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台湾の航空会社 ウィキペディアから
エバー航空(エバーこうくう、英: EVA Airways、中: 長榮航空)は、台湾の航空会社。イギリス・スカイトラックス社による航空会社の格付けで、実質最高評価の「ザ・ワールド・ファイブ・スター・エアラインズ(The World's 5-Star Airlines)」の認定を得ている。
1989年4月7日に、民間航空会社として大手海運会社、長栄海運(エバーグリーン・マリン)を中心とする会社グループの長榮集団の張榮發により設立[1]。1991年7月1日に営業を開始した。親会社の名称はエバーグリーンだが、既存のエバーグリーン航空(アメリカ合衆国)との混同を避けるため、「エバー航空 (Eva Airways) 」とした。なお、無線でのコールサインは「イーヴァエア (Eva Air) 」、または「イーヴァ(Eva)」である。(日本の空港での英語でのアナウンス時には、イー・ヴィ・エー・エアと発音)。開業時の客室乗務員などサービス部門の教育は全日本空輸(ANA)を参考にした[2]。
日本路線は、成田国際空港、東京国際空港、関西国際空港、中部国際空港、新千歳空港、旭川空港、函館空港、青森空港、仙台空港、小松空港、松山空港、福岡空港、那覇空港の12都市、13空港へ乗入れている。また、青森空港、松山空港を除く日本を発着、経由する便が、ANAとの共同運航便となっている[注 1]。
エバー航空は2012年3月29日にスターアライアンスへの加盟が議決され[3][4]、2013年6月18日に正式加盟となった[5]。チャイナエアラインがスカイチーム加盟表明以前からスカイチーム各社と提携してきたため、エバー航空も同様にスターアライアンス加盟表明以前からスターアライアンスやワンワールド各社と提携する傾向にあった。具体的には、コンチネンタル航空(現・ユナイテッド航空)、ANA、エア・カナダ、USエアウェイズ、中国国際航空、アシアナ航空の各社と、マイレージの提携や共同運航などのサービス面での協力提携を行っている[注 2]ほか、ブリティッシュ・エアウェイズやルフトハンザドイツ航空と貨物輸送の協力提携を行っていた。
航空券の座席予約システム(CRS)は、アマデウスITグループが運営するアマデウスを利用している。 [6]
2007年3月ドイツのエアロインターナショナル誌においては、過去16年間 一度も死亡・航空機損失事故を起こしていないとして、最も安全な航空会社のうちの1社と評価されている[7]。エバー航空は、2016年6月15日、イギリスの調査会社スカイトラックス(SKYTRAX)との合同発表で、エアライン・スター・ランキングで最高評価「5スター」を獲得したと発表。世界で8社目の5つ星認定航空会社となり、台湾の航空会社でははじめて、5つ星認定を獲得した。
2005年、サンリオ側が機内販売でのグッズ取扱を打診したが、当時の総経理(CEO)だった創業者四男の張國煒が機体のラッピングやアメニティグッズへの全面展開を主張し、大掛かりなものとなった[8]
航空会社として初めてサンリオと提携[9]し、ハローキティの塗装やアメニティを施した「ハローキティジェット」を2005年に導入し、2機体制で主に日本路線に使用していた。空港のチェックインカウンターにも客室乗務員姿のハローキティが大きく描かれ、機内では離陸するとキティグッズ(トランプ等)が搭乗記念に配られていた。これらは2008年10月に全ての提携運航を終了した(機体の塗装は2009年3月頃には通常塗装に戻された)。
2011年に就航20周年を記念し、新たに導入されたエアバスA330-300型機の3機を「ハローキティジェット」として、台北/桃園 - 札幌/新千歳線(同年10月31日〜)・台北/桃園 - 福岡線・台北/桃園 - ソウル/仁川線・台北/桃園 - 東京/成田線(3路線は同年内〜)に投入させると発表した[10]。最初の1機目は予定通り同年10月31日から、2機目は同年12月7日の台北/桃園 - 福岡線から、3機目は同年12月24日の台北/桃園 - 札幌/新千歳線でそれぞれ投入開始。
その後の市場で高評価を得ていることから、エアバスA330-200型機の2機を「ハローキティジェット」として、新たに台北/松山 - 東京/羽田線・台北/松山 - 上海/虹橋線の2路線を追加させた[11]。4機目は2012年5月23日に台北/桃園 - 香港線[12]、5機目は同年6月22日に台北/桃園 - 東京/成田線でそれぞれ投入開始[13]。
更にボーイング777-300ER型機の1機を「ハローキティジェット」として、台北/桃園 - ロサンゼルス線の一部に2013年9月18日から投入開始した[14][15][16]。2014年10月29日からは、台北/桃園 - パリ シャルル・ド・ゴール線にも週4便のうち週2便へ導入した[17]。2015年6月19日からは、台北/桃園 - ヒューストン線を週3便で就航開始とともに導入される[18]。2機目は同年6月21日から台北/桃園 - シンガポール線の一部に導入した[19]。なお、これらボーイング777のハローキティジェットは、後述の長距離国際線の間に合いで成田 - 台湾/桃園線・関西 - 台湾/桃園線に入ることもある。
2016年11月24日より、エアバスA321の1機(機体番号:B-16205)にサンリオキャラクターのぐでたまを起用した「ぐでたまジェット」塗装となり、成田 - 台湾/桃園線の一部に導入を開始した[20]。なおこの機材は、特別塗装となる前にウィングチップフェンスからシャークレットの取り換えが行われ、特別塗装と同時に垂直尾翼の塗装が新しくなった。2017年6月28日からは、同じエアバスA321の1機(機体番号:B-16207)に「ハローキティ なかよしジェット」塗装となり、関西・沖縄/那覇 - 台北/桃園線へ投入された[21][20]。
2017年よりエアバスA330-300の初期導入機3機が順次新しいハローキティ塗装へ更新された。「マジックスター」は「バッドばつ丸 ファントラベルジェット」(機体番号:B-16331のまま)になって同年3月4日から、「アップル」はサンリオキャラクターが勢揃いの「ドリームジェット」(機体番号:B-16332のまま)になって4月10日から、「アラウンド・ザ・ワールド」は「パーティージェット」(機体番号:B-16333のまま)になって5月23日からそれぞれ就航した。これら3機は「ぐでたまジェット」の時と同じく、垂直尾翼の塗装は新塗装となった。またバッドばつ丸ジェットは主に台北/桃園 - 成田・福岡・小松線などへ、ドリームジェットとパーティージェットは主に台北/松山 - 東京/羽田線へ投入されている。
エバー航空は下記航空会社とコードシェアを行っている(2017年1月 現在)。※印はスターアライアンス加盟会社
上位の座席クラスでは、ニューヨーク・タイムズにより「世界の10大レストラン」に選出された鼎泰豊の点心がメニューにある。他にはオンライン予約でしか味わえない機内食や、ベジタリアンミール・低刺激ミールなどの機内特別食も用意されている。オンライン予約限定メニューは出発の21日前から24時間前まで、機内特別食はごく一部が3日前であるのを除き、出発の24時間前に予約係員まで申し込むと対応できる。
マイレージサービスである。元々は「エバーグリーンクラブ」という名称だったが、2013年6月18日にスターアライアンスへの加盟を機に改称された。スターアライアンス各社の他、子会社のユニー航空と提携している。入会は満2歳以上から可能で、12歳までは保護者1人以上と共に入会している必要がある。
エバー航空がボーイング 747-400を自社発注した際、ボーイング社から航空機の顧客番号(カスタマーコード)として5Eが与えられており、航空機の形式名は 747-45E、777-35EER などとなる。
機材 | 保有数 | 発注数 | 座席数 | 備考 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|
C | W | Y | 計 | ||||
エアバスA321-200 | 17 | - | 8 | - | 176 | 184 | A321neoに置き換え予定 |
エアバスA321neo | - | 15 | TBA | 既存A321の更新機材 2026年より導入予定[35] | |||
エアバスA330-300 | 9 | - | 30 | - | 279 | 309 | |
エアバスA350-1000 | - | 18 | TBA | 既存機の更新機材 2026年より導入予定[35] | |||
ボーイング777-300ER | 34 | - | 38 | 64 | 221 | 323 | 3機を貨物型に改造予定[36] |
39 | 56 | 238 | 333 | ||||
39 | 56 | 258 | 353 | ||||
ボーイング787-9 | 4 | 9 | 26 | - | 278 | 304 | [37][38][39] |
ボーイング787-10 | 11 | 6 | 34 | - | 308 | 342 | [40][38] |
貨物機材 | |||||||
ボーイング777F | 9 | - | 貨物 | ||||
ボーイング777-300ERSF | - | 3 | 貨物 | 旅客型からの改造[36] 2025年度から納入予定 | |||
計 | 84 | 51 |
なお、2015年11月12日に受領したB777-300ER(機体番号:B-16725)には、垂直尾翼にあったオレンジ色の縦線が消去されて胴体も流線型となった新塗装が施されており、2017年までに8機追加して台湾/桃園 - ニューヨーク線などの北米路線に進出する[41]。ただし、長距離路線の運用間に合いで成田 - 台湾/桃園線や関西 - 台湾/桃園線に入ることもある。 2015年10月に787ファミリー最大の機体である787-10を確定18機、オプション8機の合計24機を発注した[42][43]。ボーイング747-400(旅客型)の退役により、同社の旅客運航用フリート四発エンジン機は全機退役となった。
※現在運航している物のみ記述
2024年8月の時点でエバー航空は、死者や航空機の全損を出す事故は1件も起こしていない。
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