フェデックス
アメリカ合衆国の運送会社 ウィキペディアから
フェデックス・コーポレーション(英:FedEx Corporation)は、アメリカ合衆国テネシー州メンフィス市に本社を置く、フェデックスグループの持株会社である。傘下のフェデックス・エクスプレス(FedEx Express)は航空貨物輸送事業を行い、その取扱量は常に世界トップ5に入り続けている[1]。
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歴史
→創業から1997年の持株会社化まではフェデックス・エクスプレス#歴史を参照
同社は1971年にアメリカ合衆国アーカンソー州リトルロックでフレデリック・W・スミスによって設立されたフェデラル・エクスプレス・コーポレーション(Federal Express Corporation)を前身とする。
1997年10月2日、フェデラル・エクスプレスを子会社とする持株会社「FDX コーポレーション」を設立した[2]。
1998年1月、キャリバー・システム社(Caliber System, Inc.)を買収し、この子会社である小包宅配便業務を行うRPS(Roadway Package System)、速達配達業務を行うロバーツ・エクスプレス(Roberts Express)や、物流サービスを提供するキャリバー・ロジスティクス(Caliber Logistics)などを傘下に置いた。この買収により同社は速達配送以外のサービスを提供するようになった[2]。
2001年1月、「FDX コーポレーション」は社名を「フェデックス・コーポレーション」に変更し、子会社名も変更した。航空貨物事業を行っていた「フェデラル・エクスプレス」を「フェデックス・エクスプレス」に、「RPS」は「フェデックス・グランド」に変更するなどサービスを「フェデックス」に統一した[2]。
2004年2月、書類のコピーおよびプリント・サービスを提供する1,200店舗を持つアメリカのチェーン店「キンコーズ」(Kinko's)を買収し子会社化[2]。
2016年5月、オランダの国際物流大手「TNTエクスプレス」を買収し子会社化[2]。
2022年6月1日、創業者のフレデリック・W・スミスが CEO を退任し、取締役会長に就任。後継として前社長兼 COO のラジ・スブラアニアムが就任[3]。
2024年6月1日、子会社の「フェデックス・エクスプレス」「フェデックス・グランド」「フェデックス・サービス」の3社を「フェデラル・エクスプレス・コーポレーション」に統合[4][5]。
子会社とロゴ

子会社名 | 色 |
---|---|
フェデックス・エクスプレス | オレンジ |
フェデックス・カスタム・クリティカル | 青と赤 |
フェデックス・グランド | 緑 |
フェデックス・フリート | 赤 |
フェデックス・ロジスティクス | 灰色 |
フェデックス・サービス | 灰色 |
フェデックス・オフィス | 青 |
フェデックスのロゴは1994年に、当時ランドーアソシエイツに勤めていたリンドン・リーダー(Lindon Leader)[6]がデザインした。 Eとxの間の空白には右向きの矢印(→)を隠し絵的に見出すことができる。矢印を配置するため、UniversとFuturaの特徴を併せ持った独自の書体をデザインした[7]。
2000年代初頭、ロゴの「Ex」は各子会社によって異なる色が用いられており、会社全体を表す時は灰色が用いられていた。しかし2016年8月にすべてのロゴの色をオレンジ色に統一すると発表し、子会社ごとの色違いロゴは廃止された[8]。
- フェデックス・エクスプレス(FedEx Express) - フェデックス・ブランドの下で貨物航空機(カーゴ機)の運行を担当する、航空貨物輸送会社。
→詳細は「フェデックス・エクスプレス」を参照
- フェデックス・グランド(FedEx Ground)- アメリカとカナダで日時指定の郵便や小包を配送する輸送会社。
- フェデックス・フリート(FedEx Freight) - アメリカとカナダでLTL(小口貨物輸送)を行う輸送会社。
- フェデックス・オフィス(FedEx Office) - 旧フェデックス・キンコーズ、日本の「フェデックス キンコーズ(FedEx Kinko's)」は2012年にコニカミノルタビジネステクノロジーズに売却され、キンコーズ・ジャパン株式会社に商号変更。
- マクドネル・ダグラス MD-11F
- ボーイング777F
- フェデックスの電気トラック
命名権と冠イベント
アメリカ合衆国のメリーランド州ランドーバー郊外にあるNFLワシントン・レッドスキンズの本拠地スタジアム「ジャック・ケント・クック・スタジアム」の命名権を、フェデックスが1999年11月に取得してスタジアム名が「フェデックスフィールド」となった。しかし同社は2024年に命名権を破棄し、現在はノースウェスト・スタジアムとなっている[9]。 また、同国テネシー州メンフィス市中心部に2004年オープンしたフェデックスフォーラムは、NBAメンフィス・グリズリーズとメンフィス大学男子バスケットボールチームの本拠地となっている。
フェデックス・セントジュード・クラシックは、メンフィス市で毎年6〜7月に開催されていた世界ゴルフ選手権のひとつである。1986年からフェデックスがスポンサーを務めているが、2007年からはスタンフォード・フィナンシャル・グループが新スポンサーとなり、フェデックスはスポンサーを降りる予定になっていた。その代わりに年間チャンピオンシップシリーズのフェデックスカップのスポンサーになった。2011年にはセントジュード・クラシックのスポンサーに復帰している。2019年からブリヂストン招待選手権の代わりに世界ゴルフ選手権の1戦として開催、大会名もフェデックス・セントジュード・インビテーショナルに変更される。更に2022年よりフェデックスプレーオフ第一戦としてザ・ノーザントラストに代わってフェデックス・セントジュード選手権として開催。
サッカーではUEFAチャンピオンズリーグの公式スポンサーとして2021/2022シーズンから務めている。(2018/2019〜2020/2021シーズンまではUEFAヨーロッパリーグの公式スポンサーを務めていた。※2015/16〜2017/18までのメインスポンサーを含む)
日本法人は、長野県塩尻市の塩尻営業所に社会人野球チームの本拠地登録をしており、都市対抗野球出場を目指して北信越代表として挑戦している(FedEx硬式野球部)。
フェデラルエクスプレス ジャパン
![]() 本社が入居するワールドビジネスガーデン マリブウエスト(右) | |
種類 | 合同会社 |
---|---|
市場情報 | 非上場 |
本社所在地 |
日本 〒261-0023 千葉県千葉市美浜区中瀬2丁目6番地1 ワールドビジネスガーデン マリブウエスト |
設立 | 1984年8月 |
業種 |
国際航空貨物取扱業 航空運送業 通関業 倉庫業 |
法人番号 | 5040001008612 |
事業内容 | 国際航空貨物取扱 |
外部リンク | https://www.fedex.com/ja-jp/home.html |
フェデラルエクスプレス ジャパン合同会社(英: Federal Express Japan GK)は、千葉県千葉市美浜区中瀬のワールドビジネスガーデン マリブウエストに本社を置く、フェデックスの日本法人である。
日本国内における貨物の配達は、フェデックスの営業所が直轄している地域は直接配達するほか、2015年12月以降は30kg以下の貨物に限り日本郵便が行う[10]。2015年12月以前は営業所直轄地域を除き主にセイノースーパーエクスプレス(沖縄県のみ日本通運)が行っていた[11]。
2003年 - 2004年には、水素・燃料電池自動車実証プロジェクト(JHFC)の一環としてゼネラルモーターズから燃料電池自動車"Hydrogen 3"(オペル・ザフィーラがベース)を借り受け、東京都江東区の有明営業所で配送車として使用していた[12]。
沿革
航空事故・事件
→子会社のフェデックス・エクスプレスでの航空事故・事件は、フェデックス・エクスプレス#事故・事件を参照
脚注
関連項目
外部リンク
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