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富山県富山市に本社を置く鉄軌道・バス事業者 ウィキペディアから
富山地方鉄道株式会社(とやまちほうてつどう、英: TOYAMACHIHO RAILROAD CO.,LTD.[2][注 1])は、富山県富山市に本社をおき、同市から富山県東部を基盤とする[3]中規模私鉄である。通称は地鉄(ちてつ、英称:Chitetsu)ないしは富山地鉄。
この記事は大言壮語的な記述になっています。 |
富山地方鉄道本社(地鉄ビル) | |
種類 | 株式会社 |
---|---|
機関設計 | 監査役会設置会社 |
略称 | 地鉄、富山地鉄 |
本社所在地 |
日本 〒930-8636 富山県富山市桜町1丁目1番36号 北緯36度41分58.1秒 東経137度12分56.9秒 |
設立 |
1930年2月11日 (富山電気鉄道株式会社)[1] |
業種 | 陸運業 |
法人番号 | 5230001002133 |
事業内容 | 旅客鉄道事業、自動車事業、不動産事業 ほか |
代表者 | 代表取締役社長 中田邦彦 |
資本金 |
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発行済株式総数 |
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売上高 |
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営業利益 |
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経常利益 |
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純利益 |
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純資産 |
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総資産 |
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従業員数 |
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決算期 | 毎年3月31日 |
会計監査人 | 太陽有限責任監査法人[2] |
主要株主 | |
主要子会社 | |
関係する人物 | 佐伯宗義 |
外部リンク | https://www.chitetsu.co.jp/ |
特記事項:1943年1月1日、富山地方鉄道株式会社に社名変更[1] |
富山地方鉄道を中心に富山地鉄グループ(地鉄グループ)を形成している。本項では、これについても合わせて述べる。
1943年1月1日に「陸上交通事業調整法」に基づき、1930年設立の富山電気鉄道を母体に[3]富山県内のすべての私営・公営の鉄軌道・バス会社を合併して発足した。このような経緯より富山県なども資本参加しており、形式的には第三セクターである。ただし、自治体の出資比率が低いこともあり一般的には第三セクター鉄道には分類されない。合併に参加した鉄軌道会社は以下の6社である。なお、駅名は現在のものである。
それ以前に、富山電気鉄道は以下の3社を合併している。
なお、路線のうち起点からごく一部の区間が富山県内にあったものの、その大部分が岐阜県内に存在していた三井鉱山の軌道(通称・神岡軌道)は統合から除外された。
また、バス事業者は事前に運輸通信省通達により、上記各社が兼営していた路線を除いて下記の4社に集約されていたものを、1946年10月10日富山地方鉄道が一括譲受して統合を完了した(なお、戦時中から経営傘下化は行われていた)。[4]
富山県の交通一元化は、富山電気鉄道の創業者で後に富山地方鉄道会長となった佐伯宗義の富山県下を「一市街地化」するという構想の下に進められたものであり[5]、結果的には戦時統合という形でそれがほぼ実現することになった[6]。
富山地方鉄道発足直後の1943年6月1日、富岩線が買収・国有化され鉄道省富山港線となった。
1950年に、加越能三国(富山県・石川県)を結ぶ鉄道を作る計画を遂行するために加越能鉄道を設立し、富山県西部の鉄軌道・バス事業を譲渡した。後に新線計画は中止。加越能鉄道は2002年に鉄軌道事業から撤退し、2012年に加越能バスに社名変更した。
現在の本社ビルは1965年11月17日に着工し[7]、1966年11月28日に竣工した鉄筋造地下1階、地上5階、塔屋3階建て、延床面積8,257m2の建築物である[8]。なお、竣工に先立ち同年11月25日に本社事務所を同ビルに移転している[9]。
航空事業では、全日空富山地区総代理店として業務を受託、子会社の富山地鉄サービスで実際のハンドリングを行っている。
2000年代中期頃から新規納入された路線バス車両、軌道線車両およびワンマン改造が実施された鉄道車両の運賃表示器には北陸地方では初めて、視認性に優れた液晶ディスプレイに表示する方式が採用された。鉄道車両については後に撤去され、一般的なデジタル方式のものに換装されている。
2010年3月14日より、軌道線にIC乗車カード「ecomyca(えこまいか)」が導入され、同時に富山ライトレールの「passca(パスカ)」とも相互利用を開始した[10]。なお同カードは2011年3月5日よりバス路線にも拡大導入され、2012年3月17日から、鉄道線でも利用可能になった[11]。さらに、2021年10月10日よりICOCAを始めとする全国相互利用交通系ICカードも軌道線に限り利用可能となった(片利用扱いのためecomycaおよびpasscaは引き続きICOCAエリアなどでは利用不可)[12][13]。
2019年2月9日より富山軌道線の各停留場[14] に、翌3月16日より鉄道線の各駅にナンバリングを導入した[14]。各路線ごとに色分けし、軌道線はC01から、鉄道線はT01から始まる番号を振り分ける[15]。
2020年2月22日には、同年3月21日に予定されている富山駅南北接続事業完成に先立って、かつて富山地方鉄道の富岩線であった富山港線を運営する富山ライトレールを吸収合併した[16][17][18][19]。
2023年(令和5年)4月11日、保線作業をしていた男性社員が列車と接触し、死亡する事故が発生した[20]。これを受け、北陸信越運輸局は4月17日、富山地方鉄道に保安監査に入った[20]。5月26日、辻川徹社長の辞任が発表された[21]。
現有路線の総延長距離は2020年2月22日現在、108.3 km。富山地方鉄道発足時は100kmを超える路線網を持ち、1965年には日本全国の地方中小私鉄2位の規模である総延長139km(鉄道128.3 km、軌道10.7 km)の営業キロ数を有していた[22] ものの、その後は路線の譲渡や廃止により100kmを下回っていた。2009年12月23日に富山軌道線を環状線化する0.9kmの新線(富山都心線)が開業し、再び保有路線が100kmを超えた。
鉄道線は以下の路線からなる。詳細は各項目を参照。
富山港線は富岩鉄道 - 富山電気鉄道富岩線 - 富山地方鉄道富岩線 - 鉄道省富山港線 - 国鉄富山港線 - JR西日本富山港線 - 富山ライトレール富山港線 - 富山地方鉄道富山港線と幾度も経営母体が変わり、国有化された路線が自社路線に戻るという歴史を辿っている。詳細は富岩鉄道の概要および富山港線の歴史を参照。
富山港線以外の鉄道線の運転系統は、おおむね以下のようになっている。富山港線は後述する軌道線との直通運転を行っており、路面電車型の車両によって運行されている(軌道線区間を含む総距離は7.6 km)。
2010年度の各路線の輸送密度は以下のとおり。
本線と不二越・上滝線によって形成される環状線区間では、迂回乗車をした場合は乗車駅と降車駅の最短距離で運賃を計算する。
運転系統によって「市内電車」または「環状線」と呼称される。また、(*)を付けた線区は富山市が軌道整備事業者として線路を保有している。
富山ライトレール合併前の2020年1月時点および合併後の2021年1月時点では0時過ぎまで電車が運行[23][24]されていたが、その後終電が繰り上がり、2022年1月時点では23時台で電車の運行が終了している[25]。
加越能鉄道への譲渡路線が多くあるが、一度にまとめてではなく、徐々に譲渡されている。
鉄道線には大正時代から昭和時代初期に建てられたモダンな木造駅舎が多く現存しており、岩峅寺駅は映画のロケに使用された。
1971年1月1日に当時の日本では珍しかった定期券用の自動改札機を電鉄富山駅に導入していたが、経済性に乏しく修理保守に問題があることから1981年4月に撤去された[28]。2012年3月17日に同社発行のICカード「ecomyca」が鉄道線で供用開始したことに伴い、有人駅である電鉄富山、稲荷町、東新庄、越中荏原、越中舟橋、寺田、上市、中滑川、電鉄魚津、新魚津、電鉄黒部、宇奈月温泉、五百石、岩峅寺、立山、南富山、上滝の17駅にICカード専用の改札機が導入された[11][29]。機能はあいの風とやま鉄道などに導入されている簡易IC改札機と同一であるが、形状は自動改札機から扉を取り除いたものにやや近い。なお、無人駅および前述の有人17駅でも無人時間帯においては車内のICリーダーでの精算となる。新黒部駅は一部時間帯にアテンダントが駐在するものの、公式には無人駅扱いのため改札機は設置されていない。
2008年9月に同社本線中加積駅で、同駅を出発直後の列車が脱線する事故が発生。事故原因について、運輸安全委員会は翌2009年4月24日に、同駅構内の線路の枕木が腐ったまま放置され、また、犬釘が折れたまま放置していたためなどとして、同社の保守管理の杜撰さを指摘した[30][31]。
運賃のみで乗れる一般列車の種別は「普通」「急行」「快速急行」の3種ある。ただし急行や快速急行の運行本数は少ない。速達列車・長距離需要の主力は後述の要料金の特急が担っていた。
急行は本線系統の一部時間帯に運行されており、快速急行は立山線系統で電鉄富山駅発立山駅行きの列車が早朝に1本運転される。
不二越・上滝線は普通列車のみ運転されている。
特急列車は2022年4月15日のダイヤ改正で全て設定がなくなった[32]が、2023年4月15日のダイヤ改正で1年ぶりに特急の運転が復活した[33]。
以下の列車が設定されている。詳しくは各路線・各列車記事を参照。
宇奈月温泉、黒部峡谷鉄道本線、立山黒部アルペンルートといった沿線観光地へのアクセス需要の主力は特急列車が担っている。乗車には乗車券の他に特急券が必要となるが、最遠210円(指定席料金含まず)と安く、企画乗車券の中には特急料金が含まれているものもあり、他社でいう快速列車の役割も併せ持っている。本線の特急については、2023年度まで全線通しの特急「うなづき」もあったが、翌2024年度以降は区間便の「くろべ」のみとして、北陸新幹線との連携に徹している。
それぞれ運行本数は少ないが、観光旅程に適した時間帯に絞って運行されており、「アルペン特急」に至ってはアルペンルートと温泉を二度の方向転換を行ってまで直通させることによって観光回遊性を創出するとともに自社線利用を伸ばす設定となっている。
国鉄時代(1970年 - 1983年)には大阪駅発の急行「立山」や名古屋(名鉄名古屋駅)方面からの特急「北アルプス」などが国鉄富山駅から地鉄線に乗り入れていた。JRとなってからも(1990年 - 1999年)大阪方面から特急「スーパー雷鳥」や「サンダーバード」などが、JR富山駅から地鉄線に乗り入れていた。
富山地方鉄道の車両形式番号は鉄道線の電動車(モハ)の場合、5桁のうち上3桁が電動機出力をHP(英馬力)で表示し、下2桁が形式番号を表示するという他社では見られない独特の付番方法が採られている(「鉄道の車両番号」も参照)。このため、電動機を持たない制御車(クハ)および付随車(サハ)は形式番号のみとなり電動車とは車号の桁数が大きく異なっている。百位の数字は制御車が1、付随車が2となっている[注 2]。なお、軌道線の車両では電動車の形式記号は「デ」、4桁のうち上2桁が電動機出力になっている。電動車の「モハ」と「デ」の区別は、元々は鉄道線・軌道線でなく架線電圧1500V用をモハ、600V用をデとしたものである。岩峅寺 - 立山間・電鉄黒部 - 宇奈月温泉間の長い急勾配区間での電動機の負担を軽減させるため、ほとんどの編成がオール電動車となっている。
10030形などの車両は黄と緑のツートンカラーに塗装されており「かぼちゃ電車」の愛称がある(ただし一部編成は車両譲渡前のカラーに復元されている)[34]。また、白を基調とした雷鳥カラーに塗装されている一部車両には「だいこん電車」の愛称がある[35]。
以下は特記なき限り電車である。
年 | 14790形 | モハ14780形 クハ180形 |
14760形 | 14750形 | 14720形 | モハ14710形 クハ10形 |
10020形 | クハ170形 | 10030形 | 16010形 | 17480形 | 計(冷房車) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1982- 1986 | 2 | 6 | 14 | 4 | 2 | 14 | 6 | 5 | 53(15) | |||
1987 | 2 | 6 | 14 | 4 | 2 | 14 | 6 | 5 | 53(18) | |||
1988 | 2 | 6 | 14 | 4 | 2 | 14 | 6 | 5 | 53(21) | |||
1989 | 2 | 6 | 14 | 4 | 2 | 14 | 6 | 5 | 53(25) | |||
1990 | 2 | 6 | 14 | 4 | 2 | 14 | 6 | 5 | 53(25) | |||
1991 | 2 | 6 | 14 | 2 | 2 | 14 | 6 | 5 | 2 | 53(27) | ||
1992 | 2 | 6 | 14 | 2 | 2 | 6 | 6 | 5 | 12 | 55(40) | ||
1993 | 2 | 6 | 14 | 2 | 2 | 2 | 6 | 5 | 14 | 53(45) | ||
1994 | 2 | 6 | 14 | 2 | 2 | 6 | 5 | 16 | 53(47) | |||
1995 | 2 | 6 | 14 | 2 | 6 | 5 | 16 | 51(47) | ||||
1996 | 1 | 6 | 14 | 2 | 6 | 5 | 16 | 3 | 53(50) | |||
1997- 1999 | 2 | 14 | 2 | 6 | 5 | 16 | 6 | 51(51) | ||||
2000- 2004 | 14 | 2 | 6 | 5 | 16 | 6 | 49(49) | |||||
2005- 2010 | 14 | 2 | 4 | 5 | 16 | 6 | 47(47) | |||||
2011 | 14 | 2 | 4 | 5 | 16 | 5 | 46(46) | |||||
2016 | 14 | 1 | 2 | 1 | 17 | 5 | 4 | 44(44) |
キロ程 | 運賃(円) | |
---|---|---|
切符購入 | ICカード | |
初乗り3km | 210 | 190 |
4-6 | 320 | 290 |
7-9 | 420 | 380 |
10-12 | 530 | 480 |
13-15 | 640 | 580 |
16-18 | 740 | 670 |
19-21 | 840 | 760 |
22-24 | 940 | 850 |
25-27 | 1040 | 940 |
28-30 | 1130 | 1020 |
31-33 | 1230 | 1110 |
34-36 | 1330 | 1200 |
37-39 | 1430 | 1290 |
40-42 | 1520 | 1370 |
43-45 | 1610 | 1450 |
46-48 | 1700 | 1530 |
49-51 | 1780 | 1600 |
52-54 | 1880 | 1690 |
55-57 | 1930 | 1740 |
58-60 | 1980 | 1780 |
61-63 | 2040 | 1840 |
64-66 | 2090 | 1880 |
67-68 | 2140 | 1930 |
区間 | 運賃(円) | |
---|---|---|
切符購入 | ICカード | |
電鉄富山駅-新宮川駅・五百石駅 | 610 | 550 |
電鉄富山駅-滑川駅 | 620 | 560 |
電鉄富山駅-早月加積駅 | 720 | 650 |
電鉄富山駅-新魚津駅 | 780 | 700 |
電鉄富山駅-経田駅 | 870 | 780 |
電鉄富山駅-電鉄黒部駅 | 920 | 830 |
電鉄富山駅-東三日市駅 | 980 | 880 |
電鉄富山駅-荻生駅 | 1050 | 950 |
電鉄富山駅-長屋駅 | 1130 | 1020 |
電鉄富山駅-舌山駅 | 1200 | 1080 |
電鉄富山駅-若栗駅 | 1280 | 1150 |
電鉄富山駅-栃屋駅 | 1360 | 1220 |
電鉄富山駅-浦山駅 | 1430 | 1290 |
電鉄富山駅-下立駅 | 1470 | 1320 |
電鉄富山駅-愛本駅 | 1560 | 1400 |
電鉄富山駅-内山駅 | 1660 | 1490 |
稲荷町駅-音沢駅 | 1700 | 1530 |
電鉄富山駅-音沢駅 | 1740 | 1570 |
富山県東部のほぼ全域で路線バスを運行するほか、貸切バス事業も行っている。なお、1965年当時の路線バスの営業キロ数は1128.4kmであった[22]。
富山県高岡市・富山市と東京都豊島区・渋谷区を結ぶ高速バス路線。西武バスと共同運行。
名古屋 - 金沢線同様に北陸の都市間高速バスの草分け的存在で、2012年12月に開業25周年を迎えた。昼行便と夜行便が設定されている。かつては基本的にワンマン運行で、降雪や凍結を伴う冬期はツーマン運行だったが、2012年4月の関越自動車道高速バス居眠り運転事故に伴う安全規制の見直しもあり、通年で夜行便はツーマン運行となった。2017年5月15日、従来西武バスと加越能バスが運行してきた東京 - 高岡・氷見線と統合し、一部の便は氷見・高岡地区発着となった[39]。加越能バスは2023年8月1日ダイヤ改正と同時に運行を終了した。
阪急観光バスと共同運行。
名鉄バスと共同運行。
富山県富山市と新潟県新潟市を結ぶ高速バス路線。新潟交通と共同運行。1日2往復で両社それぞれ1往復ずつ担当。
砺波以南のJR城端線沿線から富山市内への通勤・通学需要に特化した高速バスである(定期券設定あり)。
平日朝は富山駅前方向のみ4本運転、平日夕は城端方向のみ4本運転(土休日は2本)。
富山県富山市と岐阜県高山市の高山駅前を結ぶ高速バス路線。1日6往復で、そのうち富山地方鉄道が4往復(うち1往復は白川郷止)濃飛乗合自動車が2往復担当する共同運行。以前富山 - 高山間を神岡経由の一般道を利用し結んでいた特急バスの復活ではなく、この路線は北陸自動車道、東海北陸自動車道を利用し、途中白川郷を経由する高速バスである。
濃飛乗合自動車と共同運行。
富山県富山市と長野県長野市を結んでいた高速バス路線。1日2往復で子会社の富山地鉄北斗バスと長電バスの共同運行。
石川県金沢市から富山県富山市を経由して、山形県山形市と宮城県仙台市との間を結んでいた夜行高速バス路線。北陸鉄道と共同運行。
富山県富山市と岐阜県高山市の平湯温泉を結ぶ特急バス路線。濃飛乗合自動車と共同運行。高速道路を経由しないため高速バスではなく「特急バス」とされており、予約不要。富山駅前 - 猪谷間のみの乗車はできない。他の高速路線と異なり、地鉄担当便では中型観光タイプの車両のほか、9人乗りの小型車両が用いられる。この小型車はタクシーと同様の普通二種免許で運転可能なことから、他業種からの転職者や事務担当社員を活用し、運行に必要な乗務員の確保を目的に導入された[63]。
もとは路線バスの[ 30 ] 神岡行。路線車で県境を越えて岐阜県まで足を伸ばす富山地鉄最長の一般路線だった。当時から濃飛バスとの共同運行が行われており、特に濃飛担当便は当時から中型観光タイプの車で富山県内では停車する停留所を絞る「特急」バスとして運行されていた。2005年7月10日、高速バスに準ずる現在の形態での運行を開始。2008年4月1日にはいったん全便が高山行に変更となる。平湯温泉方面へは代替として、途中の濃飛バス神岡営業所から奥飛騨温泉郷方面への路線バスに接続する形をとった。2010年4月より、富山 - 高山線の一部便の行先を変更することで、かつて実施されていた奥飛騨温泉郷方面へのバスの直通を復活させた。前述の神岡営業所からは高山方面への路線バスが接続する。2012年4月1日に、富山 - 高山線については廃止し、富山 - 神岡間と富山 - 平湯温泉間の運行となった[64]。 2020年4月1日に、富山 - 平湯温泉間2往復(地鉄・濃飛各1往復)運行となったのち、2021年4月1日のダイヤ改正で濃飛バス担当便を含め路線廃止となった[65]。
富山県富山市と石川県金沢市を結んでいた高速バス路線。北鉄金沢バスと共同運行。2024年2月時点で14往復が運行されていたが[66]、慢性的な運転手不足と、コロナ禍による利用者減により、同年3月15日で廃止された[67][68]。
2004年3月6日運行開始。富山市中心部・郊外と金沢市の片町・香林坊など中心繁華街が乗り換えなしでダイレクトで結ばれたこと、2014年4月1日現在片道930円という格安運賃、2時間ごとに1本という運行間隔が奏効し、開業当初から好評を博していた。
なお、開業にあたっては、当時のJR北陸本線と直接競合することや、かつて運行された高速バス「金沢 - 高岡線」(2020年現在は経路を変えて運行中)の失敗から、需要への懸念[要出典]も少なくなかった。
路線バス網は2005年4月1日の合併前の富山市の市域のほぼ全体をカバーしており、一部の路線は旧市域の外へも伸びている。そのネットワークは富山駅正面口(南口)を中心としている。富山駅以外を発着する富山市および周辺市町村の路線バスはほとんどが公営バス・コミュニティバスになったが、一部の系統が地鉄バスの路線として残っている。
車体側面及び後部には平仮名で「せ」や「と」といった一文字が書かれているが、これは車両の所属する営業所を示したもので、前者は西部自動車営業所(同市牛島本町)、後者は東部自動車営業所(同市双代町)を指す。ほかに黒部自動車営業所「く」、八尾自動車営業所「や」がある。現在富山市の両営業所は統合し、東部が名前を改める形で富山自動車営業所となっているが、現在も車体の表記は変わっていない。
路線名は運賃表[71]によるが、発地や一部の経由地は省略している。23、31、67系統は、他の路線の運行が終了した平日23時に富山駅前発の「スターライトバス」(深夜料金不要)を運行していた路線である。
富山駅前を発着または経由する各路線には2桁(またはかつては1桁)の系統番号が付されており、行き先が富山駅から見た方位により番号の十の位が決まる。一の位は今の系統システムが導入された際に路線の長い順等で決められたが、現在は路線の改廃が進んでいるため新規路線には廃止で欠番となった番号が充てられている。
以下に各番台の分類について述べる。
全ての系統が学休日運休。
牛岳温泉健康センターまで運行していた時代も、冬季には全便が山田行政センター折り返しとなっていた。
富山駅前ロータリーの6番乗り場より出て、有沢を経由し南西に向かう路線。
富山空港へは富山駅前ロータリー6番乗り場より直行便・各停便の2種類がほぼ半々の割合で発着する。直行便は2012年に東京空港交通より転籍した専用車両で運行される。各停便は富山空港経由総合運動公園・防災センター線と富山空港・成子経由八尾線である。
月岡西緑町停留所ではデマンドバス方式を導入している。同停留所発着の45系統以外に、パソコンや停留所の端末で予約をすることで、43・44系統にも乗車可能である。
全便が月岡団地経由の「月岡団地経由福沢線」として運行されている。 月岡西緑町停留所ではデマンドバス方式を導入している。同停留所発着の45系統以外に43・44系統にも乗車可能である。
88系統となるのは興人団地行きのみで、国立高専前発の富山駅前止まりは46系統である。
65系統は大半の便が大場経由で「65・66系統」として運行される。
富山駅前8番乗り場より出て、石金を経由し南東へ向かう路線。
一部ケアハウスとやま前を経由する便がある。
朝に豊田本町1丁目始発、夜に豊若町終着便あり。
かつては富山地鉄北斗バス担当だった[71]。
富山港線の蓮町(馬場記念公園前)駅・岩瀬浜駅に接続するフィーダーバス2路線を運行している。
富山県東部の各市町村でも移管・廃線が進んでいるが、電鉄魚津駅・電鉄黒部駅を発着する以下の系統が存在する。2011年10月1日より運行社会実験として一部路線のルート変更が行われている。
夏季限定で運行される、登山・行楽客をターゲットとした路線。
富山駅から射水市・氷見市を結ぶ観光路線バス。北陸新幹線開業に先立って2013年10月5日に実証運行を開始[76]、運行時期によっては富山空港発着便も設定された[77]。基本的に観光バスタイプの車両で運行されるが、予約の少ない日は小型車両で運行されることがある。ぶりかにバス専用のフリーきっぷが設定されていて、指定店舗での買い物優待を受けることができる。終点のひみ番屋街では加越能バス「わくライナー」(高岡 - 和倉温泉)に乗り継ぐことができる。 2022年4月1日から休止していたが[72]、2022年10月8日より冬季限定で再開され2023年3月31日まで運行[78]、2023年は10月1日より2024年3月31日まで運行された[79]。
2018年より冬期を除いて日の丸自動車興業「スカイバス東京」のオープントップバスをスポットで借り入れて運行している。「SKY BUS TOYAMA」とも称する[80]。
「射水コース」は世界で最も美しい湾クラブに加盟する富山湾の魅力を発信する取り組みの一つとして企画され、2018年10月12日から10月16日にネオプラン・スカイライナーを借り入れて射水市の新湊きっときと市場 - 新湊大橋を往復するコースで運行された[81]。富山市内コース設定後は10月の特定日に運行され、2019年10月13日から22日、2020年10月22日から25日、2021年10月21日から24日、2022年10月20日から23日、2023年10月19日から22日に運行された。
「富山市内コース」は2019年5月23日に富山県内で開催された日台観光サミットの開幕に併せて5月22日より6月30日まで富山市内を周回する定期観光バスとして運行[82]、8月9日から9月3日、10月9日から31日にも再度運行され、以降2023年まで毎年運行されている。2020年は9月18日から11月1日[83]、2021年は4月23日から6月13日、10月1日から10月31日に運行され[84]、2022年は4月22日から6月21日、9月16日から10月30日に運行された[85]。(車両整備、射水コース運行、富山マラソン開催に伴う運休日あり)。2023年4月22日から6月11日[80]、9月15日から10月29日まで運行された[86]。2024年は4月19日から5月26日の運行を予定している[87][88]。
「アルペンルートコース」は2021年の立山黒部アルペンルート50周年を記念して企画され、5月21日より5月30日まで運行。車窓から雪の大谷を楽しむコンセプトで、立山町にある立山有料道路の室堂ターミナルから国見駐車場を往復した[89][90]。前日の5月20日には送り込みを兼ねて富山駅→室堂ターミナル、最終日の5月30日には戻り便として室堂ターミナル→富山駅でも営業運転を行った[91]。富山市内コースと運行期間が重なるため、アルペンルートコース専用にネオプラン・スペースライナーを借り入れた。2022年は5月13日から22日までの運行[92]に加えて夏にも設定され、8月5日から14日まで運行された[93]。 2023年は5月12日から21日まで運行された[94]。 2024年は休止される[95]。
このほか下記のような期間限定コースが運行された。
2016年度より富山国際大学付属高等学校のスクールバスを運行。専ら生徒の登下校に合わせたダイヤだが、学校以外の各停留所間の運賃も設定されており、学校関係者以外の利用を排除しているわけではない。富山市、射水市、高岡市の各地域を起点として運行。
以前はUDトラックス(旧:日産ディーゼル工業)・三菱・日野の3社体制だった。日野の大型車「ブルーリボン」および1980年代に導入された中型車「レインボー」については富士重工業がボディーを架装していて、前者は1996年式まで採用された。2008年にいすゞ自動車製が導入され、現在は4社体制となっている[104]。
1997年までは原則新車のみ導入してきたが、1998年以降は大手事業者からの中古車も導入されている。1998年から2000年にかけては高速バスの共同運行相手の西武バスや京阪バスから大量に導入していたが、最近は廃車などで少なくなっている。なお、西武バスからの譲渡車については2010年より再び導入されている。
2004年以降は神戸市営バス・大阪市営バス・姫路市営バス・高槻市営バス・横浜市営バスなどからも導入していたが、2010年後半以降は一部を除き神奈川中央交通からの中古車が大量に導入されている。2008年には、姫路市営バスからいすゞ・エルガミオノンステップが移籍してきたこのため、富山地鉄では久々にいすゞ路線車が登場した。子会社の富山地鉄中央バスにも1台導入されたほか、同時に日産ディーゼル・RMノンステップ1台も増備されている。なお、2007年より統合車種である日野・レインボーIIノンステップも増備されているが、ヘッドライトが2灯式になっているため外観での区別は可能である。
大型車のサイズは10.2mクラスが多いが、1990年代には10.7m車も導入されている。西武バスからの中古車では10.7m車中心に導入され、かつては11m車も活躍していた。中型車は1980年代後半より黒部自動車営業所を中心に導入され、90年代以降は富山地区にも大型車と平行して本格的に増備された。
1997年ごろまで東部・黒部両自動車営業所が三菱車、西部自動車営業所が日野車、八尾自動車営業所が日産ディーゼル車に統一されていたが、中古車の導入や勤務ローテーションの変更などにより崩れている。
低床型バスは1997年より積極的に導入している。同年より三菱ふそう・エアロスターワンステップ3台、1999年には日野・レインボーワンステップ2台を増備した。2000年よりノンステップバスの導入が開始され、2010年現在、子会社の富山地鉄中央バスを含みコミュニティバスを除くと41台を保有している。また、2006年の新車より液晶パネル式運賃表(レシップ製)を採用している。
1996年に導入された新車より採用されているカラーは都営バスのカラー[注 4](ノンステップバス導入以前のもの)を「前後逆」にしたものである。また、それ以前に1972年から1995年まで採用されていた白と水色のストライプ調の塗装も、日野・ブルーリボンのカタログ車両のカラーリングを参考にしており、それがほぼそのまま採用されていた[105]。
2009年2月に新規納入された大型ノンステップバス2台(日産ディーゼル・スペースランナーRA 八尾自動車営業所所属)が富山イメージリーダーバス(以下、TILB)と称して立山の新雪と若い樹木をイメージした、白地に黄緑色の円が描かれた新しいデザインで登場している[105]。2010年3月にも前者およびUDトラックスからのOEM車種である三菱ふそう・エアロスター-S(AA系)がそれぞれ1台ずつ、2011年3月には三菱ふそうからのOEM車種であるUDトラックス・スペースランナーA(AP系)が導入されたが、2012年以降は三菱ふそう・エアロスターを増備している。先述のTILBに加え通常カラーの車両も導入されているほか、八尾自動車営業所に続き富山自動車営業所にもTILBが導入されるようになった。
路線バスの方向幕は系統によってそれぞれの塗り分けがなされているためか、LED式の方向幕を装備した車両は導入されていなかったが、2012年度の新車より採用された。ただし、高速バスには2004年の新車より採用している。また、子会社の加越能鉄道では1999年に導入された新車よりLED式方向幕を採用している。
長らく日産ディーゼルに統一されていたが、2008年以降は日野・セレガや2012年以降からは三菱ふそう・エアロエースも導入されている。
いすゞを除く3メーカーを保有しており、日産ディーゼルを中心とした構成となっている。また、1985年にネオプラン・スカイライナーを富山地鉄観光と各1台[106]、1992年から1999年にかけてボルボ・アステローペも大量に保有していたが2012年3月をもって全廃となった。子会社の富山観光バスではいすゞ車も保有していて、2008年には新型ガーラSHDも導入している。
三菱車は1992年式まで呉羽自動車製ボディーで導入されていた。エアロバスKとキュービックスタイルのサンシャインデッカーも活躍していたが、全車引退している。子会社の加越能鉄道でもエアロバスKやキュービックスタイルのサンシャインデッカーを導入していたが、後者は富山地鉄とほぼ同じ頃に全車引退している。
日産ディーゼル車は長年、富士重工業または西日本車体工業製ボディーで導入されていた。車種はスペースアローをメインに同ショートタイプおよびスペースウイングを導入している。特に、2003年に富士重工がバス事業撤退のときに高速路線車とともに最終生産分を導入している。2009年には三菱ふそうからのOEM車種であるスペースアローA・同ショートタイプが導入されている。同時に三菱ふそう・エアロエース1台も導入され、外観での区別は困難であるが、ステアリングのマークで区別できる。
貸切バスの塗装はブラウンとオレンジの帯が配されたカラーリングが、若干の意匠変更がありながらも、1982年から採用され続けてきた。車両側面のロゴは当初「TOYAMA CHITETSU KANKO」になっていたが、1993年の新車より子会社の加越能鉄道と同じ筆記体表記となるとともにラインの細部が変更された。さらに、1997年の新車より大文字の「TOYAMA」のロゴに変更され現在の新グループ共通カラーにも採用されている。
2008年4月にグループ会社の加越能鉄道、富山観光バスと共に貸切バス受注部門を統合したことを契機に、同時期に新規納入された貸切バス(車両は三菱ふそう・エアロクイーン2台)からは、白色と桃色を基調とした新グループ共通カラーが採用された[107]。車両後部のロゴも「富山地鉄観光」から「TOYAMA」に変更されている。このような塗装変更は約28年ぶりである。同時に富山(旧東部)自動車営業所内に富山地鉄グループ観光バスセンターが設けられた。
今後、既存の車両も順次塗り替えを進め、2011年をめどにすべての車両の塗り替えを完了させる予定である。なお、高速バス車両はこれまでの塗装を引き続き採用している。
2020年3月21日現在。
富山地方鉄道を中心とした富山地鉄グループ(地鉄グループ)各社で、『おでかけ』『遊ぶ・楽しむ』『暮らしと安心』『泊まる』『グルメ・ショッピング』の5領域において交通事業やレジャー・観光事業、不動産事業などを網羅している。
以下を除き、全て富山地方鉄道の連結子会社である。
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