Loading AI tools
ウィキペディアから
全国高校野球選手権大会中継(ぜんこくこうこうやきゅうせんしゅけんたいかいちゅうけい)は、朝日放送ラジオ(ABCラジオ)及び朝日放送テレビ(ABCテレビ)が制作し、朝日放送ラジオと朝日放送テレビ、およびBS朝日(4K)、スカイA(CS)で放送されている「全国高等学校野球選手権大会」の中継番組のタイトルである。正式には頭に「第○○回」が付く。いわゆる『夏の甲子園』の中継である。
お願い:地上波・CSテレビ中継においては、一社提供番組や冠スポンサー番組でありませんので、スポンサーの記述は絶対しないで下さい(ラジオ・BSテレビも冠特別協賛付きですが、特別協賛社以外の複数協賛社の詳しい言及は極力しないようにしてください)。 (PJ放送番組での合意に基づく) |
テレビ番組・中継内での各種情報(終了した番組・中継を含みます)は、DVDやBlu-rayなどでの販売や公式なネット配信、または信頼できる紙媒体またはウェブ媒体が紹介するまで、出典として用いないで下さい。 |
ラジオ番組・中継内での各種情報(終了した番組・中継を含みます)は、CDなどでの販売や公式なアーカイブなど常に参照可能な状態のネット配信、または信頼できる紙媒体またはウェブ媒体が紹介するまで、出典として用いないで下さい。 |
番組は、AMラジオ、地上波テレビ、BSデジタル放送の3つのメディアによる同時中継、およびCSデジタル放送による録画放送により実施されている。
ラジオでは1952年の第34回大会、テレビでは大阪テレビ放送(OTV=当時ラジオ単営局であった朝日放送、新日本放送<毎日放送の前身に当たるラジオ単営局>、全国高等学校野球選手権大会を主催する朝日新聞社および、毎日新聞社<毎年春の選抜高等学校野球大会の主催社で2010年から選手権大会も後援>との合弁によって1956年11月1日に本放送を開始したテレビ単営局)時代(1957年の第39回大会)から、2019年の第101回大会まで半世紀以上にわたって、NHKと並んで放送を続けてきた。
テレビにおけるOTVの高校野球大会中継(1957年)は日本の民間放送史上初めてで、OTV自体は1959年6月1日に朝日放送(当時)との合併で消滅したものの、同年と1958年の春には選抜高等学校野球大会のテレビ中継も担っていた。
朝日放送テレビ・朝日放送ラジオ設立後の2020年には、日本高等学校野球連盟が、新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大の影響で第92回選抜高等学校野球大会と第102回全国高等学校野球選手権大会を相次いで中止。その一方で、選手権本大会の開催を予定していた期間(8月中旬の6日間)には、甲子園球場で「2020年甲子園高校野球交流試合」(第92回選抜大会への出場が決まっていた32校による招待試合)を開催した。朝日放送グループではテレビ・ラジオとも選手権本大会の中継を初めて休止する[1]一方で、交流試合の全16試合(1日につき3試合以内)を自社(地上波テレビ・ラジオ)とBS朝日向けに中継した(例年選抜高等学校野球大会を中継する毎日放送グループは朝日放送グループと並行しながらインターネット向けの全試合ライブ配信を実施)[2]。
2019年時点の中継では、各試合終了後に、勝利校の監督(勝利監督)と選手代表(活躍選手)へのインタビューをNHKと共同で担当している。準決勝までの試合では、場内の通路で放送・報道素材向けにのみ実施。準々決勝までの試合では、NHKのアナウンサーが勝利監督、朝日放送テレビ(ABC)のアナウンサー(または2005年から当該期間に朝日放送〈当時〉へ派遣されている系列局のアナウンサー)が(朝日放送ラジオ・BS朝日との兼務扱いで)活躍選手へのインタビューを担当する。なお、朝日放送テレビのアナウンサーは、準決勝のみ勝利監督にもインタビュー。決勝の終了後には、優勝校の監督(優勝監督)と選手数名が(プロ野球の試合終了後のヒーローインタビューと同様に)グラウンド上のお立ち台でインタビューを受けるため、NHKのアナウンサーが優勝監督、朝日放送テレビのアナウンサーが選手へのインタビューを分担するほか、いずれのインタビューの音声も場内にも流される。選手権の本大会が再開された2021年以降は、COVID-19蔓延防止の観点から、前年の交流試合中継に準じた措置(監督・活躍選手とインタビュアー間のソーシャル・ディスタンスの確保など)を講じている。
なお、2021年の第103回全国高等学校野球選手権大会期間中には、甲子園球場で開催された第25回全国高等学校女子硬式野球選手権大会決勝の中継映像も朝日放送テレビで制作。当初は、地上波での生中継を予定していた。女子選手権大会では2022年以降も甲子園球場を決勝に使用しているため、同年の第26回大会では、決勝の生中継が地上波で初めて実現。翌2023年以降の大会でも、決勝の生中継を続けている(詳細後述)。
BS朝日では2022年から、男子の選手権大会中継を4Kチャンネル(BS朝日4K)でのみ放送。2021年まで並行放送を実施してきた2K放送では、2022年から大会期間中も通常編成で対応している(詳細後述)[3]。
その一方で、男子の選手権大会を主催する日本高等学校野球連盟(日本高野連)では、本大会で3試合が組まれている日の一部を対象に、試合を開催する時間帯を朝方と夕方に分散させる制度(朝夕2部制)を2024年の第106回大会から導入している。出場選手や観客の熱中症対策を主眼に、試合ごとに観客を入れ替えることを前提に置いた導入で、第106回大会では序盤(第1日から第3日までの期間)に限って適用[4]。午後4時以降の時間帯を「夕方の部」に充てることや、「夕方の部」における最初の試合を、「午前の部」における最後の試合の終了時刻から少なくとも2時間30分(実際には3時間30分)後に始めることも定めている[5]。このような事情から、朝日放送テレビが地上波向けに制作しているテレビ中継では、「朝夕2部制」適用日のみ(編成上の事情から地上波で一切放送できない試合以外の)放送枠を午前帯と夕方帯に分散。朝日放送ラジオと株式会社radikoでは、大会の全試合と開会式・閉会式を対象に、「オーディオ高校野球」(同局の制作によるラジオ実況音源のインターネット向けライブ配信を完全無料・完全中継方式でradikoから日本全国に向けて実施するサービス)を2024年から大会の期間中限定で運用している[6]。
朝日放送ラジオでは1952年に決勝戦を生中継して以来、1962年からは1回戦から完全生中継している。当初朝日放送ラジオでは定時番組を優先したため、放送しきれない分は京都放送(当時KHK、現在のKBS京都)やラジオ関西をはじめとする地方局へネットされ、実質完全生中継を実現していた。また決勝戦は全国ネットされていた。1963年は西宮との二元中継(状況にあわせて逐次切り替え。NHKは原則甲子園を全国中継、西宮はローカル中継。一部二元中継した日もあり。)を実施。この場合も朝日放送ラジオで放送しきれない分を地方局へ裏送りした。1965年のJRN/NRN発足後は、両ネットワークに配信する形をとっている。この場合も二重制作は行わず朝日放送ラジオ向けの実況放送がそのまま両ネットワークに配信されている。その為、沖縄県地方では2005年頃までと2010年の決勝でJRN系列の琉球放送(RBCiラジオ)とNRN系列のラジオ沖縄(ROK)の2つの中波ラジオ局で、同じ内容の実況がサイマル放送で中継されていた(ただしコマーシャルは別内容。2010年の準決勝は琉球放送のみの放送、現在は沖縄代表が準決勝以降に進出しない限り中継しない)。
関東地区では1963年よりニッポン放送が、1970年よりTBSラジオがネット受けを行い、これらの局は一時期両局で午後の番組を全て休止して中継放送を行っていた(この場合もサイマル放送)。1977年以降はTBSラジオのみ放送する事となるが、年々減少し、1999年以降放送は行われていない(春も放送していたが、プロ野球の開幕戦を優先することが多かった)。2021年以降は和歌山放送・四国放送が1回戦から地元校の試合を放送している[注 1][注 2]。
しかし、かねてからテレビ同様、NHKで放送されているなどの理由から、地元校が準決勝あるいは決勝まで進まない限り、ネットしない局が増えつつあり、準決勝、決勝は近年、朝日放送ラジオのみの放送となっている。
駒大苫小牧が2004・2005年に連続優勝したが、地元局の北海道放送では、いずれも決勝のみ中継した。また引き分け再試合の末準優勝した2006年は、決勝第1戦を中継したが、翌日の再試合は放送しなかった。
近年、決勝戦は広陵が進出した2017年は中国放送、智弁和歌山が進出した2021年は和歌山放送[注 3]、仙台育英高校が進出した2023年は東北放送にそれぞれネットされている。
放送はテレビ中継と同様、ゲストに高校野球関連のOB若しくはOGを迎え、実況は朝日放送テレビのアナウンサーが担当する。また2008年までは、1塁側と3塁側のアルプススタンドからの「アルプスリポート」があった。関西を拠点に活躍する女性タレントがリポーターとして、試合開始前・5回終了時・試合終了直後のリポートを担当していた。2009年度以降はアルプスリポートは設定されない。
2016年からは、2015年まで複数スポンサーの1社に名を連ねていた大栄環境グループが、冠スポンサーとして中継に協賛。その関係で、放送上のタイトルを『大栄環境グループPresents 第○○回全国高校野球選手権大会中継』に改めている。
ちなみに、大栄環境グループは毎日放送の選抜高校野球中継にも、2015年から単独で提供している(放送上のタイトルは『大栄環境グループPresents 第○○回センバツ高校野球実況中継』で、同年は準決勝・決勝、2016年以降は決勝のみ中継)。朝日放送ラジオでは選手権大会の全試合を中継するため、実際には後述するBS朝日での全試合完全中継と同じく、複数社による協賛方式で放送。大栄環境グループ以外にも、複数の地元企業が協賛社に名を連ねている。
選手権大会に代わって甲子園高校野球交流試合を開催した2020年には、交流試合の中継や関連番組を『大栄環境グループプレゼンツ 高校野球スペシャル 届け!この夏の想い』というタイトルで放送。交流試合への招待校が放送対象地域にある大分放送・RSK山陽放送・和歌山放送では、朝日放送ラジオが制作する当該校の試合中継に限って、同時ネットを実施した。
前述の通り、2008年までは全国高校野球選手権大会中継期間中、朝日放送ラジオでは開会式から大会全試合、そして閉会式までと完全中継を行っていた(試合の幕間に随時スポットニュース・天気予報・交通情報を挿入[注 4])。しかし、2009年以降は(2020年甲子園高校野球交流試合中継を含めて)、試合の進行状況にかかわらず17時50分で放送を終了している(ただし、地方局が地元代表校の試合をネットする時は、17時50分以降も裏送りで実況を続ける場合がある)。中継終了後の試合の経過・結果は『ABCフレッシュアップベースボール』内(定時でのナイターが通常ない月曜は『Monday! SPORTS - JAM』内)で伝える。
なお、大会中継期間中はプロ野球ナイターの制作・中継スタッフまで動員するため、京セラドーム大阪[注 5]開催の阪神主催試合でのみ朝日放送ラジオでの番組制作を行い、本来は朝日放送のスタッフが乗り込んで放送する関東・中部・広島地区の対阪神戦中継はこの時期に行われる分は、対戦相手の地元局であるTBSラジオ(火~木、2009年までは土・日も)[注 6]・アール・エフ・ラジオ日本(火~木 2016年以後の巨人主催)[注 7]・ニッポン放送(月・金)・文化放送(2010年以降の土・日)(以上、対巨人戦・対ヤクルト戦・対横浜→DeNA戦。対ヤクルト戦は放送権の関係でニッポン放送が全曜日の中継担当だが2010年以降の土・日と2019年以降の火~木は文化放送の場合あり)[注 8]・CBCラジオ(火~木、2009年までは土・日も)・東海ラジオ(月・金・土・日、2009年までは月・金のみ)(以上、対中日戦)・RCC中国放送(水・木曜は裏送り)(対広島戦、倉敷、松山の広島主催分を含む)が制作した番組をそのまま放送し、阪神サイドリポーターのアナウンサーのみ、または阪神リポーターと朝日放送専属解説者1名(現地局解説者と2人解説の場合)の現地派遣になる。
雨天予備のオリックス主催試合(ただし1980年代より阪神戦中止の場合は在阪パリーグの試合が関西地区で開催されようともNRN、JRNラインの巨人戦などの全国カードを優先することが大半。2006年からは春先からこの措置をとり、日、月曜はプロ野球中継そのものが無くなる)で対戦相手の地元局が制作しない場合(主に対西武・ロッテ戦)以外は、北海道放送(火~木)・STVラジオ(月・金)(以上、対日本ハム戦、土・日は2009年までは北海道放送だったが2010年以降の対応未定)、TBC東北放送(対楽天戦)、RKB毎日放送(火~木、2009年までは土・日も)・九州朝日放送(月・金・土・日、2009年までは月・金のみ)(以上、対ソフトバンク戦)が自社制作する場合があり、朝日放送ラジオ専属解説者1名のみ派遣となる場合がある。なお、2009年のオリックス対ソフトバンクの試合(8月14日-8月16日)は、解説者とオリックス側のベンチレポーターは朝日放送が用意したが、実況は14日のみ九州朝日放送、ほかはRKB毎日放送から派遣したアナウンサーが出演した。このうち15日の試合は阪神戦がデーゲームであったため朝日放送ラジオでも放送され事実上共同制作であった。同じように、2022年8月5-7日のオリックス対日本ハム戦においても、5日のSTVラジオ[注 13]と7日のHBCラジオにおいては、実況をそれぞれ自社のアナウンサーを派遣させ、朝日放送(当時)の解説者との組み合わせ[注 14]で実況を行ったことがある。
さらに、2014年から毎年この高校野球期間中(2015年(=7月開催)、2021年(=6月開催)除く)には、福岡ソフトバンクホークス[注 15]がオリックスの許可を得て1試合主管試合を開催する『鷹の祭典in大阪』が行われているため、年度により在福局(月・金、及び土・日のナイターとごく一部のデーゲーム=九州朝日放送、火 - 木、及び土・日の大半のデーゲーム=RKB毎日放送)が朝日放送ラジオの製作協力を仰いでの乗り込み放送、ないしは裏送りを全国放送用の予備カードに充てる場合もある。
朝日放送ラジオと株式会社radikoでは、2024年(第106回)大会の開催に際して、「オーディオ高校野球」(Sky の単独協賛を受けて運営する高校野球中継専門のチャンネル)を「radiko」(地上波ラジオのインターネットサイマル配信サービス)のプラットフォーム上に大会の期間中限定で開設。大会の全試合と開会式・閉会式を対象に、同局制作の中継における実況音源のライブ配信を、インターネットへ接続できるデジタルデバイス(パソコン、スマートフォン、タブレット)向けに完全無料で実施している[6]。
「オーディオ高校野球」では、地上波のラジオ中継における編成上の制約(前述)に関係なく、試合の開始直前から終了直後までの「完全生中継」を全試合で実施。ラジオ中継の放送中は、タイトルコールとCMを除いて、ラジオとの同時(サイマル)配信で対応している。ただし、サイマル配信中には、ラジオでのCMタイムに「ラジコオーディオアド」(一部のCM枠をradikoの配信向けに独自に差し替えるターゲティング広告モデル)を活用。ラジオで放送されるスポンサーCMの一部を、Skyなどのスポンサーや朝日放送ラジオ関連のCMに差し替えているほか、ナレーションだけを「オーディオ高校野球」向けに変更したジングルをCM明けに配信している[注 16]。
ラジオ中継が試合の途中で終了した場合には、ラジオでの放送終了後から1日の全試合が終了するまで、「オーディオ高校野球」向けに実況とライブ配信を続ける[6]。このため、2024年(第106回)以降の大会のラジオ中継で実況を担当するアナウンサーは、担当の試合が17:50までに決着しない場合に、ラジオ中継のリスナーに向けて「オーディオ高校野球」を放送終了の間際に案内するようになった。
「オーディオ高校野球」ではエリア制限を設けていないため、近畿広域圏(朝日放送ラジオの放送対象地域)以外のエリアからでも、「radikoプレミアム」(有料会員制)のエリアフリー聴取サービスを介さずに配信対象の実況音源を無料で聴取できるようになっている[6]。その一方で、「オーディオ高校野球」単独でのライブ配信音源は、radikoの「タイムフリー聴取」サービスの対象に含まれていない[6]。サイマル配信の時間帯における実況アーカイブ音源については、朝日放送ラジオ(他のラジオ局でも放送されていた中継では同局とネット全局)から「タイムフリー聴取」サービス向けに提供されている関係で、「オーディオ高校野球」のサービス開始後も放送日から1週間限定で「タイムフリー聴取」サービスから再生できる。
なお、選手権の本大会を開催しない期間には「オーディオ高校野球」を閉鎖。開催の期間中で試合・開会式・閉会式を中継しない時間帯や、大会本部が指定する「休養日」には、甲子園球場内のグラウンドレベルの音声(場内向けのアナウンスなど)の配信か無音(配信停止)で対応している。また、「朝夕2部制」の適用日で「インターバル」に当たる時間帯には、「本日(の試合)は2部制となります。『夕方の部』の試合開始までしばらくお待ち下さい」という案内音源(事前収録)を繰り返し流している。
中継の時間帯にレギュラーで放送している生ワイド番組については、大会期間中の休止を見越したうえで、(一部のアナウンサーを除く)レギュラー出演者に夏季休暇を与えていることが通例になっている。また、最初の試合開始の時間にまたぐ番組(『おはようパーソナリティ』シリーズや土曜早朝の生ワイド番組など)では、放送時間を短縮する。大会の終盤に「休養日」を少なくとも1日設けるようになった2013年以降は、「休養日」に雨天順延分の試合が組み込まれない限り、「休養日」を通常編成で対応している。
なお、日曜以外の曜日で1日に3 - 4試合の中継を予定している場合には、開会式(第1日)/第1試合(第2日以降)の直前(7時台の後半か9時台の前半)まで放送される生ワイド番組で当該番組のパーソナリティが当日に中継を予定しているカードの見どころを紹介する[注 17]。また、生ワイド番組を編成していない日曜日で、第1試合の開始時刻が8:00に設定されている場合には、第1試合の実況アナウンサーが放送席から『おはよう甲子園』(7:45 - 7:56に単独で編成される事前番組)に出演している[注 18]。
2024年の第106回大会から3試合開催日の一部で導入されている「朝夕2部制」では、「午前の部」における最後の試合が終了してから、「夕方の部」における最初の試合を開始するまでの時間帯(午後帯)に少なくとも2時間30分もの間隔(インターバル)を空けることを定めている。このような事情から、朝日放送ラジオでは、「朝夕2部制」適用日の午後帯にレギュラーの生ワイド番組を編成。適用日が大会の第1日(8月7日=水曜日)から第3日(9日=金曜日)までの平日に当たる2024年には、「ABCパワフルアフタヌーン」(平日12:00 - 15:00)枠の生ワイド番組[注 19]および、夕方帯(15:00開始)のレギュラー番組(月 - 木曜日『ウラのウラまで浦川です』/金曜日『岩本・西森の金曜日のパパたち』)をインターバルの時間帯に編成している。もっとも、『ウラのウラまで - 』と『金曜日のパパたち』では、「夕方の部」開始直前[注 20]までの短縮放送で対応。「ABCパワフルアフタヌーン」枠の生ワイド番組では、「午前の部」の最後の試合が14時台の後半までに決着しなければ放送を休止することを、大会の開幕前に告知していた。実際には、3日間とも当該試合が13時台の前半までに終了したため、15:00までの短縮生放送に至っている。
中継予定の試合が雨天などで中止(またはノーゲーム)になった場合には、以下のいずれかのパターンで対応する[注 21]。
近畿広域圏の朝日放送テレビでは、大阪テレビ放送時代の1957年に中継を開始。初年度では、スポンサーの付かない時間帯で放送を中断していた。翌1958年以降は全試合をほぼ完全に中継。甲子園・西宮の2球場を併用した1958年・1963年の記念大会では、甲子園球場での開催試合をメインカード、西宮球場での開催試合をサブカードとして二元生中継を実施した[注 25]。
朝日放送テレビがJNN加盟局であった大阪テレビ放送時代の1957年から1974年までは、当時キー局だったラジオ東京テレビ→東京放送(現:TBSテレビ)、中部日本放送(現:CBCテレビ。放送初年より)、山陽放送(現:RSK山陽放送。1958年から)を始めとするJNN各局や、JNN未ネット地域では開局まもない民放テレビ地区第1局でもネットされていた。このうち東京放送、中部日本放送、山陽放送の3局は当初完全中継を実施していた。関東地区では、東京放送のほかにもNETテレビ、東京12チャンネル(現・テレビ東京)でも開局から数年間放送した事があり、大抵は開会式と決勝戦のみの放送だった。また、千葉テレビが千葉代表の試合を1972年から1975年までネットしたことがある[7]。
1975年に現在のキー局であるNETテレビ(現:テレビ朝日)へ移った事により、ANNへ移行(腸捻転解消参照)。それ以降、ANNの平成新局が開局された地域は、その局へ順次ネットチェンジが実施される。1975年以降は、NETテレビ→テレビ朝日系列の他の加盟局でも、主に地元代表校の試合を中継。決勝戦は2014年まで地上波ではテレビ朝日系列24局に加え、福井放送(NNN/NNS・ANN[注 26])、山陰放送(JNN)[注 27]、宮崎放送(JNN)[注 28]、テレビ高知(JNN)[注 27]、テレビ山梨(JNN)[注 27]、富山テレビ放送(FNN/FNS)[注 27]を加えた全国最大30局ネットで放送されていた[注 29]。ただし、決勝戦が平日に当たった場合、他系列の地方局では編成の関係からネットの見送りや放送時間の短縮を行うこともある。2006年は決勝戦が引き分け再試合になり、再試合も全国ネットされた(同様の事例である1969年は一部の局のみが再試合を中継)。
1985年、近畿広域圏において朝日放送テレビが編成上中継できない時間帯を対象に、周辺府県の独立UHFテレビ各局との間でリレー放送を開始(後述)。
2001年以降、日本テレビ系列局のうち、クロスネット局の福井放送(福井県、日本テレビ系列・テレビ朝日系列[注 26])、県内唯一の民放テレビ局である四国放送(徳島県、NNN/NNS[注 27])を除き、地区第2局へ移行している。『午後は○○おもいッきりテレビ』『ザ・ワイド』の放送を優先することなどが理由として挙げられる。
衛星放送においては、1988年に初めてハイビジョンでの生中継(試験放送)を実施。1992年にハイビジョンでの全試合完全生中継を開始し2000年まで続く。2001年から、前年に開局したBSデジタル放送のBS朝日が全試合を試合終了まで生中継している。CS放送ではスカイ・Aが「サテライトABC(ch.O<チャネル・オー>)」として開局した1990年より実施。毎年夕方から全試合録画中継しているが、1995年の第77回から2000年の第82回まで、ハイビジョン試験放送の映像を利用して生中継を実施していたこともある。また2015年からは準決勝と決勝の合計3試合を地上波などとは別に2015年は4K試験放送「Channel 4K」、2016年は「スカパー!4K総合」、2017年は「放送サービス高度化推進協会」(A-PAB)の4K・8K試験放送(BS17ch)で生中継を実施した[8](詳細は後述)。
一時期、全国49地方大会の全決勝戦をスカイ・Aが、地上波地方系列局(一部系列外・独立UHFあり。茨城・佐賀は現地の映像制作会社との共同制作の体裁での自社放送のみ)の映像提供をそのまま行う形でノーカット放送されたが、一時中断。2022年に、同社が特に厳選した10大会[9]を選んで、地方予選の決勝戦実況が復活した。
開会式のみ全国放送されていている、関西以外、原則MBSのセンバツ同様決勝戦に勝ち上がった地域の現地系列局のみ放送。主要全国紙と民放キー局の文化事業である高校生のスポーツのビッグイベント(日本テレビのサッカー・TBSのラグビー・フジテレビのバレーボール)[10]と違い、地上波全国放送が消滅した理由としては、他競技と違い1会場・1コートでの開催であることや民放キー局系BSチャンネルでの放送があること[11]、NHKの放送が総合テレビと教育テレビを通じて全試合中継されることが理由として挙げられる。
2015年の決勝戦は、ネットスポンサーがつかなくなったにもかかわらずテレビ朝日以外はネットを離脱せずANN23局ネットで放送された[注 30][注 31](北陸朝日放送と琉球朝日放送では「直前情報」を自主編成番組に差し替え、決勝本編のみネットした)。
2016年から正式に試合の中継の関西以外での放送が勝ち上がった地域の現地のANN加盟局での決勝戦のみとなる(勝ち残っていない地域の系列局も各局の判断で放送する場合あり)。この年から決勝戦の試合開始時間が14:00に変更。この年は決勝戦を戦うチームの地元(北海)北海道テレビのほか福島放送・瀬戸内海放送・広島ホームテレビ・愛媛朝日テレビ・鹿児島放送の7局がネットした。ただしこの日は日曜日かつテレビ朝日が全国ネットのゴルフ中継を編成したため(CATレディースゴルフトーナメント)制作局の朝日放送と北海道テレビ[注 32]以外のネット局は15:00飛び降りとなった(朝日放送と北海道テレビはゴルフ中継を深夜に遅れネット)。
2017年は、朝日放送をはじめとするテレビ朝日系列8局(山形テレビ・福島放送・瀬戸内海放送・広島ホームテレビ・愛媛朝日テレビ・九州朝日放送・大分朝日放送・鹿児島放送)で同時ネットを実施し、北海道テレビでは2:50 - 4:50に録画中継で放送した。朝日放送・山形テレビ・福島放送・広島ホームテレビでは、『上沼恵美子のおしゃべりクッキング』(朝日放送テレビ制作の全国ネット番組)の放送枠を移動させた[注 33]。
2018年は、朝日放送テレビをはじめとするテレビ朝日系列11局(北海道テレビ・秋田朝日放送・山形テレビ・福島放送・瀬戸内海放送・広島ホームテレビ・愛媛朝日テレビ・九州朝日放送・鹿児島放送)で放送[注 34]。秋田朝日放送では金足農が秋田勢の出場校としては第1回大会(秋田中学)以来103年振りに決勝戦に勝ち残ったことで決勝戦の地上波全国放送廃止後初めて決勝戦をネットした[12]。
2019年は、朝日放送テレビをはじめとするテレビ朝日系列10局(北海道テレビ・山形テレビ・福島放送・北陸朝日放送・広島ホームテレビ・愛媛朝日テレビ・瀬戸内海放送・九州朝日放送・鹿児島放送)で放送[注 35]。北陸朝日放送では星稜が決勝戦に勝ち残ったことで決勝戦の地上波全国放送廃止後初めて決勝戦をネットした。 同年の第101回大会決勝において、BS朝日の4Kチャンネルで4Kオリジナルの生中継を初実施。同年の中継では、地上波とのサイマル方式である2K放送での生中継とは別の実況アナウンサーとゲストが出演していた[13]。第102回大会の中止に伴う甲子園交流試合の中継(2020年)では一切実施しなかった。
2021年の第103回大会から、BS朝日での4K生中継の対象を全試合に拡大。ただし、実況担当のアナウンサーとゲストは地上波・2K放送と同じで、4Kオリジナルの中継映像を組み合わせながら放送する。一方大会日程においては、8月15日早朝から雨が降り続いた影響で、第1試合を当初の予定より3時間遅らせて開始(詳細後述)。その後は天候の回復によって試合を順調に消化したものの、第4試合の開始時刻が大会史上最も遅い19:10に変更された。このため、地上波(朝日放送テレビ)では編成の都合から第4試合を中継できず、BS朝日のみで放送。2Kチャンネルでの放送は試合途中の21:18で終了したが、4Kチャンネル(BS朝日4K)では試合終了(21:40)まで中継した。 決勝戦は、日曜日に開催されたが、朝日放送テレビ以外のテレビ朝日系列局では『KBCオーガスタゴルフトーナメント[14]』(九州朝日放送制作)を同時間帯(13:55 - 15:20)に放送したため[注 36]、朝日放送テレビのみでの放送となった[15](『KBCオーガスタゴルフトーナメント』は当日深夜に録画中継で放送)。高校野球の決勝戦中継がローカルセールス枠に変更後、関西ローカルのみに留まったのは史上初となった。
2022年は、朝日放送テレビをはじめとするテレビ朝日系列6局(山形テレビ・東日本放送・広島ホームテレビ・瀬戸内海放送・山口朝日放送)で放送[注 37]。東日本放送では仙台育英が、山口朝日放送では下関国際が、決勝戦に勝ち残ったことで決勝戦の地上波全国放送廃止後初めて決勝戦をネットした。
2023年は、朝日放送テレビをはじめとするテレビ朝日系列5局(山形テレビ・東日本放送・広島ホームテレビ・瀬戸内海放送)で放送[注 38]。決勝戦は仙台育英と慶應高校の対戦となり、東日本放送では前回大会と同様に決勝戦をネットした。
午前中の開催となった2024年は大半の系列局が通常編成(放送枠買取によるテレビショッピング・ブロックネット番組・『大下容子ワイド!スクランブル・第1部』など)を優先したため、系列局へのネットが山形テレビのみとなった。
そのほか珍しいケースとしては96回大会(2014年)と103回大会(2021年)では敦賀気比が勝ち上がってきたのに合わせて、福井放送が前者は午後のローカルセールス枠を利用し、準決勝第2試合の中継を部分ネットした他、後者は『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日制作)を全編差し換えた上で準々決勝第1試合をネットした。
なお、全国ネットの定時番組枠の確保等の観点から、1-3回戦についてはほぼ完全中継が可能な土曜日[注 39]を除き11時台後半 - 14時前後までは一旦中断するが、1985年以降この時間帯はサンテレビ・KBS京都・びわ湖放送・奈良テレビ・テレビ和歌山にリレー中継を実施。1990年代初め頃までは平日の8:30 - 9:30にも実施していたが、2020年甲子園高校野球交流試合ではリレー中継を見送ったため、近畿広域圏の地上波テレビでは一部時間帯で試合中継の中断を余儀なくされた(BS朝日では全試合を完全生中継)。
試合中、地上波ではイニング間のCMタイム(1回30秒)も中継映像をそのまま流しながら、番組協賛スポンサーの当番組限定オリジナルCMを1961年から放送している。 湯浅電池が協賛していた時代はロールテロップだけであったが、協賛が住友グループに移った1963年からは、画面下3分の1ワイプに住友グループ各社の字幕CMとアニメーション(1990年代前半の数年間は実写の着ぐるみ)[注 40]。
1995年に住友グループが撤退し、複数スポンサー協賛になってからは、一部の協賛スポンサーが通常のCMをワイプで挿入する場合もあるが、殆どがオリジナルの画面下のスペースを活用したワイプCMである。CM後はそのCMを提供した協賛スポンサーの字幕を#ねったまくんのじゃんけんとともに表示する(BS・CSは中継を中断して通常のCMを放送。BSは地上波同様CM後、そのCMを提供した協賛スポンサーを表示する[注 41])。
2003年から2018年までは、朝日放送テレビや前述のリレー中継局で1日に複数の試合を中継する場合に、中継の時間帯によって試合と試合の合間に7分間の「インターバルゾーン」を設定。直前に終了した試合のダイジェストや「思い出甲子園」(過去の大会で目覚ましい活躍を見せた野球選手・OB1名へのインタビュー)を放送するほか、朝日放送テレビの女性アナウンサーが、同局の特設スタジオ(以下「甲子園スタジオ」と略記)[注 42]から直後の試合の見どころや出場校を紹介していた。放送日によっては、開会式・第1試合の放送開始前に「インターバルゾーン」を設定することや、『熱闘甲子園』のキャスターや高校野球に縁の深いゲストを迎えることもあった。
2019年以降の本大会の中継では、大会前に収録された企画・作品を、「インターバルゾーン」に相当する時間帯で関西ローカル向けに放送。同年および2021年・2022年には高校野球での実話に基づくミニドラマ、斎藤佑樹(2006年大会の優勝投手)が『熱闘甲子園』のキャスターに加わった2023年には、斎藤のMCによる『甲子園 喜怒哀楽』(選手・監督時代に本大会で顕著な実績を残していた人物との対談番組)を編成している。
BS朝日では、「インターバルゾーン」が甲子園スタジオからの生放送に充てられていた2018年まで、開会式と開幕試合の間に設定される「インターバルゾーン」に限って地上波(朝日放送テレビ)と同時に2Kチャンネルで放送。それ以外の時間帯の「インターバルゾーン」については、2021年までの2K放送時代にニュース・天気予報〈気象情報〉、2022年以降の4K放送では甲子園球場の場内映像[注 43]と次の試合の予告テロップを流している。
「バーチャル高校野球」では2023年から、3回戦までの開催日を対象に、試合の中継に加えて「インターバルゾーン」のサイマル配信を実施。ただし、準々決勝と準決勝では、次の試合で対戦する両校の前の試合のハイライト動画を「インターバルゾーン」に相当する時間帯で独自に流している。
2019年の中継では、『青空ふたたび』(長野大会出場校での実話に基づく田辺桃子主演のショートドラマ)を関西ローカル向けに制作。第1日の開会式 - 第1試合の合間と、第2日 - 第10日までの試合の合間(旧「インターバルゾーン」)に、1日1話のペースで4分間放送した。試合の合間がリレー中継の時間帯と重なる場合には中継局で放送したが、中継予定の全試合が雨天中止の日には翌日へのスライドで対応するほか、「TVer」でも直近の放送回の動画を順次配信。全10話の放送終了後からは、全話一斉配信を実施している[16]。
本大会の試合中継を2年振りに再開した2021年には、小柴陸(関西ジャニーズJr.)の主演による『海と空と蓮と』(2020年に令和2年夏季北海道高等学校野球大会への出場を予定していた高校での実話に基づくショートドラマ)を放送[17]。このパートのみ、くら寿司が単独でスポンサーに付いていた。
2022年には、栃木県立鹿沼高等学校の硬式野球部員として(同年の時点では男子選手にしか出場を認めていない日本高野連・都道府県高野連主催の)公式戦出場を目指した女子学生の実話に基づく『ふたりの背番号4』を池田朱那の主演で放送。一部の回を積水ハウスが単独で提供しているほか、TVerに加えて、Gyaoでも放送済みの回で動画の見逃し配信サービスを実施している。
いずれの作品にも、『熱闘甲子園』キャスターで「熱闘高校野球ナビゲーター」の古田敦也が、本人以外の役柄で登場。ドラマに出演する俳優は、放送前月(7月)の水曜日に阪神甲子園球場で催される阪神タイガース公式戦の始球式に登場するほか、朝日放送テレビで関西ローカル向けに放送する当該試合の中継(『スーパーベースボール 虎バン主義。』)にゲストで出演していた。
なお、ミニドラマの制作と放送は2022年で終了。2023年からは、前述した『甲子園 喜怒哀楽』を「インターバルゾーン」で放送している。
1人のゲストが「喜」「怒」「哀」「楽」というテーマに沿って収録した映像を、編集で分割したうえで、準々決勝までランダムに放送。2023年には、栗山英樹(斎藤が北海道日本ハムファイターズに在籍していた時期の一軍監督)、元・中日ドラゴンズ外野手の平田良介(大阪桐蔭高等学校への在学中に本大会へ出場)、高校野球の監督として本大会で大きな足跡を残していた小倉全由・香田誉士史をゲストに迎えていた[18][19]。放送上は特定のスポンサーを付けていないものの、この年の放送では、わかさ生活(地上波のテレビ中継におけるスポンサーの1社)からのインフォマーシャル(同社と日本女子プロ野球機構を創設した角谷建耀知による女子野球関連の著書『キセキ』のPR映像)が終盤に必ず挿入されていた。
2024年には、朝日放送グループ制作の試合中継にも招かれている高嶋仁(智弁学園和歌山高等学校硬式野球部の名誉監督)、高校生時代に本大会を沸かせた荒木大輔(早稲田実業高校野球部における斎藤の先輩)・今吉晃一(鹿児島県立鹿児島工業高等学校硬式野球部のOBで3年時の2006年に第88回大会で斎藤と対戦)、早稲田実業高校へ在学中の齋藤を『熱闘甲子園』のキャスター時代に取材していた長島三奈と齋藤による対談を個別に収録。収録した映像を「喜」「怒」「哀」「楽」のテーマ別に編集したうえで、1回戦から3回戦までの試合中継のインターバルゾーンで放送している。前年に続いてスポンサーを付けていないものの、番組の終盤には、わかさ生活のインフォマーシャルに代わって『熱闘甲子園』のアニメーションCMを挿入。このCMには、沖縄県立八重山商工高等学校3年時の2006年に春夏連続で甲子園大会に出場していた大嶺祐太(元・千葉ロッテマリーンズ→中日投手)や、高校時代に本大会の試合で苦渋を味わっていた日本プロ野球(NPB)の現役選手(ロッテ投手の小島和哉・東北楽天ゴールデンイーグルス投手の林優樹など)などが声を当てている。また、大会期間中の8月15日からは、放送済みの映像を活用した動画を「バーチャル甲子園」で配信。
中継放送によって、期間中の通常番組は休止か放送日時の振替が行われる(自社制作番組に関しては、当該番組の制作局である朝日放送テレビのみ枠移動。それがネットワークセールス枠番組ならば、他のテレビ朝日系列23局では裏送り先行ネットとなる)。
2024年の第106回大会からは、3試合開催日の一部に「朝夕2部制」が導入されている。「朝夕2部制」の適用日には、「午前の部」における最後の試合が終了してから、「夕方の部」における最初の試合を開始するまでに3時間30分の間隔(インターバル)が設けられる。このような事情から、朝日放送テレビ(ABC)の近畿広域圏(関西ローカル)向け番組編成では、以下のように対応している。
1984年(第66回)はロサンゼルスオリンピックが8月12日まで行われ、一部時差の関係上中継できなかった試合があった(この当時は上記独立県域局とのリレーがなかった。衛星放送もNHKのみで民放はなかったため、実質『熱闘甲子園』の映像資料用の実況だけであった)。
2008年(第90回)は8月2日に開幕したが、この年は8月8日から北京オリンピックが開催された影響で、一部の開催日で朝日放送テレビ向けの中継ができず、上記独立県域局とBS・CS用の事実上裏送りとなった日があった。
2012年(第94回)は8月10日に、ロンドンオリンピック女子サッカー決勝を、テレビ朝日が全国ネット(録画放送)で8:00から放送。朝日放送テレビでは放送終了後の9:55から高校野球中継を始めたため、第1試合(8:00開始)の大半を放送できなかった(試合終了後に甲子園スタジオから当該試合全体のダイジェストを放送)。BS朝日では試合開始から生中継を実施した。
2016年(第98回)もリオデジャネイロオリンピックの一部競技・ウイークリーハイライトをテレビ朝日が全国ネットで放送のため、8月10日については近畿独立県域局のリレー放送開始時刻を9:00からに繰り上げて対応した。8月20日については、準決勝のため通常は中断しないが、中継は11:45[注 51]から14:00まで中断した(通常独立局リレー放送が行われない土曜日のため、リレー放送も行われなかった)。さらに平日午後の放送枠もリオデジャネイロオリンピックの速報番組(10分間[注 52])の兼ね合いから放送終了時間が通常より10分早まり、近畿地方のチームが出場する場合に伴う中継枠の延長も行わなかった。
2021年(第103回)には、東京2020オリンピックが前年(2020年)からの1年延期扱いで7月21日から開催された。ただし、本大会の開幕を予定していた8月9日(山の日の振替休日)の前日(8日)にオリンピックが終了したほか、本大会の開幕も台風接近の影響で10日に順延されたため、編成上は過去の夏季五輪のような影響が生じていない。
2024年には、第106回大会の序盤(8月7日 - 11日)がパリオリンピックの開催期間と重複。「朝夕2部制」を適用している第2日(8日)には、「夕方の部」に当たる第3試合の時間帯(16:48 - 20:00)に、テレビ朝日系列が卓球競技・男子団体準決勝生中継の全国ネット向け放送枠を編成していた。さらに、前述したリレー中継対象局のうち、サンテレビジョン(兵庫県域の独立局)がこの中継を朝日放送テレビと並列で放送。以上の事情から、第2日第3試合のテレビ中継を、BS朝日4Kでのみ放送した。
2004年以降は、地上デジタル放送でもハイビジョン放送となった。当初は朝日放送テレビとテレビ朝日・メ〜テレの3局(朝日放送テレビは全試合、テレビ朝日・メ〜テレは決勝戦のみ)で実施されたが、2007年に決勝戦は全てのネット局で実施されている。独立局リレー中継は、2006年のサンテレビを皮切りに、2010年までに全ての放送局がハイビジョン化している。
また、ハイビジョン放送開始と同時に連動データ放送・5.1chサラウンドステレオ放送もスタートしている(連動データ放送は独立局リレー中継では実施されない。またローカルセールス枠となった2015年以降の決勝戦も、プレゼント企画との兼ね合いから、朝日放送テレビ以外の系列局では実施されない)。2009年からはリアルタイム字幕放送を実施している[注 53]。
地上波によるアナログ放送は2009年まで画角4:3、2010年は16:9レターボックスで放送。このため2010年以降はカウント等の表示テロップを16:9画面に合わせるように位置が変更された。この年をもって岩手・宮城・福島県を除いて、アナログ放送での中継は終了[注 54]となり、デジタルに統合された。
開会式については、以下のような対応を取る(同時刻に中継に入っている朝日放送テレビを除く)。
2012年の第94回大会中継からは、「甲子園球場の現在の情報」と「試合に臨むチーム・監督・選手の深い情報」を中継画面へ積極的に取り込む演出を採用。データスタジアムから提供される詳細なデータと最新の技術を駆使しながら、以下の工夫を凝らしている。
2013年の第95回大会中継では、上記の「エキストラスーパー」を踏襲しつつ、字幕スーパーの背景を白色ベースから黒色ベースに一新。得点・本塁打のシーンで挿入する字幕や、選手紹介の字幕を従来の様式から細く変える一方で、試合開始前には両チームの監督によるその試合に向けたコメントを字幕で表示する。また、中継で表示する投手データに、中継試合における球種の比率(球種ごとに横棒のグラフで表示)や球数(登板開始から終了までの合計)を追加。投手と打者の対戦中には、スコア・ボールカウント・塁上の状況・投手の球数(または球種・球速)を画面の右下に表示させるとともに、「投手:投手名×打者名:打順」か「第○日第○試合」という様式の字幕を画面の左上へ交互に挿入するようになった。さらに、試合の展開を左右しそうな対戦シーンでは、該当する投手と打者の映像を2分割(または4分割)で表示することもある。
2024年の第106回大会中継からは、字幕の字体を丸ゴシック体に統一したほか、四隅が丸く色調の明るい横長のテロップを採用。投手と打者の対戦中には、対戦校、イニング、得点、ボールカウント、登板中の投手が投じたボールの球種と球速、塁上の状況を示すダイヤモンド状のグラフを、リボン状のテロップに収めたうえで画面の下側へ表示するようになった。このテロップでは、対戦中の選手の氏名・登板中の投手の投球数・打者の打順を、対戦校・イニング・得点を表示するスペースの上に出せるようになっている。さらに、得点が記録されている回を数字と黄色地の枠、記録されていない回を灰色地の枠だけで表すランニングスコアを画面の右上へ随時表示。攻撃中の対戦校や、勝利校の名称の表示には黄色地のテロップを用いている。朝日放送テレビでは、この年の大阪大会決勝および、開幕の前週に放送された第26回女子選手権大会決勝のテレビ中継でも以上のテロップを導入していた。
この節に雑多な内容が羅列されています。 |
1970年代の前半から2019年までの中継では、5回裏終了(グラウンド整備)のタイミングで1塁側と3塁側のアルプススタンドからミニ中継を挿入。5回裏終了後のミニ中継については、1990年代まで「甲子園、みんなが主役」、2000年代の初頭(2008年まで)に「SUNSUNリポート」、2009年から「燃えろ!ねったまアルプス」という名称が付けられていた。また、2009年からは第1試合を除いて、試合前にも「ねったまアルプスリポート」と称するミニ中継を放送していた。いずれの中継でも、版権のある応援歌などが放送中に披露されることがあらかじめ判明している場合には、インターネットでのサイマル配信で該当部分の音声を消すことで対応。「バーチャル高校野球」で試合後に公開される「1試合まるごと動画」では、上記の事情からミニ中継のパート自体を編集で割愛していた。
1975年以降は基本として、朝日放送→朝日放送テレビとテレビ朝日の新人アナウンサーがリポートを交互に担当。1994年までの期間と、2009年以降の期間には、他のテレビ朝日系列局から派遣されたアナウンサー(詳細後述)もリポートに加わっていた。また、テレビ朝日から派遣された新人アナウンサーが(自社制作の番組ではなく)「SUNSUNリポート」や「燃えろ!ねったまアルプス」で番組デビューを果たしたこと[20]や、朝日放送テレビ・テレビ朝日以外の系列局から派遣されたアナウンサーが地元以外の出場校のリポートを担当したこと[注 57]もあった。もっとも、新型コロナウイルス感染症の流行が日本国内で始まった2020年から、2023年(第105回記念大会)の3回戦まではアルプススタンドからのミニ中継企画を休止している。
テレビ朝日が複数の新人アナウンサーを採用していても、以下の事情で新人アナウンサーを一切派遣できなかった年や、大会の前半と後半で派遣者を入れ替えた年も存在する。このような年には、朝日放送→朝日放送テレビから入社2・3年目のアナウンサーをリポーターに加えることで対応していた。
テレビ朝日では、「燃えろ!ねったまアルプス」の放送を3年振りに再開した2023年以降も、新卒扱いのアナウンサーを毎年若干名採用している。ただし、再開後の中継では、リポーターの派遣を完全に見送っている。
NHKのテレビ中継でも、1988 - 1990年と2018年・2019年に、出場校の地元にある放送局からアナウンサーや契約キャスターを「ふるさとリポーター」として派遣。「ふるさとリポート」と称して、試合前や試合中にアルプススタンドからのリポートを挿入していた。2020年の交流試合中継と2021年の本大会中継で地元局からの派遣やリポートの放送を見合わせていたが、2022年の本大会中継から「ふるさとリポート」を条件付きで再開。
一部のテレビ朝日系列局と独立局(群馬テレビや岐阜放送など)では、1995年から2018年まで、地元の代表校の試合(準決勝まで)の中継に合わせて「ふるさと応援実況」を随時実施していた。
中継の映像は朝日放送テレビ版とは異なり、応援実況用のカメラがバックネット裏の放送席付近と一塁側内野席にあり、その映像も織り交ぜて放送される(一部カメラ映像は朝日放送テレビ版と共用。「SUNSUNリポート」の部分は差し替え)。また、応援実況に登場するゲスト解説者と実況アナウンサーは、実施局から派遣されている。
番組開始時点で一つ前の試合が続いている場合は、その試合で展開されている応援実況をネットするか、朝日放送テレビの実況(アナウンサーによる飛び乗りの挨拶がある)もしくは試合が始まるまでスタジオに待機しているアナウンサーが予選や前回の戦いぶりを振り返る局もある。ただし実況をネットした場合、CMゾーンは別カメラ映像に差し替えられ、その間は地方局向けに実況を続行するか、独自にCMを挿入する。
しかし、BS朝日を通じて朝日放送テレビの中継を全国一斉に視聴できるようになったことなどから、2000年代の後半以降はふるさと応援実況を実施する系列局が段階的に減少。1995年から2007年まで応援実況を実施していた広島ホームテレビでは、朝日放送テレビからのネット受け再開(2008年)を経て、2009年から中継の放送自体を取り止めている[注 62][注 63]。2008年まで応援実況を実施していた局も、2009年は全局で朝日放送からのネット受けに変更。福島放送・鹿児島放送では、2010年に応援実況を一度再開したものの、2011年以降は朝日放送テレビのネット受けに戻った[注 64]。その後も、長崎文化放送では2011年、長野朝日放送・瀬戸内海放送では2012年、福島放送・鹿児島放送では2013年、琉球朝日放送では2014年以降それぞれ朝日放送テレビからのネット受けによる中継自体を取り止める。このため、2012年から愛媛朝日テレビだけがふるさと応援実況を続けていたが、2018年で終了した。
なお、テレビ朝日系列ながらクロスネット局の福井放送は、2014年の決勝戦中継まで朝日放送テレビの実況をそのまま放送。2015年以降は中継自体を見送っている。また、テレビ宮崎では中継を実施していない。
テレビ朝日では、1980年頃まで関東地方の代表校の試合を中心に午後のローカル枠で放送した他、テレビ神奈川と提携して朝日放送テレビに準じてリレー中継を実施した事もあった。その後は準決勝も一部中継(関東勢の登場の有無は問わず。14,15時台=放送時間延長なし、ただし1990年代前半までは延長をしていた)していたが、2005年を最後に取り止めている(2004年もアテネオリンピック中継により放送無し)。
また、1980年代前半頃には『ANNニュースライナー』内で1~2分程度の生中継を実施したこともあった。その名残で2008年までは昼の『ANNニュース』[注 65]は途中経過も詳細に伝えていた。夕方のニュース番組では、大会期間中全国放送枠の18時前後に朝日放送のスタジオから結果を伝えていた[注 66]が、その時も生中継を行う事があった。また、決勝戦が行われた日は優勝校の宿舎から中継が入り、インタビューを行っていた。
2015年(第97回)以降の決勝戦中継がローカルセールス枠に変更となったことから、2014年までは毎年全国放送されていた決勝戦のネットを、2015年はテレビ朝日のみ見送った[注 31]。2016年(第98回)以降、テレビ朝日以外の同系列フルネット局の大半でも各局の編成の都合もあり、決勝戦のネットを見送る所が多くなっている(先述)、ただし、BS朝日で地上波との同時ネットで放送しているため実質上は視聴可能となっている。
1988年に初めてハイビジョンでの生中継(試験放送)を実施[注 67]し、1992年[注 68]から2000年まではハイビジョン試験放送で中継をしていた。実況は独自のもので(地上波テレビ・ラジオ放送とは別の人物が担当)、解説者は開会式と準々決勝以降に登場した。試験放送のためCMを放送出来ず、イニングチェンジ中はスコアーボードと「Hi-Vision ABC」のロゴが映し出されていた。ハイビジョン試験放送開始当初は一日の放送が高校野球中継しか編成されず、中継が終わると試験放送自体も放送終了していた。中継が早終了すると環境映像のフィラーを流していた。
BSデジタル放送では、BS朝日が本放送開始(2000年12月1日)の翌年・2001年から全試合を試合終了まで生中継している(2001年は独自編成で一部カメラを地上波中継と共用。2002年から地上波と同時放送[注 69][注 70])。CS放送はスカイ・Aスポーツプラスが「サテライトABC(ch.O<チャネル・オー>)」として開局した1990年より、毎年夕方から(現在は18:00、プロ野球・Jリーグ中継のある日はそれの終了後から)翌日の朝[注 71]にかけて、当日に行われた地上波の中継を全試合ノーカットで録画中継している[注 72]。これにより、それまでは事実上『熱闘甲子園』や記録映像のためだけの実況[注 73]となっていた18時台以降の箇所の実況中継も、BS・CSを通じて視聴できるようになった。
なお、スカイ・Aは1995年の第77回から2000年の第82回まで、ハイビジョン試験放送の映像を利用して生中継で放送されており、生中継後に再放送となる録画中継があるため、1日中高校野球のみという編成になっていた時代もある[注 74]。なお、2001年の第83回以降の衛星での生中継は、先述のBS朝日に引き継がれた。また、NHK衛星第2テレビジョンでも1997年の第79回以前は並列放送を、それ以降は開会式と決勝、東京都(東・西)、沖縄県代表校が出場する時間帯のみ行われていたが[注 75]、2010年の第92回を最後に、デジタル統一化に伴うチャンネル再編で並列放送が廃止になった。NHKの地上波では平日・土曜の8時開始の試合では頭の15分を中継しない(連続テレビ小説とおかあさんといっしょを優先させるため)ため、BS朝日での放送が唯一の完全中継となる。
2013年から準々決勝が1日4試合一括開催、その翌日に休養日(3日以上中止・延期が生じた場合は休養なし)が設けられる日程になったが、スカイ・Aでの放送は従来と同じく、準々決勝を当日に第1・2試合、翌日の休養日に第3・4試合とに分けて放送している。なお『熱闘甲子園』は2013・14年度は準決勝当日の朝に再放送していたが、2015年度以後は休養日の朝に放送されるため、第3・4試合はCS視聴者にはネタバレになる。また年度によっては決勝戦を当日の夜に放送せず、翌日、または後日に改めて初回放送する場合もある[注 76]
またスカイ・Aでは地方大会について、2012年まで決勝戦全試合(一部裏送り、自主製作あり[注 77])をノーカット放送(原則として数日後に録画中継)する企画が大会直前に行われていた[注 78]が、地方大会の放送が大幅に縮小される傾向から、全部の地方大会を網羅しきれなくなったため2013年からはノーカット中継は廃止したが、その代わりとして大会直前に全地方大会決勝のダイジェストを紹介する生放送の特番、『速報!甲子園への道』の一挙放送などで代替している[注 79]。
衛星放送の中継では、地上波でのテレビ中継と違って、冠スポンサーが長らく付かなかった。BS朝日では、2012年の第94回から2014年の第96回までアンダーアーマー、2016年の第98回以降は(選手権大会が開催されなかった2020年をはさんで)全農、2024年度[注 80]はタマホームが同局独自の「プラチナスポンサー」として冠スポンサーになっている。なお、BS朝日では2020年の甲子園交流試合でも全試合を中継したが、この中継では冠スポンサーを付けずに放送している。
2015年から2017年までは準決勝と決勝の合計3試合を地上波などとは別に4K試験放送を実施した[23][24]。BS朝日4Kでは、2019年に決勝のみ、2021年から全試合を4Kオリジナル映像で中継している。
なお、BS朝日では2Kチャンネルでの放送を2021年で終了[注 81]。2022年から、4K画質の中継を4Kチャンネルのみで全試合放送する体制に移行している。BS朝日を含むBSデジタル放送を受信できる環境でBSデジタル放送対応の受像機を設置していても、4K放送対応のチューナーを搭載した機種か、4K対応のチューナー(またはチューナーを内蔵したハードディスクレコーダー)に接続した機種[注 82]でなければ、2022年以降はBS朝日発の中継を視聴できない[注 83][3]。
中継の映像は、甲子園球場内の喫煙所等に設けられたモニターでも流されるほか、1997年[25]からインターネットでもライブストリーミング配信(2016年までは朝日放送の公式ウェブサイト、2017年は朝日新聞社と朝日放送による共同事業として朝日新聞社の公式ウェブサイト内の特設サイト「バーチャル高校野球」内、2018年からはスポーツブル内で配信)が行われている。同サイトではダイジェスト動画やインタビュー動画も見ることが出来る。また、2007年まではNTT西日本のフレッツユーザー向けコンテンツサイト「フレッツ・スクウェア」上でもテレビ映像の動画配信が行われていた。尚、ネット配信版は、権利上の関係からか、2014年までは実況、解説以外の球場音声はテレビ中継のものと比べボリュームが極端に小さくなっており2013年までは校歌斉唱部分も無音になっていた(2012年まで各試合の校歌斉唱部分の前で配信が終了、その後は選手インタビューまで配信していた時期があり、現在は各試合のエンディングまで配信)。球場内放送版と2014年までのネット配信版についてはCMがないため、地上波放送中のCMゾーンではワイプCMの背景のみが流され、地上波放送がない間のCMゾーンではフィラー的なカメラ映像(球場全景、夕暮れをバックにした照明塔、イニングが終わった後の選手の様子など)が流れている。2015年からネット配信版は外野から、2023年はバックネット裏中段からのカメラで、球場全景を映している。
2015年に朝日新聞社と朝日放送(旧社)が、高校野球をいつでも楽しめるようにと企画されたポータルサービス。選手権全国大会はもとより、主要地方大会をANN各系列局などとの協力により配信するだけでなく、国民体育大会、明治神宮野球大会など、日本高等学校野球連盟が主催する公式戦をライブ配信(多くは無料)や、有料によるオンデマンド配信を提供している[26]。2022年からはスポーツブルやYahoo! JAPANのスポーツナビで、2023年から前二者に加えてABEMAも[27]バーチャル高校野球を扱っている。
2023年大会からは地方大会全試合の中継配信も実施しており、この年に配信した総試合数が3482試合に達し、「単一スポーツチャンピオンシップをプラットフォームでライブストリームした試合数」の最多配信記録としてギネス世界記録の認定を受けたことが2024年6月に発表された[28]。
2021年の第103回全国高等学校野球選手権大会期間中に第25回全国高等学校女子硬式野球選手権大会の決勝(神戸弘陵学園対高知中央)を甲子園球場で開催することが両大会の開幕前に決まったこと[29]を受けて、朝日放送では第103回男子選手権本大会の中継と並行しながら、女子選手権大会決勝の中継映像を第25回大会の決勝で初めて制作した(実況:北條瑛祐、ゲスト:片岡安祐美<茨城ゴールデンゴールズ監督>・上田怜<京都両洋高校女子硬式野球部監督>)[30]。当初の日程では決勝の開始時刻が8月22日(男子選手権大会の休養日)の14:00に予定されていたため、朝日放送テレビでは地上波での生中継と「バーチャル高校野球」でのライブ配信を予定していた。しかし実際には、男子の選手権大会で雨天順延が相次いだことから、女子選手権大会決勝の開始時刻を23日の男子選手権2回戦終了後(17:00)に変更。この変更によって地上波での生中継は見送られたが、「バーチャル高校野球」でライブ配信を実施したほか、当日の『熱闘甲子園』で決勝のダイジェストを全国向けに放送した。さらに朝日放送テレビでは、武庫川女子大学の協賛によるダイジェスト番組を、24日の深夜(25日未明の3:14 - 4:14)に関西ローカルで放送。26日の19:00 - 22:00には、朝日放送テレビ制作の映像による録画中継がスカイ・Aで実施された。
全国高等学校女子硬式野球連盟では、決勝の開催日と予備日を男子の選手権本大会より前(8月第1週)に設定した2022年以降も、女子選手権大会の決勝で甲子園球場を使用。朝日放送テレビでも、テレビ中継の制作を続けている。なお、決勝の中継映像で用いられる字幕表示は、男子選手権本大会中継での仕様に準拠。中継の放送に際しては、武庫川女子大学からの特別協賛が付く一方で、開催年の「ABC夏の高校野球応援ソング」を男子選手権大会の中継や『熱闘甲子園』などの関連番組と共用している。
1977年放送の朝日放送テレビのドキュメンタリー『あゝ甲子園」の主題歌『君よ八月に熱くなれ」』好評だったため、本大会でも第63回(1981年)より堤大二郎の歌唱バージョンで採用。同時にバージョンを変えて『熱闘甲子園』『速報!甲子園への道』と共用。
第85回以降は「ABC高校野球テーマ」として『熱闘甲子園』『速報!甲子園への道』と共用し、テレビ中継の提供クレジットでも『栄冠は君に輝く』に代わって使用(BS朝日のオープニング提供クレジットでは2004年まで『栄冠は君に輝く』が使われていた)。
第87回以降はラジオも含めた「ABC高校野球統一テーマ曲」となり、第89回からはラジオ中継の提供クレジットでも『栄冠は君に輝く』に代わって使用。また同呼称時代はオフィスオーガスタ所属アーティストが多く起用された(第89回除く)。
第92回以降の名称は「ABC夏の高校野球応援ソング」で、2021年以降は全国高等学校女子硬式野球選手権大会決勝のテレビ中継・「バーチャル高校野球」での動画配信、2024年以降は「オーディオ高校野球」限定のジングルにも使われている。
以上の楽曲は、朝日放送テレビ制作の夏の大阪予選中継でも使用。第97回の『On Your Side』からは、全国大会中継のエンディングにも流れている。CM入りの際にも流れるが、2008年までの地元校応援実況では無音となっていた。2010年からは応援実況でも流されるようになった。また、ネット局ではそのまま放送する場合と、独自のテーマ曲と併用する場合に大別される。第91回の「Halation」は、開会式中継の裏送りエンディングや、広島ホームテレビ『北斗晶の鬼嫁運動記者倶楽部 勝ちグセ。』2009年8月15日放送分のエンディングでも使われた。また、第95回以降は大会期間中限定で、阪神甲子園球場最寄り駅の阪神本線甲子園駅の列車接近メロディとしても使用される(第97回以降は向谷実が編曲を担当)。
スカイ・A Sports+の録画中継ではオープニング曲は放送されず、オリジナルのタイトル画の後(第90回は朝日放送テレビ、BS朝日と同じものを使用)、両校選手がホームベース前に整列するシーンからの放送となる(ただし第88回の決勝(本割)は地上波の全国ネット生中継開始が12:55で、曲中に両校選手の整列があったためか、特例で『スフィアの羽根』が放送された)。2014年からはCM入りの際に流れるが、オープニングでは放送しなかった。
テレビ・ラジオともに中継番組で競合関係にあるNHKでも、『歌謡スクランブル』[注 84]『ごごカフェ』[注 85]などのラジオ番組や、当該歌手が出演したテレビの歌番組で放送および歌唱や、『NHKのど自慢』出場者による歌唱[注 86]が行われた例がある。特に2010年の『あとひとつ』や2014年の『オモイダマ』は『NHK紅白歌合戦』で、2021年の『夢わたし』は『わが心の大阪メロディー』で歌唱された。
全国高等学校野球選手権大会に代わって甲子園高校野球交流試合を中継した2020年には、メンバーに高校野球の経験者がいるベリーグッドマンを「2020ABC高校野球パワーソングアーティスト」に起用するとともに、書き下ろし曲の『Dreamer』を交流試合の中継・関連番組で使用している[31]。
1981年から1986年までは『君よ八月に熱くなれ』のトランペット・ソロバージョンを流していたが、1987年より2014年まで関西在住のシンガーソングライターである西浦達雄の曲がオンエアされており、西浦の歌声を「夏の風物詩」と評する視聴者も多く、現在まで高い人気を誇っている(1994年には前述の『Dream Forever』も、西浦の曲と使い分けてEDに使用されたが、定着しなかった)。
以下は、エンディングテーマに採用された西浦の楽曲。西浦の歌唱曲では、第90回~第95回の決勝戦中継で『君よ八月に熱くなれ』、第90回の決勝戦中継前座コーナーで『栄冠は君に輝く』も流れた。
ちなみに西浦は、第96回大会直前の2014年7月18日に、同大会限りでエンディングテーマ用の楽曲提供を終了することを公表した[32]。この回の決勝戦中継では、『その瞬間(とき)…思いを胸に』をオープニング・エンディングの両方で使用。第97回大会からは、前述のABC夏の高校野球応援ソングをエンディングテーマ曲に充てている。ただし、朝日放送テレビおよびリレー中継局のみで放送されるインターバルゾーン内の「夏のあとがき」(放送前日の試合に出場した代表校への密着取材特集)では、『願いの向こうに…』や『瞬間』を流している。
夏季休暇(旧盆)最終日(8月16日、ただしこの日が金曜日の場合は8月18日、土曜日の場合は8月17日、日曜日の場合は8月16日)の最終試合中継のエンディングを見て、いわゆるサザエさん症候群になる視聴者もいると言われている。
番組内で使用されるイメージキャラクターで、デザインは朝日放送(現:朝日放送テレビ・朝日放送ラジオ)の初代マスコットキャラクター・キュキュと同じく寄藤文平。「ねったま」は「熱球」に由来する。2003年から使用されている。左投げ・左打ちである。 名前は社員募集され、朝日放送テレビアナウンサーの武田和歌子と、別の社員が偶然同じ名前「ねったま」を出しそれが採用された。
硬球の頭に赤いつばの白の野球帽を被り、赤のストッキングとアンダーシャツ、白のユニフォームを着用。口のところが縫い目に相当する。左から投げるボールは赤い炎をあげて燃えるまさしく「熱球」。高野連のロゴを意識したのか、赤・白のツートンカラーである。2014年(第96回)には応援ソングを歌うアーティストの関ジャニ∞とコラボの限定色、いつものねったまくんに加え、ねったまブルー、ねったまグリーン、ねったまイエロー、ねったまパープル、ねったまオレンジ、ねったまブラックが登場。
プロ野球(阪神タイガース主催試合)と同様にバックネット裏に中継席が設けられているが、プロ野球と若干違う点がある。
直近(2024年の第106回大会)での担当者を記載(◇印の人物は2020年甲子園高校交流試合の中継でも担当)。2024年(第106回大会)以降にラジオ中継での実況を割り当てられているアナウンサーは、割り当て対象の試合で「オーディオ高校野球」ライブ配信向けの実況も任されている。
1995年度の第77回大会で、関根友実(現在はフリー)が大会史上初めて女性のテレビ実況中継アナウンスを担当した。その後1998年に赤江珠緒(現在はフリー)がラジオ実況を担当した。
かつて、「関根、赤江に続く」として3人目の女性実況中継アナウンスの有力候補とされていたのが武田和歌子(2003・2004両年に「高校野球LoveLove委員長」等を務めている)だったが、関根・赤江両人のアナウンスが話題性十分も実況そのものの評価が分かれたこともあって、今のところ3人目の女性実況中継が行われる気配はない。ただし、武田は2005年に開会式のテレビ中継で実況。2016年から2019年までは、ヒロド歩美が、男性のスポーツアナウンサー(高野純一→小縣裕介)と共に開会式テレビ中継の実況を担当していた。
ちなみにNHKでは、有働由美子(現在はフリー)や藤井彩子がラジオの本大会中継で実況を担当。2018年の第100回大会からは、澤田彩香が、本大会の全国向けラジオ中継で一部の試合を実況している。藤井や澤田以外の女性アナウンサーも、若干名(小野文恵や現在フリーの草野満代など)が、地方局への赴任中に当該地方の大会中継で実況を経験している。朝日放送の系列局では、全国大会中継でふるさと応援実況を実施している北海道テレビ(HTB)や、山口朝日放送(yab)[注 95]など地区大会の中継で実況を行っていた。
テレビ・ラジオ中継とも、2024年現在は地方大会で敗退した有力校の監督経験者や、高校野球関連のOB・OGなどを解説者として迎える。解説者については高校野球解説者一覧を参照。NHKの中継では登場しない年がある(2013年は朝日放送と重複しない範囲で数名出演)現役の監督も、例年数名起用している。原則として1試合につき1名を登場させているが、決勝戦のみ2名が出演[注 96]。また、実況アナウンサーと同じく、1名の解説者が同じ日にテレビ・ラジオ中継の解説を掛け持ちすることもある。
1970年代には、朝日新聞の高校野球担当記者も解説者として出演したことがあった。
放送上は、「試合へ臨んでいる選手の技術や監督の采配にとどまらず、選手の精神状況についても、自身の選手・指導経験を基に語っていただく」とのニュアンスを込めて、上記の解説者を「ゲスト」と総称。実況アナウンサーが解説者を紹介する場合には、「お話は~」「○○さんのお話で~」「お客様は~」という表現を多用する。ちなみに、朝日放送テレビのスポーツアナウンサーは、プロ野球などのスポーツ中継でも上記の表現を使うことがある。
いずれも出演時点で朝日放送(2018年4月以降は朝日放送テレビ)のアナウンサー(◎は同年の第100回大会時点での現役アナウンサー)。『速報!甲子園への道』や当中継の「SUNSUNリポート」→「燃えろ!ねったまアルプス」でリポートを経験したアナウンサーが、代々担当していた。
放送日や放送時間によっては、「熱血!高校野球ナビゲーター」、直前のテレビ中継で「燃えろ!ねったまアルプス」のリポートを担当したアナウンサー、朝日放送の野球解説者などを迎えて進行することがあった。
2019年の「インターバルゾーン」撤廃に伴って、スタジオキャスター職も廃止。同年には、「インターバルゾーン」に編成された『青空ふたたび』の放送前に、ヒロドが「ナビゲーター」という肩書で甲子園球場の放送席からあらすじを紹介していた。大会が再開された2021年以降の中継では、直近の試合を実況していたアナウンサーが放送席からミニドラマ(『青空ふたたび』の後継作品)を手短に案内することで、当該試合の関西ローカル向け中継を締めくくっている。
なお、朝日放送テレビが制作した2020年甲子園高校野球交流試合の地上波(関西ローカル)向け中継でも、「インターバルゾーン」を一部の中継日に設定。『2020高校野球 僕らの夏』(関西ローカル向けの交流試合ダイジェスト番組)のキャスター だったヒロドが単独で進行した。新型コロナウイルスへの感染が拡大している状況で全試合を無観客で開催していたため、「インターバルゾーン」では甲子園スタジオを使用せず、甲子園球場バックネット裏通路からの生中継に充てた。
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.