安藤忠雄

日本の建築家 (1941-) ウィキペディアから

安藤忠雄

安藤 忠雄(あんどう ただお、1941年昭和16年)9月13日 - )は、日本建築家。一級建築士(登録番号第79912号)。安藤忠雄建築研究所代表[1]東京大学特別栄誉教授[2]文化功労者文化勲章受章。21世紀臨調特別顧問、東日本大震災復興構想会議議長代理、大阪府大阪市特別顧問コンクリート打ちっ放し建築を主に住宅教会ホテルなど国内外に数々の作品を発表。「住吉の長屋」(1976年)、「光の教会」(1989年)、「ベネッセアートサイト直島」(1992年 - )、「淡路夢舞台」(2000年)、「こども本の森 中之島」(2020年)などの代表作が知られる[1][3]

概要 安藤忠雄, 生誕 ...
安藤忠雄
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2004年撮影
生誕 (1941-09-13) 1941年9月13日(83歳)
大阪府大阪市港区
国籍 日本
出身校 大阪府立城東工業高等学校
職業 建築家
受賞 日本建築学会賞作品賞(1979年)
毎日芸術賞(1987年)
日本芸術院賞(1993年)
プリツカー賞(1995年)
高松宮殿下記念世界文化賞(1996年)
RIBAゴールドメダル(1997年)
AIAゴールドメダル(2002年)
京都賞思想・芸術部門(2002年)
UIAゴールドメダル(2005年)
ジョン・F・ケネディセンター芸術金賞(2010年)
後藤新平賞(2010年)
公式サイト www.tadao-ando.com
所属 安藤忠雄建築研究所
建築物 住吉の長屋
光の教会
地中美術館
閉じる
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光の教会1989年竣工)

略歴

要約
視点

大阪府大阪市港区生まれ、同市旭区出身。三人兄弟で弟が2人いる。双子の弟は、北山創造研究所(都市コンサルタント業/商品デザイン業)を主宰する北山孝雄。下の弟は建築家の北山孝二郎ピーター・アイゼンマンとのコラボレーションで名を馳せた)。一人娘だった母親の実家・安藤家を継ぐため、生前からの約束に従い祖父母の安藤彦一・キクエの養子となる。大阪の下町にある間口2、奥行き8間の長屋で育つ。

大阪府立城東工業高等学校卒業。月給1万円の時代に、4回戦のファイトマネーが4千円という報酬に魅せられ、高校在学中の17歳の時にプロボクサーのライセンスを取得し[4][5]フェザー級でデビュー。リングネームは「グレート安藤」。以後、10試合ほど行い6回戦まで行った[6][7] が、所属ジムに来ていたファイティング原田の練習を見て、身体能力の桁が違うとその才能に圧倒され、1年半ほどでボクシングからは引退する[8][9]

もともと、中学生の頃、自宅の建て替えを担当した大工や、中学時代の数学教師からの影響で、建築に興味を持っていた[8]。このため卒業後、前衛美術を志向する具体美術協会に興味を持つ。

経済上の理由で大学には通えなかったことから建築学の専門教育は受けておらず、毎日15時間以上独学し、建築科の学生が通常4年かけて学ぶ内容を1年で習得して建築士試験に1発で合格した[10][注釈 1]。また、水谷頴介の建築設計事務所でのアルバイトもしていた。

木工家具の製作で得た資金を手に、24歳の時から7ヶ月、欧米アフリカアジアへ放浪の旅に出る。ヨーロッパからの帰路、南仏マルセイユで数週間待たされた後、帰国の船に乗り、アフリカの象牙海岸ケープタウンマダガスカルに立ち寄り、インドボンベイ(現:ムンバイ)で下船する。安藤は“何かに導かれるように”汽車に乗り、ベナレスに向かった。ガンジス川が泳ぎ、死者火葬に付される傍らで多くの人々が沐浴するさまや、強烈な太陽の下、異様な臭気に包まれた果てしなく続く大地が渾然一体となり人間の生がむき出しにされた混沌世界に強烈な印象を受け、逃げ出したい気持ちを必死にこらえながらガンジス川の岸辺に座り込み、「生きることはどういうことか」を自問し続けた。「人生というものは所詮どちらに転んでも大した違いはない。ならば闘って、自分の目指すこと、信じることを貫き通せばいいのだ。闘いであるからには、いつか必ず敗れるときが来る。その時は、自然に淘汰されるに任せよう」と考え、ゲリラとしての生き方を決心する。1965年、24歳のときである。この放浪中に安藤が撮影した写真は、ルイス・I・カーンの作品集などで使われている。

1977年のローズガーデン(兵庫県神戸市生田区)等初期の作品のいくつかは、弟の孝雄の所属していた、セツ・モードセミナー出身の浜野安宏が代表を務める浜野商品研究所(1992年、浜野総合研究所と改名)と共に実現した。

1970年代には個人住宅などの小規模建築、1980年代には商業施設、仏教寺院やキリスト教会などの中小規模の建築の設計が多かった。1990年代以降は、公共建築、美術館建築、海外の仕事も増えている。

手掛ける建築では、コンクリートを多用する。その理由について「コンクリートは20世紀を代表する材料で、なおかつ誰にでも手に入る材料だ。私は誰にでも手に入る材料をもって、誰にでもない世界を創りたいと思う」と2021年に語っている[11]

年表

社会活動

環境問題と植樹・緑化

大阪市の桜之宮公園から中之島公園を結ぶルートに桜を植樹する運動を提唱し、「桜の会・平成の通り抜け」実行委員長。3000本を植樹し、「造幣局の通り抜け」とともに「平成の通り抜け」として大阪に新たな桜の名所をつくろうとするもの。

東京都庁からは「緑の東京募金実行委員会」委員長に任命され、東京湾埋立地に植樹する「海の森」プロジェクト[19] を、呼びかけ人の一人として推進している。

梅田スカイビルを建築した積水ハウス2013年6月17日に、安藤の発案で、同ビル内に高さ9メートル、長さ78メートルに亘って約50種の草木を植樹する内容の「緑の壁」計画を発表した[20]。ビル緑化の取り組みの一つとされていたが、同日にビルの庭園の設計を担当した造園家吉村元男が、当該計画は庭園のデザインの統一性を損ね、かつ著作権侵害にあたるとして、同月19日に同社に対し、工事中止を求める仮処分大阪地方裁判所に申請した[21]

2012年のインタビューでは、地球の資源環境に関して、建築家が自分の仕事について考える方法は今も昔も同じで、利用可能な資源とエネルギーの使用に取り組む方法に変化や焦点の変化はないが、若い建築家がこれについて考え始めることは重要である旨を語っている[22]

東京オリンピック、関西・大阪万博など

石原慎太郎東京都知事が推進した2016年東京オリンピック招致委員会の理事に任命され、東京オリンピックデザイナー総監督をも務めることとなった[注釈 4]

東日本大震災の被災者支援・復興

東日本大震災で親を亡くした子どもたちの学びを支援するため、文化人ら7名と共に遺児育英資金「桃・柿育英会」[23] を発足させ、実行委員長を務める。少なくとも10年間は子どもたちの成長を見守り、良好な教育環境の中で学んでいく意欲を支え続けることを主旨として、一口一万円を10年間寄付する支援者を募り、被災地の遺児・孤児へと支給していく。

「こども本の森」図書館

子供向け図書館を私費を投じて建設し、各地の自治体に寄贈する「こども本の森」を、大阪市中之島を皮切りに、岩手県遠野市、兵庫県神戸市、北海道大学札幌市)構内へと展開している[24]

「こども本の森 中之島」計画は2017年に発表し、大阪市も賛同し、2019年夏頃の開館を目指して寄付を募集した[25]。自らも費用を負担するとともに、大阪財界の企業を回って寄付を募っている。「新聞や本を読まない子が増えており、活字文化の大切さを見直したい」「お金持っては死ねない」との信念に基づく活動であると話している[26]。なお、同図書館は2020年7月5日に開館した[27][28]

人物・エピソード

  • 野武士世代と伝えられている(建築家槇文彦が命名。)。
  • 阪神タイガースファンである。
  • 安藤に保護され、事務所で飼っていた迷子の子犬を、ル・コルビュジエに肖り、コルと名付けた。
  • 過保護に育てられているとして「1980年以降に生まれた人たちはダメだ」と大学の講演などで発言し、気概があるのは高齢者ばかりで今の若者はダメ、高齢者が亡くなったあと日本は相当困ると指摘している[29]
  • 事務所は自分のデザインした建築であるが、本人は(関西圏の)一般のマンションに住んでいる[30]

闘病

2009年胆のうがん十二指腸癌の手術ため、胆のう胆管十二指腸を摘出[31]2014年7月にはすい臓がんが発見され、膵臓脾臓を全て摘出する手術を受け、2度の手術で5つの臓器を摘出した[32]

読売新聞』の取材に応じて、同紙土曜日夕刊「一病息災」で2023年11月に闘病体験が連載された。

血糖値をコントロールするため、1日6回血糖値を測定し、インスリン注射を打っている。それ以前は朝10時から夜8時までノンストップで働いていたが、医者に昼食後1時間から1時間半程度休憩するように言われ、実践。今まで読めなかった本に接し、さらに新たなイマジネーションが湧くという[11]

作品

さらに見る 竣工年, 名称 ...
竣工年名称所在地備考
1969年旧国鉄大阪駅周辺再開発計画27大阪市北区日本の旗 日本計画案
1971年スワン商会ビル 小林邸27大阪市旭区日本の旗 日本計画案
1972年ゲリラ 加藤邸27大阪市旭区日本の旗 日本計画案
1973年富島邸27大阪北区日本の旗 日本現存せず
高橋邸28兵庫県芦屋市日本の旗 日本
1974年平岡邸28兵庫宝塚市日本の旗 日本
立見邸27大阪日本の旗 日本現存せず
芝田邸28兵庫芦屋市日本の旗 日本
内田邸26京都市左京区日本の旗 日本
宇野邸26京都市右京区日本の旗 日本
1975年双生観28兵庫県宝塚市日本の旗 日本
松村邸28兵庫神戸市東灘区日本の旗 日本
Twin Wall日本の旗 日本計画案
四軒長屋27大阪日本の旗 日本計画案
1976年住吉の長屋27大阪住吉区日本の旗 日本
貫入 平林邸27大阪吹田市日本の旗 日本
番匠邸23愛知みよし市日本の旗 日本
帝塚山タワープラザ27大阪市住吉区日本の旗 日本
1977年ローズガーデン28兵庫県神戸市中央区日本の旗 日本
帝塚山の家 真鍋邸27大阪市阿倍野区日本の旗 日本
領壁の家 松本邸28兵庫県芦屋市日本の旗 日本現存せず
北野アレイ28兵庫県神戸市中央区日本の旗 日本
1978年甲東アレイ28兵庫西宮市日本の旗 日本
ガラスブロックの家 石原邸27大阪生野区日本の旗 日本
大楠邸13東京世田谷区日本の旗 日本
サニーガーデン28兵庫県西宮市日本の旗 日本
1979年ガラスブロックウォール 堀内邸27大阪市住吉区日本の旗 日本現存せず
片山ハウス28兵庫県西宮市日本の旗 日本現存せず
大西邸27大阪市住吉区日本の旗 日本
松谷邸26京都市伏見区日本の旗 日本
上田邸33岡山総社市日本の旗 日本
1980年STEP37香川高松市日本の旗 日本現存せず
松本邸30和歌山和歌山市日本の旗 日本
北野アイビーコート28兵庫県神戸市中央区日本の旗 日本
福邸30和歌山県和歌山市日本の旗 日本
1981年リンズギャラリー28兵庫県神戸市中央区日本の旗 日本
小篠邸28兵庫県芦屋市日本の旗 日本
大淀のアトリエI27大阪市北区日本の旗 日本富島邸を増改築、現存せず
児島の共同住宅33岡山倉敷市日本の旗 日本
番匠邸増築23愛知みよし市日本の旗 日本
ファッションライブシアター28兵庫県神戸市日本の旗 日本現存せず
1982年サンプレイス(香川相互銀行南新町支店)37香川県高松市日本の旗 日本
大淀のアトリエ(2期)27大阪市北区日本の旗 日本
石井邸22静岡浜松市日本の旗 日本
双生観の茶室28兵庫県宝塚市日本の旗 日本
赤羽邸13東京都世田谷区日本の旗 日本
九条の町屋27大阪西区日本の旗 日本
1983年六甲の集合住宅I28兵庫県神戸市灘区日本の旗 日本
ビギ・アトリエ13東京渋谷区日本の旗 日本
梅宮邸28兵庫県神戸市日本の旗 日本
茂木邸28兵庫県神戸市日本の旗 日本
金子邸13東京都渋谷区日本の旗 日本
1984年フェスティバル47沖縄那覇市日本の旗 日本現 ドン・キホーテ国際通り店
植条邸27大阪府吹田市日本の旗 日本現存せず
太田邸33岡山高梁市日本の旗 日本
MELROSE13東京目黒区日本の旗 日本
岩佐邸28兵庫県芦屋市日本の旗 日本
南林邸29奈良生駒市日本の旗 日本
TIME'S26京都中京区日本の旗 日本
畑邸28兵庫県西宮市日本の旗 日本
小篠邸増築28兵庫県芦屋市日本の旗 日本
心斎橋TO27大阪市中央区日本の旗 日本
1985年ジュン・ポートアイランドビル28兵庫県神戸市中央区日本の旗 日本
アトリエ・ヨシエ・イナバ13東京都渋谷区日本の旗 日本現存せず
中山邸29奈良奈良市日本の旗 日本
モン・プティ・シュ26京都市左京区日本の旗 日本現存せず
青葉台のアトリエ13東京都目黒区日本の旗 日本現存せず
吉本邸27大阪市西区日本の旗 日本
服部邸ゲストルーム27大阪市阿倍野区日本の旗 日本
大淀の茶室(ベニヤの茶室)27大阪市北区日本の旗 日本現存せず
青山TO13東京都渋谷区日本の旗 日本
1986年福原病院13東京都世田谷区日本の旗 日本
城戸崎邸13東京都世田谷区日本の旗 日本
リランズゲート28兵庫県神戸市中央区日本の旗 日本
沖辺邸27大阪日本の旗 日本
孫邸27大阪天王寺区日本の旗 日本
佐々木邸13東京港区日本の旗 日本現存せず
太陽セメント本社ビル27大阪福島区日本の旗 日本
TSビル27大阪市北区日本の旗 日本
風の教会(六甲の教会)28兵庫県神戸市灘区日本の旗 日本
ゲストハウスOLD/NEW六甲28兵庫県神戸市灘区日本の旗 日本現 ヒルサイド神戸
細工谷の家27大阪市天王寺区日本の旗 日本
BIGI 3rd27大阪中央区日本の旗 日本
大淀の茶室(ブロックの茶室)27大阪市北区日本の旗 日本現存せず
北野TO28兵庫県神戸市中央区日本の旗 日本
OXY北野28兵庫県神戸市中央区日本の旗 日本
大淀のアトリエ(3期)27大阪市北区日本の旗 日本
TKビル13東京都港区日本の旗 日本
1987年田中山荘(山中湖のアトリエ)19山梨南都留郡日本の旗 日本
唐座13東京台東区日本の旗 日本現存せず
天王寺博覧会テーマ館27大阪市天王寺区日本の旗 日本現存せず
OXY鰻谷27大阪市中央区日本の旗 日本現存せず
上田邸増築33岡山県総社市日本の旗 日本
神宮前のアトリエ13東京都渋谷区日本の旗 日本
J ROOM23愛知名古屋市中区日本の旗 日本現存せず
1988年Iハウス28兵庫県芦屋市日本の旗 日本
水の教会 01北海道占冠村日本の旗 日本
ガレリア・アッカ27大阪市中央区日本の旗 日本
小倉邸23愛知県名古屋市日本の旗 日本
B-Lock 神楽岡26京都左京区日本の旗 日本
吉田邸27大阪富田林市日本の旗 日本
大淀の茶室(テントの茶室)27大阪市北区日本の旗 日本現存せず
1989年コレッツィオーネ13東京港区日本の旗 日本
モロゾフ P&P スタジオ28兵庫県神戸市中央区日本の旗 日本
ライカ本社ビル27大阪住之江区日本の旗 日本現存せず
光の教会27大阪茨木市日本の旗 日本日本キリスト教団茨木春日丘教会
兵庫県立こどもの館28兵庫姫路市日本の旗 日本
近江高等学校夏川記念会館25滋賀彦根市日本の旗 日本
城尾邸13東京都渋谷区日本の旗 日本
矢尾クリニック27大阪寝屋川市日本の旗 日本現・ムーミン歯科
1990年B-Lock北山26京都北区日本の旗 日本
伊東邸13東京都世田谷区日本の旗 日本
国際花と緑の博覧会「名画の庭」27大阪日本の旗 日本現存せず
シーズビル27大阪市北区日本の旗 日本
十文字美信仮設劇場13東京新宿区日本の旗 日本
松谷邸増築26京都市伏見区日本の旗 日本
岩佐邸増築28兵庫県芦屋市日本の旗 日本
1991年姫路文学館28兵庫県姫路市日本の旗 日本
石河邸27大阪高槻市日本の旗 日本
佐用ハウジング28兵庫佐用町日本の旗 日本
ロック・フィールド静岡ファクトリー22静岡磐田市日本の旗 日本
播磨ヘリポート28兵庫上郡町日本の旗 日本
ミノルタセミナーハウス28兵庫県神戸市西区日本の旗 日本
大淀のアトリエII27大阪市北区日本の旗 日本
本福寺水御堂28兵庫淡路市日本の旗 日本
TIME'S II26京都市中京区日本の旗 日本
1992年ベネッセハウス ミュージアム37香川直島町日本の旗 日本
シカゴ美術館 屏風ギャラリーシカゴアメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
大手前女子大学アートセンター28兵庫県西宮市日本の旗 日本
セビリア万国博覧会 日本政府館セビリアスペインの旗 スペイン現存せず
熊本県立装飾古墳館43熊本山鹿市日本の旗 日本
宮下邸28兵庫県神戸市日本の旗 日本
姫路市立星の子館28兵庫県姫路市日本の旗 日本
1993年六甲の集合住宅II28兵庫県神戸市灘区日本の旗 日本
ヴィトラセミナーハウスヴァイル・アム・ラインドイツの旗 ドイツ
兵庫県立大学看護学部・看護研究科28兵庫明石市日本の旗 日本
YKKセミナーハウス12千葉習志野市日本の旗 日本
垂水の教会 西須磨福音ルーテル教会28兵庫県神戸市垂水区日本の旗 日本
李邸12千葉船橋市日本の旗 日本
ギャラリー野田28兵庫県神戸市灘区日本の旗 日本
1994年サントリーミュージアム 天保山27大阪港区日本の旗 日本現 大阪文化館・天保山
大阪府立近つ飛鳥博物館27大阪河南町日本の旗 日本
京都府立陶板名画の庭26京都左京区日本の旗 日本
マックスレイ本社ビル27大阪城東区日本の旗 日本
鹿児島大学稲盛会館46鹿児島鹿児島市日本の旗 日本
兵庫県立木の殿堂28兵庫香美町日本の旗 日本
紀陽銀行堺支店27大阪堺市日本の旗 日本
成羽町美術館33岡山県高梁市日本の旗 日本
日本橋の家 - 金森邸27大阪市中央区日本の旗 日本
1995年アサヒビール大山崎山荘美術館26京都大山崎町日本の旗 日本
市立五條文化博物館29奈良五條市日本の旗 日本
播磨高原東小学校28兵庫たつの市日本の旗 日本
ベネッセハウス オーバル37香川県直島町日本の旗 日本
綾部工業団地・交流プラザ26京都綾部市日本の旗 日本
かほく市立金津小学校17石川かほく市日本の旗 日本
大淀のアトリエ・アネックス27大阪市北区日本の旗 日本
ユネスコ瞑想空間パリフランスの旗 フランス
長良川国際会議場21岐阜岐阜市日本の旗 日本
1996年大阪港国際フェリーターミナル27大阪市住之江区日本の旗 日本
姫路文学館南館28兵庫県姫路市日本の旗 日本
白井邸26京都八幡市日本の旗 日本
平野区の町屋27大阪平野区日本の旗 日本
ギャラリー小さい芽(澤田邸)28兵庫県西宮市日本の旗 日本
1997年シカゴの住宅シカゴアメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
越知町立横倉山自然の森博物館39高知越知町日本の旗 日本
TOTOセミナーハウス28兵庫淡路市日本の旗 日本
八木邸28兵庫県西宮市日本の旗 日本
青木の集合住宅28兵庫県神戸市灘区日本の旗 日本
小海町高原美術館20長野小海町日本の旗 日本
播磨高原東中学校28兵庫県たつの市日本の旗 日本
モンテンルパ社会復帰センターモンテンルパフィリピンの旗 フィリピン
1998年ダイコク電機本部ビル23愛知春日井市日本の旗 日本
渡辺淳一記念館01北海道札幌市中央区日本の旗 日本
瀬戸内リトリート青凪38愛媛松山市日本の旗 日本
エリエールスクエア松山 エリエール美術館38愛媛県松山市日本の旗 日本
ネパール子ども病院ブトワールネパールの旗 ネパール
赤い帽子 織田廣喜ミュージアム25滋賀日野町日本の旗 日本
朝日新聞岡山支局33岡山北区日本の旗 日本
1999年六甲の集合住宅III28兵庫県神戸市灘区日本の旗 日本
淡路夢舞台28兵庫県淡路市日本の旗 日本
光の教会日曜学校27大阪茨木市日本の旗 日本
西宮市貝類館28兵庫県西宮市日本の旗 日本
南寺(直島・家プロジェクト37香川県直島町日本の旗 日本
2000年FABRICA(ベネトン・アートスクール)トレヴィーゾイタリアの旗 イタリア
新潟市立豊栄図書館15新潟北区日本の旗 日本
南岳山光明寺38愛媛西条市日本の旗 日本
ミュゼふくおかカメラ館16富山高岡市日本の旗 日本
2001年宝塚温泉28兵庫県宝塚市日本の旗 日本
大阪府立狭山池博物館27大阪大阪狭山市日本の旗 日本
ピューリッツァー美術館セントルイスアメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
兵庫県立美術館+神戸市水際広場28兵庫県神戸市中央区日本の旗 日本
四国村ギャラリー37香川県高松市日本の旗 日本
司馬遼太郎記念館27大阪東大阪市日本の旗 日本
フォレストプラザ表参道13東京都渋谷区日本の旗 日本
国際芸術センター青森02青森青森市日本の旗 日本
アルマーニ・テアトロミラノイタリアの旗 イタリア
2002年国際子ども図書館13東京都台東区日本の旗 日本
石川県西田幾多郎記念哲学館17石川かほく市日本の旗 日本
フォートワース現代美術館フォートワースアメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
アサヒビール神奈川工場ゲストハウス14神奈川南足柄市日本の旗 日本
マンチェスター市ピカデリー公園マンチェスターイギリスの旗 イギリス
アウディ・ジャパン本社ビル13東京都世田谷区日本の旗 日本
灘浜ガーデンバーデン28兵庫県神戸市灘区日本の旗 日本
加賀市立錦城中学校17石川加賀市日本の旗 日本
コキュ・オフィスビル13東京都渋谷区日本の旗 日本
尾道市立美術館34広島尾道市日本の旗 日本
2003年砂漠の家 乗馬施設ニューメキシコ州アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
野間自由幼稚園22静岡伊東市日本の旗 日本
4m×4mの家28兵庫県神戸市垂水区日本の旗 日本
一戸町立一戸南小学校03岩手一戸町日本の旗 日本
CUE NISHIAZABU(西麻布の集合住宅)13東京都港区日本の旗 日本
ロック・フィールド玉川ファクトリー14神奈川川崎市高津区日本の旗 日本
2004年ホンブロイッヒ・ランゲン美術館ノイスドイツの旗 ドイツ
県立ぐんま昆虫の森 昆虫観察館10群馬桐生市日本の旗 日本
見えない家トレヴィーゾイタリアの旗 イタリア
シティハウス仙川13東京調布市日本の旗 日本
地中美術館37香川県直島町日本の旗 日本
東京アートミュージアム13東京都調布市日本の旗 日本
仙川アベニュー アネックスII13東京都調布市日本の旗 日本
絵本美術館 まどのそとのそのまたむこう07福島いわき市日本の旗 日本
加子母村ふれあいコミュニティセンター21岐阜中津川市日本の旗 日本
ICED TIME TUNNEL The Snow Show 2004ロバニエミ フィンランド
サイトウ・キネン・フェスティバル・松本・
オペラ「ヴォツェック」舞台構成
20長野松本市日本の旗 日本現存せず
2005年ロック・フィールド 神戸ヘッドオフィス
/神戸ファクトリー
28兵庫県神戸市日本の旗 日本
高槻の住宅27大阪府高槻市日本の旗 日本
hhstyle.com/casa13東京都渋谷区日本の旗 日本
4m×4mの家II28兵庫県神戸市垂水区日本の旗 日本現存せず
2006年表参道ヒルズ13東京都渋谷区日本の旗 日本
坂の上の雲ミュージアム38愛媛県松山市日本の旗 日本
滋賀の住宅25滋賀大津市日本の旗 日本
ベネッセハウス ビーチ/パーク37香川県直島町日本の旗 日本
游庵13東京都港区日本の旗 日本
小篠邸ゲストハウス(KHギャラリー)28兵庫芦屋市日本の旗 日本
MORIMOTOニューヨークアメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
さくら広場(幕張)12千葉美浜区日本の旗 日本
さくら広場(門真)27大阪門真市日本の旗 日本
米子東病院31鳥取米子市日本の旗 日本
パラッツォ・グラッシ再生計画ヴェネツィアイタリアの旗 イタリア
新桜宮橋27大阪日本の旗 日本
2007年曹洞宗太岳院14神奈川秦野市日本の旗 日本
21 21 DESIGN SIGHT13東京都港区日本の旗 日本
堺の住宅27大阪府堺市日本の旗 日本
仙川デルタスタジオ13東京都調布市日本の旗 日本
深井邸27大阪日本の旗 日本
調布市 音楽・芝居小屋13東京都調布市日本の旗 日本
長尾小学校28兵庫神戸日本の旗 日本
2008年クラーク美術館 ランダー・センターマサチューセッツ州アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
スリランカの住宅ミリッサスリランカの旗 スリランカ
聖心女子学院創立100周年記念ホール13東京都渋谷区日本の旗 日本
さくら広場(豊中)27大阪豊中市日本の旗 日本
東京地下鉄副都心線東京急行電鉄東横線渋谷駅東京都渋谷区日本の旗 日本
東京大学大学院情報学環 福武ホール13東京文京区日本の旗 日本
ハンファHRDセンター京畿道加平郡大韓民国の旗 韓国
済州島 石の門 風の門済州島大韓民国の旗 韓国
京阪電鉄中之島線 なにわ橋駅27大阪市北区日本の旗 日本
2009年六甲の集合住宅Ⅳ28兵庫県神戸市灘区日本の旗 日本
横浜地方気象台14神奈川県横浜市中区日本の旗 日本
プンタ・デラ・ドガーナヴェネツィアイタリアの旗 イタリア
環太平洋大学TOPGUN33岡山東区日本の旗 日本
俄ビル26京都市中京区日本の旗 日本
2010年ストーン・スカルプチュア・ミュージアムバート・クロイツナハドイツの旗 ドイツ
ノバルティス研究施設棟 WSJ-352バーゼルスイスの旗 スイス
竜王駅+南北駅前広場19山梨甲斐市日本の旗 日本
チャスカ茶屋町27大阪市北区日本の旗 日本
靱公園の住宅27大阪市西区日本の旗 日本
李禹煥美術館37香川県直島町日本の旗 日本
あてま森と水辺の教室 森のホール 水辺のホール15新潟県十日町市日本の旗 日本
名古屋の住宅23愛知県名古屋市日本の旗 日本
滋賀の住宅25滋賀県大津市日本の旗 日本
光の美術館 CLAVE GALERIE19山梨北杜市日本の旗 日本
光の教会 牧師館27大阪府茨木市日本の旗 日本
2011年シャトー・ラ・コスト(アート・センター、
チャペル、4グラス・キューブス・パヴィリオン)
エクサンプロヴァンスフランスの旗 フランス
モンテレイの住宅モンテレイメキシコの旗 メキシコ
東急大井町線上野毛駅13東京都世田谷区日本の旗 日本
カルロス・プレイス "サイレンス"ロンドンイギリスの旗 イギリス
2012年ミュージアムSAN原州市大韓民国の旗 韓国
マリブの住宅IIIマリブアメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
モンテレイ大学RGSセンターモンテレイメキシコの旗 メキシコ
仙川の集合住宅II13東京都調布市日本の旗 日本
秋田県立美術館05秋田秋田市日本の旗 日本
震旦美術館上海市中華人民共和国の旗 中国
ボンテ・ミュージアム済州島大韓民国の旗 韓国
老木レディースクリニック27大阪府和泉市日本の旗 日本
高松の住宅37香川県高松市日本の旗 日本
上方落語協会会館27大阪市北区日本の旗 日本
2013年環太平洋大学 PHILOSOPHIA33岡山市東区日本の旗 日本
亜洲大学 亜洲現代美術館台中中華民国の旗 台湾
うめきた広場27大阪市北区日本の旗 日本
芦屋の住宅28兵庫県芦屋市日本の旗 日本
佐渡邸28兵庫県芦屋市日本の旗 日本
おかやま信用金庫 内山下スクエア33岡山市北区日本の旗 日本
JCCクリエイティブセンター、JCCアートセンターソウル大韓民国の旗 韓国
テアトリーノヴェネツィアイタリアの旗 イタリア
ANDO MUSEUM37香川県直島町日本の旗 日本
希望の壁27大阪市北区日本の旗 日本
都市の大樹27大阪市北区日本の旗 日本
2014年クラーク美術館 クラーク・センターマサチューセッツ州アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
上海保利大劇場上海市中華人民共和国の旗 中国
ボスコ・スタジオ&ハウスプエルト・エスコンディードメキシコの旗 メキシコ
広尾の教会13東京都渋谷区日本の旗 日本
デュベティカ ミラノミラノイタリアの旗 イタリア
2015年マリブの住宅Iマリブアメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
良渚村文化芸術センター杭州市中華人民共和国の旗 中国
森の教会驪州市大韓民国の旗 韓国
十和田市教育プラザ02青森県十和田市日本の旗 日本
三河田原駅23愛知県田原市日本の旗 日本
真駒内滝野霊園 頭大仏札幌市南区日本の旗 日本
2016年みやこ町立伊良原小学校・中学校40福岡県みやこ町日本の旗 日本
国際子ども図書館アーチ棟13東京都台東区日本の旗 日本
北菓楼札幌本館札幌市中央区日本の旗 日本
元麻布の住宅13東京都港区日本の旗 日本
2017年森の中の家 安野光雅館26京都府京丹後市日本の旗 日本
大阪商工信用金庫新本店ビル27大阪市中央区日本の旗 日本
2019年JR九州熊本駅新駅舎43熊本西区日本の旗 日本
2020年こども本の森 中之島27大阪市北区日本の旗 日本
2021年こども本の森 遠野遠野市日本の旗 日本
2022年こども本の森 神戸神戸市日本の旗 日本
2022年丸福樓京都市日本の旗 日本ホテル
2024年こども本の森 熊本熊本市日本の旗 日本2024/04/08開館[33]
2025年大阪大学感染症総合教育研究拠点27大阪吹田市日本の旗 日本2025/02/竣工(予定)[34]
進行中
主な作品画像
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六甲の集合住宅 I・II(1984年・1992年)
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タイムズ I・II(1984年・1994年)
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六甲の教会(1987年)
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兵庫県立こどもの館(1990年)
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姫路文学館(1992年)
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本福寺水御堂(1992年)
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セビリア万博日本館(1992年)
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ベネッセハウス ミュージアム(1992年)
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ギャラリー野田(1993年)
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大阪府立近つ飛鳥博物館(1994年)
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サントリーミュージアム(1995年)
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ベネッセハウス オーバル(1995年)
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淡路夢舞台(2001年)
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淡路夢舞台 百段苑(2001年)
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フォートワース現代美術館(2001年)
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国際子ども図書館増築(2003年)
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東京アートミュージアム調布市せんがわ劇場(2005年)
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hhstyle.com/casa(2005年)
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表参道ヒルズ(2006年)
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21_21 DESIGN SIGHT(2007年)
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竜王駅(2008年)
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東急東横線渋谷駅(2008年)
TOP GUN(2009年)
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李禹煥美術館(2010年)
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靱公園の住宅(2010年)
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秋田県立美術館 平野政吉コレクション(2012年)
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亜洲大学 亜洲現代美術館(2013年)
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新国立競技場関連

要約
視点

前段階・2016年五輪

2009年10月の第121次IOC総会ブラジルリオに敗れ、幻に終わった2016年オリンピック構想の「東京オリンピックスタジアム」(想定は都立[35]・国の施設[36] それぞれの説がある)。当時の都知事石原慎太郎は、招致委員会の理事でもあった[37] 安藤にメインスタジアムを含めた建設計画を依頼した[38]

そして安藤(ゼネラルマネジャーとなった[39])がスタジアム建設地に晴海を選び[38]日建設計日本設計山下設計の協力の下[40]、その全体計画をまとめた[41]。2007年11月時点で安藤は、メインスタジアムの(実際の)設計はコンクール(国際コンペ)を開くべきだと思うとも提案していた[42]。2009年には、「オリンピックは、心のレガシー(遺産)だ」ということも訴えた[40]

2020年五輪(コンペ審査)

変わって2012年ラグビーワールドカップ2019の日本開催が2009年7月に決定していたことや、翌2013年に決まる2020年夏季五輪東京の再立候補を見据え、日本スポーツ振興センター(JSC)らが国立競技場の建て替えを決定。

安藤は前述2016年五輪招致の経験や実績などが考慮されて[43]2020招致委員会の評議会委員でもあり[44]、「国立競技場将来構想有識者会議」メンバーに選出されると共に、「新国立競技場国際デザイン競技」の審査委員長も務めることとなった。応募期間(7月20日 - 9月25日)が短かったため海外の著名建築家らに、安藤自身が直接メールを送ってコンクールを知らせるなど尽力した[45]。募集要項を詰めていた時点の2012年4月10日、「有識者会議」傘下「施設建築ワーキンググループ」第1回で出た70m容認案に対し、「相当な大きさです。(略)景観上の課題がある」と、安藤は難色を示していたという情報もある[45]

同年11月7日の最終審査(安藤を含め8人が参加)では、3つの案が拮抗していた[46]。安藤は当初「34番[47]」と、中心があり選手・観客が集中できると考えた「17番のザハ案」(ただし構造フレームが落とす影には懸念)[48][49] との2つで悩み、それを打ち明けた[50]。その後の議論で「34番」の屋根の技術的不安を安藤自身が指摘し、コンサートに用いたい委員からは音漏れを心配する意見も出た[51]

3つを対象に決選投票を実施したが、またも拮抗。休憩後の議論で安藤は理由を示さずに(当初自身が1位としていた34番を除外し)、「17番」と「2番」の2択に持っていった[52]。そして、誰かから「議論で決まらないなら委員長の判断で決定でしょうか」「委員長を2票としていいのでは」など、委ねるような発言があり、安藤は「日本の技術力のチャレンジ」という精神から17番がいいと思いますと表明。他の審査委員から賛成の声が上がったこともあり、河野理事長が締めた[53]。審査委員長メッセージとして、新国立競技場のあり方を「つくるべきは地球人の未来へと向かう灯台、希望の象徴となれる場所」[54][55] と表現していた。その後の11月15日の「有識者会議」(第3回)で安藤は、「最優秀案のほうが、それに日本の技術者が立ち向かっていくという意味ではいいのではないか」などと、選定理由を語った(当初は民主党政権下の会議資料は未公開だったが2015年8月に完全版が公開された)[56]

2020年五輪(2015年7月の会見など)

2013年9月の第125次IOC総会にて、2020年五輪の開催地に東京が選ばれた。

巨額な新国立建設費に関する問題が世間を賑わせてからマスコミの取材が押し寄せたが、安藤はそれを拒否し続けた。最終的に2520億円の予算が承認された2015年7月7日開催の「有識者会議」にも欠席した(後述の会見で「大阪で講演会があったので欠席した」ことを明かした[57][58]

知り合い[59] であるキャスターの辛坊治郎には「何でこんなに増えてるのか、分からへんねん!」と語っていたという[60]。また、別の友人によると安藤は、文科省と日本スポーツ振興センター(JSC)に対して何度も責任をもって当初案を進めるように水面下で主張してきたという[55][59]

下村博文文科相は2015年7月10日に、新国立のデザイン選定理由など「何らかの形で発言してほしい」と述べた[61]。それとの因果は不明だが、16日に都内で記者会見(安藤本人からJSCへの要望で実施)に出席し、記者からの質問に回答した[62]。会見で安藤は「徹底的なコストの議論にはなっていないと思いますよ」とコンペを振り返ったが[63]、一部の委員はコスト面も踏まえて真摯に審査していた[64]

安藤は9月4日、大阪出身を理由に自身がバッシングを浴び、(東京の新国立プロジェクトから)引きずり下ろそうとされたとの、意識を語った[65]

9月24日に公表された第三者検証委員会による本人へのヒアリング資料によると、安藤は「経験豊富な国土交通省に参加してもらい文部科学省との共同で行うべき」だと、初期段階で(関係者に)提言したことがあったという[66]

交友関係者


受賞

栄典

文献

著書

作品集、その他

テレビ出演

  • 日経スペシャル カンブリア宮殿 「建築界のカリスマ安藤忠雄のTOKYO改造計画とは?」(2006年7月24日、テレビ東京)[73]
  • 視点・論点』(2008年9月25日、NHK
  • 『視点・論点』(2009年8月7日、NHK)
  • 『視点・論点』(2010年3月31日、NHK)
  • 『視点・論点』(2010年6月29日、NHK)
  • 情熱大陸』(2010年6月13日、毎日放送
  • 仕事学のすすめ』(2012年3月、NHK)
  • アナザースカイ』安藤忠雄が全米を横断し自身の建築を巡る旅(2012年11月30日、日本テレビ)[74]
  • 『安藤忠雄の対論〜この国の行く末〜』(2017年2月26日 - 、BSフジ)
  • 『インタビュー ここから(NHK)』(2020年5月4日 )
  • 『アナザースカイ』イタリア応援スペシャル!(2020年6月5日、日本テレビ)[75]
  • 日曜美術館 安藤忠雄 魂の建築』(2022年11月20日、NHK Eテレ[76]
など多数。

安藤忠雄建築研究所出身の建築家

関連項目

脚注

外部リンク

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