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岩手県を営業エリアとするバス事業者 ウィキペディアから
岩手県北自動車株式会社(いわてけんぽくじどうしゃ、英語: Northern Iwate Transportation Inc.)は、岩手県盛岡市・宮古市を主な営業エリアとするバス事業者。戦時統合により1943年10月13日に設立された。岩手県交通とともに岩手県を代表するバス事業者である。1978年より運行開始した106急行バス以降、高速バスを積極的に展開する。
新・旧各世代の車両の並び | |
種類 | 株式会社 |
---|---|
市場情報 | 非上場 |
略称 | 岩手県北バス、県北バス |
本社所在地 |
日本 〒020-0124 岩手県盛岡市厨川1-17-18 |
設立 | 2009年8月26日(旧・岩手県北自動車は1943年10月13日設立) |
業種 | 陸運業 |
法人番号 | 2400001005014 |
事業内容 |
一般乗合旅客自動車運送事業 一般貸切旅客自動車運送事業 旅客定期航路事業 他 |
代表者 | 代表取締役社長 松本順 |
資本金 | 16264万円 |
純利益 | ▲5億8190万2000円(2020年09月30日時点)[1] |
総資産 | 51億3019万2000円(2020年09月30日時点)[1] |
従業員数 | 648名(2019年3月31日現在) |
主要株主 | みちのりホールディングス (100%) |
主要子会社 |
浄土ヶ浜パークホテル みちのりトラベル東北 宮古カーシェアリング |
外部リンク | http://www.iwate-kenpokubus.co.jp/ |
2010年にみちのりホールディングス傘下入りし、2017年に南部バスの事業を継承したことで青森県八戸市を中心とした南部地方へも営業エリアを拡大した。IGRいわて銀河鉄道への出資企業の1社でもある。岩手県バス協会、青森県バス協会、宮城県バス協会会員[2][3][4]。
岩手県に初めてバスが走ったのは、1912年に盛岡と宮古を結んだ盛宮自動車で、その前身は1906年からこの区間に乗合馬車を運行していた盛宮馬車である。徒歩で約3日かかっていたものが馬車で12時間に、さらにバスとなったことで8時間に短縮された。バス輸送の黎明期において100 kmに及ぶ長距離運転を行っていたことが特筆される[5]。イタリア製の20人乗りの大型自動車を4台導入していたが、当時の宮古街道はかなりの悪路でとても大型自動車の運行ができるような道路ではなく、1916年には新渡戸稲造を乗せたバスが転覆するという事故も発生している[5]。これらのことから、盛宮自動車では車両を小型化の上、山田線開通まで運行を続けていた。
その後、岩泉・宮古・軽米地区にバス事業者が設立され運行を開始するが、第二次世界大戦に入るとガソリン規制が行なわれたため、これらの中小事業者の経営を圧迫した。さらに1942年には陸上交通統制の通牒が出されることになり、岩手県は大きく4ブロックに分けられ、太平洋沿岸の岩手県北部は岩手県北自動車(県北バス)に統合されることとなった。こうして、1943年10月13日に岩手県北自動車が設立された。この時の本社所在地は岩泉だった。
統合間もない1944年、沼宮内と平館を結ぶ路線は戦時統制強化要請勧告に基づき、省営自動車(省営バス)に譲渡されることとなった[6]。その他の路線も大部分を省営自動車に移管するように求められていたが、戦時中の移管は一部にとどまっている。
しかし、第二次世界大戦が終結した後の1946年に、省営バスは県北バスに対し戦時中の約束に従って路線の譲渡を要求した。県北バスではやむなく廃止補償金と引き換えにこれを受け入れ、1947年4月に久慈近辺の7路線を、同年12月には岩泉近辺の各路線を省営バスに移管した。このため、県北バスの路線網は本社所在地の岩泉には走らず、伊保内・沼宮内・宮古の各地区に分断されることになった。しかし1948年からは新たな地区へ路線網を広げ、1955年までには野田、小本、重茂、平館、盛岡、一戸、山田の各地に拠点を設置することとなった。県北バスの営業エリアは当時から過疎地と呼ばれる地区が多く[7]、新規路線の一部はスクールバスと兼用したものが目立った。
1948年のアイオン台風によって山田線が長期にわたって不通になった際には、県北バスも代行バス輸送を担当することになり、茂市に営業所を設置して代行輸送にあたった。1951年には代行輸送は終了するが、これによって県北バスは苦しい経営状態から脱することができた[7]。この代行輸送の実績から、沿線市町村より「宮古と盛岡の間に急行バスを」という要望が強まり、折しも1954年に区界峠の悪路が改修されたことから、県北バスでは1955年6月から宮古 - 盛岡間の急行バスの運行を開始した。所要時間は5時間程度で、盛岡駅を9時に発車する東北本線の列車に間に合わせるため、宮古を午前4時に発車する便も設定されていた[8]。
1966年には道路改良により盛岡から早坂高原を経由して岩泉に向かうルートに大型バスの運行が可能となり、岩泉に本社を置いていた県北バスも乗り入れを希望したが、国鉄バス・岩手中央バスとの折り合いがつかず、最終的には参入を断念した。ただし龍泉洞への乗り入れは免許を取得できたため、宮古から龍泉洞への路線を1969年に運行開始した。1967年には八幡平観光道路が開通し、県北バスは盛岡と八幡平山頂を直通するバスを運行した。この際に乗客を待たせず立たせず増発を出す体制を作った[9] が、この続行便のノウハウが後年役立つことになる。1974年には松尾鉱山の閉山によって松尾村が観光立村を志したことから、これに応える形で温泉郷へのバス乗り入れを開始した。この年から一部路線でのワンマン運行を開始し、1976年には8割程度がワンマン化されることになった。
この時期、県北バスの労使関係は、経営状態が観光客の増加に伴い順調だったこともあっておおむね良好であった。1974年に岩手県内バス事業者の公的一元化案が出た際には、県北バスは協議会への参加を拒否している[10]。
1978年11月1日、国道106号の全面改修が完成したのを契機として、宮古 - 盛岡間を2時間程度で結ぶ急行バス「106急行バス」の運行を開始した。「鉄道より早くマイカーより快適」というコンセプトで、乗客が多い場合は無線で直ちに続行便を設定して着席を保証するという対応で、当初6往復で運行開始したものが、1982年には14往復にまで増便されることになった。106急行の成功によって県北バスの経営状況はさらに好調となり、106急行の利益を過疎路線の維持に充てるという内部補填が可能になったことから、1979年には国庫からの過疎路線維持の補助金を返上する[11][12] など、当時としては東北地方トップクラスの優良バス事業者となった[11]。1985年には岩手県交通が運賃の値上げを申請したのに対して、県北バスは値上げを見送っている[13]。この時点での基準賃率は日本のバス事業全体でも低い部類に入る28円40銭[14]となっており、その後少なくとも1993年までは運賃改定を行なっていない[14]。
1979年には、本社を岩泉町から盛岡市に移転した。
東北新幹線開業の1982年には、新幹線のフィーダー輸送を目的とする特急バスの運行がいくつか計画され、すでに106急行で都市間輸送に自信をつけた県北バスも積極的に計画に参画した[15]。1982年の東北新幹線開業と同時に「とわだこ号」「みちのく号」の運行を、1985年からは「ヨーデル号」の運行も開始した。
一方で観光輸送についても、1981年に営業エリア内に安比高原スキー場が営業を開始するなど、新たな動きが目立った。1987年には西根営業所内に温泉が湧いたのを利用して「ゲンデルランド」を設立するなど、成長を続けた。
1999年に盛岡市がオムニバスタウンに指定されたのを受け、県バス協会ではゾーンバス方式の導入を決定した。2000年に松園地区の岩手県交通の路線でゾーンバスシステムの導入が開始され、年間利用者数が増加したことから、その後は他の地区への展開も行われ、2003年にゾーンバスシステムが導入された厨川地区では県北バスが担当することになった。
事業地域の過疎化の進行や岩手・宮城内陸地震、さらに燃料費の高騰などもあり、2009年5月14日に民事再生手続きを申請し倒産した。ハンズオン型コンサルティング会社の経営共創基盤が支援を行うことを発表した[16]。当時の再建計画では、一般路線バスは運行を継続するものの、高速バスは不採算の路線で減便する可能性もあると示唆していた。
2010年3月1日に会社分割を実施。旧・岩手県北自動車(現・県北管理)のバス事業、旅客船事業、旅行事業、サービスエリア事業と、全従業員を新会社に承継。旧会社がみちのりホールディングスに全株式を譲渡の上、さらに新株式を発行し、みちのりホールディングスの100%出資を受けた新会社が発足。同年4月1日にはみちのりホールディングス社長の松本順が社長に就任、新経営体制での再建を目指すこととなった[17]。
2018年4月24日、みちのりホールディングスは同じ岩手県に本社を置く東日本交通を傘下にし、岩手県北バスと東日本交通との連携も図った[18][19]。
2016年11月28日に民事再生法の適用を申請した南部バス(青森県八戸市)との間で、南部バスのバス事業および同社の子会社である南部バス観光について、翌2017年2月 - 3月を目途に譲受する方向で協議が行われ[20][21][22]、同年12月28日に南部バスとの間で、同社からバス事業などの全事業を譲受する契約を締結した[23][24]。当初は2017年2月15日付での事業譲受を予定していたが、同年3月1日に延期された[25][26]。
南部バスが行ってきた事業は、同年3月1日付で受け皿となる岩手県北自動車南部支社を開設して継承した[27]。これにより、南部バスの八戸営業所・三戸営業所・五戸営業所の3営業所は県北バスの営業所となり、南部バスの従業員は県北バスに再雇用された。また南部バス観光も県北バスの子会社となった。
県北バスグループの路線バスの営業エリアは従来の岩手県北部の他に、青森県南部地方にも拡大することになったが、青森県三八地方を営業エリアとする南部バスのブランドは維持されることとなった[28]。なお、岩手県内で発行された乗車券・定期券・バスカードは南部支社管内の路線では使用できず、また、青森県内で発行された南部バスの回数券など(八戸市営バス・十和田観光電鉄発行の回数券を含む)は岩手県エリアの路線では使用できない[29]。
2011年12月5日に盛岡市盛岡駅前北通5番1号より移転。
1993年12月に現在地に移転。以前は盛岡市上堂(氏子橋バス停前)に所在した。
盛岡営業所の高速バス部門を分離した、盛岡営業所南車庫として設置。
旧・西根営業所。
旧・沼宮内営業所。
冬季のみ開設され、安比高原スキー場発着便の続行便対応など、運行管理を行う。
2020年5月頃に移転。旧営業所は宮古市館合町7-11に所在。
高台のため東日本大震災による津波の被害は受けなかったが、震災後に区画整理および事務所の建替えが行われた。震災後は宮古市から重茂地区のスクールバスなどに使用するマイクロバスの運転業務も受託しており、同車庫を拠点に運用されている。
旧・小本営業所→小本支所。長らく岩泉町小本字小本9に所在していたが、震災に伴う津波により被災。三陸鉄道小本駅(現:岩泉小本駅)構内(岩泉町小本字南中野241)へ移転、宮古営業所管轄下の小本支所となる。その後、小本駅近隣の現在地へ移転。小本駅が岩泉小本駅に改称されたことに伴い、支所名も岩泉小本支所に変更。
旧・山田営業所。かつて山田町船越6-51-6(岩手船越駅至近)に所在していたが、震災に伴う津波により被災し移転。宮古営業所管轄下の山田支所となる。
宮古市遊覧船「宮古うみねこ丸」の運航を担当。
旧・伊保内営業所。
開設からしばらくは貸切のみであったが、1991年に盛岡駅 - 戸呂町間の高速バス(のちの「久慈こはく号」)開設に伴い、久慈営業所が同路線の拠点となる。2003年4月、新中の橋から川崎町へ移転。
2015年4月27日に開設、5月より本格的に事業開始。バス運行を行う営業所として初の県外営業所となる。当初は貸切のみであったが、2017年1月より「松島・平泉直行バス」を担当。2019年11月27日に多賀城市町前一丁目9番47号(仙台港後背地)から現在地に移転[83]。
営業担当者が駐在する営業所で、バス運行には関与しない。
旧・南部バス本社、南部バス八戸営業所。
旧・南部バス三戸営業所。
旧・南部バス五戸営業所。通称「五戸駅」。
2019年10月26日に開設
青森市営バス西部営業所の一部路線運行受託、MEX青森の運行を行っている。 <name="kenpoku20190910" />。
1952年開設。1982年1月に西根町(現:八幡平市)大更に機能を移転し、西根営業所(現:八幡平営業所)となった[84]。
軽米町内の路線撤退により、2003年3月31日限りで廃止。しばらくの間は軽米連絡所として施設は残り、軽米新町発着便の回転場・乗務員休憩場所として使用されていた。その後、施設は売却され、2012年7月より折返し待機は軽米インター駐車場または軽米病院駐車場で行われるようになった。
1999年12月1日に西根営業所と統合され廃止(西根営業所は八幡平営業所と改称)。車両・乗務員配置がなくなった後も、東八幡平車庫として窓口営業および折返し待機は残り、タクシーが待機するなど交通結節点として機能していたが、2013年11月30日をもって営業終了し完全に閉鎖された。代替として近隣の松尾歴史民俗資料館(現:松尾鉱山資料館)に停留所が設けられたが、同時に東八幡平発着だった便は大半が八幡平ロイヤルホテル(同ホテル冬季休業時は八幡平リゾートホテル→のちに八幡平マウンテンホテルへ名称変更)まで延長されたため、折返し待機場所も移っている[40]。
106急行専用の駐車場。盛岡駅前通(旧本社付近)に所在。後述の盛岡西口駐車場に移転し消滅。跡地はJR東日本系列の仙建ビル駐車場。
106急行を中心に、盛岡駅西口やアイーナ前発着便が待機のため入庫する。東日本大震災に伴う臨時運行の際には東日本急行など共同運行会社も入庫した。2011年秋頃より盛岡駅西口地区駐車場(岩手県交通や秋北バスと共用)を使用するようになり閉鎖。跡地はJR東日本系列の東日本電気エンジニアリング盛岡支店社屋。
旧盛岡バスセンター構内・1番ホーム前にあった。2016年9月30日の盛岡バスセンター閉鎖に伴い廃止。
営業担当者のみ駐在する営業所で、バス運行には関与していなかった。仙台宮城営業所開設に伴い統合。
括弧内は共同運行会社。「アーバン号」「ヨーデル号」「あすなろ号」「みちのく号」「久慈こはく号」「八盛号」では「iGUCA」並びに「ハチカ」など交通系ICカード全国相互利用サービスが利用可能。「八盛号」は「ハチカ」と相互利用となる[73][85]。
軽米高速線を除く全路線でWi-Fiが利用可能[54]。ただし共通運行の路線は県北バス担当便のみのサービスとなる。
(弘南バス)
(弘南バス・岩手県交通)
(秋北バス)
東北自動車道全通前、旧・南部バス単独で八戸 - 一戸間に高速バスの計画があり、それを延伸して誕生した[86]。一戸営業所、南部支社八戸営業所の担当。八戸営業所担当便は一戸営業所にて代走されることがある。定員制。
2003年のダイヤ改正以降、本社担当便は伊保内営業所(のちに一戸営業所[注釈 3])で担当している。2015年のダイヤ改正で八戸 - 伊保内の出入庫便が廃止され、八戸市内で夜間滞泊する行路となったが車両・乗務員とも引き続き一戸営業所で担当し、下り便の九戸インターオドデ館で乗務員交代(日によっては同所で車両交換も実施)することとなった。一戸営業所の高速車2台が専属で使用され、検査時のみ車両交換を行う。
岩手県北バス担当便・南部バス担当便とも車内アナウンスデッキ内の放送では「特急八盛号」で統一されていたが、南部バスでは専用車両が1台しかなく、代走で貸切車両運用時の場合では「ハッセイ・E」「ハッセイエクスプレス」と案内される場合があった。
盛岡バスセンター - 前潟間および軽米インター - 八戸間のみの利用は不可。途中、畑PAにてトイレ休憩あり。ただし、一部の下り便(一戸営業所担当便のうち、後述する乗務員交代を行う便)は九戸インターオドデ館で休憩を実施する。
年度 | 運行日数 | 運行便数 | 年間輸送人員 | 1日平均人員 | 1便平均人員 |
2002年(平成14年)度 | 365 | 1,464 | 22,241 | 61.1 | 15.2 |
2003年(平成15年)度 | 366 | 1,466 | 19,938 | 54.5 | 13.6 |
2004年(平成16年)度 | 365 | 1,460 | 18,443 | 50.5 | 12.6 |
2005年(平成17年)度 | 365 | 1,460 | 17,898 | 49.0 | 12.3 |
2006年(平成18年)度 | 365 | 1,460 | 18,893 | 51.8 | 12.9 |
2007年(平成19年)度 | 366 | 1,466 | 18,757 | 51.2 | 12.8 |
定員制。「iGUCA」並びに交通系ICカード全国相互利用サービスによるICカードの利用が可能。
冬期間(12月 - 3月)に限り、週末便が運行される。金曜夜に久慈発、日曜午後に盛岡発。
盛岡バスセンター - 前潟間のみの利用は不可。競合路線であるJRバス東北「白樺号」「スーパー久慈」(2009年3月1日廃止)とは一部停留所の位置が異なる。
年度 | 運行日数 | 運行便数 | 年間輸送人員 | 1日平均人員 | 1便平均人員 |
2002年(平成14年)度 | 365 | 730 | 6,044 | 16.6 | 8.3 |
2003年(平成15年)度 | 366 | 735 | 8,013 | 21.9 | 10.9 |
2004年(平成16年)度 | 365 | 755 | 9,668 | 26.5 | 12.8 |
2005年(平成17年)度 | 365 | 755 | 10,483 | 28.7 | 13.9 |
2006年(平成18年)度 | 365 | 757 | 11,583 | 31.7 | 15.3 |
2007年(平成19年)度 | 366 | 760 | 12,147 | 33.2 | 16.0 |
(フジエクスプレス)
盛岡駅東口・盛岡駅西口・厨川駅前・厨川駅・おらほの温泉・八幡平営業所の各停留所で、「岩手きずな号」と八幡平方面・沼宮内方面の一般路線バスを乗り継いだ場合、東京発は乗継券を発行、久慈発は一般路線バス降車時に「岩手きずな号」の乗車券を提示することで、一般路線バスの運賃が半額となる。また厨川駅・おらほの温泉から乗車する場合に限り、無料で車を駐車できるパークアンドライドを利用できる。
仙台空港二次交通運行調査業務事業として2017年(平成29年)1月25日運行開始。運行主体である岩手県平泉町と宮城県東松島市・松島町より岩手県北自動車が運行業務を受託。予約不要で、各バス停間の利用が可能。バスガイドが乗務し、観光案内や情報提供を行う。この時点では2017年5月からフリーWi-Fiや外国語ガイダンスを導入予定とアナウンスされ[111]、このうち外国語ガイダンスが2017年10月に導入された[112]。
2017年4月からは岩手県北自動車が自主運行。同年3月末までの利用客は、想定の2,100人に対して約400人であった[113]。また、2017年2月は308便の運行に対し乗客数は90人、同年5月は362便に対し乗客数376人と、1便平均の乗客数は約1名という状況であった[114]。そのため同年5月11日より奥松島観光周遊バスの定期運行を廃止。その後は夏期の週末運行[115] に縮小[113]。また、同日より新たに「三井アウトレットパーク仙台港」と「松島観光物産館」の停留所を追加、仙台空港 - 松島間は1日5往復から6往復に増便した[116]。
2017年9月の月間利用者数は1,010人となり、開業以来初めて1,000人を越えた[117]。報道によれば、内訳は近畿圏からの観光客が4割を占め、台湾や韓国からの訪日外国人旅行者(インバウンド)も5%を超えた[118]。
2017年12月1日より、平泉発着便を1日2往復から1日3往復に増便し、朝の松島発仙台空港行を1本減便。これにより仙台空港 - 松島間は1日5.5往復となった[119]。
2018年3月25日より、仙台空港 - 松島間の便を1往復減便[120]。
2018年5月11日より、平泉発着便のうち1往復を花巻空港に延伸。地方空港間を結ぶ観光路線バスはこれが日本初であった[121][122]。あわせて平泉町内に「道の駅平泉」バス停を新設。平泉発着便は1日3往復→2往復(花巻空港発着便も含め)に減便、仙台空港 - 松島間が下り4本、上り2本に増便。
2018年7月21日より花巻発着便を花巻温泉に延伸し、5日間有効のフリーきっぷ(大人片道5,000円)の発売を開始[123]。
2018年10月28日より仙台空港→松島間の下り便を1本減便し、花巻温泉発の上り便を松島観光物産館止まりとした。仙台空港方面へは松島観光物産館で乗り換えとなった[124]。
2019年4月1日より、一部便が夏季(7月1日 - 8月31日)限定運行となった[125]。
2019年5月11日より、厳美渓(サハラガラスパーク前)バス停を新設した[126]。
2019年11月1日より運行体制を見直し。平泉 - 花巻間を廃止(あわせて厳美渓バス停も廃止)、平泉発着便を土日祝日のみの運行に変更。仙台空港 - 松島間は増便(下り7本(仙台空港→平泉1便含め)、上り4本に)。バスガイドの乗務も廃止(多言語ガイドによる対応)[127]。
2020年3月21日より、新型コロナウイルスの感染拡大による需要減少のため、当面の間運休となった[128]。
(宮城交通)
2021年(令和3年)8月7日から同年10月24日までの期間限定(79日)で運行。観光庁の「既存観光拠点再生・高付加価値化推進事業」の補助金を活用。1日4往復で、久慈駅、八戸中心街(六日町 / 三日町)、八戸駅に停車した[129]。
2022年(令和4年)も引き続き実証運行を実施。2023年(令和5年)度の本格運行を目指す。運行期間は同年8月6日から2023年(令和5年)1月15日まで(164日間)となり、国の『地域一体となった観光地の再生・観光サービスの高付加価値化事業』からの補助金を活用する。運行回数は前年度と同じく1日4往復で、八戸市内に「市営旭ヶ丘営業所前」「日赤入口」の2箇所のバス停を追加[130][131]。
(十和田観光電鉄)
旧南部バスが東京と青森県内を結んで運行していた「WILLER EXPRESS」、および県北バスが東京と盛岡・宮古を結んで運行していた「BEAM-1」を改名した路線である。
季節運行。2009年度以降は運行されていない。なお、2010年度以降は岩手県交通が盛岡駅西口 - 十和田湖間を運行している。
東日本大震災に伴う緊急支援バスとして、福島交通と共同運行していた。
定員制。岩手県北バス発行のバスカードが使用可能であった。
盛岡地区相互間のみ・軽米病院 - 二戸駅前相互間のみの利用はできなかった。
軽米新町 - おおのキャンパス間は各停留所に停車し、一般路線と同じ扱いで途中乗降可。
2015年(平成27年)12月18日に冬季限定の路線として運行開始[135]。予約制。仙台空港 - 盛岡駅西口間の利用も可能だった。
期間中毎日運行の定期便(1日1往復)のほか、臨時便が1日3往復設定されていた(臨時便は予約のある場合のみ運行。運行の有無は県北バスのウェブサイトで確認可)。なお、2017年度については2017年12月2日 - 12月14日と2018年3月26日 - 4月1日に定期便も予約制にて運行。この場合も予約のない場合には運行されなかった[136])。2018年度以降は運行がなく、仙台空港・仙台駅東口 - 安比高原スキー場は他事業者による宿泊者専用無料シャトルバスが運行されている[137])。
2018年(平成30年)12月15日から2019年(平成31年)3月24日の土日祝日(2018年12月29日 - 2019年1月6日は毎日)に運行した[138]。2019年度は設定なし。仙台地区は同社仙台宮城営業所と仙台駅東口(観光バスのりば)で客扱いを行っていた。
盛岡バスセンター始発の一般路線バスは、新バスセンターにおいては沼宮内方面は構内3番乗り場から、八幡平方面は構内4番乗り場から発車する。旧バスセンターでは全便が構内1番乗り場からの発車であった。106急行バスの盛岡駅方面や川目方面からのバスは(日専連向かい)乗り場に発着し、106急行バスの宮古方面や川目方面へ向かうバスは(ななっく向)乗り場に発着する。
岩手県北バス盛岡地区の路線では、岩手県交通が運行している盛岡都心循環バス「でんでんむし」に合わせ、盛岡駅 - 盛岡バスセンター間並びに好摩直通線(B41系統)の盛岡バスセンター - 医大内丸メディカルセンター間の運賃を「でんでんむし」よりも20円安い100円均一で運行している。100円均一区間は106急行バスを含む。ただし盛岡市内にて乗降制限(クローズドドアシステム)のある106特急バスは対象外となる。
盛岡地区の路線バスは2012年10月15日から、全車両にLED行先表示器と系路番号が表示されるようになった[139]。ただし間合い運用や臨時便などで高速バス・106急行用の車両が充当される場合はこの限りではない。
A00番台
A10 - 40番台
八幡平頂上方面は2020年改正より運行経路の見直しを実施した。
A50 - 60番台
A53は日・祝日運休。
A70番台
A80番台 -
沼宮内営業所が支所に格下げになった後も、行先表示・停留所名は沼宮内営業所のままである。
B10番台
2016年改正より日・祝運休便を1往復設定。
B20番台
※臨時専用
B30番台
すべて平日のみ運行。
B40番台
平日のみ運行。2020年4月1日に岩手県交通(好摩直通線、331)から移管。路線名も好摩直通線を継承する。移管後は渋民中央病院前 - 好摩口間は盛岡 - 沼宮内線と同一の停留所に停車し、盛岡バスセンター行は岩手県交通松園営業所にも停車するほか、盛岡バスセンター - 医大内丸メディカルセンター前間の運賃も150円から100円に値下げされた。なお、岩手県交通が運行している桜台団地線の同区間の運賃は170円のまま変更なし[65][140]。
B50番台
2004年4月1日、JRバス東北(下屋敷循環線)より移管。JRバスが通過していたバス停にも停車となる。2017年10月1日より陸中岩瀬張 - 陸中板橋 - 城山を廃止の上、東部線へ改称。廃止区間は回送扱いとなるため、時刻表にも「久ヶ沢 - 板橋は利用できません」と明記されている[141]。
B60番台
2004年4月1日、JRバス東北(平舘線)より移管と同時に上一方井発の運行経路を「岩手町役場経由いわて沼宮内駅行」から「いわて沼宮内駅経由岩手町役場前行」に変更。同時に運賃を区間別定額運賃から対キロ制運賃(上一方井方面と同様)に変更。2017年10月1日より一部便が 岩手町スポーツ文化センター「森のアリーナ」へ乗り入れを開始と同時に、系路番号の見直しを実施。2020年4月1日より岩手町スポーツ文化センター「森のアリーナ」への乗り入れ廃止、黒石温泉線(B70番台)と経路番号を統合。
B80番台
2004年4月1日、JRバス東北(下屋敷循環線)より移管。同時に城山 - 沼宮内営業所間を延長したほか、JRバスが通過していた石神バス停にも停車となる。B82は城山 - 陸中岩瀬張間は当該区間は回送扱いであり、時刻表にも「久ヶ沢 - 陸中板橋は利用できません」と注記されている[141]
C00 - 20番台
C03は高速道路を走行するため、高速バス車両の間合い運用で運行されることがある。C03・C07・C08・C09は土・日・祝日、C10は日・祝日運休。
C60番台
平日かつ盛岡農業高校登校日のみ運行。2023年4月1日改正により、経路番号をC62からC61に変更したうえで、盛岡大学まで延長。
D00番台
D04は土・日・祝日運休。
D10番台 -
平日の盛岡北高校登校日のみ運行。冬季のみの運行だが、2019年は通年運行されていた。
E00番台
E20番台
E40番台
F00番台
F10番台
F40番台
季節によって運行時刻が異なる。
宮古地区の路線バスは2014年4月6日から、全車両にLED行先表示器と系統番号が表示されるようになった[144]。
岩泉町内(A40番台)の現行路線については、「岩泉町民バス#小本線」を参照。
A00番台
A10番台
A12は土・日・祝日運休。
A20番台
東日本大震災以前は田老港が終点であった。
A30番台
B00番台
B10番台
B20番台
B30番台
1往復はヤマト運輸の宅急便を積載する貨客混載バスである。「106急行」で輸送されてきた宅急便をヤマト運輸宮古営業所で積み替え、重茂車庫でヤマト運輸の重茂地区担当ドライバーに引き渡す。
B40番台
一部はトイレ付き車両である。
C00番台
C10番台
D00番台
D10番台
E00番台
E10番台
E20番台
E30番台
E40番台
F00番台
F10番台
F20番台
F30番台
F40番台
○印の路線は土・日・祝日運休。
JRバス東北が運行していた軽米線の廃止代替。南部支社が発売した乗車券類は使用できない。
2012年6月15日より、路線を軽米インターまで延長、一部便は高速バス「八盛号」に接続。運行を終了した高速バス「ウィンディ号」用車両は、朝に大野 - 軽米間を1往復してから同運用に就き盛岡へ向かっていた。
久慈市民バス(愛称「のるねっとKUJI」)を1路線のみの受託運行と、一般路線バスを1路線運行している。以下は、久慈営業所が担当している路線のみ掲載。
2021年2月15日からの臨時運行を経て、同年3月2日より運行開始。WAON・PayPay・LINE Pay・SuicaやSuicaと相互利用可能なICカードでの運賃支払が可能だが、icscaは利用できない[注釈 4][71][145][146]。
一戸町のデマンド交通「いちのへ いくべ号」の運行を地元タクシー会社とともに担当している。実際の運行主体は有限責任事業組合一戸町デマンド交通であり、岩手県北自動車はその構成員として運行に携わる[147]。
車両は専用のワンボックスカー(トヨタ・ハイエース)が使用されており、「いちのへ いくべ号」で運用される5代目ハイエースには御所野遺跡のラッピングが施されている[148]。
盛岡市街中心部の百貨店「パルクアベニューカワトク」と系列の別館「アネックスカワトク」とを結ぶ、川徳友の会会員・カワトクカード会員専用の無料送迎バス「カワトクスーパーシャトル」の運行を盛岡営業所が受託しており、専用塗装の車両を1台使用していた。
1991年(平成3年)運行開始。2020年3月に新型コロナウイルス感染対策の一環で運休を余儀なくされ、同年6月30日をもって「カワトクスーパーシャトル」は廃止された[149]。
八幡平市コミュニティバスのうち、西根・松尾地区の路線を担当している。車両は一般路線で使用していた車両をラッピングの上、専用車に転用している。 詳細は八幡平市コミュニティバスを参照。
Jリーグ関連では、J3リーグのいわてグルージャ盛岡のスポンサー(「岩手県北観光」名義でユニホームの袖スポンサーも務める)であり、2014年6月から盛岡地区の各路線でグルージャ盛岡ラッピングバスの運行を開始した。試合開催日には盛岡駅西口 - 盛岡南公園球技場(E42系統)に優先充当される[150]。
また2015年に開設された仙台宮城営業所では、仙台セントラルバスよりJ1リーグのベガルタ仙台選手専用車を引き継ぎ、ベガルタ仙台の選手輸送を行っている[44]ほか、2021年8月よりWEリーグのマイナビ仙台レディース選手輸送も担当し、専用塗装の車両を保有している[151]。どちらの選手専用車も、試合が無い時期については一般貸切車として使用することも可能である。
かつては日野製とUDトラックス(旧:日産ディーゼル)製が主体で[152]、車両の導入は自社発注車両のみであった[152]が、みちのりホールディングスの傘下に入ってから「平均車齢を若返らせる方が経営上メリットが大きい」との観点から[152]、新車導入だけではなく移籍車の導入も開始された[152]。これに伴い、1950年代にボンネットバスを導入して以来[153] 導入実績のなかった三菱ふそう製の車両導入を再開しており、「BEAM-1」専用車として新型三菱ふそう・エアロクィーンが導入された[152]。中古車では東急バスから三菱ふそう・エアロスターノンステップバス[152]、同じくみちのりホールディングスの傘下に入った福島交通から三菱ふそう・エアロバス[152]、京王電鉄バスから日産ディーゼル・スペースランナーJP[154] の中古車が移籍している。そのため現在は岩手県交通と同様に国内4メーカーの車両を使用している[154]。
路線バス車両は1980年頃からエアサス装備の前扉車(トップドア車)に統一されてきた[155] が、1993年頃から前中扉の車両も導入されている[155]。2011年にはノンステップバスとしては初の新車として日野・レインボーIIが導入された。
また、2011年には大阪市交通局から東日本大震災の復興支援活動として路線バス車両が無償譲渡された。この車両は譲渡前に釜石市への支援輸送を行った後、大阪市現地災害対策本部として現地(釜石市)に留め置かれていた[156]もので、重茂車庫に配属され、2015年には貨客混載バスに改造されて使用されている。
路線バスにおけるベビーカー乗車は、ベビーカーマークが貼付された車両や106急行バスで利用できる。
高速車(「106急行」の車両を含む)は、一時期は赤色三本帯の上に水色の帯が追加されていたが、現在は一般路線バスと同様の赤色三本帯に戻されている[154]。
2018年には、三菱ふそう・エアロエースの1台が標準色から「みちのりエクスプレス (MEX)」デザインへ塗装変更された[157]。デザインはえちごトキめき鉄道「えちごトキめきリゾート雪月花」などを手がけた川西康之が担当し、シャンパンゴールドを基調に、みちのりオレンジでエントランスを包み込んだものとなっている。本デザインは後に茨城交通や日立電鉄交通サービスでも導入されている[55][158][159]。「みちのりエクスプレス (MEX)」デザイン車の社名表示は、本社所属車両・南部支社所属車両共通で「岩手県北バス・Northern Iwate Transportation」の表記であるが、スカニア・アストロメガのみ、社章と岩手県北バスの組み合わせ表記となっている[58]。
エリア内に観光地が多いため貸切車の台数は比較的多く、1993年時点では「北東北随一の規模」と雑誌で紹介されていた[155]。2008年頃までは2階建バスの日野・グランビューも在籍していた[160]。また、2010年に観光バス部門を廃業した都自動車からいすゞ・ガーラ、日産ディーゼル・スペースアローが中古車として移籍している。
仙台宮城営業所の貸切車のカラーリングは、岩手県内の営業所所属の貸切車のカラーリングとは若干異なり、当初は側面の「Exper」ロゴからみちのりホールディングスのロゴに変更しているほか、社名表示も「IWATE KENPOKUBUS」「岩手県北観光」から「MICHINORI GROUP」へ変更されていた[4]。みちのりバス東北へのブランド変更後は、南部支社貸切部の車両ともども、側面の「Exper」ロゴからみちのりバス東北独自のロゴへ、社名表示も「IWATE KENPOKUBUS」「岩手県北観光」から「MICHINORI BUS TOHOKU」「みちのりバス東北」へ変更されている[80]。
また、冬季積雪時の八幡平地区の運行に備え、四輪駆動の1968年式ボンネットバス「八幡平号」(TSD40改)が1台在籍しているのも特徴である[161]。同車両は冬季以外は盛岡市内の定期観光バスや他地区でのイベント用に使用されることもある[148]。
2014年11月17日からはご当地ナンバーの「盛岡」ナンバー導入に伴い、盛岡営業所・盛岡南営業所・八幡平営業所への新車、他事業者からの譲受車、他営業所からの転入車は「盛岡」ナンバーで導入されている。なお、沼宮内支所が所在する岩手郡岩手町は「岩手」ナンバーエリアであるが、同支所に常駐する車両も所属は八幡平営業所であるため「盛岡」ナンバーとなる。「岩手」ナンバーエリアとなる沿岸地区・県北地区の各営業所では、新車および他事業者からの譲受車は従来通り岩手ナンバーでの導入となり、盛岡営業所・盛岡南営業所・八幡平営業所からの「盛岡」ナンバー転入車も「岩手」ナンバーで再登録される。仙台宮城営業所所属車両は当初、営業所が多賀城市に所在したため「宮城」ナンバーであったが、仙台市に移転したことにより「仙台」ナンバーに再登録されている。
岩手県北バスでは「社番」を付与しておらず、登録番号(ナンバープレートの数字)で車両を管理しているため、ナンバーエリアを跨いで転属した車両は、元のナンバーと同じ数字になるよう希望ナンバー制度により再登録している(初期に転属した一部車両などを除く)。盛岡地区より一時的に南部支社へ貸し出された車両は貸出時に「八戸」ナンバー(払い出し)で再登録され、返却された際には貸出前に使用していた番号を希望ナンバーで再登録している。
1955年、県北バスの営業エリアの大半が陸中海岸国立公園(現:三陸復興国立公園)として指定されたのを契機に、県北バスは観光輸送へ注力するようになった。
県北バスによる「みやこ浄土ヶ浜遊覧船」の事業は1962年(昭和37年)に始まり[30]、加えて宮古 - 田老 - 島の越 - 普代航路、山田 - 船越航路といった陸中海岸での船舶事業を展開した[34]。1969年にはウミネコの餌付けに成功、名物ともなる「ウミネコパン」がこの時に登場した[9]。
しかしその後、観光ニーズの多様化や団体客の減少によって[34]次第に利用が低迷するようになり、最盛期には10隻が運航されていたものが3隻まで減船された[30]。2011年の東日本大震災では「第15陸中丸」と「かもめ」が被災して廃船となり、同年7月から「第16陸中丸」のみで運航を再開した[34]ものの、残った「第16陸中丸」も老朽化が進行し[30]、また運航スタッフの高齢化[34]に加えて赤字が常態化していたため、事業継続を断念し2021年1月11日に運航を終了した[162]。「第16陸中丸」はその後、香川県の貿易会社に売却された[163]。
2006年時点の航路は下記の通りである[164]。
みやこ浄土ヶ浜遊覧船の運航終了が公表された後、地元の宮古市は「浄土ヶ浜観光には遊覧船が必要である」として、新たに船を建造して遊覧船航路を維持することを決定した[172]。事業の運営は民間に委託することとなり[172]、委託先の事業者を公募した結果、県北バスが選定された[173]。
新しい遊覧船は「宮古うみねこ丸」と命名され、2022年7月17日に就航した[174]。宮古市から県北バスに船が貸与される形で運航される[175]。
1日7便運航。出崎埠頭→浄土ヶ浜間のみ、浄土ヶ浜→出崎埠頭間のみの乗船も可能。
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