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日本における4月末から5月初めにかけての大型連休の俗称 ウィキペディアから
ゴールデンウィークまたはゴールデンウイーク(和製英語:Golden Week, GW)は、日本において毎年4月末から5月初めにかけて休日が続く期間のこと。春の大型連休(おおがたれんきゅう)、黄金週間(おうごんしゅうかん)[1]ともいう。元々は映画会社の大映が集客目的で作成した宣伝用語。2022年のように1週目の平日は金曜日のみが休日、2週目の平日は火曜日から木曜日の3連休だけのゴールデンとは形容しがたい[独自研究?]年もある。
1948年7月に国民の祝日に関する法律(祝日法)が施行されたことにより、4月29日から5月5日までの期間に休日・祝日が集中し、この期間(平日や土曜日も含む)がゴールデンウィークと呼ばれるようになった。直前・直後に土曜日・日曜日・振替休日がある場合、それらを含めて呼ぶことも多い。この期間は、4月29日(昭和の日[注釈 1])・5月3日(憲法記念日)・5月4日(みどりの日[注釈 2])・5月5日(こどもの日)が国民の祝日[注釈 3]である。5月1日がメーデーのため休日になる会社(従業員)も少なくないことから、間の平日を休みにすることで長期連休にしやすい。
以前は休日が飛び飛びになることが多かったことから「飛石連休」という言い方がされた[注釈 4]。1985年(昭和60年)の祝日法改正で5月4日が日曜日や振替休日でなくても「国民の休日」になってからは、この言い回しは少なくなった。
2005年(平成17年)に行われた祝日法の改正により、休日の名称および振替休日の規定が変更されたため、憲法記念日やみどりの日が日曜日と重なった場合、「こどもの日」の翌日にあたる5月6日が振替休日になり、その分ゴールデンウィークも延びることとなる。5月4日が日曜日となる2008年(平成20年)に最初に適用され、振替休日が初めて月曜日以外の火曜日となった。続く2009年(平成21年)も振替休日が初めて水曜日となった。
「ゴールデンウィーク」の名称は、映画会社の大映が松竹と競作して1951年(昭和26年)に同時上映となった『自由学校』が、大映創設以来最高の売上(当時)を記録[2]し、正月映画やお盆映画以上の興行成績を残したことで[3]、この時期に観客を多数動員し活性化することを目的として、当時の大映の社長であった永田雅一によって作成された宣伝用語であり[3][4]、和製英語である。1952年(昭和27年) - 1953年(昭和28年)頃から一般にも使用されるようになり[4]、他の業界にも広まった。同時に大映は続いて秋の文化の日を中心とした期間を「シルバーウィーク」と名付けたが、当時こちらは定着しなかった[3][4]。
NHKや一部の民放などは原則として「(春の)大型連休」という表現で統一している。この理由について、NHK放送文化研究所では1970年代のオイルショック以降に「ゴールデンウィーク」という表現に視聴者から苦情が寄せられるようになったこと、「外来語・カタカナ語はできるだけ避けたい」「長すぎて表記の際に困る」などの放送の制作現場の声を反映させたこと、元々「ゴールデンウィーク」という表現が映画業界という私企業の宣伝用語であったこと、週休二日制の定着で期間がウィーク(一週間)にとどまらなくなってきたことなどを理由に掲げている[4]。「シルバーウィーク」についても、同様の表現差し替え(「(秋の)大型連休」)が行われているが、新聞業界では「ゴールデンウィーク」「大型連休」の表現が半々、雑誌業界では「ゴールデンウィーク」「GW」の表現が主流であるという[4]。
なお、「ゴールデンウィーク」という言葉は、保険その他の分野においては2004年(平成16年)に損害保険ジャパンが(第4824147号)、酒類においては2014年(平成26年)に宝ホールディングスが(第5713010号)商標登録している。
ゴールデンウィークとの名称が用いられ始めた時代は、第二次世界大戦後のテレビ普及前の日本映画の黄金期で映画館も多数存在しており、映画鑑賞、近場の百貨店での買い物、近郊の遊園地への行楽、周辺の行楽地へのハイキングといった日帰り旅行などが、この時期の一般的な過ごし方で、1970年代以前は普段の日曜日・祝日の過ごし方と大きな違いはなかった。しかし、その後の振替休日制度の導入や土曜休みの普及に伴って、次第にこの時期全体を利用した泊まりがけの旅行や帰省が増え、1990年代以降は日本国外への海外旅行も一般的になった。
日本人観光客の多いハワイなど海外の観光地では、ホテル・バス・レストランなど観光業に従事する人物の場合、日本に縁のない現地出身の人間であっても“Golden Week”で意味が通じるほど認知されている。
帰省や行楽などのために長距離を移動する人も多く、その数は、夏休み(特に旧盆時期)・年末年始と同程度に多い[注釈 5]。毎年ゴールデンウィークの序盤と終盤において、主要ターミナル駅・空港・長距離列車などでは多くの乗客が見られる。
このため、多くの場合、お盆・年末年始と共通する以下のような交通状況となり、そのためにそれらの期間に準じた制度が適用される。
ただし鉄道のダイヤ面では、ゴールデンウィーク中の平日については原則として平日ダイヤで運転されており、お盆期間中の平日が一部の鉄道事業者(主に近畿地方・中京の私鉄・地下鉄)において土曜又は休日のダイヤで運行されていることとは対照的である。学校は一部の私立学校を除いては平常通り授業が行われており、お盆と異なり通学需要がある。
また、繁華街や観光地などにあるコインパーキングは上限料金が適用されない、特別駐車料金になるところがある。
週刊誌では、連休前に合併号の発行が一般的に行われているが、これは大型連休に合わせた営業施策というよりも、印刷所の連休に合わせているためである。
郵便物の配達業務は、2015年までは連休中の後半に1日程度、休日ではあるが全ての郵便物を配達する日を設けていた[6]が、2016年以降はこの扱いは行われなくなった[7]。2018年以降は最大で連続4日間(速達・書留・荷物などを除く)通常の郵便物が配達されない年が発生している[8]。2019年は新天皇の即位もあり、10連休と長期連休になった。顧客利便性や郵便物の保管場所不足防止の観点から土曜日の4月27日に配達した後、5月2日に全ての郵便物を配達する日を設けた[9][10]。その後、2021年10月の土曜配達休止を経て[11]、カレンダー上は5日間配達休止日が続く配列であった2023年には中間の5月5日に配達を実施した[12]。
不況時の場合、製造部門を持つ企業において、この期間を生産調整・在庫調整に充て、通常の休日に数日上乗せし、さらなる長期休業となる従業員も見受けられる[13]。
観光地や行楽地などにある飲食店やデリバリー、テイクアウトの飲食店では大型連休中はランチタイムの休止、高価格帯のメニューのみの提供、特別料金となるところもある。
気候のいいこの時期には全国各地でイベントが開催される。有名なイベントを挙げる。
この時期は北東北や道南などではソメイヨシノの時期にあたり、花見(観桜)の季節でもある。それらの地域では桜だけでなく梅や花桃の花も同時に咲くことが多い。それ以外の地域では多くの場合は桜が散った後となるが、代わりに藤・バラなどの晩春の花の時期であり、新緑のシーズンでもある。
祝日法の改正によって敬老の日がハッピーマンデー対象となったことにより、秋分の日と合わせての大型連休ができる可能性が生じており、2009年(平成21年)・2015年(平成27年)はこれに該当する。その後は、2026年がこれに当たると予測されている(秋分日の観測状況により変動することがあるため、正式な祝日は前年の2月第1平日付の官報で確定する。「暦要項」参照)。
体育の日を11月1日に、勤労感謝の日を11月5日に移すことによって11月3日の文化の日と併せて秋に大型連休を作る構想もあり、当時の与党内で検討されていた。
これらを「秋のゴールデンウィーク」あるいは「シルバーウィーク」と称することがある。
2017年に成立した皇室典範特例法により、2019年4月30日をもって第125代天皇・明仁が皇位を退き、翌5月1日に皇太子徳仁親王が即位した。特例法の成立を受け、2018年の第197回臨時国会にて即位および改元当日の5月1日と、即位礼正殿の儀が行われる10月22日を2019年限りの祝日とする法律が成立[14]。この結果、4月30日と5月2日が国民の休日になり、土日および振替休日を含めると4月27日(土曜日)から5月6日(月曜日・振替休日)まで10日間の休日となった[15]。
過去にない10連休となったため、生活に影響が出ることが予想されたため、以下のような対応が取られた。
民主党政権時の2010年(平成22年)、国土交通省はゴールデンウィーク(春季)とシルバーウィーク(秋季)の連休を地域別に分散して設定する祝日法の改正案を計画していた。具体的には
ゴールデンウィークは基本的に憲法記念日、みどりの日、こどもの日の3連休を一つのまとまり、シルバーウィークは基本的にハッピーマンデーの当該日である海の日、敬老の日、体育の日を従来の日に記念日と位置づけ、休日は文化・スポーツ・観光に適した時期を利用して、いずれも次のようなパターンを計画していた[20]。
第1週 | 第2週 | 第3週 | ||||||||||||||||||
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土曜 | 日曜 | 月曜 | 火曜 | 水曜 | 木曜 | 金曜 | 土曜 | 日曜 | 月曜 | 火曜 | 水曜 | 木曜 | 金曜 | 土曜 | 日曜 | 月曜 | 火曜 | 水曜 | 木曜 | 金曜 |
九州沖縄・中国四国地方の休日 | ||||||||||||||||||||
近畿地方の休日 | ||||||||||||||||||||
中部・北陸信越地方の休日 | ||||||||||||||||||||
南関東地方の休日 | ||||||||||||||||||||
北関東・東北・北海道地方の休日 |
しかし、日本国内でありながら地域によって平日と休日が異なることで、商取引や金融システムなどの経済活動や、遠方への単身赴任者が帰省しても現地では平日のために家族と一緒に過ごせない、などの問題が挙がった[21]。
中国にも日本のゴールデンウィークに類似した名称の大型連休があり、中国語で「黄金周」(huángjīn zhōu)と呼ばれる。これは、中国政府が経済効果をねらって1999年10月1日から導入した制度である。なお、「周」は「週」の簡体字である。
中国の黄金週は2023年現在、年に2回設定されている。
いずれも、3日間の法定休日に2日間の振替休日を加え、さらに土日を連続させて7連休にしている。2日間の振替休日は、直前の土日をこの期間に振り替える。
2007年度までは「労働節(5月1日)から始まる1週間」も黄金週であったが、中国政府の意向で2008年度以降は3連休に短縮されている。ただし、2009年度は広東省のみ7連休が実施された。
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