小樽市
北海道の市 ウィキペディアから
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小樽市(おたるし)は、北海道中部(道央地方)に位置し、後志総合振興局に属する唯一の市。保健所政令市・計量特定市に指定されている。
おたるし 小樽市 | |||||||
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国 | 日本 | ||||||
地方 | 北海道地方 | ||||||
都道府県 | 北海道(後志総合振興局) | ||||||
市町村コード | 01203-3 | ||||||
法人番号 | 9000020012033 | ||||||
面積 |
243.87km2 | ||||||
総人口 |
105,015人 [編集] (住民基本台帳人口、2024年9月30日) | ||||||
人口密度 | 431人/km2 | ||||||
隣接自治体 |
後志総合振興局:余市郡余市町、赤井川村 石狩振興局:札幌市、石狩市 | ||||||
市の木 | シラカンバ(昭和43年5月28日制定) | ||||||
市の花 | ツツジ(昭和43年5月28日制定) | ||||||
市の鳥 | アオバト(昭和61年5月10日制定) | ||||||
小樽市役所 | |||||||
市長 | 迫俊哉 | ||||||
所在地 |
〒047-8660 北海道小樽市花園2丁目12番1号 北緯43度11分27秒 東経140度59分40秒 | ||||||
外部リンク | 公式ウェブサイト | ||||||
ウィキプロジェクト |
古くから北海道有数の港湾都市として発展してきた。札幌市から約40 kmの距離にあり、道路交通網では国道5号と札樽自動車道により約1時間で結ばれている[1]。鉄道では函館本線札幌駅から約30分、新千歳空港から約70分の所要時間になっている[1]。これに加えて札幌駅と小樽駅を結ぶ高速バスが概ね5〜15分間隔で運行されており、札幌市内から日帰りで容易に観光する事ができる。
観光都市としても人気が高く、市内に100店舗以上を構える寿司の街として知られる[2]、2010年以降は毎年700万人以上の観光客が訪れていた[3]。2020年から2021年にかけては新型コロナウイルスの影響で大幅な減少を見せていたものの[3][4]、コロナ禍以降で初めて行動制限のない2022年には、観光入込客数は400万人以上となり、コロナ禍以前と比較して58.1パーセントの水準となった[5]。市町村の魅力度ランキング調査ではトップ10にランクインする都市になっている[6]。なお、後志総合振興局管内唯一の市であるが、振興局所在地ではない。
「おたる」の地名は、アイヌ語の「オタ・オㇽ・ナイ」(砂浜の中の川)に由来しているが[7]、この言葉は現在の小樽市中心部を指したものではなく、小樽市と札幌市の境界を流れる星置川の下流、小樽内川(札幌市南区にある小樽内川とは別)を示していた。河口に松前藩によってオタルナイ場所が開かれたが、冬季に季節風をまともに受ける地勢であるため不便な点が多かった。そこで、風を避けられて船の係留に適当な現在の小樽市中心部となるクッタㇽウㇱ(イタドリが生えるところ)に移転した。移転後もオタルナイ場所の呼称は引き続き使用し、クッタルウシがオタルナイ(小樽内、尾樽内、穂足内)と地名を変えることになった。この他、現在の小樽市域には於古発(オコバチ)川以西のタカシマ場所、塩谷以西のヲショロ場所も開かれており、これらの場所は後に小樽郡、高島郡、忍路郡になっている。また、これらの場所と渡島国や蝦夷地外の間には北前船の航路が開かれていた。
北海道後志地方の東側に位置し、積丹半島から湾曲した石狩湾の懐にある[10]。東西が約36 km、南北が約20 kmあり[11]、市街地の一方が日本海に面して他の三方が山々に囲まれた坂の多い街になっている[11]。海岸線は約69 kmあり、中央には天然の良港である小樽港があり、市域西側の海岸はニセコ積丹小樽海岸国定公園に指定されている[12]。
海洋性気候で夏は海陸風が目立ち、冬の季節風は北海道西方としては比較的弱くなっている[13]。ケッペンの気候区分においては亜寒帯湿潤気候(Dfb)になっている。1年を通して気温の格差も小さく、比較的温暖な気候である[10]。暖候期の4・5月はフェーン現象により空気が乾燥して火災が発生しやすくなる[10]。また、春から初夏にかけて蜃気楼(上位蜃気楼)が発生しやすい時期であり、「高島おばけ」と呼ばれている[14]。7月下旬頃から本格的な夏となり、8月頃から雨量が多くなる[10]。寒候期になると南西の風が吹き離岸風となる[15]。日本海側気候の変化を示し、12月から2月にかけて曇りや雪の日が多くなる[15]。積雪量は北海道内で比較的多い方であり、継続日数は130日に及ぶ[15]。小樽港の潮汐の干満差は小さいが、北寄りの風が強まると波が高くなる[15]。港内外とも結氷することはなく、濃霧もまれである[15]。
小樽特別地域気象観測所(小樽市勝納町、標高25m)の気候 | |||||||||||||
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月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年 |
最高気温記録 °C (°F) | 11.0 (51.8) |
15.7 (60.3) |
16.9 (62.4) |
27.6 (81.7) |
30.2 (86.4) |
31.9 (89.4) |
36.2 (97.2) |
34.9 (94.8) |
33.6 (92.5) |
28.8 (83.8) |
21.8 (71.2) |
15.2 (59.4) |
36.2 (97.2) |
平均最高気温 °C (°F) | −0.5 (31.1) |
0.2 (32.4) |
4.1 (39.4) |
10.9 (51.6) |
16.9 (62.4) |
20.4 (68.7) |
24.2 (75.6) |
25.6 (78.1) |
22.3 (72.1) |
15.9 (60.6) |
8.3 (46.9) |
1.6 (34.9) |
12.5 (54.5) |
日平均気温 °C (°F) | −3.1 (26.4) |
−2.7 (27.1) |
0.8 (33.4) |
6.5 (43.7) |
12.1 (53.8) |
16.0 (60.8) |
20.2 (68.4) |
21.7 (71.1) |
18.1 (64.6) |
11.8 (53.2) |
4.9 (40.8) |
−1.1 (30) |
8.8 (47.8) |
平均最低気温 °C (°F) | −5.8 (21.6) |
−5.7 (21.7) |
−2.4 (27.7) |
2.6 (36.7) |
7.9 (46.2) |
12.5 (54.5) |
17.1 (62.8) |
18.4 (65.1) |
14.3 (57.7) |
7.9 (46.2) |
1.6 (34.9) |
−3.8 (25.2) |
5.4 (41.7) |
最低気温記録 °C (°F) | −18.0 (−0.4) |
−17.2 (1) |
−14.1 (6.6) |
−6.4 (20.5) |
0.0 (32) |
4.5 (40.1) |
9.0 (48.2) |
8.9 (48) |
2.6 (36.7) |
−1.4 (29.5) |
−9.1 (15.6) |
−13.5 (7.7) |
−18.0 (−0.4) |
降水量 mm (inch) | 138.1 (5.437) |
106.6 (4.197) |
87.3 (3.437) |
56.4 (2.22) |
53.7 (2.114) |
55.6 (2.189) |
93.6 (3.685) |
131.3 (5.169) |
131.7 (5.185) |
123.0 (4.843) |
152.4 (6) |
151.9 (5.98) |
1,281.6 (50.457) |
降雪量 cm (inch) | 157 (61.8) |
130 (51.2) |
80 (31.5) |
7 (2.8) |
0 (0) |
0 (0) |
0 (0) |
0 (0) |
0 (0) |
0 (0) |
36 (14.2) |
142 (55.9) |
556 (218.9) |
平均降水日数 (≥0.5 mm) | 26.0 | 22.2 | 19.7 | 12.9 | 10.7 | 9.2 | 10.2 | 10.9 | 12.7 | 16.3 | 21.3 | 24.5 | 196.8 |
平均降雪日数 | 29.8 | 25.7 | 22.8 | 7.6 | 0.2 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 1.6 | 14.9 | 28.5 | 131.2 |
% 湿度 | 71 | 70 | 66 | 64 | 69 | 78 | 81 | 78 | 73 | 69 | 69 | 71 | 72 |
平均月間日照時間 | 63.5 | 78.2 | 128.8 | 175.5 | 200.6 | 170.4 | 163.3 | 167.7 | 159.8 | 139.7 | 79.6 | 59.0 | 1,586.2 |
出典:気象庁 (平均値:1991年-2020年、極値:1943年-現在)[16][17] |
小樽測候所(勝納町)・1961 - 1990年平均の気候 | |||||||||||||
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月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年 |
平均最高気温 °C (°F) | −1.0 (30.2) |
−0.5 (31.1) |
3.4 (38.1) |
10.5 (50.9) |
16.5 (61.7) |
19.9 (67.8) |
23.7 (74.7) |
25.5 (77.9) |
21.6 (70.9) |
15.3 (59.5) |
7.9 (46.2) |
1.8 (35.2) |
12.05 (53.68) |
日平均気温 °C (°F) | −3.7 (25.3) |
−3.4 (25.9) |
0.2 (32.4) |
6.2 (43.2) |
11.5 (52.7) |
15.5 (59.9) |
19.6 (67.3) |
21.5 (70.7) |
17.3 (63.1) |
11.1 (52) |
4.4 (39.9) |
−1.0 (30.2) |
8.27 (46.88) |
平均最低気温 °C (°F) | −6.6 (20.1) |
−6.4 (20.5) |
−2.9 (26.8) |
2.3 (36.1) |
7.2 (45) |
11.8 (53.2) |
16.3 (61.3) |
18.1 (64.6) |
13.5 (56.3) |
7.1 (44.8) |
1.1 (34) |
−3.8 (25.2) |
4.81 (40.66) |
出典:World Climate Otaru, Japan[18] |
小樽市の人口は記録のある明治元年の2,230人から始まり、1964年(昭和39年)9月末の住民基本台帳人口で207,093人の最大値を記録した後は減少が続き、2015年(平成27年)3月末の住民基本台帳人口は124,122人となり、この60年間で95,000人を超える人口が減少している[19]。近年は市外転出による社会減少のみならず、死亡数の増加と出生数の減少による自然減少が拡大している[19]。2022年(令和4年)には、103年ぶりの人口10万人台となった。
小樽市と全国の年齢別人口分布(2005年) | 小樽市の年齢・男女別人口分布(2005年) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
■紫色 ― 小樽市
■緑色 ― 日本全国 | ■青色 ― 男性 ■赤色 ― 女性 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
小樽市(に相当する地域)の人口の推移
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総務省統計局 国勢調査より |
2015年国勢調査によれば、以下の集落は調査時点で人口0人の消滅集落となっている[20]。
小樽市は北海道では古い歴史を有しており、慶長年間には松前藩の商場(あきんば)が置かれていたとしている[1]。明治になり蝦夷地を北海道と改めて本府を札幌に定めると、海の玄関口である小樽にヒトやモノが集まるようになった[1]。 西川傳右衛門ら近江商人の活躍があった伝わる。1880年(明治13年)には北海道内初となる鉄道が手宮 - 札幌間に開通し、小樽港は道内各地への開拓民の上陸や物資陸揚げの港となり、昭和初期にかけて金融機関や船舶会社、商社などが進出して北海道経済の中心都市として発展した[1][21]。
戦後、ニシン漁の不漁や樺太の喪失、石炭需要の減少、道内他都市の港湾施設整備などによって卸商が衰退し、札幌市が北海道の中心都市として発展すると小樽市は衰退の一途を辿るようになる[1]。「運河論争」を機に明治後期から昭和初期にかけての歴史的建造物を観光資源として見直し、観光都市として脚光を浴びるようになった[1]。
「小樽市のあゆみ」参照[22]
代 | 氏名 | 就任日 | 退任日 | 備考 |
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官選 | ||||
1 | 佐柳藤太 | 1923年(大正12年)8月16日 | 1925年(大正14年)2月25日 | |
2 | 木田川奎彦 | 1925年(大正14年)9月19日 | 1932年(昭和7年)11月11日 | |
3 | 板谷宮吉 | 1933年(昭和8年)12月11日 | 1937年(昭和12年)12月10日 | |
4 | 河原直孝 | 1938年(昭和13年)4月5日 | 1945年(昭和20年)5月10日 | |
5 | 福岡幸吉 | 1945年(昭和20年)6月1日 | 1946年(昭和21年)11月12日 | |
公選 | ||||
6 | 寿原英太郎 | 1947年(昭和22年)4月2日 | 1951年(昭和26年)4月6日 | |
7 | 安達与五郎 | 1951年(昭和26年)4月25日 | 1967年(昭和42年)4月29日 | |
8 | 稲垣祐 | 1967年(昭和42年)4月30日 | 1975年(昭和50年)4月29日 | |
9 | 志村和雄 | 1975年(昭和50年)4月30日 | 1987年(昭和62年)4月29日 | |
10 | 新谷昌明 | 1987年(昭和62年)4月30日 | 1999年(平成11年)4月29日 | |
11 | 山田勝麿 | 1999年(平成11年)4月30日 | 2011年(平成23年)4月29日 | |
12 | 中松義治 | 2011年(平成23年)4月30日 | 2015年(平成27年)4月29日 | |
13 | 森井秀明 | 2015年(平成27年)4月30日 | 2018年(平成30年)7月25日 | |
14 | 迫俊哉 | 2018年(平成30年)8月26日 | 現職 |
小樽市民憲章
— 昭和40年8月1日制定[11]
- 1. 健康で働き、心ゆたかな楽しい家庭をつくりましょう。
- 2. 自然を愛し、港も町もきれいにしましょう。
- 3. きまりを守り、明るい町をつくりましょう。
- 4. 公のものを大切にするよい風習をそだてましょう。
- 5. おたがいにまごころをつくし、あたたかい社会をつくりましょう。
- 6. 次代をになうこどもの未来に、ゆめと誇りをもたせましょう。
- 7. 郷土小樽を愛し、高い文化をきずきましょう。
小樽市はつらつ長寿憲章
わたしたち小樽市民は、
— 平成10年9月15日制定[11]
- 高齢者の、人としての尊厳を大切にし、基本的人権を尊重します。
- わたしたちの社会を築いてこられた高齢者に感謝し、敬愛の気持ちを忘れません。
- 高齢を迎えても、快適にはつらつと生活できる環境をととのえます。
- 高齢者が、個性と能力を発揮して、社会に貢献できるしくみをつくります。
- 高齢者の経験と若者の可能性とが、世代をこえて結びつく社会をめざします。
- 高齢者が、はつらつとした心身を維持できるような施設や企画を提供します。
- 高齢者が、健康で安心して暮らせるしくみをめざします。
都市宣言
本会議
委員会
会派別市議会議員
市立
私立
短期大学
専修学校
高等学校
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中学校
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小学校
|
産業別就業者の割合は第三次産業が最も多く、次いで第二次産業、第一次産業となっている[52]。産業大分類別の事業所数・従業者数ではともに「卸売業、小売業」が最も多く、事業所数では「宿泊業、飲食サービス業」、「生活関連サービス業、娯楽業」、従業員数では「医療、福祉」、「製造業」の順に多くなっており[53]、「卸売業、小売業」、「建設業」、「製造業」で市内企業数全体の66.7 %になっている[54]。
小樽港は外国貿易港として開港以来100年以上の歴史ある港であり、防波堤や大型ふ頭のほか、穀物や冷凍貨物の専用施設やフェリー、海上コンテナに対応した施設を整備してきた[55]。現在でも北海道 - 西日本の海上輸送においては重要な拠点である。ところが、人口減少や北海道経済の低迷、東京一極集中に伴う太平洋側への産業・物流拠点の移行などにより、厳しい状況が続いている[19][56]。近年は日本国内外のクルーズ客船が寄港しており、国際交流の場としての活用が求められている[56]。石狩湾新港は石狩市に跨いてあり、流通港湾として整備が進められてきた[57]。近年はエネルギー基地やリサイクル資源の集積拠点としての整備が進んでいる[57]。
ショッピングセンター
スーパーマーケット
市場
銀行
協同組織金融機関
日本郵政
北海道新幹線の札幌方面延伸時には、新小樽駅(仮称)が開業し、並行在来線の小樽駅以西(塩谷、蘭島方面)は廃止される予定である。
国道393号(メープル街道)は、シーニックバイウェイの「支笏洞爺ニセコルート」になっている[60]。
「小樽市の文化財」参照[64]
小樽市指定歴史的建造物
小樽八区八景
百選
その他
小樽市は水産加工品はじめ菓子や酒類など食品関連製造業が多くあるほか、ガラスなどの工芸品も有名になっている[105]。小樽市では、地場産品の普及や振興を通じて地域経済の活性化を図ることを目的に、小樽ブランド普及事業を実施している[106]。ご当地グルメとしては、小樽市内または近隣の飲食店で提供している五目あんかけ焼そばを指す小樽あんかけ焼そばがある。
小樽市、小樽観光協会、小樽商工会議所、小樽青年会議所などによる小樽フィルムコミッションがあり、ロケーション撮影を支援している[107]。
※太字は小樽ふれあい観光大使
政治
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行政
法曹
経済
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社会活動
学術
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文化
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芸能
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ポピュラー音楽
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マスコミ
武道・格闘技
陸上競技
球技
冬季競技(年度はオリンピック出場年)
その他
※太字は小樽ふれあい観光大使
政治・経済
学術・文化
芸能
スポーツ
その他
政治・経済
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学術・文化
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芸能・ポピュラー音楽
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スポーツ
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|
その他
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