近畿大学
大阪府東大阪市にある私立大学 ウィキペディアから
大阪府東大阪市にある私立大学 ウィキペディアから
近畿大学(きんきだいがく、英語名: Kindai University)は、大阪府東大阪市小若江三丁目4番1号に本部を置く日本の私立大学。1925年創立、1943年大学設置。略称は近大(きんだい)。文理合わせて15学部49学科を擁する総合大学[1]。日本で最も一般入試の志願者数と総志願者数が多い大学であり、2014年に首都圏以外の大学で史上初となる日本一になって以降、11年連続で日本一である。
近畿大学 | |
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大学設置 | 1943年 |
創立 | 1925年 |
創立者 |
小野村胤敏 世耕弘一 |
学校種別 | 私立 |
設置者 | 学校法人近畿大学 |
本部所在地 |
大阪府東大阪市小若江3-4-1 北緯34度39分5.09秒 東経135度35分13.07秒 |
学生数 | 38,857 |
キャンパス |
東大阪キャンパス(大阪府東大阪市) 奈良キャンパス(奈良県奈良市) 大阪狭山キャンパス(大阪府大阪狭山市) 和歌山キャンパス(和歌山県紀の川市) 広島キャンパス(広島県東広島市) 福岡キャンパス(福岡県飯塚市) |
学部 |
情報学部 法学部 経済学部 経営学部 文芸学部 総合社会学部 理工学部 建築学部 薬学部 農学部 医学部 生物理工学部 工学部 産業理工学部 国際学部 通信教育部 短期大学部 教職教育部 |
研究科 |
法学研究科 経済学研究科 商学研究科 文芸学研究科 総合理工学研究科 薬学研究科 農学研究科 医学研究科 生物理工学研究科 システム工学研究科 産業技術研究科 |
ウェブサイト | 近畿大学 |
タイムズ誌発行の、研究の産業活用力、社会貢献力といった観点から評価する最も信頼性のあるTHE世界大学ランキング2024では、西日本の私立大学で1位。"医療分野における研究の質"の項目では国内1位であり、世界順位282位である[2][3][4]。
国内の研究開発法人、大学においてクラリベイト発行の"高被引用論文数2023"では全国20位、私立大学で1位である[5]。
日本で初めて出願をインターネットに完全移行した大学である(2014年)。
2002年に世界初のクロマグロの完全養殖に成功し、真鯛などの他の魚も養殖に成功した。これらを使った料理店「近畿大学水産研究所はなれ」をグランスタ東京に出店している。2023年には大学機関で世界初の鰻の完全養殖に成功した[6][7]。
近畿大学は1925年に財団法人日本大学が設立した日本大学専門学校を淵源とし(初代校長・市村光恵)、1939年に日本大学大阪専門学校と改称し、翌年には日大から経営分離した。太平洋戦争下の1943年に大阪理工科大学を開学[8]。1943~44年に起きた「大専騒動」[9] の混乱を収束するために東京から派遣された世耕弘一(日本大学理事)が大阪専門学校の校長と大阪理工科大学の学長になり、戦後も引き続いて新制近畿大学総長及び理事長に就任したことから、世耕が事実上の創設者と看做されている[10]。
2005年6月に格付投資情報センターから「AA-(安定的)」の財務格付けを取得。格付けは2014年9月に「AA-(ポジティブ)」、2016年10月に「AA(安定的)」に格上げされ、維持している[11][12]。
日本国内の私立大学において、有数の学部・学科数、並びに在学生・卒業生数を有する伝統や歴史のある大学として知られており、マンモス大学としても知られる。近畿大学によると、短期大学を含め約3万3400人の大学生が在籍し、西日本では最大級としている[1]。尚、朝日新聞出版発行「大学ランキング・2012年度版」の「大学別同窓会員数ランキング」で同学は、日本大学(約100万人)、早稲田大学(約60万人)、明治大学(約50万人)に次ぐ第4位(約45万人、西日本の大学では第1位)となっている。
英語名称はかつて「Kinki University」だったが、「Kinki」の発音が英語の "Kinky"(変態の)に似ており[注 1]、大学の国際化を進めるに当たって誤解を避けるため、2016年より「Kindai University」に表記が変更された[13][注 2]。
2014年3月6日に近畿大学は、2014年(平成26年)度の一般入試志願者数が過去最高の10万5890人に、総志願者数も14万人を超えたと発表した[14]。これは「志願者数日本一」である[15]。
THE世界大学ランキング2017では国内の総合私立大学で、世界順位800位以内にランクインしたのは慶應義塾大学、早稲田大学、近畿大学の3校であった。
2019年3月12日に近畿大学は、2019年度入試における14学部の一般入試志願者数が確定したと発表した。一般入試志願者数は15万4,672人で7年ぶりに減少したが、推薦入試を含む総志願者数では20万8,564人で過去最高[16] を更新した。
上記に加えて、広報部が自由に機能している上に、積極的な設備投資やイベントの実施を続けている。国内の私立大学で、2000年代から2024年現在の間に最も社会的評価が高まった大学である[17]。
「実学教育」と「人格の陶冶(とうや)」
創立者である世耕弘一が唱えていた、「人に愛される人、信頼される人、尊敬される人の育成」を、そのまま教育の目的としている。
2009年9月17日には、東大阪市の本部キャンパス内の中央図書館に、創立者の世耕弘一の掲げた同学の建学精神を継承しつつ、形あるものとして後世に残し伝えていくことを目的とした展示施設「不倒館(ふとうかん)」が設置された。現在は第18号館に設置されている。
(沿革節の主要な出典は公式サイト[8])
1925年に日本大学は大阪府中河内郡弥刀村(現・東大阪市)にて日本大学専門学校を設置。1940年に日本大学から経営分離し、1943年に大阪専門学校となる。同年に大阪理工科大学を開学。1949年の学制改革で近畿大学となった。
校章・学園章は、学園花である梅の花をモチーフとしたものである。これは「梅花霜雪を経て開く」=自然の厳しさをへて、春いちばんに品格高き花が咲きひらく、という思いを梅の花弁で象徴したものである。また、五つの花弁と中心の花芯によって、大学の「大」と言う文字と、「人」そのものを表現したものとしている。これは大学の現在、及び未来に向かっての存在と位置をかたどる、という意味が込められている。そして、花弁の一部がやや離れているのは、未来志向に基づく内面の未完、さらに充溢、完熟をめざし向かう形姿を表しており、それらの思いが一本の強い線で貫かれているものを表現している。
学生歌集
近畿大学の各学部・研究所の研究成果を、社会に還元・提供する目的で、下記の産学連携ベンチャー企業各社が設立・運営されている。
水産研究所は世界初となるマグロの完全養殖に成功しており、『プロジェクトX〜挑戦者たち〜』をはじめ多くのマスコミに取り上げられている。2007年12月より、人工孵化したクロマグロの稚魚を、養殖業者に販売する事業も行われている。また、関連の大学ベンチャー企業「アーマリン近大」を通じて、クロマグロの成魚を大学ブランドの「近大マグロ」としても販売している。
水産研究所ならびに大学院農学研究科は、2002〜2007年度まで文部科学省「21世紀COEプログラム」クロマグロなどの魚類養殖産業支援型研究拠点に採択されていた。また、水産研究所を中核として、2008年度からは文部科学省「グローバルCOEプログラム」クロマグロ等の養殖科学の国際教育研究拠点に採択されている。
2009年7月29日に水産研究所は、オーストラリアの養殖関連企業「クリーン・シーズ・ツナ」社との共同研究で、世界で初めてミナミマグロの人工孵化から稚魚サイズまでの飼育(種苗生産)に成功したと発表した。これは、グリーン・シーズ・ツナ社単独では実現できなかったミナミマグロの飼育を、クロマグロの完全養殖に成功した水産研究所との共同研究により成し遂げたものである。
2010年9月10日に同学は、クロマグロの完全養殖の事業化において、総合商社の豊田通商との間で技術提携を締結したことを発表した。同社は今回の事業化への取り組みに際し、長崎県五島市に漁業施設「ツナドリーム五島」を設け、同学の技術支援を受けながら、クロマグロの商業生産を先行させたい考えとしている。
2014年7月16日、同学は豊田通商との提携関係を拡大し、完全養殖マグロの大量生産を始めると発表[32][33][34]。近代の技術を使い産卵や稚魚育成を行う種苗センターを豊田通商が長崎県五島市に建設し、2015年5月に稼働させ、2020年に日本国内の養殖需要の半分に相当する年間30万尾の「近大マグロ」を生産する計画[32][33][34]。
2013年4月26日、大阪駅北側の再開発地区・うめきた内:グランフロント大阪の北館「ナレッジキャピタル」6階に、同学と関連会社・アーマリン近大、およびサントリーグループと和歌山県との連携による養殖魚専門の料理店「近大卒の魚と紀州の恵み 近畿大学水産研究所」(大阪店)[35] が開店した。同店では、水産研究所が育てた「近大マグロ」などの養殖魚を中心とした魚料理をはじめ、水産研究所が所在する和歌山県の協力を得て、和歌山県産の食材にこだわった料理を提供している。店舗開発、運営等については飲食ビジネスに精通したサントリーグループがパートナーとなった。大学が研究の成果として自ら生産したものを、産官学が連携して専門料理店にて消費者に直接提供するケースは、日本の大学では初の試みとのことである[36]。1958年近畿大学水産研究所入所、クロマグロの養殖を1970年にスタートしたが2002年には、研究チームのリーダーとして、難しいと思われていたクロマグロの完全養殖を成功に導いた熊井英水教授・顧問は、開店したことに、「これまで長い時間をかけて、えさの研究を重ね、健康な魚を育てることに、まい進してきました。日本の養殖産業を引っ張ってきたわれわれとしては、養殖にイメージを変えるべく、安全で安心、そしておいしいということをPRしていきたいですね」と述べている[37]。2013年12月4日には第2号店として、東京都中央区銀座6丁目の銀座コリドー街に、銀座店が開業した[38]。
水産研究所の新宮験場(和歌山県新宮市)では2008年度より、チョウザメの稚魚を養殖し、アーマリン近大を通じ「近大キャビア」(チョウザメの卵の塩漬け)として、試験的に生産・販売している。同年度は、生後14年目の雌3匹(全長105~123センチ、重さ10.7~13キロ)から計5.5キロ採卵し、100個限定で販売、味も好評ということで完売となった。これまでに生後12年から14年の成魚約120匹を養殖してきたが、2009年6月下旬からは、新たに300匹の稚魚を追加購入して飼育を始めた。関係者は「このまま販売を続けると、現在飼育している個体では足りなくなるため、10年先を見越して補充することにした。餌と飼育方法を研究して10年ほどで採卵できるようにしたい」と話している。
2009年11月20日より、富山県射水市にある水産研究所・富山実験場が人工孵化し、稚魚へ育てたトラフグを、堀岡養殖漁業協同組合が成魚まで育て、同組合により製品化した「近大堀岡とらふぐ 薄造り&鍋セット」の販売を開始した。
また、2010年1月13日には富山実験場にて、水温調整によりトラフグの稚魚の80%をオスへ育てることに成功し、その技術を確立した上で、特許申請したことを発表した。この技術により、高級食材として珍重される白子をより多く生産できるものと期待されている。同年秋からは、白子を加えた「とらふぐセット」も販売された。
2010年2月10日、農学部キャンパス内にて、環境管理学科水圏生態学研究室を中心とする研究グループが、同キャンパス内の里山にあるため池などで系統保存を進めている、絶滅危惧種であるニッポンバラタナゴを放流させ、危険分散を目的として、様々な個人や機関に預け、保存・繁殖してもらう“里親プロジェクト”を開始した。 同年2月25日には里親第一号として、奈良市立鼓阪小学校で、校内の池にタナゴの繁殖に必要な淡水性の二枚貝と、ハゼの仲間であるヨシノボリとともに放流された。
2005年、「受容体型細胞表面タンパク質と、そのシグナル伝達系を標的とした医薬品開発(研究代表者:薬学研究科・益子高)」が文部科学省平成17年度私学学術研究高度化推進事業(17文科高第404号)に採択された[39]。益子高細胞生物学研究室ウェブサイト上で活動状況に概要・学術フロンティア構想調書・共同研究プロジェクト調書を公開した。
2005年7月より、大学院の総合理工学研究科・理学専攻「遺伝カウンセラー養成課程」が、文部科学省科学技術振興調整費「新興分野人材養成プログラム」として、京都大学大学院の「遺伝カウンセラー・コーディネータユニット」との合同プログラムの形で、5か年受託事業に採択された。
理工学部では、飲料工場から大量に廃棄処分されるコーヒー・茶葉のかすや、間伐材などを原料として、製鉄や鋳造の工程に使用できる植物由来固形燃料(バイオコークス)を量産するための装置を、三菱重工業とともに開発。近年ではナニワ炉機研究所とともに従来装置の4倍の生産能力をもつ連続自動運転装置が新たに開発された。
2008年6月18日より、文芸学部の学生が缶をデザインしたキリンビールの発泡酒「麒麟淡麗〈生〉」の大阪府下限定品「おおきに大阪!キリンで元気!デザイン缶」(350ミリリットル・約2万ケース)が販売された。これは発売10周年を迎えた同商品が、全国都道府県の中で大阪の出荷量が一番多い(2007年同社内県別実績)ことから、「大阪の皆さまへの感謝の気持ちを込めて発売する」という同社の企画に、産学連携活動の一環として、同学が協力したものである。地元・大阪の大学の中でもデザイナーや画家などを目指す学生が多く在籍するとされる、同学の文芸学部芸術学科の学生たちから、大阪の食を代表するたこ焼きをテーマにしたデザインを募集したものである。寄せられた作品の中から、今年4月に同社サイト上でデザインコンテストを実施した結果、最多票を獲得した「大阪城や通天閣、HEP FIVEの観覧車を背景に、大阪名物のたこ焼きを大胆に配置した元気あふれるデザイン」(同社)が採用された。また同日には、同学と地域交流の面で協定を結んでいる、八尾市のショッピングセンターアリオ八尾で、発売記念イベントも行われた。
2009年2月25日には医学部において、変死体の死因究明に役立てる「死亡時画像診断」(オートプシー・イメージング、Ai)システムを導入したと発表した。大学医学部の法医学教室への導入としては日本初となる。同システムは、死亡者専用のCT(コンピュータ断層撮影)装置の画像を立体化処理してモニターに映し、メスで遺体を傷つけない非破壊検査が解剖の前段階で可能で、全身を3ミリ間隔で輪切りにした画像を約3分間で600枚撮影し、体の奥深くの出血なども発見できるという。医学部の巽信二主任教授は「将来はすべての変死体にAiを実施し、より公正で客観的な死因究明を可能にしたい。同年5月に始まることになった裁判員制度でも、視覚効果を活用したわかりやすい判断材料を法廷に提供できるだろう」と話している。
さらに2010年10月7日には、同じ医学部・法医学教室に、DNA鑑定の精度とスピードを従来と比べて大幅に向上させることができる「ゲノム定量解析システム」が導入され、本格的な稼働を開始した。このシステムは現在、世界でも250台程度しか稼働していない最先端のものであり、そのほとんどががんや難病などの治療を目的とする疫学的研究に用いられているが、法医学分野での活用を主目的とする導入例としては、国内で初と言うことである。
2008年11月には生物理工学部の泉井桂教授が、京都大学と共同で、シックハウス症候群の原因とされる、ホルムアルデヒドなどの有害物質を吸収する働きを持つ細菌の遺伝子を組み込んだ植物の開発に成功した。将来的には観賞植物などへの応用も期待されている。
生物理工学部と先端技術総合研究所はマンモス復活プロジェクトをロシア連邦および岐阜県と共同で進めている。2009年1月8日には、同学と岐阜県畜産研究所の研究チームが、このプロジェクトで活用されたクローン技術を応用して、1993年に亡くなった飛騨牛の元祖といわれる「安福号」の冷蔵保存された精巣から、生き残った細胞を培養・増殖させて、同じ遺伝子を持つクローン牛を誕生させることに成功したと発表した。
2010年9月28日に生物理工学部は、大阪歯科大学とともに、骨や歯の主成分であるハイドロキシアパタイトを極薄のシートに成形したものを、歯科治療に応用する共同研究を始めたと発表した。これは、生体親和性に優れる同シートをばんそうこうの様に、歯の表面にはりつけ、歯質の修復や保護、審美、知覚過敏症の治療にも役立てることを狙ったものであり、今回の治療に関する特許(「硬組織の再生材料および再生方法」)についても、両大学での出願が行われた。
2012年5月23日には、同学の工学部・薬学部・原子力研究所を中心とする研究グループが、水に溶けたセシウムをろ過して99%以上取り除くことができ、建築物の壁や床材として使える強度を備える漆喰(しっくい)「ゼオCa(カルシウム)漆喰」の開発に成功したと発表した。セシウムを吸着する性質を持つ鉱物のゼオライトを高濃度かつ特殊な方法で漆喰に混合することで、セシウム吸着能力と建材としての強度確保を両立させたものである。今後は東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所事故によるセシウムの放射性同位体(セシウム134、セシウム137)による汚染に対し、セシウムの除去や封じ込めに活用できる可能性があるとして、活用方法について調査研究を進めるとしている。
2012年7月には、同学および近畿日本鉄道(近鉄)・丸紅の3者連携により、近鉄吉野線福神駅前の遊休地に農業施設「近鉄ふぁーむ花吉野」が開設された。施設内の植物工場では、レタスなどの葉物類やラディッシュなどのミニ根菜類が、農業用ハウスではトマトが生産されており、「花吉野からやさい。」シリーズとして、近鉄グループの近商ストアでの販売や、ホテル・レストラン向け食材として供給されている。
2012年10月1日に近畿大学は、地球環境保護の観点から出願時における将来的な紙の願書の廃止を視野に置いた、地球環境に優しく(エコロジー)、受験生の経済的な負担も減らす(エコノミー)、「近大エコ出願」を2013年度の入学試験より実施すると発表した[40]。
同学は2012年度の入試の際、13万部の願書セットを用意したが、これを積み上げると東京スカイツリー約3本分の高さに匹敵し[注 5]、重量にすると約100トンになると言う。しかし、そのうち約3万部が使用されず、廃棄されることになった。同学では紙の出願の件数を減少させるべく、2008年よりインターネットを利用した出願方式を導入してきたが、受験生の「出願は紙の願書で」という意識の強さからか、2012年度までのインターネット出願の利用率はわずか数パーセントとなっていた。そのため、2013年度の入試よりインターネットを利用して出願した受験生に対して検定料を割り引き、受験生の経済的な負担を軽減することで、インターネット出願の利用率を一気に70%まで引き上げることを目標にし、本出願制度を実施することとした。この目標が達成されれば、次年度の入試より紙の願書を廃止し、完全ネット化を果たしたいとしていた。そして完全ネット出願化が実現することになれば、国内の大学として初の試みとなり、また全国の大学に波及すれば、地球環境保護へ多大なる貢献が出来る、とも表明した。
この出願制度の宣伝においては、“宣伝からエコを実現”するとして、2012年度の志願票の実物をポスター用紙として再利用した交通広告が制作され、天王寺駅・大阪駅・大阪難波駅などで掲示された。
その結果、同学でのネット出願件数は、2012年度の3,767件から82,030件まで大幅に増加し(21.8倍)、ネット出願率は全体で64.4%、後期入試では目標としていた70.0%(医学部のC方式を除く)となり、同学ではネット出願が十分に浸透してきたものと判断した。これを受けて2013年4月16日に同学は、翌年の2014年度入試より紙の願書を廃止し、完全にインターネットによる出願に移行することを決定した。出願の完全ネット化は全国の各大学で初の試みとなった(一部対象外の入試制度あり)[41]。
なおネット環境がない志願者に対しては、コールセンターによる電話受付などの代替出願方法なども行うことで、全ての受験生に対し、入試におけるバリアフリーを目指して引き続き努力するとしている。
その後、同学の動きを受けて、東洋大学や中京大学など全国の各大学でも、2014年度入試からのネット出願制度への完全移行が進むことになった[42]。加えて同学では、「エコ出願」の名称・ロゴを他大学へ無償で貸与するとしており、第1弾として桃山学院大学が「エコ出願」の使用承諾を得ることになった[43]。
2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)ならびにそれに伴い発生した東京電力福島第一原子力発電所事故による甚大な被害を受けた福島県伊達郡川俣町に対し、近畿大学では継続的な支援活動を行ってきた。そして2013年5月31日に同学は、震災復興アドバイザー委嘱状交付式および食品モニタステーション贈呈式を同町で行い、それとともに「“オール近大”川俣町除染支援プロジェクト 」が本格始動することになった[44]。同プロジェクトにおいては、総合大学としての研究力を活かし、
の4グループに分けた上で、同町民の意見を反映させながら復興支援策が実施されている[45]。
2018年、アンダーアーマーと提携し体育会クラブの統一ロゴと統一ユニホームを発表した[46][47]。名称やカラーを統一し、大学、体育会、他学生の一体感を生み出す。まず、アメリカンフットボール部、ゴルフ部、バレーボール部、ラクロス部、ラグビー部の5クラブが統一ユニフォームを着用することとなり、他クラブも順次揃えていく。
近畿大学は国家資格の基本情報技術者試験(FE)の午前の部の免除制度の認定校になっており、「応用情報処理論」という科目の単位を取得し、修了試験に合格することで、FEの午前の部の受験が1年間免除される[48][49]。
窓口となるリエゾンセンターを2000年に、その東京オフィスを2013年に開設した[50]。
2002年より東大阪キャンパスの、女性用トイレ内にソファなどを備えたパウダーコーナーを順次設置。
また、生理による不調や支障、月経前症候群への対応を進めており、2023年4月より、東大阪キャンパスの女性用トイレで生理用ナプキンの完全無償提供が始まった[53]。
「トイレが綺麗」という事でも知られており、近畿大学管理部は「トイレの綺麗さは大学のイメージに直結する」として、トイレの整備は志願者数日本一に押し上げた重要な要素の一つだという[54]。
本部キャンパスでは毎年11月に「生駒祭」と呼ばれる学園祭が行われる。なお、近年から生駒祭の期間を利用して、近畿大学数学コンテストも開催されており[55]、全国から数学好きが集って腕を競う。その他のキャンパスで行われている学園祭は以下の通り。
各種部活動及び委員会活動を行う学生団体は、同学において「公認団体」と称される。公認団体は、学生に対し還元活動を行うとともに近畿大学生の規範となることを目指し日々活動している。公認団体は、自治会及び学生部会を除いて基本的に体育会か文化会に所属している。一部例外として体育会、文化会のどちらにも所属せず活動することが認められている団体も存在し、それらは独立団体と呼ばれている。独立団体には、応援部、吹奏楽部、英字新聞会、新聞会(現在活動休止)、赤十字奉仕団中央執行委員会が存在する。また放送局 (K.B.S) は附属施設として位置づけられている。
本部の体育会硬式野球部は、関西学生野球連盟に加盟しており、同連盟において最多である45回の優勝(春・秋のリーグ戦を通じて:直近は2017年春季(8期ぶり))を成し遂げた。また全日本大学野球選手権大会においては、優勝4回と準優勝5回、さらに明治神宮野球大会においても、2度の優勝を成し遂げた。特に1997年には、春・秋のリーグ戦と、全日本大学野球選手権大会、明治神宮野球大会に加え、全日本アマチュア野球王座決定戦(現在は廃止)にも優勝すると言う、史上初のアマチュア・大学野球の五冠を達成することになった。2013年8月、7月に窃盗で一年生部員が逮捕されたこともあり、三ヶ月の活動停止とリーグ戦辞退を発表した[57]。
広島の工学部体育会硬式野球部は、広島六大学野球連盟に加盟しており、全日本大学選手権の出場経験もある。広島六大学野球連盟では2008年10月現在最多優勝記録を持っている。一方、福岡の産業理工学部体育会硬式野球部は、九州地区大学野球連盟に加盟している。なお、本部および広島・福岡の各野球部とも、卒業後にプロ野球選手となった者が数多くいる。ちなみに朝日新聞出版発行『大学ランキング・2012年度版』の「スポーツ選手出身大学・プロ野球部門」で同学は、青山学院大学・早稲田大学に次ぐ第3位(西日本の大学では第1位)となっている。
空手道部は、本部と広島の工学部にそれぞれ設置されている。本部は近畿大学体育会空手道部として関西学生空手道連盟に、工学部は近畿大学工学部体育会空手道部として中四国学生空手道連盟に所属している。2005年度の第49回全日本大学空手道選手権大会では、本部と工学部の間で決勝戦が争われ、本部が2年ぶり8度目の優勝を果たした。また学生連盟所属としては、福岡の産業理工学部学友会空手道部があり、全九州学生空手道連盟に所属している。 その他、和歌山県の生物理工学部も関西学生空手道連盟に2017年度より加盟。 サークルとして、医学部と理工学部にも空手道部が存在する。
ラグビー部は、関西大学ラグビーフットボールリーグAグループ(1部リーグ)に所属している。2012年度は、秋季リーグで4位となったことで、全国大学ラグビーフットボール選手権大会へ2年ぶりに出場した。
近畿大学デビルスは、アメリカンフットボール部の愛称である。2018年度は、関西学生アメリカンフットボール連盟のDIV.1(1部リーグ)に2年ぶりの復帰を果たした[注 6]。
相撲部は学生横綱になった学生・卒業生がおり、大相撲の親方になった者もいる。
水上競技部は有力な競泳選手を多く抱え、オリンピックや世界選手権の代表となった者もいる。
洋弓部は日本では強豪チームとして名を馳せており、多数のオリンピック選手を輩出している。
バスケットボール部は関西学生バスケットボールリーグ1部所属の関西の強豪として有名であり、プロ選手も多く輩出している。
バレーボール部も関西の強豪として有名であり、Vリーグへも数多くの選手を輩出している。ちなみに朝日新聞出版発行「大学ランキング・2012年度版」の「スポーツ選手出身大学・男子Vリーグ部門」で、同部が第1位となっている。
ボクシング部は、かつて全日本大学ボクシング王座決定戦を11度制するなどの記録を持ち、森岡栄治、名城信男、原田剛志、赤井英和、中谷正義などの名選手を輩出した強豪として知られていたが、2009年6月に当時の現役部員2名が強盗容疑により大阪府警に逮捕される事件を起こした。これを受け同学は、本件に関する社会的責任を明確にするためボクシング部を無期限の活動停止処分とし、同部は一時廃部扱いとなっていた。しかし、同部OB会などからの復活の嘆願の声を受け、3年後の2012年10月27日より、正式に同部は復活した。総監督には赤井英和が就任し、同部の再開と復興をすすめることになった[58]。
新型コロナウイルスによるパンデミック禍が直撃した2020年度から2022年度は、2020年度2021年度が卒業式が中止。2022年度は制限を設けた中で行われた。 2014年度より、2016年度2017年度を除く全ての年度で著名人がゲストスピーカーとして登壇している。
これまでのゲストは堀江貴文、山中伸弥、又吉直樹、西野亮廣、三木谷浩史、安倍晋三、本田圭佑、EXILE HIRO。
校友会が存在しており、Kindaiサミットという「日本を変える」を大きなテーマとし、社長、上場企業の役員、アスリート、起業家、議員、卒業生が来場する完全招待制のイベントも行っている(2020年~2022年はコロナウイルスによるパンデミックのため実施は無い)[59]。
学術系・展示系・研究系・公演系の大きく4系統があり、34団体が活動している。学術系には、天文研究会・法学研究会・英語研究会がある。展示系には、書道研究墨濤会や陶芸部等がある。研究系には、視覚障害福祉を中心に活動している社会福祉すみれ会や、野外活動や奉仕活動を行うローバースカウト部、サイクリングやポタリングを行うサイクリング部、釣部釣友会等がある。公演系には、尺八や三味線、琴を演奏する邦楽部、交響楽団、ギターマンドリンクラブ等がある。34団体を統括する団体として文化会総務が存在し、各サークルの役員経験者等から選出されている。
近畿大学ラグビー同好会ドルフィンズは、2007年と2008年の2年連続で、東西学生クラブ対抗試合 に、西日本代表として出場した。
近畿大学の公式サイト・大学案内などでは「本部キャンパス」あるいは「東大阪キャンパス」と呼称している。本部キャンパスは赤煉瓦風タイルを外装とする校舎が多く、多くの樹木に囲まれている。また、情報処理教育棟(愛称KUDOS)、B館(経済学部)、A館(文芸学部)、C館(法学部)などの校舎・施設群は、東門から旧大阪中央環状線を挟んで向かい側に立地する。これらの校舎・施設群を「Eキャンパス」と呼称する。Eキャンパスは本部キャンパスを構成する一部といえる。
このEキャンパスを利用する学生の大半は経済学部や文芸学部を筆頭に総合社会学部、法学部。さらには情報処理教育棟(通称:KUDOS)を利用する全学部の学生であるが、旧大阪中央環状線は比較的、終日交通量が多い道路であるのにもかかわらず横断歩道のみしかなく、授業の合間は両キャンパスを往来する学生で付近は混雑する。
また本部キャンパス内には、大学生協の店舗や学生食堂などが設けられているが、Eキャンパス内には、小規模な売店があるほかには、本格的な施設が長年設けられていなかった。しかし2010年4月に、Eキャンパス内では初の本格的な施設として、セブンイレブン・すき家・モスバーガーなどが出店する「BLOSSOM CAFE(ブロッサムカフェ)」が開設された。
赤煉瓦風タイルの凱旋門(西門)がキャンパスのシンボルであり、クリスマスシーズンのイルミネーションも恒例となっている。
2014年7月に近畿大学は、東大阪・本部キャンパスの大規模整備計画「超近大プロジェクト」(2020年完成予定)構想を発表した[23]。同計画では、同学の新たなシンボルとなるタワー棟(地上11階・高さ57m)、3学部(法学部、文芸学部、国際学部)の新校舎及び従来の機能を一新した図書館などの建設を予定している。このうち3学部の新校舎は2016年までに順次完成している。
2006年11月、東大阪・本部キャンパスに英語教育と交流のための施設として、近畿大学英語村E3[e-cube](イーキューブ)が開設された。「遊びながら英語を学ぶ」ことを目的に、「笑顔で英語とふれあう空間」として学生・教職員に利用されている。本施設では、すべての会話は英語のみで行うことで、自然に楽しみながら英語を身につけるられることが特徴である。また大学の休暇中は、附属学校・幼稚園向けや、一般市民向けのプログラムも実施されている。施設の名称は、"English"・"Enjoyment"・"Education"、の3つの"E"を組み合わせたもので、学内公募により決定した。
2015年6月に、第一回近大公開オーディション「KINDAI'S GOT TALENT」を開催。近大生の中から、ダンスや演奏などの才能を持つ近大のスターを発掘する事が目的。ハリウッド俳優の小山田真が特別審査員として参加[60]。
キャンパス名称は正式には学部名称を使用しているが、学内では「奈良キャンパス」と通称される。
キャンパス名称は正式には学部名称を使用しているが、学内では「大阪狭山キャンパス」と通称される。
キャンパス名称は正式には学部名称を使用しているが、学内では「和歌山キャンパス」と通称される。
キャンパス名称は正式には学部名称を使用しているが、学内では「広島キャンパス」と通称される。なお、工学部のキャンパスが2団地に分かれていた1991年~2001年の間は、通称として「東広島キャンパス」を使用していた。
キャンパス名称は正式には学部名称を使用しているが、学内では「福岡キャンパス」と通称される[注 7]。
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