大分県
日本の九州地方にある県 ウィキペディアから
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大分県(おおいたけん)は、日本の九州地方に位置する県。県庁所在地は大分市。
おおいたけん 大分県 | |||||
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国 | 日本 | ||||
地方 | 九州地方 | ||||
団体コード | 44000-1 | ||||
ISO 3166-2:JP | JP-44 | ||||
面積 |
6,340.70km2 (境界未定部分あり) | ||||
総人口 |
1,085,198人[編集] (推計人口、2024年10月1日) | ||||
人口密度 | 171人/km2 | ||||
隣接都道府県 |
福岡県 熊本県 宮崎県 愛媛県[注釈 1] 山口県[注釈 1] | ||||
県の木 | 豊後梅[2] | ||||
県の花 | 豊後梅[2] | ||||
県の鳥 | めじろ[2] | ||||
他のシンボル |
県の歌:未制定[3] 県民の日:11月14日[4][5] | ||||
大分県庁 | |||||
知事 | 佐藤樹一郎 | ||||
法人番号 | 1000020440001 | ||||
所在地 |
〒870-8501 大分県大分市大手町3丁目1番1号 北緯33度14分17秒 東経131度36分45秒 | ||||
外部リンク | 公式ウェブサイト | ||||
ウィキポータル | 日本の都道府県/大分県 | ||||
ウィキプロジェクト |
全国的に知名度が高い別府温泉や由布院温泉をはじめとする多くの温泉を有し、源泉数(4,445か所)、湧出量(279,253リットル/分)ともに日本一であり[6] 、「日本一のおんせん県おおいた」をキャッチフレーズに温泉をアピールしている[7]。
山地の占める割合が大きく、西部には九重連山、南部には祖母山・傾山がそびえる。このうち九重連山の中岳は九州本土の最高峰である。平野部は北部の中津平野、中部の大分平野、南部の佐伯平野など限られた地域に分布している[8]。海岸部は、北部から西部で瀬戸内海(西部は周防灘(豊前海)と呼ばれる)に面する。中部では豊後水道を挟んで四国地方に接しており、その最狭部の豊予海峡の幅は10キロメートルほどである。南部の日豊海岸にはリアス式海岸が発達しており、日豊海岸国定公園に指定された景観が楽しめる。
江戸時代に編纂された『豊後国志』(1803年)は最初の総合的地誌として名高い。
瀬戸内海の西端に位置しており、気候区分上は瀬戸内海式気候から他の型への遷移域に当たる[9]。
気候の区分にはいくつかの考え方がある。
気象庁では、予警報細分区域を以下の4区域に分けている[10]。
降水量の年平均値、及び、降水日数の年変化の2つの観点から、以下の4区域に分ける考え方もある[9]。
平年値 (月単位) |
北部沿岸部 | 中部沿岸部 | 南部沿岸部 | 内陸部 | ||||||||||||
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中津 | 豊後高田 | 国東市 国見 | 国東市 武蔵 | 杵築 | 大分 | 佐伯 | 佐伯 蒲江 | 日田 | 玖珠 | 宇佐市 院内 | 由布市 湯布院 | 竹田 | 豊後大野市 犬飼 | 佐伯市 宇目 | ||
平均 気温 (°C) |
最暖月 | 26.9 (8月) | 26.7 (8月) |
26.5 (8月) | 25.9 (8月) | 26.8 (8月) |
26.6 (8月) | 26.6 (8月) |
26.7 (8月) | 25.2 (8月) |
25.6 (8月) | 24.0 (8月) |
25.0 (8月) | 26.0 (8月) |
24.9 (8月) | |
最寒月 | 5.3 (1月) | 5.1 (1月) |
5.8 (1月) | 3.7 (1月) | 6.0 (1月) |
6.4 (1月) | 7.3 (1月) |
3.8 (1月) | 2.4 (1月) |
3.9 (1月) | 2.1 (1月) |
3.9 (1月) | 4.2 (1月) |
3.5 (1月) | ||
降水量 (mm) |
最多月 | 296.9 (6月) | 278.2 (6月) |
283.0 (6月) | 287.2 (6月) | 294.2 (6月) |
304.4 (9月) | 359.5 (6月) |
379.3 (6月) | 391.8 (6月) |
315.8 (6月) | 370.0 (6月) |
336.8 (7月) | 294.1 (7月) |
376.8 (8月) | |
最少月 | 30.7 (12月) | 29.0 (12月) |
34.5 (12月) | 30.0 (12月) | 28.1 (12月) |
33.9 (12月) | 39.7 (12月) |
48.0 (12月) | 43.1 (12月) |
35.2 (12月) | 35.3 (12月) |
27.5 (12月) | 27.0 (12月) |
31.7 (12月) |
大分県には、14市3郡3町1村を合わせて18市町村がある。現存するすべての町村名で、町は「まち」、村は「むら」と読む[注釈 2]。
2005年(平成17年)から2006年(平成18年)にかけて、いわゆる「平成の大合併」により別府市、津久見市、姫島村、日出町、九重町、玖珠町を除くすべての市町村が合併し、市町村の数は2004年(平成16年)12月31日までの58から、姫島村を除く東国東郡4町が合併して国東市が発足した2006年(平成18年)3月31日時点で、18へと大幅に減少した。これは九州で最も少なく、全国でも4番目に少ない[12]。なお、町の数(3町) および町村の数(4町村)は47都道府県で最も少ない[13]。
以下、6つの地域振興局の管轄ごとに市町村を記述する。
「平成の大合併」により消滅した郡町村。郡自体が消滅している場合は、郡名にリンクを付した。
大野町(現豊後大野市)の代ノ払遺跡で1981年(昭和56年)に発掘されたナウマンゾウの牙などの化石が、鋭い刃物のようなもので切断されており、人と動物が遭遇したことを示していると推測された。このため、人々が住み始めたのは、3万7000年前であると考えられている[14]。
2001年(平成13年)5月には、大分市の横尾遺跡から約6,000年前から7,000年前(縄文時代早期)の加工された角柱状の材木(長さ3.4メートル、一辺18センチメートル)が出土した。この材木は日本最古の建築部材と考えられている[15]。
現在の大分県の県名は、古来国府が置かれていた大分郡(おおきたのこおり)に由来し「おおいた」という読みはイ音便の一種で、「おおきた」が転訛したものである。さらに、大分郡の名の由来については『豊後国風土記』では、景行天皇がこの地を訪れた際に「広大なる哉、この郡は。よろしく碩田国(おおきたのくに)と名づくべし」と感嘆して名づけ、これが後に「大分」と書かれたとされる。しかし大分平野は広大とは言えないため、実際には狭く入り組んだ地形に多くの田が造られている様子を形容した「多き田」が転じて「大分」になったとする説が近年の定説である[16][17]。
古代には県の全部と福岡県の東部は豊国と呼ばれ、7世紀末ごろに豊前国と豊後国に分けられた。律令制のもとで、豊前国及び豊後国はともに上国・遠国とされた。
鎌倉時代に大友氏が豊後国の守護となった。室町時代にも守護に任じられた大友氏は大友氏時が九州探題斯波氏経を高崎山城に迎え助力するも南朝の勢力に押され当初は苦戦した。南北朝の統一により勢力を弱めた南朝を制し守護大名そして戦国大名へと大友氏は発展していった。
大友氏は、戦国時代の21代当主大友義鎮(宗麟)の代に最盛期を迎えた。宗麟は九州6ヶ国の守護及び九州探題に任じられ、九州の大半を支配した。また、清やポルトガルなどとの交易を盛んに行い、府内(現在の大分市)などでは南蛮文化が花開いた。キリスト教を積極的に保護し、豊後国の信者は3万人を超えたとされる[18]。宗麟自身も晩年に洗礼を受けてキリシタン大名となった。
しかし、大友氏は1586年(天正14年)の島津氏の侵攻(豊薩合戦)などにより衰退し1593年(文禄2年)に22代当主の大友義統が改易されて、大友氏による統治は終焉を迎えた。
江戸時代、当県にあたる地域には中津、杵築、日出、府内(大分)、臼杵、佐伯、岡(竹田)、森(玖珠)の八藩が分立するとともに、日田には九州の幕府領を管轄する西国筋郡代の代官所が置かれ、各地には肥後、延岡、島原藩の飛び領も点在した。このため、大きな都市は形成されなかったものの、代わりに各地に特色ある文化が生まれた。各藩の城下町だった地域には、現在も武家屋敷などが残っている所が多い。
享和3年(1803年)に完成した地誌『豊後国志』は国東郡、速見郡、大分郡、海部郡、大野郡、直入郡、玖珠郡、日田郡の8郡について、古代から近世までの歴史・地理を簡明に記載する。
大分県の総人口は1,107,823人(2022年7月1日現在)で、47都道府県中石川県に次ぐ第33位である。また、沖縄県を除く九州7県では第5位に位置する。県庁所在地の大分市に総人口の42.7%が集中している。
増加
2.5 - 4.99 %
0.0 - 2.49 % |
減少
0.0 - 2.5 %
2.5 - 5.0 %
5.0 - 7.5 %
7.5 - 10.0 % |
大分県と全国の年齢別人口分布(2005年) | 大分県の年齢・男女別人口分布(2005年) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
■紫色 ― 大分県
■緑色 ― 日本全国 | ■青色 ― 男性 ■赤色 ― 女性 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
大分県(に相当する地域)の人口の推移
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総務省統計局 国勢調査より |
現在、技術上の問題で一時的にグラフが表示されなくなっています。 |
平成26年度(2014年度)の県内総生産は4兆1426億円である[23]。これは世界の過半数の国の国内総生産 (GDP) よりも規模が大きい[24]。県内総生産の内訳は、第一次産業 910億円(2.2%)、第二次産業 1兆1974億円(28.9%)、第三次産業 2兆8154億円(68.0%)。一人当たり県民所得は258.3万円である[23]。
平松守彦が県知事時代に提唱した一村一品運動によって、各地で特産品を産み出す試みがなされている[25]。
農産物では、干し椎茸及びかぼすが生産量日本一で特産として知られる[26]。干し椎茸のうちでも特に、高級品として珍重される身が厚く表層に星型の亀裂が入る冬菇(どんこ)が名産[27]。野菜の産出額は、白ねぎ(39.0億円)、こねぎ(31.0億円)、トマト(28.0億円)、いちご(26.0億円)、果樹の生産額はナシ(30.4億円)、ブドウ(22.8億円)、ハウスみかん(16.6億円)、かぼす(11.3億円)の順である(2014年度)[28]。
水産業は中高級魚介類が中心で、そのため海面生産量が全国23位であるのに対して海面生産額が10位と高くなっている。特に関あじ、関さばや城下かれいはブランド魚として知られる。リアス式海岸を有する県南部では養殖も盛んであり、ブリ(15,668トン、全国2位)、カンパチ(3,488トン、全国3位)、クロマグロ(1,656トン、全国3位)、ヒラメ(660トン、全国2位)などが生産されている[28]。
畜産では久住高原をはじめとする地域で酪農が行われており、時期によっては放牧されている様を高速道路からでも見ることができる。牛乳及びその加工品も流通している。ブランド牛として豊後牛がある。
高度成長期に大分市が新産業都市の指定を受けて大分臨海工業地帯が形成された。また近年は、大分市や大分空港周辺に電子工業などの立地が進む一方、県北部では、隣接する福岡県東部とともに、自動車関連企業が集積している。このため、全国平均に比べ第二次産業の占める割合が高い[注釈 4]。
大分県の自然エネルギー自給率は、30.1%で全国の都道府県で最も高い[30]。八丁原発電所をはじめ3か所の商用地熱発電所が立地するなど、地熱利用が進んでおり、地熱発電の発電量が全国一であることが主な要因である。
国東市、豊後高田市、姫島村を除く全自治体に鉄道が通っており、JR線4路線がある。私鉄や第三セクター鉄道は存在しないが、別府市に近畿日本鉄道(近鉄)グループの近鉄別府ロープウェイが運営するロープウェイ別府ロープウェイ線と、岡本製作所が運営するケーブルカー別府ラクテンチケーブル線の2路線がある。また、九州地方で新幹線が通らない県は当県と宮崎県だけである。 県内の普通列車の本数は別大都市圏を除いて毎時1本以下となっている。
過去の鉄道路線(廃線)
大分市を中心として別府市・中津市など県北部は大分交通(連結子会社含む)・亀の井バス、佐伯市・竹田市など県南部は大分バス(連結子会社含む)、日田市など県西部は日田バスが路線網を持っている。これらの会社は西日本鉄道と資本的関係がある。また、県外の事業者では、熊本県の九州産交バス(九州横断バスなど)、福岡県の西鉄バス(日田市周辺。以前は中津市にも)が路線を有している。
県の北側から東側にかけては海に面しており、多くの港が設置されている。また、豊後水道を横断し九州と四国を結ぶ航路や、瀬戸内海を通り九州と本州を結ぶ航路が発着している。有人離島も県内には点在しており、定期船が行き来している。
公立 私立
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NHK-FMの親局送信所は別府市の十文字原であるが、FM大分の親局およびOBSラジオのFM補完放送のメイン中継局は、大分市街地を挟んだ大分市の横江山に設置されている。
デジタルテレビの親局送信所は、NHK-FMと同じ十文字原に設置されている。
大分県は、民放テレビ局3社のうちOBSとOABに出資している。OABは中継局が整備されていない地域があるが、その中にはケーブルテレビで再放送が行われている地域もある。
県の大半の地域では豊日方言に属する大分弁が話される。大分弁は東北海岸方言、南部海岸方言、西部方言、北部方言、南部方言の5つに区分され[34]、北部方言のうち旧中津市近辺の方言は中津弁、西部方言のうち日田市近辺の方言は日田弁と呼ばれる。中津弁は福岡県豊前方言である北九州弁との境界が曖昧であり、日田弁を含む西部方言は肥筑方言の影響が大きい。
一部シーンに登場した作品を含む。
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