東松島市
宮城県の市 ウィキペディアから
東松島市(ひがしまつしまし)は、宮城県の中部に位置する市。石巻市や女川町と石巻広域圏を構成する自治体である[2]。
地理
宮城県の東部に位置し、東は石巻市、北は美里町、西は松島町と接する[3]。また、南側は太平洋(松島湾と石巻湾)に面している[3]。野蒜は鳴瀬川の河口にあたり、北上運河、東名運河も通じる。市の南部には陸繋島の宮戸島が浮かぶ。
歴史
2005年(平成17年)4月1日、東松島市は桃生郡矢本町と鳴瀬町の合併(平成の大合併)によって発足した。
2011年(平成23年)3月11日の東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)では、津波の襲来で、死者1,000人以上が出て、市内全住宅の3分の2を超える約11,000棟が全半壊した[4]。野蒜海岸では10.35メートルの津波が観測された[5]。野蒜地区では、東側の石巻湾から押し寄せた津波が内陸2キロ弱を横断し、西側の松島湾に流れ込んだ。野蒜小学校の体育館で13人が、特別養護老人ホーム「不老園」の入所者56人が亡くなるなど、野蒜地区や大曲地区が壊滅的被害を受け、約1,100人が犠牲となった。航空自衛隊松島基地も冠水し、多くの航空機が破損した。一方、野蒜地区では民間人の佐藤善文が会社近くの[6]岩山に10年かけて避難階段と避難小屋を作っていた。近所の住民は「津波なんてここまで来るわけがない」と佐藤を変わり者扱いし、この避難所を「佐藤山」と呼んでいたが、結果的に約70人が津波被害を免れた[7][8][9]。死者は1,109人(2014年1月時点)、行方不明者は25人。浸水域は市街地の約65パーセントに達した[10]。電気の復旧は約2週間、宮戸地区は津波被害が甚大のため復旧まで約3か月かかった[注釈 1]。上水道は2週間以上かけて徐々に復旧したが、宮戸地区では3か月以上かかった[注釈 2]。携帯電話の復旧には7日程度[11]、固定電話の復旧には2週間程度を要した。仙石線の矢本駅と松島海岸駅の間が不通となり、バスによる代替輸送に変わり、野蒜北部の丘陵地区へ路線の変更が決定した。
- 津波により冠水した車両と家屋(赤井地区)
2011年3月13日撮影 - 津波によって破壊された家(野蒜地区)
2011年3月17日撮影 - 津波によって発生した瓦礫と流されたランドセル
2011年3月17日撮影 - 地震から約1か月後の東松島市立野蒜小学校屋内運動場
2011年4月17日撮影 - 行方不明者の捜索のため運河をせき止めて水を抜き、運河の底の瓦礫の撤去が行われた
2011年5月25日撮影
2020年(令和2年)2月1日、市町境界変更が実施され、隣接する美里町の二郷字浦谷地の一部が東松島市に編入され、東松島市西福田字大日向の一部が美里町に編入された[12]。
行政
市長
- 市長:渥美巌(あつみいわお、2017年4月29日就任、2期目)
総合支所

- 鳴瀬総合支所(旧鳴瀬町役場庁舎)
経済
商圏としては石巻商圏の範囲であるが、近年イオングループ系のショッピングセンター、イオンモール石巻が市内に完成したほか、三陸沿岸道路の開通もあり、仙台とのアクセスは向上した。
市内には航空自衛隊松島基地があり、曲技飛行隊のブルーインパルスはこの基地の所属である。
郵便局
- 矢本郵便局(集配局)
- 鳴瀬郵便局(集配局)
- 野蒜郵便局
- 宮戸郵便局
- 大塩郵便局
- 宮城赤井郵便局
姉妹都市・提携都市
日本国内
友好(姉妹)都市
- 更別村(北海道) 1997年(平成9年)11月9日盟約締結
- 東根市(山形県) 2011年(平成23年)12月11日盟約締結
- 東松山市(埼玉県) 2015年(平成27年)11月7日盟約締結
- 大田区(東京都) 2016年(平成28年)11月12日盟約締結
- 豊前市(福岡県) 2018年(平成30年)5月8日盟約締結
- 蔵王町(宮城県) 2022年(令和4年)4月15日盟約締結
- 提携都市
教育
高等学校
中学校
小学校
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人口
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東松島市と全国の年齢別人口分布(2005年) | 東松島市の年齢・男女別人口分布(2005年) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
■紫色 ― 東松島市
■緑色 ― 日本全国 | ■青色 ― 男性 ■赤色 ― 女性 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
東松島市(に相当する地域)の人口の推移
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総務省統計局 国勢調査より |
交通
鉄道
バス
道路
高速道路
一般国道
主要地方道
一般県道
- 宮城県道150号鳴瀬南郷線
- 宮城県道204号河南鳴瀬線
- 宮城県道205号矢本停車場線
- 宮城県道243号大塩小野停車場線
- 宮城県道247号石巻工業港矢本線
- 宮城県道251号石巻港インター線
道の駅
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事

史跡・名勝
レジャー
- 野蒜海水浴場
- 室浜海水浴場
- 大浜海水浴場
- 月浜海水浴場
- 蛤浜海水浴場
- 奥松島乗馬クラブ
- 奥松島運動公園
- 奥松島体育館(バウンズ88)
- 奥松島縄文村歴史資料館
- 鷹来の森運動公園
- 滝山公園
- 矢本海浜緑地
祭り・イベント
伝統芸能
出身著名人
- 相澤タロウイチ - イラストレーター・絵本作家
- 阿部豊 - 俳優・映画監督
- 池田渉 - プロラグビー選手(三洋電機ワイルドナイツ→リコーブラックラムズ)
- 内海安吉 - 政治家
- 大内誠弥 - プロ野球選手(東北楽天ゴールデンイーグルス)
- 大槻俊斎 - 仙台藩医・幕府医(お玉が池種痘所を設立。初代西洋医学所頭取。東京大学医学部の初代総長とみなされている)
- 尾形貴弘 - お笑い芸人(パンサー)
- 大久秀憲 - 小説家
- 五ノ井里奈 - 柔道指導者、陸上自衛官時代の自身への性暴力被害を告発
- 白岩亮治 - 大相撲力士
- 富田鐵之助 - 外交官・実業家(日本銀行第2代総裁)
- ニードル - 伊藤政仁・石垣進之介(共に旧鳴瀬町出身)のお笑いコンビ(東松島ふるさと大使に任命されている[14])
- 山路嘉人 - 元プロサッカー選手(東芝サッカー部→ブランメル仙台)
- 矢本平之助 - 政治家
- 鹿嶋静 - ヴァイオリニスト(東松島ふるさと大使に任命されている[14])
- 太十郎 - 日本人として初めて、漂流も含め世界一周をした4名の船乗りのうちの1人(奥田多十郎とも書く)
- 儀兵衛 - 1793年 - 1804年に渡り、奥田太十郎らと共に世界一周した船乗り(奥田儀平とも書く)
- 伊達花彩 - いぎなり東北産のメンバー(宮世琉弥の妹)
脚注
関連項目
外部リンク
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