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富山県黒部市にある温泉 ウィキペディアから
宇奈月温泉(うなづきおんせん)は、富山県黒部市にある温泉。黒部川の電源開発を背景として1923年(大正12年)11月22日[3]に開湯された温泉地で、黒部川の河岸段丘面(標高約200メートル)に位置する[4]。黒部川の渓谷沿いなどに旅館や保養所が立ち並び、峡谷美を愛でる黒部峡谷鉄道のトロッコ観光の拠点でもある。
全国的にも珍しい7kmにも及ぶ引湯管を使った引湯である。
歴史的には黒部峡谷探検や黒部川の電源開発とともに発展してきた温泉地である[5]。黒部峡谷の入口には、ホテルや旅館、商店や土産物店が多数立ち並んでいる。富山県内の温泉地では最大規模。富山地方鉄道の宇奈月温泉駅前に温泉水を利用した噴水がある。
宇奈月温泉駅から東南に進むと黒部峡谷鉄道宇奈月駅があり、黒部峡谷を訪ねる多くの観光客が利用する。また、反対方向に向かって線路を渡り、商店街を抜けた所にある宇奈月公園には、かつてこの地を訪れたことがある昭和天皇の御製碑や、与謝野鉄幹、与謝野晶子、宮柊二(みやしゅうじ)らの歌碑がある。
温泉街にはそのほか『おもかげ』『いっぷく』と名付けられた足湯のほか、黒部市芸術創造センターセレネ、黒部川電気記念館、宇奈月神社などがある。また、右岸道路から峡谷を進むと宇奈月ダム及び資料館「大夢来館(だむこんかん)」が見学でき、さらに橋を渡って宇奈月湖を眺め、尾の沼体験交流施設 とちの湯を利用する事ができる。
「宇奈月」の名称は近代になって付けられたもので、桃原の大地の近くにあった谷の名称から名付けられた[6]。当地を訪れた人が、水の音や風の響きに心も「うなづき」、身も心も清らかになったという伝承が地名の由来で、「宇奈月」の字は、「宇治や奈良と並ぶ名月の地」にしようという思いから付けられたという[7]。また、これまでの資料では、開湯の日付が11月末ということだけしかわかっていなかったが、2025年(令和6年)11月に、当時の黒部鉄道桃源駅(現在の富山地方鉄道宇奈月温泉駅)の駅長自宅からメモが見つかり、1923年(大正12年)11月22日だと判明した[3]。
源泉はすべて黒部川上流にある黒薙温泉からの引湯である(3,4,6,9号井および自噴泉を使用[1]。1970年代時点では黒薙のさらに上流の二見からも引湯していた[4])。源泉段階で摂氏92〜98度と非常に高温であり、湯量が豊富である。浴用として多少水を混ぜて引湯しているため、宇奈月温泉街に到達した時点で摂氏63度となる[8]。
この地はかつて「桃原」呼ばれており、桃の木が自生している[28]以外は音沢村の出作り小屋しか存在しない荒れ地であった[4]。1885年(明治18年)頃に書かれた『越中遊覧志』では、「花時にいたりては一望紅錦を張るが如く…」[注釈 5]と記載されている[28]。
かつては布施山開の桃原開であったが、1889年(明治22年)4月1日、町村制施行に伴い、桃原は内山村に所属することになった[29]。
なお、自生していた桃の木は明治末期に姿を消したとみられる[28]。
北陸新幹線 黒部宇奈月温泉駅は駅名に「宇奈月温泉」とあるが温泉からは離れた場所にあり、新幹線駅前にある富山地方鉄道新黒部駅で乗り換え、宇奈月温泉駅まで25分程度かかる。
宇奈月温泉は、法律学(民法判例)上、極めて重要な事件である宇奈月温泉事件の舞台となった。前述の源泉から温泉街までの引湯管の敷設地が一部未買収であったことが発端となった訴訟である。この判決では大審院によって権利濫用の解釈が示され、原告の主張が権利濫用の法理により排斥された(大審院第三民事部判決昭和10年10月5日民集14巻1965頁)。民法判例百選の最初に登載されている事件で、法学部などで民法を学ぶ者が最初期に目にする判例の1つである。
「うなずきマーチ」は、作詞・作曲大滝詠一で1980年代にフジテレビ系列(地元では富山テレビ放送がネット)で放送された、当時の超人気バラエティ番組『オレたちひょうきん族』のレギュラー出演者の中の3人(ビートきよし、松本竜介、島田洋八:ビートたけし、島田紳助、島田洋七のそれぞれの相方で、ツッコミ(うなずき)役)で構成されたユニット「うなずきトリオ」が「ひょうきんベストテン」コーナーで歌った曲。大滝とうなずきトリオの3人とが、宇奈月温泉を訪れ、滞在していた時に構想が浮かんだとされ、番組の企画で3人が実際に宇奈月温泉で歌ったこともある。
第二次世界大戦中、旧大日本帝国海軍の根拠地のひとつであったパプアニューギニアのニューブリテン島ラバウルに、「宇奈月温泉」という別称がついた場所が戦時中の地図に存在する[64][65]。この名称は当時、富山県出身の海軍第25航空戦隊司令部気象班員の兵士によって命名されたとされる[66]。
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