済である。機関投資家の資金が津波となって公社債や多国籍企業に押し寄せていた。そこが問題だったのである。日本ではロッキード事件が起こって贈賄が世論に叩かれたが、ロッキード社は在外生産活動が乏しく多国籍企業とはいい難いともいわれている[1]。企業というよりも、兵器産業と贈賄活動が「多国籍」化していたのであって、そうした要らぬ金あまりが問題だったのである。機関投資家によって世界経済はトリクルダウン理論とは正反対の方向に突き進んでいた。そこにグローバルな独占性が存在した。この大衆貯蓄を人質にとったマネーゲームは、世界金融危機を経てなお継続している。学術団体については、1951年4月21日、日本商業学会が慶應義塾大学教授向井鹿松を初代会長として設立された[8]。
公企業や地域に偏りのあるものも紹介している。4大会計事務所も有名。防衛ではブラックウォーターUSA。
国際銀行間通信協会ならびに国際決済機関のクリアストリームとユーロクリアも企業体である。ファンド・オブ・ファンズがミューチュアル・ファンドとヘッジファンドをトラスト化している。プライベート・エクイティ・ファンドは凡そ以下の企業体に属する。
国家 | 企業 | ロゴマーク | 本社 | 本社所在地 | 上場 | 備考 | ウェブサイト |
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アメリカ合衆国 | コーニング | アメリカ合衆国・ニューヨーク | NYSE | 1851年ホートン家によって設立され、エジソンの白熱灯のガラス球を製造して歴史に名を残した[53] 。ガラス製品製造の世界的大手で、スマートフォンに採用されているゴリラガラスなどが主要な製品として知られる[54]。S&P 500の構成銘柄。 | www | ||
PPGインダストリーズ | アメリカ合衆国・ピッツバーグ | NYSE | 1883年に板ガラス製造企業として創業[55]。現在では世界最大の塗料製造・コーティング企業であり[56]、世界75カ国以上で事業を展開している[57]。S&P 500の構成銘柄。 | www | |||
メキシコ | セメックス | メキシコ・モンテレイ | BMV・NYSE・BVC・PSE | 1906年に創業した持株会社体制のセメント製造企業[58]。2020年のセメント生産量は約8700万トンで世界第5位となっておりいわゆるセメントメジャーの一角を占め[59]、骨材でもグローバルサプライヤーとされる[60]。ボルサ指数の構成銘柄。 | www | ||
コロンビア | グルポ・アルゴス | コロンビア・メデジン | BVC | 1934年に設立され、現在はラテンアメリカ有数のコングロマリットである[61]。事業の主軸はセメントス・アルゴスが担うセメントであり、アメリカでは第2位の生産量と第5位のシェアを誇っている[62][63]。時価総額ではコロンビア企業上位20社に入る[64]。COLCAPの構成銘柄。 | www | ||
フランス | サンゴバン | フランス・パリ | ユーロネクスト・パリ | 1665年に設立された25の王立工房のうちの1つを起源とする[65]。ガラス、石膏、アスファルト、木材などを取り扱う総合建材企業の代表例で[66]、特に石膏分野では2021年は世界第3位の生産量[67]、ガラス分野では2019年世界第1位の収益を誇る[68]。CAC 40およびストックス欧州600指数の構成銘柄。 | www | ||
ドイツ | ハイデルベルク・マテリアルズ | ドイツ・ハイデルベルク | FWB | 1874年創業のセメント企業[69]。1970年代以降は買収攻勢によって海外に事業を拡大し世界第4位のセメントメジャーに成長した[59][69]。近年では、2007年のイギリス骨材大手ハンソン[70]、2015年にはイタリア同業大手のイタルチェメンティを買収した[71]。DAXおよびストックス欧州600指数の構成銘柄。 | www | ||
イタリア | イタルチェメンティ | イタリア・ベルガモ | 1864年に創業したセメント企業[72]。2020年の生産量は約7600万トンに上り世界第6位のいわゆるセメントメジャーである[59]。2015年にはドイツ同業のハイデルベルグセメントの傘下に入った[71]。それ以前は、イタリア有数の大企業としてFTSE MIB指数およびストックス欧州600指数の構成銘柄だった。 | www | |||
ブッツィ・ウニチェム | イタリア・カザーレ・モンフェッラート | BIT | 1907年にブッツィ家が創業し[73]、現在では買収によって欧州、アメリカ、メキシコ、ブラジル、アルジェリアで事業を展開するセメント企業[74]。近年では2014年に仏セメント大手のラファージュからロシア事業を買収しロシア市場に進出した[75]。2021年までFTSE MIB指数の構成銘柄だった。 | www | |||
セメンティア・ホールディング | イタリア・ローマ | BIT | 1947年に設立されたイタリア第3位のセメント企業[76]。5大陸18か国で事業を展開しており、セメントの生産拠点はベルギー、デンマーク、トルコに置く[77]。FTSE MID指数の構成銘柄。 | www | |||
スイス | ホルシム | スイス・ラッパースヴィール=ヨナ | SIX・ユーロネクスト・パリ | 2015年に旧ホルシムと仏セメント大手のラファージュが経営統合して誕生した[78]。ホルシムの起源は1912年、ラファージュの起源は1833年に遡る[79]。2020年のセメント生産量は約2億8600万トンで世界最大の生産量を誇り、セメントメジャーの筆頭である[59]。SMIおよびストックス欧州600指数の構成銘柄。 | www | ||
アイルランド | CRH | アイルランド・ダブリン | ユーロネクスト・ダブリン・LSE・NYSE | 1970年にアイルランドセメント株式会社とロードストーン株式会社が合併して誕生[80]。ガラスやアスファルト、セメントなどを製造する総合建材メーカーで29カ国に進出し[81]、売上高はアイルランド最大の企業である[82]。ISEQ 20、FTSE100およびストックス欧州600指数の構成銘柄。 | www | ||
日本 | AGC | 日本・東京都 | TSE | 1907年に岩崎俊弥が創業したガラス製造会社[83]。旧社名は旭硝子[84]。2010年代に入ると製薬会社を買収して製薬産業にも事業を拡大しているが[85]、なおも主力はガラス製造であり2019年の収益は149億ドルで日本第1位かつ世界第4位[68]。日経平均株価の構成銘柄。 | www | ||
日本板硝子 | 日本・大阪市 | TSE | 1918年に創業し、現在では建築用ガラスや自動車用ガラスを主力事業として生産する[86]。2006年には売上高が2倍近くあった英ガラス製造大手ピルキントンを買収・子会社化したことで話題となった[87]。2019年の収益は57億ドルで世界第6位となっている[68]。日経平均株価の構成銘柄。 | www | |||
日本電気硝子 | 日本・大津市 | TSE | 1949年に日本電気が真空管などガラス部品の製造を分社化して設立した[88]。薄型テレビなどに使用されるディスプレイ用ガラスの生産では米コーニング、日AGCと並んで世界シェアを寡占状態にある[89]。日経平均株価の構成銘柄。 | www | |||
台湾 | 台湾セメント | 台湾・台北市 | TWSE | 日本統治時代の工場を引き継ぐ形で1946年に設立され、1954年に民営化、1962年に台湾初の上場企業の一つとなったセメント企業[90]。アジア有数のセメントメーカーであり、時価総額では世界上位十社に入る[91]。Taiwan TOP50の構成銘柄。 | www | ||
タイ | サイアム・セメント・グループ | タイ・バンコク | SET | 1913年にラーマ6世によって設立された王室系セメント企業[92]。時価総額はセメント企業としては上位5位に入り、セメントメジャーに迫る[91]。事業はセメントのほか、建材や化学や包装にもおよびコングロマリットの性質を帯びる[93]。SET50の構成銘柄。 | www | ||
ナイジェリア | ダンゴート・グループ | ナイジェリア・ラゴス | NSE | 1981年にアリコ・ダンゴートによって設立された西アフリカ最大のコングロマリット[94]。グループの中核を担うのは10カ国でセメント事業を展開するダンゴート・セメントで[95]、これが時価総額の面でナイジェリア最大の企業であり[96]、またNSE30の構成銘柄となっている。 | www |
国家 | 企業 | ロゴマーク | 本社 | 本社所在地 | 上場 | 備考 | ウェブサイト |
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アメリカ合衆国 | インターナショナル・ペーパー | アメリカ合衆国・メンフィス | NYSE | 1898年、アメリカ北東部の18の製紙・パルプ工場が合併して設立した[97]。2020年の紙・パルプ生産量は2331万トン、売り上げは205億ドルを超える世界最大の製紙企業[98]。S&P 500の構成銘柄。 | www | ||
ウェストロック | アメリカ合衆国・サンディスプリングス | NYSE | ミードウェストベーコとロックテンが2015年に合併して誕生し[99]、生産量や売り上げでアメリカ第二位の製紙会社に浮上した[98]。S&P 500の構成銘柄。 | www | |||
キンバリークラーク | アメリカ合衆国・ニーナ(ウィスコンシン州) | NYSE | アメリカの大手衛生用紙メーカーで1872年に設立し175か国以上で事業を展開する[100]。「使い捨てハンカチ」としてティッシュペーパーの先駆けとなったクリネックスや[101]、ウエス(産業用紙ワイパー)のキムワイプ[102]、おむつのハギーズなどの製品が知られる[103]。S&P 500の構成銘柄。 | www | |||
ブラジル | スザーノ | ブラジル・サルヴァドール | B3・NYSE | 1924年、ウクライナ人移民のレオン・フェファーによって設立された[104]。2018年にはライバル企業であったフィブリアと合併し[105]、世界最大のパルプ製造企業となった[106]。ボベスパ指数の構成銘柄。 | www | ||
チリ | CMPC | チリ・サンティアゴ | SSE | 1920年に設立された製紙会社で、ラテンアメリカ全域で事業を展開する[107]。時価総額の面では製紙会社で世界上位十社に入り、ラテンアメリカではブラジルのスザーノに次ぐ第2位[108]。事業は製紙・パルプ製造のほか、包装や森林管理など多岐にわたる[107]。IPSA指数の構成銘柄。 | www | ||
イギリス | モンディ | イギリス・サリー | LSE・JSE | 1967年に南アフリカ共和国で設立され、現在ではイギリスに拠点を置く[109]。製紙業や包装事業を手掛け、特にクラフト紙製造で世界最大手、プリント用紙や段ボールの製造で世界有数の企業として知られる[110]。FTSE100、STOXX600の構成銘柄。 | www | ||
ポルトガル | ナビゲーター・カンパニー | ポルトガル・セトゥーバル | ユーロネクスト・リスボン | 旧社名はポルトセル・ソポーセル・グループで、事業多角化や国際進出のため2016年に社名変更[111]。1950年代に設立された製紙工場に起源を持ち、上質紙の世界的メーカーとして知られる[112]。PSI-20の構成銘柄。 | www | ||
スウェーデン | スベンスカ・セルローサ | スウェーデン・スンツヴァル | ナスダック・ストックホルム | 紙・パルプの製造を主力とする世界的な林産企業であり、欧州最大の民間森林所有者として知られる[113]。2017年にパーソナルケア用品部門がエシティとして独立した[114]。OMXS30、STOXX600の構成銘柄。 | www | ||
フィンランド | ストラ・エンソ | フィンランド・ヘルシンキ | ナスダック・ヘルシンキ、ナスダック・ストックホルム | スウェーデンのストラ社とフィンランドのエンソ社が合併して1998年に誕生した林産企業で、ルーツは1288年まで遡る[115]。2020年の紙生産量は918万トンで5位に位置する[98]。OMXH25、STOXX600の構成銘柄。 | www | ||
UPMキュメンネ | フィンランド・ヘルシンキ | ナスダック・ヘルシンキ | 1870年代初頭にルーツを持ち、レポラ社とキュメンネ社の合併で現在の体制となった[116]。2020年の紙生産量は977万トンで世界4位かつ欧州最大の製紙会社[98]。また時価総額では生産量首位のインターナショナル・ペーパーを上回り世界第1位[108]。OMXH25、STOXX600の構成銘柄。 | www | |||
バルメット | フィンランド・エスポー | ナスダック・ヘルシンキ | ルーツは1750年代まで遡るが、2013年にメッツォから製紙・パルプ・エネルギー関係事業が分社化して設立された[117]。全世界に100以上の拠点と35の生産拠点と16の研究施設を保有する[118]。OMXH25、STOXX600の構成銘柄。 | www | |||
メッツァ・グループ | フィンランド・ヘルシンキ | 28の国で事業を展開する森林産業グループ[119]。直接の上場はしていないが、製紙・包装を担う傘下のメッツァ・ボードがナスダック・ヘルシンキに上場しOMXH25の構成銘柄となっている[120]。このほか、パーソナルケア商品を担うメッツァ・ティッシュ[121]、パルプ製造を担うメッツァ・ファイバー[122]、森林管理を行うメッツァ・フォレストなどが中核事業[123]。 | www | ||||
オーストリア | マイヤー・メルンホフ | オーストリア・ウィーン | WBAG | 1950年に設立され、買収を通じて欧州やアフリカ、中東、ベトナムへと事業を拡大した[124]。段ボールやクラフト紙の製造を行うボード・アンド・ペーパー部門[125]、包装事業を行うパッケージング部門に分かれ[126]、いずれも世界的大手。ATXの構成銘柄。 | www | ||
日本 | 王子ホールディングス | 日本・東京都 | TSE | 1873年に渋沢栄一が設立した「抄紙会社」をルーツとする[127]。事業部門を担当する王子製紙などとともに王子グループを形成し[128]、売上や生産量で日本の製紙業最大手[129]。2020年の生産量は911万トンで世界第6位となっている[98]。日経平均株価の構成銘柄。 | www | ||
日本製紙 | 日本・東京都 | TSE | 1949年に過度経済力集中排除法で旧王子製紙を三つに分割したうちの一社・十條製紙を起源とする[130]。日本では王子ホールディングスに次ぐ大手で[129]、生産量で見て世界第10位の製紙会社である[98]。日経平均株価の構成銘柄。 | www | |||
南アフリカ共和国 | サッピ | 南アフリカ共和国・ヨハネスブルグ | JSE | 1936年に設立された、アフリカ最大の製紙会社[131]。2020年に紙・パルプ製造量は730万トンで世界第7位となっている[98]。主力事業は溶解パルプで市場におけるシェアは20%弱[132]。何らかの株価指数の構成銘柄ではないが、時価総額面で南アフリカの企業トップ50に入る[133]。 | www |
ゼネコンは日本特有の形態。セメントメジャーにホルシムやイタルチェメンティ。
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