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日本のテレビドラマ番組、メディアミックス作品 ウィキペディアから
『仮面ライダー鎧武/ガイム』(かめんライダーガイム、欧文表記:KAMEN RIDER GAIM)は、2013年10月6日から2014年9月28日までテレビ朝日系列で、毎週日曜8:00 - 8:30(JST)に全47話が放映された、東映制作の特撮テレビドラマ、および作中で主人公が変身するヒーローの名称[注釈 1]。
平成仮面ライダーシリーズ | ||
第14作 | 仮面ライダーウィザード | 2012年9月 - 2013年9月 |
第15作 | 仮面ライダー鎧武/ガイム | 2013年10月 - 2014年9月 |
第16作 | 仮面ライダードライブ | 2014年10月 - 2015年9月 |
キャッチコピーは「ライダー戦国時代」「キミはこの力、どう使う?」[1]「キミはどのフルーツが好き?」。
平成仮面ライダーシリーズ第15作。前番組『仮面ライダーウィザード』の放映を1か月間延長し、本作品より番組の開始時期が前年までの9月第1週から10月第1週へと移行した。シリーズで初めて戦国武将を全体のモチーフとし、錠前を使ってフルーツの意匠を持つ鎧や武器を装備して戦う設定となっている[2]。
本作品はストリートファイト色の強い作品である。仮面ライダー同士の対決をメインに据えた作品自体では『仮面ライダー龍騎』のような前例があるが、ライダーが自身の欲望のために殺し合うバトルロイヤル的なストーリーだった『龍騎』に対し、本作品では個々のライダーが個人の私欲ではなく黄金の果実の争奪を繰り広げる各々の団体の代表としてバトルを繰り広げるという、団体規模での勢力争いの要素を取り入れたストーリーとなっている。また、『仮面ライダークウガ』がその時代に合わせた子供たちの怖いものであったシリアルキラーを恐怖の対象にしていたことから、本作品放送当時の子供たちの1番怖いものであった東日本大震災とその後の社会情勢を意識して、この時代の怖いものである大自然の要素としてヘルヘイムの森による侵食という超自然災害が立ち向かう勇気がほしい存在である最大の脅威として描かれ、敵対勢力はこれに翻弄される存在として位置づけられている[出典 1]。
全体のコンセプトとしては『仮面ライダークウガ』から『仮面ライダー555』にかけての平成仮面ライダーの初期に立ち戻ること、それまで続いてきた2話完結前後編構成のスタイルを崩すことを志向している[出典 2]。また、それまでの平成仮面ライダーは、開始時には設定や世界観だけを決め、話を進めながら展開や結末を徐々に固めていくスタイルだったが、本作品は結末までの構成を当初から決めており、序盤から伏線となるシーンが多数挿入されている[9][10]。俳優のスケジュールや劇場版とのコラボレーション回などでの調整はあったが、最終回までのストーリーはおおよそ脚本の虚淵玄が当初から構想した通りであり[6]、放送中もインタビューなどでたびたびアナウンスされていた[11]。ただし脚本執筆の時点では総話数が全46話になるか全47話になるか確定していなかったため、メインストーリーは第46話で結末を迎え、第47話はその後日談となっている[6][12]。また、戒斗や光実の顛末、オーバーロードの登場、シドやザックのライダー化など、サブキャラクターに関しては当初の構想から変遷していった部分が多く、第1話冒頭の鎧武とバロン、斬月が大量のインベスを率いて三つ巴の合戦を行うシーンは脚本にはなかったが監督の田崎が足したものである[出典 3][注釈 2]。
「戦国武将」をモチーフとしていることから、劇伴にホラガイなどの和楽器が用いられている他、オープニングのスタッフロールもほぼ縦書きという特徴的なフォーマットが導入されるなど、和のテイストを追求した部分も作品の随所に盛り込まれている。ストーリーはフルーツというモチーフからの発想で『旧約聖書』の禁断の果実を題材としており[6]、デザインや設定にも北欧神話・中国神話・日本神話など神話の要素が取り入れられている[13]。
玩具ではベルト側ではなく、ベルトに装着するロックシード側に音声が仕込んであることにより後から新規の音声を追加することが可能となり[14]、また仮面ライダーの撮影用スーツもアーマーの交換などでバリエーションを増やすことが容易であったため[10]、玩具売り上げも好調となったことで従来の作品では新規キャラクターが登場しない終盤でも新フォームや新ライダーが登場している[10]。
西暦2013年。巨大企業ユグドラシル・コーポレーションの企業城下町
企業の介入によって急速な発展を遂げたことで人々が豊かな暮らしを送る一方、閉塞感を覚えた若者たちはストリートダンスに熱中していた。彼らはフリーパフォーマンスのためのステージを取り合い、特殊な錠前ロックシードを用いた対戦競技インベスゲームに没頭していた。そうしたショーのための陣取りに参加する若者たちビートライダーズが熾烈なランキング争いに身を投じる一方、その一人だった青年葛葉紘汰は大人への変身を願い、ダンスをやめてアルバイトに励んでいた。
そんな紘汰のもとに、かつてのチームメイトである高司舞が現れ、リーダーである角居裕也の失踪とチームの窮状を訴えて救援を要請してくる。紘汰は自分の現状に悩みながらもチームメイトの頼みを断れず、捜索の最中、裕也に呼び出されて向かった倉庫街に空間の切れ目を発見する。その向こうには奇妙な森が広がっており、普段は競技に使用している獣インベスが制御されない状態で跋扈していた。踏み込んだ紘汰と舞に対して敵意を剥き出しに襲いかかってくるインベス。紘汰は、突如現れた舞に似た謎の女性が発する「あなたは今、運命を選ぼうとしている」という警告に、迷いなく舞を救うことを選択、森で拾ったベルト戦極ドライバーにロックシードをはめ込み、アーマードライダー鎧武へと変身。インベスの撃破に成功する。
裕也が見つかるまでという条件で一時的にチームに戻った紘汰は、インベスゲームにも参加する。所属するチーム鎧武は破竹の勢いで勝ち進めるものの、新たなアーマードライダーが続々とランキング争いに参加しはじめる。次第に激化するダンスチーム同士の抗争には、若者たちを利用せんとするユグドラシル・コーポレーションの陰謀が深く根ざしていた。さらに世界を脅かすヘルヘイムの森の侵攻と、その奥深くに住まう人間ならざる存在フェムシンムの思惑が、沢芽市へと影を落とし始める。たったひとりだけが手にすることを許された、世界を思うままに変える大いなる力禁断の果実。その存在がビートライダーズたちを子供の遊びでは済まされない、地球全土を巻き込んだ戦いの運命へと誘いこんでいく。
沢芽市にて活動しているダンスチームに属する若者たち(#ビートライダーズ関連も参照)。
沢芽市を支配する巨大企業(#ユグドラシル・コーポレーション関連も参照)
本節では『仮面ライダー鎧武/ガイム』に登場するヒーローキャラクター「仮面ライダー」について詳述する。
劇中では「仮面ライダー」という呼称は一切用いられず、代わって「アーマードライダー」と呼ばれている。
平成仮面ライダー第15作の製作にあたって、最初に提示されたコンセプトは「多人数ライダー」であった[38][39]。当時はAKB48に代表されるアイドルグループが人気を博していたことや、サッカー・水泳・体操といったスポーツの団体戦が盛り上がっていたことから、『仮面ライダーW』以来4年間2人ライダー体制が続いてきたライダーシリーズでも、そろそろ多人数作品に挑戦しようという機運となった[39]。
このとき同時に提示されたのが「戦国武将」というモチーフであり、豪華絢爛な鎧をまとった武者たちが競い合う姿がイメージされた[38][39]。
しかし鎧武者というモチーフ単独では、カッコいいだけのキャラクターにおさまってしまい、訴求性が不足する[38][39]。追加要素として最初期に考案されたのがジュースであり、やがてそれがフルーツをモチーフとすることにつながっていった[38]。
もうひとつの追加要素として、「異世界への扉を開閉する」という意味づけから錠前が選ばれ、キーアイテムのモチーフにすることが決まった[40]。
フィギュア展開を考えていたデザインチームの提案で[40]、「天からフルーツが降ってきて頭に刺さり、それが鎧へと展開する」という特徴的なビジュアルの構想もでき、モチーフの選定は順調に終わった[41]。
しかしキャラクターデザイン作業が始まると、一転して制作は難航した[41]。日本の武将がまとう鎧に極端なバリエーションがあるわけではないため、複数のキャラクターを差別化することが難しかったのである[41]。そこでさらに鳥の要素を追加し、「主役はタカ」「ライバルはツル」などと検討が重ねられたが、モチーフが多すぎてちぐはぐな印象になることから、結局取りやめとなった[41]。
鳥モチーフの導入に代わり、新機軸として打ち出されたのが、取り扱う鎧の対象を日本から世界へと広げることだった[41]。こうして戦国風の「鎧武」に加え、西洋風の「バロン」と中華風の「龍玄」のデザイン原型ができあがったのである[41]。
一方、各キャラクターが持つ武器のデザインにおいても議論が紛糾していた[42]。戦国武将というモチーフだけに、玩具チームは刀を共通武器と想定していたのだが、武部直美プロデューサーが異を唱えたのである[42]。仮面ライダーがフォームチェンジする意義を熟考した武部は、従来の「炎のフォーム」「水のフォーム」といった演出に限界を感じており、「鎧ごとに専用の武器があれば、着替えることで立ち回りも変わる」と訴えた[42]。玩具を販売する立場からすれば、武器の種類が多いとすべてを商品化するのが難しくなるため、バンダイの西澤清人は「1本で刀と弓と銃に変形する十徳ナイフみたいな武器」を考えていたが、却下された[43]。
平行線をたどる両者の主張の折衷案として、「主役(鎧武)とライバル(斬月)の2人だけが刀を装備している」ということになった[42]。さらに主役は二刀流とすることも決まり、ライバルと共通する刀「無双セイバー」とオレンジ鎧固有の武器「大橙丸」がデザインされ、鎧に紐づけられた武器「アームズウェポン」という概念ができあがった[42]。また、なりきり玩具の商品化は主要なライダーの武器に限ることになり、それ以外の武器はフィギュアの付属品として担保されることになった[43]。
ヘルヘイムの森による地球環境の侵食から人類を救済する、ユグドラシル・コーポレーションの計画プロジェクト・アークの根幹ツールとして、戦極凌馬が開発した。実用化に際しては、狗道供界の犠牲や呉島貴虎の負傷など、様々な困難が伴った[44]。試作型が完成するまでには、凌馬によって数多くのデザイン案が構想されており、その中には蛇口がついたベルトもあった[45]。
通常時はバックル部分のみの形態で携行され、装着時は自動的にベルト部分フォールディングバンドが伸長して腰に巻かれる[46]。装着者はヘルヘイムの実を錠前型アイテムロックシードに変化させることができ、バックル中央部のドライブベイ[46]にセットすることで、実の養分を人体に無害なエネルギーに変換して摂取可能となる[44]。腰の後ろの位置に設けられたセンサーパーミッションユニットが最初に装着した者の生体データを登録し、以後は他の人間が装着することはできなくなる[46]。データの認証が完了すると、バックル左側の表示板ライダーインジケーターにアーマードライダーの横顔が浮かぶ[46]。
また、バックル右側の刀剣型スイッチカッティングブレードを倒すことで、ロックシードの力を解放できる[46]。果実型の鎧アームズを生成し、限定的な空間の裂け目クラックを通じて使用者に装着させることで、超人的な力をもたらすのである[47]。さらに変身後にブレードを倒すと、必殺技を発動できる。技の内容は倒す回数に応じて変化し、1回倒すと「スカッシュ」、2回倒すと「オーレ」、3回倒すと「スパーキング」となる[47]。
なお、装填するロックシードに応じてさまざまな音声が再生されるが、それらはすべて開発者である凌馬の趣味だった[46][注釈 26]。
ライダーインジケーターは取り外しが可能で、その下にはゲネシスドライバーの中核部であるゲネシスコアを取り付ける端子がある[46]。これによりドライバーの機能を拡張することで、初期型アーマードライダーもエナジーロックシードを使用できる[47]。
『鎧武外伝』のナックル編と同時期に貴虎が必要最小限の数だけ再生産したことが、小説版最後の時系列集で判明しており、ザックと城乃内秀保の2人に渡されている[注釈 27]。
戦極ドライバーのテストデータを基に改良された、戦極凌馬が開発した新世代アーマードライダーの変身ベルト[52][53]。
普段はバックルの状態で携帯され、腰に当てることで自動的に銀色のベルトフォールディングバンドが伸長して装着される[53]。中央部のゲネシスコアにエナジーロックシードを装填し、右側のハンドルグリップ・シーボルコンプレッサーを押し込むことで、下部の容器コンセントレイトポッドに液化したエネルギーが溜まり、アーマードライダーへの変身が可能となる[53]。
戦極ドライバーに比べて高性能だが、肉体にかかる負担は2倍という危険性もある[54]。ドライバー自体の堅牢性も戦極ドライバーから大きく向上しており、仮面ライダーバロンの集中攻撃でも破壊できなかった[53]。なお、認証機能は取り付けられておらず、最初に装着した人物以外でも使用可能となっている[53]。
開発者の凌馬は神の力すなわち黄金の果実を手に入れようという野望を抱いており、いずれ他のベルトオーナーが敵に回ったときに備えて、ブレーカーのスイッチひとつでゲネシスドライバーの機能を停止できるシステムキルプロセスを仕込んでいた[47][55]。
凌馬にとっては、このゲネシスドライバーでもまだ完成形とは言えなかったらしく、第15話ではさらなるドライバーのデザイン画を葛葉紘汰と駆紋戒斗に披露し、実験体にならないかと誘っていた[55]。ゲネシスドライバーが黄金の果実を手に入れるためのものであったことから、構想中のドライバーは神の力を手にしたときに使われることを想定していたとも考えられる[47]。
仮面ライダー
紘汰は迷い込んだヘルヘイムの森で偶然戦極ドライバーを手に入れ、鎧武への変身能力を得た[58]。当初は力の使い道がわからず、アルバイトに活用しようとして失敗続きだった[58][59]。その後はチーム鎧武を守るためにインベスゲームに参加していたが、やがてユグドラシル・コーポレーションの計画を知ったことで、ユグドラシルの陰謀やオーバーロードの脅威から人々を守るために戦うようになった[58]。
オレンジロックシードを使用して変身する基本形態[58]。装着時の音声は「オレンジアームズ!花道・オンステージ!」[58]。
攻守のバランスが取れており、無双セイバーと専用アームズウェポン大橙丸を使用する二刀流での剣術戦を得意とする[58]。
胸部装甲ダイラング[60]や両肩のダイスリーブ[60]にあるいくつもの丸い突起は、オレンジの表面の粒と鉄瓶の表面のぶつぶつを合わせたイメージである[39]。
第40話ではレデュエが作り出した幻影の中で角居裕也が変身し、インベスと化した紘汰を追い詰めた[68]。
パインロックシードを使用して変身する派生形態。装着時の音声は「パインアームズ!粉砕デストロイ!」[78]。
パイナップルの表面に似たスパイク付きの鎧[72]で身を固めたパワー重視の形態で、通常の武器では歯が立たないような防御力の高い敵との戦いで使われることが多い[78]。その反面、他のアームズに比べて若干動きが鈍くなるため、オーバーロードらとの戦いではあまり使われていない[79]。
頭頂部にはパイナップルの葉に似た5枚のブレード状の分析ユニットパームステムが立っている[80]。中央のセンサーは装着者の体調を読み取り、残りの4枚は装甲のダメージを計測している[80]。両肩には大きな装甲スパインスリーブ[80]を備える。
イチゴロックシードを使用して変身する派生形態。装着時の音声は「イチゴアームズ!シュシュッとスパーク!」[84]。
パワーが低い反面、鎧の表面にはイチゴの粒を模した姿勢制御装置エイキーンスラスターが多数埋め込まれており、スピードやジャンプ力などに優れる[84]。専用アームズウェポンイチゴクナイを使用する二刀流での素早い接近戦、クナイを投げ付ける遠距離戦を得意とする[84]。
頭頂部にはイチゴのヘタに似た分析ユニットセントロイドステムがあり、体勢や重心移動のモニタリング性能を高めることで敵からの攻撃の回避につなげている[85]。
仮面ライダーバロンから借りたバナナロックシードを使用して変身する派生形態。装着時の音声は「バナナアームズ!ナイト・オブ・スピアー!」[88]。
第13話での仮面ライダーブラーボ戦で登場し、バロン マンゴーアームズと共闘した[88]。バロン / 駆紋戒斗がライバルである鎧武 / 葛葉紘汰にバナナロックシードを貸与した理由は定かではないが、紘汰がどのようにバナナロックシードを扱うのかを確かめたかったのではないかと推察される[88]。また、戒斗を演じた小林豊は「あれは紘汰に対する信用を形で示していたんだろう」と解釈している[89]。
スイカロックシードを使用して変身する形態で、ロックシードで召喚される鎧の中では最も大きい[91]。装着時の音声は「スイカアームズ!大玉ビッグバン!」[91]。
状況に応じて大玉モード・ジャイロモード・ヨロイモードの3形態に変形できる[91]。通常のアームズの約3倍のパワーを発揮するが、スイカロックシードはエネルギーの消耗が激しく、使用後はエネルギーのチャージが完了するまで時間を要する[91]。
ゲネシスドライバーの中核部であるゲネシスコアを取り付けた戦極ドライバーに、オレンジロックシードとエナジーロックシードを装填して変身する強化形態。陣羽織をモチーフとしており、使用するエナジーロックシードに応じて胸から腰にかけてのエナジーパネル[102]の模様が変化する[103]。
エナジーロックシードを使用したことで新世代アーマードライダーと同等に強化され、武器も新世代ライダーと共通のソニックアローを装備する[104]。開発者である戦極凌馬もその性能を十分に把握していなかったらしく、仮面ライダー鎧武 ジンバーレモンアームズが登場すると、自ら仮面ライダーデュークに変身してデータ収集のため戦闘を仕掛けていた[105]。
変身時にはオレンジアームズとエナジーアームズが融合して、黒い鎧となる[106]。このジンバー鎧はオレンジ型をしており、上に飛び出た肩アーマーは葉をイメージしている[107]。無彩色になっているのは、展開時にエナジーパネルを目立たせるため[107]。
パルプアイの形状はオレンジアームズと同様だが、前立ジンバーブレードは銀色に、顎部分ウォークラッシャーはガンメタに変わっている[108]。これもまたエナジーパネルの模様を際立たせるためである[56]。
カチドキロックシードを使用して変身する超強化形態。装着時の音声は「カチドキアームズ!いざ出陣!エイエイオー!」[113]。
ヘルヘイムの森の侵食から限られた人間だけを救おうとするユグドラシル・コーポレーションに立ち向かうことを決意した葛葉紘汰に対し、DJサガラがオレンジから作り出したカチドキロックシードを与えたことで変身可能となった[113]。
重装甲で敵の攻撃を受け止めつつ、無双セイバーやカチドキ旗を使用する近接格闘戦や、専用アームズウェポン火縄大橙DJ銃を使用する砲撃戦を得意とする[113]。
従来のアームズが上半身のみを覆っていたのに対し、カチドキアームズでは腰から下がカチドキブロック[114]によって守られており、全身鎧となった[115]。前立カチドキブレード[114]は、徳川家康の歯朶具足のような形状に変化している[116]。マスクは面頬のイメージ[117]。現代風の意匠を取り入れるため、装甲には多数のリベットが施されている[117]。
鎧武 カチドキアームズが極ロックシードをカチドキロックシードに接続すると、「フルーツバスケット!」の音声とともにいくつものアームズがクラックを通じて召喚される[129]。それらのアームズが融合すると同時にカチドキアームズの鎧がはじけ飛び、極アームズが出現する[129]。また、葛葉紘汰の姿から直接変身することも可能である[129]。
胸部装甲キワミラングにはさまざまなフルーツが描かれた紋章シードエンブレムが浮かび、あらゆるロックシードの力を有することを示している[130]。目の部分パルプアイ[130]が七色になっているのも、同様の理由である[117]。背中を守るオーバードマント・キワミは、取り外して闘牛士のように扱ったこともある[130]。
専用武器は持たないが、極ロックシードを回すことですべてのアームズウェポンを召喚できる[131]。自ら手に持って振るうだけでなく、空中に召喚した武器を投擲したり、他のライダーに武器を貸すことも可能である[131][注釈 32]。
極アームズはその強大な力の代償として、変身者の肉体をオーバーロードへと近づけていく副作用があった[129]。極アームズの姿で戦い続けた紘汰は次第に味覚を失い、通常の食事を受けつけなくなって、最後はヘルヘイムの実を口にするに至った[129]。また、ヘルヘイムの植物やインベスを操れるようにもなった[131]。
紘汰が黄金の果実を手にして始まりの男となると、自在に空中を飛行できる能力を得た[131]。
駆紋戒斗が変身するアーマードライダー。名称は仮面ライダー鎧武に倣って、戒斗が所属しているチームバロンから名付けられた。
戒斗は、アーマードライダーとなってチーム鎧武に加勢する葛葉紘汰に対抗するため、シドから戦極ドライバーを手に入れることで変身能力を得た[141]。
アンダースーツライドウェア[142]の模様は、西洋の鎧に使われるチェインメイルをモチーフとしている[41]。また、篭手ガントメタリーク[142]や太腿の防具グランキュイソー[142]には、やはり西洋の甲冑に見られる植物状の紋様が飾られており、鎧武の翼紋様と対比を成している[41]。
バナナロックシードを使用して変身する基本形態。装着時の音声は「バナナアームズ!ナイト・オブ・スピアー!」[141]。
専用アームズウェポンバナスピアーを使用する、重装甲とパワーを活かした白兵戦を得意とする[141]。攻守のバランスが取れているため多用されたアームズであり、戒斗はゲネシスドライバーの入手後もしばしばこの形態に変身していた[141]。
顔の両側にあるバナナ型の角バーニングホーンは、装着者の生体情報をモニターする分析ユニットである[142]。胸部装甲バーンキュイラス[142]の下端が斜めになっているのは、変形時の形状をそのまま反映したため[41]。
マンゴーロックシードを使用して変身する派生形態。装着時の音声は「マンゴーアームズ!ファイト・オブ・ハンマー!」[149]。
素早さは欠けるものの、バナナアームズ以上のパワーと重装甲を活かし、敵の攻撃をかわさず受け止めて、強引に押し切る戦法を得意とする[149]。
顔の両側にある角ゴーコルネットは装着者の生体情報をモニターする分析ユニットであり、下向きに湾曲しているため受けた衝撃を和らげるフェイスガードとしても機能する[150]。また、背面にはマントゴーケープをまとっている[150]。
戒斗は強さを求めてマンゴーロックシードをヘルヘイムの森で手に入れたが[151]、バナナアームズを最良と考えていたため、使わないまま所持していた[149]。しかし、バナナアームズの攻撃をはじき返してしまうセイリュウインベスとの戦いで初使用すると、以後はマンゴーアームズの有用性を認め、強敵相手にしばしば変身した[149]。
鎧武から借り受けたスイカロックシードを使用して変身する重装備形態。
ユグドラシル・コーポレーションへの潜入時に使用し、迎撃に出てきた仮面ライダーシグルドを退けた[154]。
駆紋戒斗がゲネシスドライバーとレモンエナジーロックシードを使用して変身する強化形態。装着時の音声は「レモンエナジーアームズ!」で[156]、その後に「ファイトパワー!ファイトパワー!ファイファイファイファイファファファファファイト![注釈 33]」と続く。
湊耀子を通じて戦極凌馬からドライバーとエナジーロックシードを渡されたことで変身が可能となった[156]。戦極ドライバーによるバナナアームズやマンゴーアームズへの変身中に、ベルトをゲネシスドライバーに交換することで、変身解除を経由せずにレモンエナジーアームズになることもできる[156]。
他の新世代アーマードライダーに比肩する戦闘能力を発揮し、オーバーロードを相手に善戦してきたが、第43話で凌馬が発動したキルプロセスによってドライバーを破壊されて変身不能となった[156]。しかしゲネシスコアは無事だったため[注釈 34]『鎧武外伝 仮面ライダーナックル』にて仮面ライダーナックル ジンバーマロンアームズへの変身に使用された。
仮面ライダー
ユグドラシル・コーポレーションの人類救済計画プロジェクト・アークのリーダーとして、ヘルヘイムの森の調査チームの護衛や沢芽市内に出現したインベスの処理を行っていた[166]。また、紘汰たちがヘルヘイムの森に侵入した際には警告として襲撃をかけたりもした[166]。
ゲネシスドライバーを得た後の貴虎は、『鎧武外伝 仮面ライダー斬月』での一件を除いてこの姿に変身することはなくなり、戦極ドライバーとロックシードを呉島邸に保管していた。第36話で、仮面ライダー斬月・真となった呉島光実との決着を着けるために再び変身したが、とどめをためらった瞬間に斬月・真の反撃を受け、ドライバーとロックシードを破壊されて変身不能となった。
『ドライブ&鎧武』ではメガヘクスが生み出したメカ黒影の量産型戦極ドライバーを光実が回収し、高司舞の力でチーム鎧武のガレージに生えて来たヘルヘイムの果実をドライバーを装着した貴虎が採取したことで果実がメロンロックシードに変化し、再び変身可能となった。なお、通常の量産型戦極ドライバーであればライダーインジケーターは無地となるが、このときは斬月の横顔が浮かび上がった[166]。
小説版での貴虎は、普段は斬月・真を使用しているが、最終決戦ではスイカアームズを使用するため斬月に変身している。
白いアンダースーツライドウェア[167]の形状は、仮面ライダー鎧武とほぼ同じである[50]。
仮面ライダー
葛葉紘汰が戦いへの恐怖から仮面ライダー鎧武に変身できなくなっていた折、チーム鎧武の仲間を守ろうとした光実は、シドと交渉して戦極ドライバーとロックシードを手に入れることで変身能力を得た[176]。以降は鎧武の補佐をしながらライバルのアーマードライダーやインベスと戦っていたが、光実が野心を抱き紘汰を疎んじるようになるにつれて変身の機会が減っていった[176]。ヘルヘイム事件終結後の仮面ライダー邪武襲来に際しては、改心した光実が決意を新たに龍玄へと変身した。
緑色のアンダースーツライドウェア[177]は前垂れがあるのが特徴[41]。肩アーマーの形状や各部のディテールは中華風に仕上げられている[41]。
ブドウロックシードを使用して変身する基本形態。装着時の音声は「ブドウアームズ!龍・砲・ハッハッハッ!」[176]。
アームズウェポンブドウ龍砲を使用する銃撃戦を得意とするが、接近戦には不向き[178]。
中華風の意匠として頭頂部には房飾りがついており[41]、装着者の生体情報をモニターする分析ユニット龍舌として設定されている[177]。
キウイロックシードを使用して変身する中国拳法で戦うカンフー戦士形態[183]。装着時の音声は「キウイアームズ!撃・輪・セイヤッハッ!」[184]。
ブドウアームズよりも装甲が厚く、格闘能力が強化されており、複数の敵との接近戦を行うときに有用である[184]。
テレビシリーズへの登場回数は少なく、むしろ劇場版やテレビスペシャルでの活躍が多い[184]。
ヨモツヘグリロックシードを使用して変身した強化形態[183]。「ヨモツヘグリ」とは、黄泉の国で死者が口にする食べ物を指す[189]。
鎧武を倒すよう戦極凌馬にそそのかされた光実が、初期に試作されていたものの危険すぎるため封印されていたロックシードを受け取って変身が可能となった[190]。高い戦闘能力と引き換えに装着者の生命エネルギーを吸い上げて力に変換[183]するため、戦闘中も光実は苦しんでおり、彼の身を案じた鎧武が捨て身でヨモツヘグリロックシードを破壊したことで変身不能となった[190]。
城乃内秀保が変身する[注釈 36]アーマードライダー。名称は初瀬亮二が勝手に命名した物で、城乃内は当初嫌がっていたが、そのまま公衆に定着してしまった。
当初は初瀬 / 仮面ライダー黒影と組んで活動していたが、戦闘力の低さから敗北が続いていた[194]。その後、凰蓮・ピエール・アルフォンゾ / 仮面ライダーブラーボによって強制的に弟子にされ、彼の手で鍛え直されたことで、他のライダーと共にインベスの大群に立ち向かい、ほぼ互角に渡り合うほどに成長した[194]。第44話で仮面ライダーナックルによって戦極ドライバーとロックシードを破壊されて変身不能となった。
小説版で凰蓮から新しい戦極ドライバーとドングリロックシードを与えられ、再び変身が可能になった。
仮面ライダー
初瀬がリーダーを務めるチームレイドワイルドがチームバロンの傘下に入るという条件で、駆紋戒斗からロックシードを受け取り、シドからは戦極ドライバーを渡されることで変身が可能となった[202]。
城乃内秀保 / 仮面ライダーグリドンと組んで活動していたが、第11話でヘルヘイムの森でのゲームの最中、力加減を誤った仮面ライダー斬月によってドライバーとロックシードを破壊され変身不能となった[202]。功を焦った初瀬は、ヘルヘイムの実を食してヘキジャインベスに変貌してしまい、仮面ライダーシグルドに討たれた。以後のテレビシリーズに仮面ライダー黒影は登場していないが、異世界を舞台とした劇場版『サッカー大決戦!黄金の果実争奪杯!』では活躍している。
凰蓮・ピエール・アルフォンゾが変身するアーマードライダー。全身の装甲に隙間なくトゲが並んでおり、兜の左目周辺には傷のような意匠が見られる。
チームレッドホットの曽野村が凰蓮の店「シャルモン」で騒いだため、迷惑料としてロックシードを取り上げたことで変身可能となった[206]。当初は他のアーマードライダーたちを「インベスで街の平和を乱す不良集団」と思い込んでおり、何度も妨害を仕掛けていた[206]。やがてヘルヘイムの真相を知ったことで彼らと和解し、強引に弟子とした城乃内秀保 / 仮面ライダーグリドンと力を合わせ、インベスやオーバーロードと戦うようになった[206]。第44話で、ロード・バロンによってドライバーとロックシードを破壊され変身不能となった[206]。
小説版では呉島貴虎がユグドラシルEUの残党から回収した戦極ドライバーとドリアンロックシードを与えられ、再び変身が可能になった。
ザックが変身するアーマードライダー。命名はザック自身による。
駆紋戒斗 / 仮面ライダーバロンがチームバロンを脱退する際、ユグドラシル・コーポレーションの施設から奪ってきた量産型戦極ドライバーとクルミロックシードをザックに託したことで変身可能となった[212]。以後はインベスやオーバーロードから沢芽市を守るために戦い、仮面ライダーバロンの相棒として活躍することが多かった[212]。戒斗がロード・バロンへと変貌し、現在の世界の駆逐に動き出したときも追従したが、実はそれは演技であり、裏では戒斗を阻止しようと動いていた。しかし暗殺計画は湊耀子が自らを犠牲として食い止めたため失敗。第45話でバロンに直接挑むものの、ドライバーとロックシードを破壊されて変身不能となった[212]。
『鎧武外伝』の『ナックル編』では、ネオ・バロンのアーマードライダーに対抗するために、呉島光実から量産型戦極ドライバーとクルミロックシードを託されたことで再び変身が可能になった[212]。
新世代アーマードライダー、または次世代アーマードライダー[221]は第12話以降に登場する、戦極凌馬が新たに開発したゲネシスドライバーとエナジーロックシードを使用して変身するアーマードライダー。
多人数ライダー作品『鎧武/ガイム』における「2号ライダー」にあたる存在である[57]。
デザインや造形には以下に挙げる共通コンセプトがある。
また、アームズウェポンは以下に述べる共通の1種類となっている。
戦極凌馬が変身するアーマードライダー。一連のアーマードライダーシステムの開発者である凌馬が自分専用に作ったものであるため、ゲネシスドライバーには特別なチューニングが施されており、スペックは他の新世代ライダーを上回る[228]。
変身する凌馬が研究職を本業とするため前線にはあまり登場せず、他の新世代ライダーと比べて変身回数は少ないが、ひとたび戦闘となると容赦ない攻撃で敵を追い詰めた[228]。しかし駆紋戒斗が変貌したロード・バロンにはかなわず、変身を解除されて敗死した[228]。
湊耀子が変身するアーマードライダー。武器は新世代ライダー共通の弓ソニックアローだが、変身者の耀子が高い身体能力と格闘技術を備えているため、接近戦にも長けている[238]。
当初はユグドラシル・コーポレーションに所属しており、戦極凌馬の秘書として活動していた[238]。単独行動のほか、黒影トルーパーを率いたこともある[238]。しかし凌馬に見限られたことで、ビートライダーズと行動を共にするようになる。耀子は「世界の王になる男を見届けたい」という願望を抱いており、その目的にかなう相手として駆紋戒斗を選んで、彼の補佐を務めた[238]。
当初使用していたゲネシスドライバーは凌馬が発動したキルプロセスによって破壊されたものの、凌馬が戒斗によって倒されたため、遺品となったドライバーを回収して再び変身可能となった[238]。最期はザックが仕掛けた爆弾から戒斗をかばって致命傷を負い、彼に看取られながら息を引き取った。
シドが変身するアーマードライダー。シドは帽子を愛用しているため、変身後も額に手を当てる仕草を頻繁に見せる[243]。
ユグドラシル・コーポレーションの行動隊長的存在として、仮面ライダー鎧武らの前に何度も立ちはだかった[244]。呉島貴虎の排除後は、ユグドラシルを裏切って独自に行動を始め、黄金の果実を手にしようとした[244]。しかしオーバーロードの王ロシュオにはまったく歯が立たず、強大な念動力によって抹殺された[244]。
仮面ライダー
第28話で貴虎がユグドラシルから追放された後、呉島光実が残されたゲネシスドライバーを使用して変身し、貴虎を装って葛葉紘汰を欺いた[253]。第43話で戦極凌馬が発動したキルプロセスによってゲネシスドライバーを破壊され、変身不能となった[253]。
『ドライブ&鎧武』ではメカ戦極凌馬が使用していたゲネシスドライバーを貴虎が回収し、光実が所持していたメロンエナジーロックシードによって再び変身可能となった[253]。
ユグルドラシルタワーにはセキュリティの一環として無人で動作するスイカアームズが配備されており、自動的に敵を見つけて攻撃するように設定されている[255]。
また仮面ライダーシグルドは、シドロックシードで使役できる無人スイカアームズを切り札としており、仮面ライダー鎧武に対して3体を同時に差し向けた[251]。しかし圧倒的な火力で相手を蹂躙するはずのスイカアームズも、カチドキアームズの力を得た鎧武の敵ではなかった[251]。
なおスイカアームズは、第1話の冒頭で仮面ライダーバロンが率いる軍勢に多数加わっていたほか、劇場版『サッカー大決戦!黄金の果実争奪杯!』では凰蓮・ピエール・アルフォンゾが率いる部隊にも複数配備されていたが、これらは無人ではなく変身者が存在している[256]。しかしどちらのスイカアームズ部隊も、変身していた者の素性は明らかではない[256]。
ユグドラシル・コーポレーションの保安要員[257]が量産型戦極ドライバーとマツボックリロックシードを使用して変身するアーマードライダー。一部書籍では、「仮面ライダー黒影トルーパー マツボックリアームズ」と表記している[258]。
仮面ライダー黒影 マツボックリアームズをもとに開発されており、スペックや外見はオリジナル黒影とほぼ同様だが、量産型戦極ドライバーを使用しているためライダーインジケーターはブランク[257]となっている[259]。また、スーツの脇腹の部分に格子状の模様が薄く刻まれている[257][258]。武器はアームズウェポン影松のほかに、特殊スモークを発する発煙筒や火炎放射器を使うことがある[259]。
ユグドラシルタワーの警備や、ヘルヘイムの森の侵食への対処を主な業務としていた[255]。またプロジェクト・アークでは、この黒影トルーパーを大量生産して一部の人類を救済する計画だった[255]。
ヘルヘイム関連の事態が収束した後は悪用を防ぐため、呉島貴虎によってドライバーとロックシードは全て廃棄処分された。第47話でのコウガネの出現に際しては、万一の時のために唯一残された一式で、城乃内が亡き初瀬への思いを込めて変身するも、仮面ライダー邪武とイナゴ怪人に敗北し、ドライバーとロックシードを破壊された。
『ドライブ&鎧武』では、メガヘクスにより複製されたドライバーとロックシードでメカ兵士が変身したメカ黒影が登場する。
『鎧武外伝 仮面ライダーナックル』では、ネオ・バロンの構成員が変身した黒影トルーパーが2人登場し、ザックと城乃内を襲ったが、仮面ライダー龍玄によって退けられた。その後、仮面ライダーナックルと一騎打ちを行う仮面ライダーブラックバロンの加勢に駆けつけたが、ブラックバロンの攻撃に巻き込まれた後は登場していない。
仮面ライダー
ヘルヘイムの森の脅威が去ってから7か月後の沢芽市に現れ、配下のイナゴ怪人とともに、変身能力を失ったアーマードライダーたちを襲撃した[261]。城乃内が変身した黒影トルーパーを倒したものの、再起した仮面ライダー龍玄と、一時的に地球に帰還した鎧武のダブルキックに敗れて消滅した[261]。
仮面ライダー | アームズ | 身長 | 体重 | パンチ力 | キック力 | ジャンプ力 (ひと跳び) | 走力 (100m) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
鎧武 | オレンジ | 203 cm | 105 kg | 6.7 t | 10.2 t | 28 m | 5.9秒 |
パイン | 206 cm | 119 kg | 8.7 t | 10.2 t | 22 m | 6.5秒 | |
イチゴ | 203 cm | 100 kg | 6 t | 10.2 t | 33 m | 5.5秒 | |
バナナ | 204 cm | 108 kg | 7.7 t | 10.2 t | 26 m | 5.9秒 | |
スイカ | 311 cm | 523 kg | 33.2 t | 51.8 t | 3 m | 9.8秒 | |
ジンバー (各形態共通) |
206 cm | 110 kg | 13.7 t | 17.9 t | 25 m | 5.6秒 | |
カチドキ | 215 cm | 128 kg | 16 t | 21.4 t | 16 m | 7.2秒 | |
極 | 215 cm | 113 kg | 14.5 t | 20.4 t | 20 m | 5.8秒 | |
フレッシュオレンジ | 203 cm | 105 kg | 12.6 t | 16.6 t | 31 m | 5.5秒 | |
バロン | バナナ | 208 cm | 114 kg | 8.8 t | 12.4 t | 24 m | 6.1秒 |
マンゴー | 208 cm | 114 kg | 10 t | 12.4 t | 22 m | 6.5秒 | |
スイカ | 311 cm | 523 kg | 33.2 t | 51.8 t | 3 m | 9.8秒 | |
レモンエナジー | 208 cm | 111 kg | 15.1 t | 18.3 t | 25 m | 5.9秒 | |
斬月 | メロン | 206 cm | 109 kg | 10.2 t | 13 t | 24 m | 6.1秒 |
龍玄 | ブドウ | 206 cm | 105 kg | 6.7 t | 10.2 t | 28 m | 5.9秒 |
キウイ | 206 cm | 100 kg | 8.4 t | 11.8 t | 28 m | 5.7秒 | |
ヨモツヘグリ | 206 cm | 96 kg | 17.5 t | 22.8 t | 35 m | 5秒 | |
グリドン | ドングリ | 203 cm | 110 kg | 8.9 t | 9.2 t | 22 m | 6.5秒 |
黒影 | マツボックリ | 203 cm | 102 kg | 6 t | 10.2 t | 26 m | 6秒 |
ブラーボ | ドリアン | 210 cm | 125 kg | 12.4 t | 16.7 t | 27 m | 5.9秒 |
ナックル | クルミ | 204 cm | 107 kg | 8.1 t | 9 t | 26 m | 5.9秒 |
デューク | レモンエナジー | 206 cm | 119 kg | 15.7 t | 19.5 t | 22 m | 6.4秒 |
マリカ | ピーチエナジー | 198 cm | 93 kg | 12.1 t | 16 t | 27 m | 5.5秒 |
シグルド | チェリーエナジー | 203 cm | 105 kg | 14 t | 18.9 t | 24 m | 6.1秒 |
斬月・真 | メロンエナジー | 206 cm | 109 kg | 14.3 t | 18.2 t | 24 m | 6.1秒 |
邪武 | ダークネス | 209 cm | 117 kg | 18.5 t | 19.6 t | 22 m | 6.2秒 |
黒影トルーパー | マツボックリ | 203 cm | 102 kg | 6 t | 10.2 t | 26 m | 6秒 |
ロックビークルとは、ユグドラシル・コーポレーションが開発した、ロックシードから変形する乗り物である[264]。
サクラハリケーンロックシードから変形する、バイク型ロックビークルの試作機。カウル部にサクラの花の意匠がある[266]。4ストローク4気筒ガソリンエンジンYGE-001を搭載[267]。ディメンション・インジケーターと呼ばれる人為的にクラックを発生させる次元転移装置[266]に内蔵されたワープ駆動装置ディメンジョンシフターの機能により、ヘルヘイムの森へとつながる空間の裂け目クラックを発生させることが可能で[267]、スピードメーターの表示が「999」になると車体がエネルギーシールドに包まれ、サクラの花状のクラックをくぐり抜けて転移する[268]。なお、この「999」とは速度ではない謎の数値であり、それが規定値に到達することでヘルヘイムの森に入れるという設定になっている[269]。『鎧武/ガイム』の制作時期では、バイクが公道を猛スピードで走るような演出はできないため、車体が旋回し花びらが舞うという非現実的な描写をすることで、スピード以外の要素で転移していることを表現している[269]。
劇中では、シドからロックシードを受け取った仮面ライダー鎧武が主な使用者となっているが[268]、第10話では仮面ライダー黒影と仮面ライダーブラーボもヘルヘイムの森への侵入に使用した[267]。そのほか第7話では、仮面ライダー龍玄が鎧武から借りて騎乗している[267]。
ローズアタッカーロックシードから変形する、バイク型ロックビークルの試作機。カウル部にバラの花の意匠がある[266]。4ストローク4気筒ガソリンエンジンYGE-001を搭載[271]。ディメンション・インジケーターと呼ばれる人為的にクラックを発生させる次元転移装置[266]に内蔵されたワープ駆動装置ディメンジョンシフターの機能により、ヘルヘイムの森へとつながる空間の裂け目クラックを発生させることが可能で[271]、スピードメーターの表示が「999」になると真紅の花吹雪が舞い、車体がエネルギーシールドに包まれて転移する[272]。
劇中では、シドからロックシードを受け取った仮面ライダーバロンが主な使用者となっているが、第8話では呉島光実 / 仮面ライダー龍玄がシドを脅すような形でロックシードを手に入れている[271]。そのほか、仮面ライダーグリドンも使用している[272]。また、『仮面ライダー大戦』ではなぜか鎧武が所持しており、門矢士 / 仮面ライダーディケイドに貸与した[273]。
タンポポロックシードから変形する空中戦用[218]のホバーバイク型ロックビークル[274]。カウル部にタンポポの花の意匠がある[275]。イオンエンジンYGE-002によって動力を生み、機体後部の推進装置マインホイールによって滑空する[276]。武装は機体前面のガンバレルユニット[276]。
『鎧武&ウィザード』ではテレビシリーズに先駆けて登場。戦極時代のご神木に実っていた果実が変化した物を仮面ライダー鎧武が入手し、使用した。
テレビシリーズでは、主に黒影トルーパーが使用していた[276]。第16話では、仮面ライダー龍玄が追跡してきた黒影トルーパーから1機を奪取し、巧みに操縦して追跡部隊を全滅させた[276]。また仮面ライダーバロンは、第19話でユグドラシルの研究施設への突入時に使用しているほか、第45話での鎧武との最終決戦で互いにダンデライナーに騎乗し、空中戦を繰り広げた[276]。
一部書籍では「チューリップロックビークル」と記述している[275]。
チューリップを模したロックシードから変形する2足歩行型ロックビークル[277]。
ホッピングによる攻撃のほか、ロックシードに戻ることで敵の攻撃を防御する[275]。機体前面に2丁備わった機銃で射撃を行うほか、強烈なキックを繰り出すことで近距離戦にも対応できる[277]。2体で連結することで1体が体勢を支え、もう1体がキック攻撃をするという集団戦法も可能[277]。機体前面の赤いスイッチを押すことでクラックを開き、強風発生装置により仮面ライダー鎧武と仮面ライダーバロンをそこへ送り込んだこともあった[278]。
テレビシリーズでは、主に黒影トルーパーが使用していたほか、ユグドラシルの施設防衛用の無人機も登場した[277]。第19話でチューリップホッパーを駆る黒影トルーパーによってヘルヘイムの森から追い出された鎧武は、DJサガラから自分用のチューリップホッパーを1体入手すると再戦を挑み、初搭乗ながらも巧みな操縦によって相手を撃破していった[278]。黒影トルーパーは数こそ勝っていたが、戦闘経験と技量の面で鎧武に遅れを取っており、それが同じロックビークルを使用する両者の勝敗を分けたと考えられる[278]。
果実や種子のエネルギーを秘めた錠前型[72]のアイテム。戦極ドライバー装着者がヘルヘイムの森の果実を採ることで、実が変化して出現する[279]。沢芽市には錠前ディーラーのシドの手で流通させられており、性能に応じてDからAまでのクラス付けがなされていた[279]。
開錠すると頭上に空間の裂け目クラックが発生し、その向こうにあるヘルヘイムの森からインベスを召喚できる[279]。さらに戦極ドライバーに装填することで食糧の代わりになるほか、鎧を呼び出してアーマードライダーへと変身することもできる[279]。
フロントパネル・キャストパッドには、内包されたスペクトルをドライバーのデータベースと照合して割り出されたナンバリングの刻印がある[280]。また、ドライバーに装填することで展開するパネル・シードインジケーターには、上部にエネルギーのスペクトルを2次元化したものが表わされ、下部には対応するアームズウェポンが示される[280]。
テレビシリーズ中盤からは、ゲネシスドライバーで力を引き出せるクラスS相当のエナジーロックシードが登場した。本体部分のシーリングドラムは、通常のロックシードのシーリングボディ[280]に比べて2.4倍も堅牢になっている[105]。また、シードインジケーターは、エネルギーのスペクトルを表示する部分のみである。
原則的に、戦極凌馬はすべてのロックシードを把握している[281]。しかしカチドキロックシードは、第23話でフルーツパーラー「ドルーパーズ」に置いてあったオレンジからDJサガラが作り出した物である[281]。また、極ロックシードもまた戦極凌馬が関与していないロックシードであり、第31話で地球人類用の黄金の果実を私蔵していることをDJサガラに咎められたロシュオが、説得に応じて黄金の果実の一部を分離させて作り出した[281]。
本作品に登場する異世界。
極彩色の摩訶不思議な形をした独自の植物が群生し、この植物の種子散布者である怪生物のインベスが主に棲息している。クラックを通じて地球と不定期に繋がっており[注釈 41]、ヘルヘイム植物およびインベスの流出が増加の一途を辿っている。
ヘルヘイムの森は、数々の並行世界と接触し、植物およびインベスといった侵略的外来種の流出によって新たなヘルヘイムを生み出す侵略(詳細は下記、ヘルヘイムの果実の項目を参照)と、1つの世界を蝕む毎に神の力に至る禁断の果実 /知恵の実 / 黄金の果実を1つずつ発生させ、闘争の果てに黄金の果実を掴み取ったただ1人の王の手で世界を次のステージへと導く変革の2つの役割を持つ。1つの世界とクラックで繋がった後は、侵略から変革を経て新世界を到来させ、役目を終えた後はまた別の世界に繋がり役割を果たす、といったプロセスを繰り返している。
テレビシリーズで地球と繋がるヘルヘイムの森の実態もまた、地球以前にヘルヘイムの侵出の末に新たなヘルヘイムと化した、フェムシンム(オーバーロードインベス)という種族が支配していた並行世界である。ユグドラシルはこのヘルヘイムの調査によりフェムシンムの痕跡を発見し、世界のヘルヘイム化の経緯を知るとともに、地球もあと10年程度でヘルヘイム化してしまうことを導き出した。
森そのものが、滅びを手段として文明の栄える星の生命の新たな進化と滅亡を促すという確立した意思を持つ[282]。森そのものの意思は侵出した世界によって異なる姿の幻を蔦によって形作り、黄金の果実に至る候補者として運命を選び取った者たちを中心に接触を図り、地球において森の意思として紘汰たちの前で顕現している姿がDJサガラである。なお森の意思が直接選ぶのは厳密には王そのものではなく、相応しい男に黄金の果実を託す役割を持つ女性が始まりの女であり、森自体はあくまで誰が世界を変革されるのを見届けることしかしない。過去フェムシンムからはロシュオの妻=フェムシンム王妃が、現在の地球の人類からは舞がロシュオによって始まりの女に選ばれた。
本作品における敵怪人で、ヘルヘイムの森に棲息する凶暴かつ強靱な怪生物。「インベス」という名前は、地球で命名されたものであり[282]、本来の名前ではない。
成長に合わせて変態を遂げる特性を持つ。ヘルヘイム果実を唯一の食糧としており、ヘルヘイム植物の種子散布者としての役割を果たしている。
インベスは、クラックで繋がった並行世界に流出し、食糧の無い環境で空腹により凶暴化、あちこちを彷徨った末に土着の動物を襲撃して回る習性がある。これにより市民に無差別な一次被害がもたらされる上に、インベスが移動した跡や罹患者の傷口にヘルヘイムの毒がまき散らされ、ヘルヘイム植物が侵出するという「ヘルヘイム病」と呼ばれる二次被害が発生し、世界のヘルヘイム化を加速させる極めて危険な外来種である。
ロックシードの機能により、特殊なフィールド内で立体映像のような状態で召喚や操作することが可能であり、この機能を用いてインベスを戦わせる競技がインベスゲームである。ただし、ロックシードが手から離れると制御から外れ、実体化し、フィールド外に出て暴走してしまうため、インベスを消滅させるか、ゲーム後に森に還すまで管理する必要がある。小さいサイズなら普通の人間でも対応が可能[注釈 43]。アーマードライダーがロックシードを解錠した場合は最初から完全な実体として現れ、そのまま操ることが可能だが、ロックシードを手から離せば通常と同様に制御から外れ暴走する。インベスが半実体化の状態で召喚されるのはロックシード側のリミッターによるものであり、簡単な改造でドライバーがなくともインベスを実体化させることが可能となり、これを利用してインベスを強盗に利用する例が複数回発生している。
高クラスロックシードにリミッターカットを施した場合、インベスのコントロール機能が短時間で故障し暴走してしまうため非常にリスクが高い。
初級インベス | |
---|---|
身長 | 240 cm |
体重 | 170 kg |
(インベスゲーム) | |
身長 | 95 cm |
体重 | 25 kg |
凶暴態 | |
身長 | 225 cm |
体重 | 148 kg |
飛行体 | |
身長 | 240 cm |
体重 | 175 kg |
ビャッコインベス | |
---|---|
身長 | 230 cm |
体重 | 157 kg |
ヘキジャインベス | |
---|---|
身長 | 241 cm |
体重 | 159 kg |
ヘルヘイム生態系の頂点に君臨する知的生命体の種族の人類側からの呼称。
ヘルヘイムの生態系で唯一知性や言語を有する存在であり、その知性によって武器を扱う他、ヘルヘイムの植物やインベスを意のままに操る能力を持つ。インベス同様に森の果実を摂取することで進化体へパワーアップすることも可能。その起源はヘルヘイムの森の侵食を受けて滅びた旧文明の人類に相当する存在フェムシンムのうち、ヘルヘイムの禁断の果実に王として選ばれたロシュオの臣下たちで構成された末裔が、ロシュオの手で知性を保ったまま身体のみをインベスと同じ構造に改造された者たち。基本的に彼ら固有の未知の言語を話すが、凌馬の指示を受けた戒斗が森にばらまいた国語辞典を各自が熟読した末、ごく短期間で日本語を習得し地球人類とコミュニケーションをとれるようになっている。
新世界到来を前に、ロシュオが王として優良種のみを救い、弱者を切り捨てることを是としたことをきっかけに、一族がロシュオの意向を無視して暴走、同族間で殺し合いが激化し、ロシュオを含めた僅か6名のオーバーロードを残す形で旧文明を崩壊させてしまった経緯を辿っている。それゆえに、アーマードライダーを圧倒するほどの戦闘能力と、ロシュオ以外は弱者を蹂躙することを是とする残忍性を併せ持つ者だけで構成されており、文明を再建することもなく暇を持て余しながら生活している。しかしながら全く社会が崩壊してしまったわけではなく、王ロシュオを頂点とした複数階層からなる階級社会が残存している。
DJサガラを含めた人間たちからは基本的にオーバーロードと呼称されている。しかしながら人類を裏切りフェムシンムの勢力についた呉島光実は彼らの自称であるフェムシンムを呼称に用いている。
ユグドラシルの調査隊が偶然デェムシュの姿を写真に納めたことで、凌馬を中心としたごく一部の勢力がいち早くその存在を認識、ヘルヘイムの禁断の果実への道標として秘密裏に狙うこととなる。後にDJサガラから紘汰もその存在を知り、侵食を止める手がかりになるとして交渉を望むようになる。ロシュオの方針で当初地球へ積極的に侵攻することはなかったが、知恵の実の力を得て地球征服を狙うレデュエの策により、インベスを率いた沢芽市への大進撃が開始される。
アーマードライダーたちとの戦いで次々と死亡し、王たるロシュオも知恵の実を欲したレデュエが殺害。そのレデュエも非道に激昂し、オーバーロードへ覚醒した紘汰によって倒されたことで全滅した。
ロシュオ | |
---|---|
身長 | 255 cm |
体重 | 187 kg |
デェムシュ | |
---|---|
身長 | 250 cm |
体重 | 191 kg |
レデュエ | |
---|---|
身長 | 248 cm |
体重 | 183 kg |
デュデュオンシュ | |
---|---|
身長 | 239 cm |
体重 | 155 kg |
シンムグルン | |
---|---|
身長 | 240 cm |
体重 | 195 kg |
グリンシャ | |
---|---|
身長 | 242 cm |
体重 | 170 kg |
ロード・バロン | |
---|---|
身長 | 211 cm |
体重 | 104 kg |
俳優の起用はプロデューサーと俳優一人一人との面談形式で行われ、従来のオーディション形式はアシスタントプロデューサーを中心とした補助的なものとなった[11][308]。クランクイン直前まで決まらない役もあったが、時間をかけたことで俳優と役との親和性が高いものとなった[11]。また、シド役の波岡一喜や凰蓮役の吉田メタルなどのキャストはオーディションではなくスタッフからのオファーによって起用された[4]。
主演の佐野岳は身体能力の高さから生身でのアクションも多くこなし、スーツアクターの高岩成二・アクション監督の石垣広文・JAE代表の金田治らは佐野の身体能力を高く評価しており[309]、仮面ライダーシリーズの歴代主演俳優で最も身体能力が高いと称されている[出典 11]。
負傷により前作ではレギュラーを担当していなかった永徳は、本作品では仮面ライダーバロン役として2号ライダー役に復帰した[321]。
マリカ役の佃井皆美とシグルド役の金子起也はレギュラーでのスーツアクターを本作品で初めて担当し[322]、龍玄役の佐藤太輔とグリドン役の岡田和也も初めてレギュラーで仮面ライダー役を担当している[323]。またデューク役の富永研司がレギュラー出演するのも『仮面ライダークウガ』以来である[324]。今井靖彦も『炎神戦隊ゴーオンジャー』以来に東映ヒーロー作品のスーツアクターに復帰した[325]。
佃井は変身前後を兼任しているため、変身シーンなどでは藤田慧がマリカの代役を務めている[326]。ブラーボ役は主に今井が務めたが、当初はレギュラーの予定ではなかったため完全には固定されておらず6-7人ほどが入れ替わり演じている[327]。斬月・真役は光実が変身するようになってからもしばらくは渡辺淳が引き続き演じ、第36話での貴虎が変身する斬月と光実が変身する斬月・真の対決から龍玄役の佐藤太輔が斬月・真役を担当している[328]。
東映側プロデューサーは『仮面ライダーオーズ/OOO』の武部直美が本シリーズで3度目の起用となる。
監督陣は田﨑竜太が『オーズ/OOO』以来のパイロットを担当。JAE代表の金田治は監督としては第16話からの参加だが、企画段階から武部に相談を受けており、鎧武が馬に乗ったビジュアルなどのアイデアを出している[346][66]。中澤祥次郎は前作『仮面ライダーウィザード』から引き続き参加する予定であったが、『烈車戦隊トッキュウジャー』のメイン監督を担当するため、第8話・第9話のみで降板した[347]。その後、中澤は『鎧武/ガイム』と『トッキュウジャー』の両方を担当していることから『烈車戦隊トッキュウジャーVS仮面ライダー鎧武 春休み合体スペシャル』の監督を務めた[347]。
大きな特徴として、本作品の制作にはニトロプラスに所属経験のあるスタッフが参加している。取締役の虚淵玄はこれまでゲームシナリオやアニメ脚本を執筆しており、本作品で実写作品のメインライターを初担当する。起用の理由について、武部直美は自身が『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ』を観て虚淵に興味を持ったのがきっかけでツイッターで共通の知人を探した結果、後に本作品にもデェムシュの声で出演することとなる虚淵が参加していたアニメ『翠星のガルガンティア』に出演していた声優の杉田智和を通して、接点を得たと述べている[348][5]。虚淵はスケジュールの都合から1人での執筆が難しかったため個人ではなくニトロプラス名義で参加しており、虚淵が手直しをしやすいニトロプラス出身のライター陣で文芸チームを編成している[6]。ニトロプラス以外では平成仮面ライダーシリーズで脚本執筆経験のある少年社中の毛利亘宏も参加している[6]。
インベスのデザインは東映特撮の常連である篠原保の他、共にシリーズ初参加となる山田章博、Niθ、中央東口が手がける。このうち、Niθと中央東口はニトロプラス出身者であり、両名ともニトロプラス代表のでじたろうからの誘いで参加した[349]。山田は以前から親交のあった出渕裕からの紹介で参加しており、元々は出渕へのオファーであったという[287]。
アクション監督の石垣広文は次作『仮面ライダードライブ』への参加のため、終盤で竹田道弘と交代している[127]。
また東映特撮作品の撮影監督で40年以上のキャリアを持ついのくままさおは第32・33話を持って現場を引退した[350]。
劇伴音楽はスーパー戦隊シリーズやスーパーヒーロー大戦シリーズに関わった経験がある山下康介が仮面ライダーシリーズで初起用されている[351]。田﨑の提案により変身シーンなどに用いられるBGMには、マオリ族の民族舞踊ハカが取り入れられている[352][351]。
主題歌CDはJUST LIVE MOREを参照。
制作発表の時点で鎧武・バロン・龍玄・斬月・グリドンの5人の仮面ライダーが公開され、『仮面ライダー龍騎』や『仮面ライダーカブト』のような多人数ライダーの作品であることが明らかにされた。東映プロデューサーの武部直美によれば、近年の仮面ライダーシリーズは「テレビで主に活躍するライダーは2人」という形式が続いていたことに疑問を持ったこと、AKB48のようなグループアイドルやプロ野球や水泳や体操などのスポーツの団体戦が人気であることから、多人数が登場する作品にしたという[出典 13]。
鎧武者という案は、武部とバンダイボーイズトイ事業部ライダーチームとの会議で前作『仮面ライダーウィザード』の戦闘描写がCGエフェクトによる魔法が中心となっていたこととの差別化として、武器を手にしての戦いを発想したことに起因する[14]。当初は全員が戦国武将ライダーという構想だったがキャラクターの差別化が難しく、バンダイ提案によるフルーツの要素が取り入れられ[308]、鎧のバリエーションも洋風や中華風のものが取り入れられた[11][354]。
フルーツ案は上述の脅威である自然災害が植物であり果物であることや[5]、子供の好みであることや、世代を問わず話題にすることができる存在であることから提案され、鎧だけではシンプルに格好良くなってしまうことから”引っかかり”の要素として取り入れられた[14]。主役ライダーの鎧武のモチーフ(基本形態)は、人気・知名度の高さや、赤を主体としていた『仮面ライダーウィザード』との差別化などからオレンジが選ばれた[308][355]。それ以外のフルーツも人気・知名度の高いものが選ばれているが、ロックシードのクラス分けのためにドングリなどの木の実も取り入れている[308][356]。企画の構想では「果物を食べる鳥」をモチーフに進めていたため、鎧武のデザインには羽根の意匠の名残が残っている[出典 14]。
ダンスチーム案はフルーツより濃いもので気を逸らすため、スケープゴートのような要素として設定された[5]。
変身ベルトのデザインは、オレンジの断面が仮面ライダー1号のベルトの風車部分に似ていると発想したことによる[14][354]。多人数ライダーであることから複数の仮面ライダーが同型のベルトを使用することとなったが、個々の差別化として携帯電話のカバーから発想した各仮面ライダーのフェイスプレートが採用された[14]。
脚本を担当した虚淵玄はシリアスなストーリーや平成仮面ライダー初期の雰囲気への回帰を要望されていたが、既に決定していたフルーツや錠前といったモチーフからはシリアスなヒーローを発想することは難しかった[出典 15]。そのため、序盤ではアーマードライダーやロックシードなどをインベスゲームで使用する「おもちゃ」として描写し、明るい雰囲気から徐々にシリアスな展開へと転じていく形に構成した[出典 16]。虚淵はフルーツというモチーフから旧約聖書の禁断の果実を題材に物語を構想し、「フリーターの青年が神となり他の星に旅立つ」という最初のプロットがそのまま採用された[6]。
人ならざるものへと変化していく登場人物たちという展開は、虚淵の提案から初代『仮面ライダー』のように仮面ライダーの前提が禍々しい力や異形の力である敵の力を使って変身することにあることから、敵と同じ力を使う以上、そういった結末になるのが必然であることから設定された[4]。終盤で紘汰や戒斗が人ならざる存在になるという展開は、虚淵が最も強烈なライダーとしてあった『仮面ライダーBLACK』の漫画版を意識しており、同作品では戦いの勝者やその勝者が何をするかは曖昧なまま終わったため、その先を描きたいという思いから生まれた[5]。
『仮面ライダーW』以降に登場していた小型サポートメカは、毎年絵面が変わらないことや物語の後半では出しにくくなることなどから廃止された[354]。従来の作品では、特撮研究所がサポートメカのCGを、日本映像クリエイティブが変身シーンをそれぞれ担当していたが、本作品ではサポートメカがなくなったため特撮研究所が変身シーンのCGを担当している[359]。
戦闘シーンの演出では、パイロット監督の田﨑竜太の要望により流血描写の代替として果汁が飛び散る様が描写されている[359]。
各話終了時、その時点でアーマードライダー変身者(紘汰・戒斗・光実・貴虎の4人)いずれかの所持しているロックシードが表示される。基本的に紘汰のものが表示されるが、それ以外の変身者が新たにロックシードを入手・披露した場合もしくはメインで活躍した場合は、その変身者のものが表示される。
放送日 | 放送回 | サブタイトル | 登場上級インベス オーバーロード(太字) | 脚本 | アクション監督補佐 | アクションコーディネーター | アクション監督 | 監督 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2013年10月 | 6日1 | 変身!空からオレンジ!? |
|
虚淵玄 | 石垣広文 | 田﨑竜太 | ||
10月13日 | 2 | 必殺!パインキック! | ||||||
10月20日 | 3 | 衝撃!ライバルがバナナ変身!? | ― | 柴﨑貴行 | ||||
10月27日 | 4 | 誕生!3人目のぶどうライダー! |
| |||||
[注釈 64]11月10日 | 5 | 復活!友情のイチゴアームズ! | ||||||
11月17日 | 6 | ドリアンライダー、参戦! | ― | おぐらとしひろ | 諸田敏 | |||
11月24日 | 7 | 大玉スイカ、ビッグバン! | ||||||
12月 | 1日8 | バロンの新しき力、マンゴー! |
|
虚淵玄 七篠トリコ |
中澤祥次郎 | |||
12月8日 | 9 | 怪物インベス捕獲大作戦! | 虚淵玄 | |||||
12月15日 | 10 | ライダー大集結!森の謎を暴け! |
|
虚淵玄 砂阿久雁 |
柴﨑貴行 | |||
12月22日 | 11 | クリスマスゲームの真実 | ― | 虚淵玄 毛利亘宏 | ||||
2014年 [注釈 65] | 1月 5日12 | 新世代ライダー登場! |
|
虚淵玄 | 石田秀範 | |||
1月12日 | 13 | 鎧武、バロンの友情タッグ! | ||||||
1月19日 | 14 | ヘルヘイムの果実の秘密 | 諸田敏 | |||||
1月26日 | 15 | ベルトを開発した男 | ― | |||||
2月 | 2日16 | 新アームズ!ジンバーレモン誕生! |
|
金田治 | ||||
2月9日 | 17 | 桃のライダー、マリカ光臨! | ― | |||||
2月16日 | 18 | さらばビートライダーズ |
|
虚淵玄 毛利亘宏 |
石田秀範 | |||
2月23日 | 19 | 贈られた秘密兵器 | ― | |||||
3月 | 2日20 | 世界のおわり はじまる侵略 |
|
虚淵玄 | 諸田敏 | |||
3月 | 9日21 | ユグドラシルの秘密 | ― | |||||
3月16日 | 22 | 7分の1の真実 | ― | 金田治 | ||||
3月23日 | 23 | いざ出陣!カチドキアームズ! | ― | |||||
[注釈 66]4月 6日 | 24 | 新たな強敵 オーバーロード | ― | 石田秀範 | ||||
4月13日 | 25 | グリドン・ブラーボ 最強タッグ |
|
虚淵玄 鋼屋ジン | ||||
4月20日 | 26 | バロンのゲネシス変身! | ― | 諸田敏 | ||||
4月27日 | 27 | 真実を知る時 | ― | 虚淵玄 | ||||
5月 | 4日28 | 裏切りの斬月 |
|
虚淵玄 鋼屋ジン |
柴﨑貴行 | |||
5月11日 | 29 | オーバーロードの王 | ― | 虚淵玄 | ||||
5月18日 | 30 | 赤と青のキカイダー | 毛利亘宏 | 江澤大樹 荒川真 |
田﨑竜太 | |||
5月25日 | 31 | 禁断の果実のゆくえ | ― | 虚淵玄 | ||||
6月 | 1日32 | 最強の力!極アームズ! |
|
石田秀範 | ||||
6月 | 8日33 | ビートライダーズ大集結! |
|
虚淵玄 海法紀光 | ||||
[注釈 67]6月22日 | 34 | 王の力と王妃復活 |
|
虚淵玄 鋼屋ジン |
諸田敏 | |||
6月29日 | 35 | ミッチの箱舟 | 虚淵玄 | |||||
7月 | 6日36 | 兄弟の決着!斬月VS斬月・真! | ― | 柴﨑貴行 | ||||
7月13日 | 37 | バロン・サッカー対決 夏の陣! |
|
毛利亘宏 | ||||
7月20日 | 38 | プロフェッサーの帰還 |
|
虚淵玄 鋼屋ジン |
山口恭平 | |||
7月27日 | 39 | 決死のタワー突入作戦! | 虚淵玄 | |||||
[注釈 68]8月10日 | 40 | オーバーロードへの目覚め |
|
石田秀範 | ||||
[注釈 69]8月17日 | 41 | 激突!オーバーロードの王 |
|
虚淵玄 鋼屋ジン | ||||
[注釈 70]8月24日 | 42 | 光実!最後の変身! |
|
石垣広文 竹田道弘 |
諸田敏 | |||
8月31日 | 43 | バロン 究極の変身! |
|
虚淵玄 | ||||
9月 | 7日44 | 二人の目指す未来は | 虚淵玄 鋼屋ジン |
金田治 | ||||
9月14日 | 45 | 運命の二人 最終バトル! | 虚淵玄 | |||||
9月21日 | 46 | 運命の勝者 | 石田秀範 | |||||
9月28日 | 47 | 変身!そして未来へ |
|
鋼屋ジン |
YouTube『東映特撮』で配信の再編集動画。
巻 | 発売日 | 収録話 | 映像特典 天下分け目の国取り合戦 | 規格品番 | |
---|---|---|---|---|---|
Blu-ray | DVD | ||||
1 | 2014年 | 2月21日第1話 - 第4話 | なし | BSTD08891 | DSTD08891 |
2 | 2014年 | 3月19日第5話 - 第8話 | 戦国三種競技編 | BSTD08892 | DSTD08892 |
3 | 2014年 | 4月18日第9話 - 第12話 | 陣太鼓を鳴らせ! | BSTD08893 | DSTD08893 |
4 | 2014年 | 5月16日第13話 - 第16話 | 腹が減っては戦ができぬ! | BSTD08894 | DSTD08894 |
5 | 2014年 | 6月20日第17話 - 第20話 | 頭は生きてるうちに使え! | BSTD08895 | DSTD08895 |
6 | 2014年 | 7月18日第21話 - 第24話 | 蹴球の戦い | BSTD08896 | DSTD08896 |
7 | 2014年 | 8月 8日第25話 - 第28話 | 籠球の戦い | BSTD08897 | DSTD08897 |
8 | 2014年 | 9月19日第29話 - 第32話 | 頭は生きてるうちに使え!その2 | BSTD08898 | DSTD08898 |
9 | 2014年10月17日 | 第33話 - 第36話 | 三色城を守りぬけ! | BSTD08899 | DSTD08899 |
10 | 2014年11月21日 | 第37話 - 第40話 | 腹が減っては戦ができぬ!その2 | BSTD08900 | DSTD08900 |
11 | 2014年12月 | 5日第41話 - 第44話 | 勝って鎧の緒を締めよ!(前編) | BSTD08901 | DSTD08901 |
12 | 2015年 | 1月16日第45話 - 第47話 | 勝って鎧の緒を締めよ!(後編) | BSTD08902 | DSTD08902 |
巻 | 発売日 | サブタイトル | 使用話数 | 規格品番 |
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1 | 2013年12月20日 | フルーツで変身!?仮面ライダー鎧武登場!! | 第1話-第2話 | DSTD08748 |
2 | 2014年 | 1月24日バナナとぶどうで変身!?仮面ライダーバロン、仮面ライダー龍玄登場!! | 第3話-第5話 | DSTD08749 |
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