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カタールの首都 ウィキペディアから
ドーハ(英語:Doha、アラビア語:الدوحة al-Dawha [adˈduħa])は、カタールの首都。同国を構成する自治体のひとつ。
カタール半島東海岸のペルシア湾に面する港町で、同国最大の都市。中東有数の世界都市でもある。人口は約64万人で、外国人労働者を含めると約240万人(2019年)。カタールの人口の60%がドーハ都市圏に住んでいる。
町は1825年に「アル・ビーダ (Al-Bida)」という名で設立された。後のダーハの市名は、アラビア語で「大きな木」の意味で、カタール半島の東海岸の漁村(今日のドーハの元になった)にあった大木に由来する。1825年、アブダビに支援されたバーレーンとの戦争で、新しい町は大きな損害を受けた。その翌年、オスマン帝国はサーニー・ビン・ムハンマドをシェイク(シャイフ)に任命、後にカタールの首長(ハキム)になる。1882年には市の南西部に砦が建設され、その翌年にはオスマン帝国との武力衝突に勝利した。
1916年にはイギリスのカタール保護領の首都となった。1917年、アブドゥッラー・ビン・ジャースィム・アール=サーニーによって市の中心部に要塞が築かれた。20世紀初頭まで真珠と漁業が主な産業であったが、1930年代に日本で真珠の養殖が開発されると、カタールの真珠産業は壊滅、不況で飢餓まで起こった。
1949年より石油の輸出を行うようになり、1971年には独立に伴いカタールの首都となった。1996年には衛星テレビ局アルジャジーラが放送を開始した。2001年には世界貿易機関 (WTO) の第4回閣僚会議が行われ、ドーハ宣言が採択された(ドーハラウンド)。2006年にはアジア競技大会が過去最大の規模で開催された。
外国人が大多数で、特にインド、パキスタン、バングラデシュ、フィリピンからの労働者が多い。レバント諸国や北アフリカからも多い。現在ではカタールの市民権を有さないものでもドーハに不動産を購入できるようになった。そのため、人口が急増中で、毎月、1万を優に越える人口増加が起きており、住宅不足が深刻な問題になっている。
砂漠気候に属し、6月から8月の平均最高気温は40°Cを超える。
ドーハの気候 | |||||||||||||
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月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年 |
最高気温記録 °C (°F) | 31.2 (88.2) |
36.0 (96.8) |
39.0 (102.2) |
46.0 (114.8) |
47.7 (117.9) |
49.0 (120.2) |
48.2 (118.8) |
48.0 (118.4) |
45.5 (113.9) |
43.4 (110.1) |
38.0 (100.4) |
32.2 (90) |
49 (120.2) |
平均最高気温 °C (°F) | 21.0 (69.8) |
22.7 (72.9) |
26.5 (79.7) |
31.9 (89.4) |
38.2 (100.8) |
41.1 (106) |
41.3 (106.3) |
40.7 (105.3) |
37.6 (99.7) |
35.2 (95.4) |
29.5 (85.1) |
24.1 (75.4) |
32.48 (90.48) |
日平均気温 °C (°F) | 17.0 (62.6) |
17.9 (64.2) |
21.2 (70.2) |
25.7 (78.3) |
31.0 (87.8) |
33.9 (93) |
34.7 (94.5) |
34.3 (93.7) |
32.2 (90) |
28.9 (84) |
24.2 (75.6) |
19.2 (66.6) |
26.68 (80.04) |
平均最低気温 °C (°F) | 12.8 (55) |
13.7 (56.7) |
16.7 (62.1) |
20.6 (69.1) |
25.0 (77) |
27.7 (81.9) |
29.1 (84.4) |
28.9 (84) |
26.5 (79.7) |
23.4 (74.1) |
19.5 (67.1) |
15.0 (59) |
21.58 (70.84) |
最低気温記録 °C (°F) | 3.8 (38.8) |
5.0 (41) |
8.2 (46.8) |
10.5 (50.9) |
15.2 (59.4) |
21.0 (69.8) |
23.5 (74.3) |
22.4 (72.3) |
20.3 (68.5) |
16.6 (61.9) |
11.8 (53.2) |
6.4 (43.5) |
3.8 (38.8) |
雨量 mm (inch) | 13.2 (0.52) |
17.1 (0.673) |
16.1 (0.634) |
8.7 (0.343) |
3.6 (0.142) |
0 (0) |
0 (0) |
0 (0) |
0 (0) |
1.1 (0.043) |
3.3 (0.13) |
12.1 (0.476) |
75.2 (2.961) |
平均降雨日数 (≥1.0 mm) | 1.7 | 2.1 | 1.8 | 1.4 | 0.2 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.1 | 0.2 | 1.3 | 8.8 |
% 湿度 | 71 | 70 | 63 | 52 | 44 | 41 | 49 | 55 | 62 | 63 | 66 | 71 | 58.9 |
平均月間日照時間 | 244.9 | 224.0 | 241.8 | 273.0 | 325.5 | 342.0 | 325.5 | 328.6 | 306.0 | 303.8 | 276.0 | 241.8 | 3,432.9 |
出典:NOAA (1962-1992) [1] |
カタール経済の中心であるドーハの主な産業は石油産業と天然ガス産業である。カタール最大の石油「カタール石油 (Qatar Petrolium)」、ガス会社ラスガスなど、多くの会社がドーハに本社を持つ。カタール政府は石油ガス依存からの脱却を目指し、産業の多角化を奨励している。その結果、首長ハマド・ビン・ハリーファ・アール=サーニー本人による都市近代化事業が進んでいる。
ドーハはアラブ首長国連邦のドバイのように観光産業が主眼ではなく、文化・教育・放送面に力を入れている。
食糧などの物資の多くは、輸入に頼っている状況である。2017年6月に周辺諸国から国交断絶(2017年カタール外交危機)を突き付けられ、隣国サウジアラビアからの物資の輸入が見込まれなくなった際には、スーパーマーケットの商品が買占めされる状態となった[2]。
ドーハ市内では、各地で大型開発が行われている。
ドーハには1973年創立のカタール大学 (University of Qatar) がある。エデュケーション・シティーという地域には、カタール大学を含む多くの大学がキャンパスを持つ。ジョージタウン大学やカーネギーメロン大学等のアメリカの6つの有名大学もここにキャンパスを持ち、研究機関も集積している。さらに、ドーハには海外駐在員の子女の教育のためのインターナショナル・スクールも多い。
教育はカタール政府が大変力を入れている分野で、エデュケーション・シティーを運営するカタール財団が設立されている。
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