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日本の索道(にほんのさくどう)では、主に日本における「普通索道」(ロープウェイ・ゴンドラリフト)について解説する。
なお、索道は日本の法律では鉄道事業法により運営されるが、「鉄道事業」ではなく「索道事業」に分類されているため、鉄道の一種とされることは少ない。
日本では、索道を架空した索条(ワイヤーロープ)に搬器(ゴンドラ)を懸垂して旅客または貨物を運送する施設の総体と定義している。搬器の形状別によって以下のように大別される。
また、運転の仕方、索条の本数などによって以下のように分類しており、それぞれの組み合わせによって区別している。
日本では古くから山間部の川などに「野猿」「吊舟」などと呼ばれる原始的な索道が使用されている例があったが、機械を動力とした日本最初の索道は1870年(明治3年)に鹿児島県佐多岬灯台建設用として設置された貨物索道である[1][2]。現代的な鋼製の索道は1890年(明治23年)に足尾銅山で貨物輸送用として採用された単線固定循環式のものが最初である[3]。細尾峠に架設され、設備一式をアメリカ合衆国から輸入し、アメリカ人技師を雇って運用した。のち1902年(明治35年)には足尾銅山の技師であった玉村勇助が独自の方式である玉村式索道を考案し、1907年(明治40年)に玉村工務所を設立して操業を開始し、貨物用索道の国産化が図られた[4]。
一方、旅客用としては1912年(明治45年)に大阪市に開設された新世界の初代通天閣とルナパークを結んで架設された索道が日本初である。設備一式はイタリアのセレッティ・タンファーニ社(Ceretti&Tanfani)が製造・施工した。支索・曳索1本ずつで走行する方式で、搬器は開放式で定員4人であった。1920年代まで運行された。また1914年(大正3年)に東京市で開催された大正博覧会では不忍池の上空に索道を架設して運転したが[5]、博覧会終了とともに撤去している。
1915年(大正4年)に安全索道商会(現・安全索道)が設立された。同社は1921年(大正10年)、奈良市内に試験用の索道を建設し、旅客用索道の研究を開始した。
1927年(昭和2年)には紀伊自動車が三重県の矢ノ川峠に旅客用の索道を開業させた。安全索道商会が受注した。矢ノ川峠は尾鷲町(現・尾鷲市)と木本町(現・熊野市)を結ぶ道路の途中にある峠で、当時のバスでは登坂が不可能であったため索道が架けられたのである。全長1,254 m、高度差382 mで、1本の索条に定員2名の搬器を25個吊り下げる単線循環式であった[注 1]。これを日本初の旅客用索道とみなす資料もある[6]。この索道は約10年間にわたり運行したが道路が改修され1936年10月省営自動車紀南線(尾鷲-上木本間)の営業開始[7] により休止撤去されている。
1928年(昭和3年)には福岡市の愛宕山に愛宕索道が開業した。愛宕索道では支索1本・曳索2本を用いる3線交走式を初めて採用した。同年には仙台市で開催された東北産業博覧会でもロープウェイが運行された(博覧会終了とともに撤去)ほか、京都市の比叡山にも京都電燈の運営する比叡山空中ケーブルが開業した。
1929年(昭和4年)には奈良県の吉野山に吉野大峯ケーブル自動車が運営する吉野ロープウェイが開業し、続いて1931年(昭和6年)に神戸市の六甲山(六甲登山架空索道)に、1932年(昭和7年)には三重県の二見浦(二見浦旅客索道)に、1933年(昭和8年)には栃木県の日光(日光登山鉄道)に開業した。
1939年(昭和14年)に埼玉県の三峰山に開業した秩父鉄道の三峰ロープウェイは延長1,768 m、高度差615 mに及ぶ当時としては日本国内最大規模の索道であった。しかしロープウェイのほとんどが観光や参拝を目的としたものであったため、1941年(昭和16年)に勃発した太平洋戦争の戦局悪化により、生活路線でもあった吉野ロープウェイ・三峰ロープウェイを除く5路線はケーブルカーと同様に不要不急の施設とされ終戦前に廃止された。
戦後復興が進み1950年(昭和25年)頃から観光需要が高まったのを受け、ケーブルカーでは戦時中に撤去されていた路線が1950年代に復活する例も多かったが、ロープウェイの復活は1950年に復活した明智平ロープウェイの1例のみにとどまっている[注 2]。しかし、新規開設も行われ、1955年(昭和30年)時点では日本国内にケーブルカーが19路線あったのに対してロープウェイ(普通索道)は12路線あった。
1956年(昭和31年)、山形交通(現・ヤマコー)が山形県の蔵王連峰に世界初の3線自動循環式ロープウェイ(蔵王ロープウェイ)を開業した。設備・搬器は日本ケーブルが製造した。また搬器の大型化も進み、同年には定員30人の搬器も登場している。
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☆印:主に冬期のみ営業のスキー場の普通索道
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