べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜

2025年放送のNHK大河ドラマ第64作 ウィキペディアから

べらぼう 〜蔦重栄華乃夢噺〜』(べらぼう つたじゅうえいがのゆめばなし)は、2025年令和7年)1月5日から放送されているNHK大河ドラマ第64作[1]

概要 べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜 UNBOUND, ジャンル ...
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江戸時代中期の田沼時代から寛政の改革にかけて活躍し、板元として喜多川歌麿東洲斎写楽らを見出した江戸のメディア王・蔦重(つたじゅう)こと蔦屋重三郎の波瀾万丈な生涯を描く。

制作

2023年4月27日に制作発表が行われた。主演を横浜流星が、脚本を森下佳子が担当し2024年夏にクランクイン予定であることが発表された。なお、横浜はNHKドラマおよび大河ドラマ初出演となる[1]

本作では大きな戦が全くなかった18世紀後半を舞台としており、この時代が描かれるのは大河史上初である[2]

出演者発表は第一弾が2023年10月5日に[3]、第二弾が2024年2月19日に[4]、第三弾が2月21日に[5]、第四弾が4月15日と4月16日に[6][7]、第五弾が4月30日に[8]、第六弾が6月10日に[9]、第七弾が7月15日に[10]、第八弾が8月27日に[11]、第九弾が9月19日に[12]、第十弾が9月27日に[13]、第十一弾が2025年1月11日に[14]、第十二弾が4月15日に[15]行われた。

2024年6月7日、題字が発表された[16]。10月26日、音楽・指揮者の発表と、グローバルVer.のビジュアルならびに特報動画が公開された[17]。11月12日、「放送100年企画」と冠したメインビジュアルが公開された[18][19]

2024年12月12日、劇中の語りをかつて吉原遊廓内に存在した九郎助稲荷という設定で綾瀬はるかが担当することが発表された[20]

タイトルの『べらぼう』とは「たわけ者」「バカ者」、転じて「甚だしい」「桁外れな」という意味[21]。制作統括の藤並英樹は「蔦屋重三郎はきっと『べらぼう!』と罵られていた」と想定し、それが時代の寵児になっていくという様に、「親しみと尊敬を込めた言葉として『べらぼう』と名付けました」と説明している[22]

国際放送での英語タイトルは、「とらわれない」「縛られない」などを意味する『UNBOUND(アンバウンド)』。なお、Unboundには「未製本」の意味もあり、出版に携わる蔦重を暗喩している[17]

あらすじ

要約
視点

安永の初め、江戸吉原。茶屋「蔦屋」の蔦屋重三郎は、義兄の次郎兵衛大火の中で救った少年唐丸とともに、茶屋を切り盛りしつつ、幼馴染の花の井女郎貸本を行うことで生計を立てていた。しかし非公認の岡場所宿場の隆盛により、吉原は閑古鳥が鳴くようになっており、多くの女郎が病や飢えに苦しんでいた。思い悩んだ重三郎は、今をときめく老中田沼意次に面会し、岡場所の取締り「警動」を発してもらうよう訴える。しかし意次は岡場所の存在意義を説き、逆に重三郎が吉原を栄えさせるために何かしているのかと問いただす。勝手な行動を取ったことで養父の駿河屋市右衛門や女郎屋の経営者たち(忘八)に罵倒されつつも、重三郎は吉原のガイドブックである『吉原細見』の質を上げることで客を呼ぼうと思いつく。そして、吉原細見の板元である地本問屋鱗形屋孫兵衛に話をつけると、評判の文人である平賀源内に自腹を切って序文を依頼し、ある程度の評判は得る。続いて絵師・北尾重政とともに女郎たちを花に見立てた『一目千本』を制作し、本作りの面白さに目覚める。さらに地本問屋・西村屋与八と組んで『雛形若菜初模様』制作のために奔走し、重三郎は板元「耕書堂」として本格的に出版事業に参入しようとする。しかし西村屋が重三郎に接近してきたのは鱗形屋の罠であり、鱗形屋と地本問屋のまとめ役・鶴屋喜右衛門によって、『雛形若菜初模様』の出版権も西村屋単独のものとされてしまう。

まずは地本問屋で奉公するよう須原屋市兵衛に助言された重三郎は、鱗形屋で働き始めるが、偽板作りに手を出していた鱗形屋には奉行所の捜査が入り、逮捕されてしまう。空いた席に自身をつかせるように地本問屋たちと交渉した重三郎は、「倍売れる細見を作ったら認める」という言質を得る。内容や割付を工夫して掲載情報を増やしつつも半値にしたことと、重三郎の助けになりたいと考えた花の井が長らく絶えていた瀬川の名跡をついだことで、その情報が唯一載っている重三郎の細見『籬の花』は飛ぶように売れ、条件を達成する。しかし、鱗形屋の罪が軽く済んで復帰したことで、地本問屋たちは約束を反故にする。その際に吉原への侮蔑を鶴屋が口にしたことで駿河屋たちは激怒し、地本問屋たちに吉原出禁を言い渡す。

その頃瀬川には高利貸しで財を成した富豪・鳥山検校から身請話が持ち上がる。それをきっかけに重三郎は幼い頃から瀬川に惹かれていたことに気がつき告白する。瀬川は身請けを断り、年季明けに重三郎と一緒になる約束をするが、二人はそれぞれ女郎屋の主人・松葉屋半左衛門と女将・いねから身請けを断って年季明けまで働いても誰も幸せになれない現実を突きつけられる。瀬川は身請けに同意し、重三郎は瀬川への餞を兼ねて豪華絵本を作成することにする。身請けの日、重三郎は瀬川の姿が載った『青楼美人合姿鏡』を贈り、「吉原を楽しいことばかりのところにする」という夢を語る。瀬川は一笑に付すが、重三郎は二人で見てた夢ではないかと問いかけ、自身はその夢を見続けると言う。その言葉を聞いた瀬川は最後の花魁道中をおこない、大門を出て行く。瀬川は瀬以と名を改め、鳥山検校に深く愛され、それに応えようともするが、重三郎のことを忘れられずにいた。

一方、幕府では将軍・徳川家治の信任を受けた意次が、日々悪化する幕府財政への対処に取り組んでいた。意次は膨大な費用を必要とする御三卿の田安家を取り潰すため、病死した当主の弟賢丸の松平定信としての養子入りを強行させるなど強引な手段を取ったが、旧来の秩序を重視する老中松平武元や将軍世子徳川家基らとの対立を招いていた。しかし幕臣たちの困窮はなおも強まり、検校らが組織している当道座から膨大な借金を行い、家督すら左右される状況であることが明るみになる。意次の調査により家治・家基は当道座に対する対処を決断し、手入れが始まる。鳥山検校も幕府の摘発を受け、瀬以は離縁となる。

登場人物

吉原

蔦屋と駿河屋

蔦屋重三郎(つたや じゅうざぶろう)
(柯理 → 蔦屋重三郎)
演:横浜流星(幼少期:高木波瑠
主人公。大門外の茶屋「蔦屋」を事実上経営しつつ貸本業を営む青年。通称は蔦重(つたじゅう)・重三(じゅうざ)、別名は蔦唐丸(つたのからまる)[注釈 1]。幼名は柯理(からまる)。書肆としての号は耕書堂
曲がった事が嫌いな熱血漢。聡明で勘が鋭く、発想力と行動力に優れる。成功のための努力を惜しまず、多少の挫折にも挫けない気性で、養父・市右衛門や鱗形屋孫兵衛からその才覚を評価されている。「ありがた山の寒がらす」「これしか中橋」などの地口を好む洒落た一面も持つ。端整な風貌の持ち主で、平賀源内に言い寄られたり、かをりから熱烈に惚れられたりする。
7歳の頃に両親に捨てられ駿河屋に拾われるが、両親が存命ということで他の孤児たちにいじめられる。その頃に寄り添ってくれた朝顔に恩義を感じており、彼女の死をきっかけに女郎たちを飢えさせないよう吉原に客を呼び戻そうと奔走するようになる。その中で本づくりの楽しさに目覚め、出版の力を使って吉原を盛り上げ、魅力を発信しようとするようになり、徐々に味方を増やして成り上がっていく。
「吉原者は女郎に惚れるな」という教育を受けてきたため花の井からの想いに気付かなかったが、彼女の身請けの話を知って自分も惚れている事に気付く。一時は花の井との足抜けも考えるが結局断念し、吉原を挙げての盛大な花魁道中の仕掛け人として彼女を送り出す。吉原俄祭りにおいても実行役として奮闘、祭りの様子を記録した絵本『明月余情』を売り出し成功を収める。大文字屋の勧めもあって「蔦屋」のすぐ近くの店舗に移り書肆としての独立を果たす。当道座の摘発によって鳥山検校から離縁された花の井の身柄を引き取り、一緒に店を切り盛りする事を夢見るが、自分が居ては足手纏いになると配慮した彼女に去られてしまう。
駿河屋市右衛門(するがや いちえもん)
演:高橋克実
引手茶屋「駿河屋」の主人。重三郎の養父。重三郎からは「親父様(おやじさま)」と呼ばれる。店二階の大広間で大店の主人たちを招いて寄合を開く、吉原における最有力者の一人。
海千山千のしたたかな商売人だが、立腹すると暴力を振うなど粗野な一面も持つ。右肩に入れ墨を入れている。
吉原の孤児を拾っては大人になるまで育て奉公に出すなどしているが、重三郎は手元に残し蔦屋で働かせている。重三郎が本づくりに勤しむようになると激怒し、度々折檻するが、それは重三郎の商才を誰よりも買い、駿河屋を継がせることも考えていたためであった。
扇屋宇右衛門に真意を指摘され、『一目千本』に込められた吉原への想いを理解し、重三郎を見守ることとなる。重三郎が書肆として独立した際は保証人となるが、訳ありの存在となった花の井との結婚には反対する。
ふじ
演:飯島直子
駿河屋の女将。重三郎の養母。
夫・市右衛門が気性が激しく多弁であるのと正反対に、穏やかで無口である。しかし重三郎が花の井との結婚を言い出した際には市右衛門と共に反対する。
蔦屋次郎兵衛(つたや じろべえ)[注釈 2]
演:中村蒼
駿河屋市右衛門とふじの実子。重三郎の義兄。
蔦屋の主人だが駿河屋の跡取り息子と見なされているためか仕事熱心ではなく、蔦屋を重三郎に事実上経営させ、自身は挿花三味線などの趣味に勤しんでいる。頼りないが義弟想いで、重三郎を駿河屋市右衛門からたびたび庇う。意外と観察眼が鋭いという一面があり、何気ない一言で重三郎にひらめきを与えている。吉原俄祭りでは普段見せないやる気を見せ、大いに張り切る。
唐丸(からまる)
演:渡邉斗翔
明和の大火にて炎上する建物の方へ一人で歩いているところを重三郎に保護される。火事のショックで記憶喪失となり自分の名前も覚えていないと言うので重三郎の幼名である「からまる(唐丸)」と命名される。しかし、過去の記憶があるような言動を時折見せる。蔦屋に引き取られ、重三郎の仕事を手伝っていたが、恐喝にやってきた浪人から重三郎を守るために浪人とともに川に落ち、消息を絶つ。
礒田湖龍斎の絵を本物そっくりに再現するほどの絵の才能を持っており、重三郎は「当代一の絵師」にすると約束していた。
留四郎(とめしろう)
演:水沢林太郎
蔦屋の奉公人。
唐丸出奔後に蔦屋で働き始め、重三郎の助手的存在となる。

松葉屋

花の井(はなのい)
(あざみ → 花の井 → 瀬川 → 瀬以)
演:小芝風花(幼少期:前田花)
女郎屋「松葉屋」の元呼出花魁。重三郎とは幼馴染で、幼少期の名乗りはあざみ源氏名花の井、のちに瀬川(せがわ)。鳥山検校に嫁いでからは瀬以(せい)と呼ばれる。店内での序列は松の井に次ぐ二番手であったが、瀬川を襲名してからは一番の売れっ子となる。
勝ち気で言うべき事ははっきり言う気性だが、自分が「籠の鳥」である事もわきまえている。踊りの名手でもある。職業柄、人の心の機微に聡く機転もきき、本音を隠して臨機応変な対応ができるが、重三郎には素の姿を見せる。趣味は読書で『青楼美人合姿鏡』では本を読む姿が描かれている。足抜けを計画した重三郎からもらった吉原大門の通行手形の切れ端を肌身離さず持っている。
元は農民の娘で年貢を払いきれなくなった両親により売られる。幼い頃は朝顔付きの禿であり、朝顔が見世を去った後も慕い続け、食事や薬を重三郎に届けさせるなど気にかける。朝顔が死ぬと重三郎と同じように悲しみ、吉原のために奮闘する重三郎に協力するようになる。そして重三郎の作る吉原細見の売上げのために話題を作ろうと、いわくつきの名跡である瀬川を襲名する。
重三郎に長年秘かに想いを寄せ、幼い頃にもらった『塩売文太物語』を大切に持っているが、想いが成就することはないと弁えており表に出すことはなかった。しかし、自身の鳥山検校への身請話をきっかけに両想いとなり、身請を断って年季明けまで待とうとするが、それでは誰も幸せにならないことをいねに諭されて身請けを了承する。吉原を挙げての盛大な花魁道中によって送り出され、鳥山のもとに嫁ぐ。鳥山から高価な品々を惜しみなく買い与えられるなど溺愛されるが、重三郎への想いを捨てきれずその心の内を鳥山に読み取られる事を怖れ、客と女郎のように表面的な間柄を続ける。幕府の当道座への処分がおこなわれた際には松葉屋預かりとなり、その後鳥山の配慮により離縁される。これにより重三郎と結ばれ、本屋を共に切り盛りする約束をするが、自分は重三郎の夢の障害になってしまうと考え、人知れず吉原を去る。
松葉屋半左衛門(まつばや はんざえもん)
演:正名僕蔵
松葉屋の主人。駿河屋で開かれる寄合における中心人物の一人。重三郎からは「松葉の親父様(まつばのおやじさま)」と呼ばれる。
のらりくらりとした物腰の人物。瀬川が重三郎と想いを通わせて身請け話を断ろうとした際には、仕事中の瀬川の姿を重三郎に見せ、年季明けまできつい仕事を続けさせるのかと問いかける。しかし、瀬川への餞別の『青楼美人合姿鏡』は直接渡すように重三郎に言う。
いね
演:水野美紀
松葉屋の女将。瀬川ら女郎からは「女将さん(おかさん)」と呼ばれる。
吉原の掟を厳格に守るが情が無いわけではなく、女郎と見世にとって最善の道を模索し行動している。
元は花魁で松葉屋半左衛門に見初められ女郎屋の女将となった[23]。足抜けしようとしたうつせみや、身請話を断ろうとした瀬川に対して、それでは幸せにはなれないことを理路整然と諭す。再び足抜けしたうつせみを追って源内宅に押しかけ、うつせみの身代金代わりとしてエレキテルを奪った。エレキテルは病の女郎たちの治療に使われたが、効き目がなかったと述べている。
うつせみ
演:小野花梨
松葉屋の座敷持花魁。店内での序列は松の井、花の井に次ぐ三番手。
上位の二人とは違い内気でおとなしい性格。新之助と相思相愛になり、懐事情のよくない彼に代わって自ら揚げ代を払ってでも会いたいと望むほど入れ込む。金を稼ぐために、女郎の肌に刃物で客自身の名を彫り、痛がらせることを喜ぶような変な客をとるようになる。疲弊した様子を見かねた新之助の提案で足抜けを敢行するも失敗して連れ戻され、いねに折檻されながら考えの甘さを指摘される。
その後も新之助への想いは変わらず、俄祭りを訪れた彼との再会を果たすと、そのまま雑踏に紛れて足抜けする。
松の井(まつのい)
演:久保田紗友
松葉屋の呼出花魁。松葉屋では一番の売れっ子。
重三郎が田沼意次と出会った事を知って、意次を松葉屋に連れて来るように頼むなど大胆な性格の持ち主。気位は高いが仲間想いでもあり、また周囲を常に冷静に観察している。空き時間には、客へ出す手紙の下書きをしたためている。
花の井が瀬川を襲名し持てはやされるようになると複雑な感情を抱くが、身請けされた花の井の送別の花魁道中に参加し花を添える。
俄祭では新之助を見付けたうつせみの背中を押し、「祭りには神隠しが付き物」と足抜けを促す。
とよしま
演:珠城りょう
松葉屋の番頭新造
まさ
演:山下容莉枝
松葉屋のやり手[24]
瀬川が身請け話を断ろうとすると、重三郎との関係を察したいねの指示で瀬川の監視も行う。
さくら、あやめ
演:金子莉彩(さくら)、吉田帆乃華(あやめ)
花の井付きの禿。
はなぞの、はなさと
演:平尾菜々花(はなぞの)、齋藤さくら(はなさと)
花の井付きの振袖新造[25]
松崎(まつざき)
(さえ → 松崎)
演:新井美羽
松葉屋の女郎。
元は旗本の娘だったが、鳥山検校とは別の検校の取り立てにより両親が自害したために行き場所を失い、吉原に売られてきた。堕胎により体調を崩し、寮での療養中に検校の妻である瀬川を逆恨みして包丁で襲い、怪我を負わせる。その際に検校の所業により吉原に売られた恨みを述べたため、瀬川に「自分は武家による年貢の取り立てのせいで吉原に売られたがそれを恨んでも仕方ない」と諭される。その後は回復し、大晦日の狐舞では女郎として元気に振る舞う姿を見せる。
はつ
演:長野里美
松葉屋の寮の管理人。
療養中の女郎たちの面倒を見る。

大文字屋

大文字屋市兵衛(だいもんじや いちべえ)
演:伊藤淳史
女郎屋「大文字屋」の主人。駿河屋で開かれる寄合における中心人物の一人。市右衛門以上に短気で粗暴であり、重三郎をしばしば殴りつけるなど、「忘八」の典型例のような人物。重三郎からは「カボチャの親父様」と呼ばれる。
安いカボチャを女郎に食べさせる倹約経営で成り上がった。女郎を商売道具としか考えていない拝金主義者だが、重三郎の試みが金になりそうだとみなすと賛意を示す。将軍家治の日光社参の行列を見物して感銘を受け、吉原俄を盛大な祭りとして開催することを思いつき、企画に賛同した重三郎と共に祭りの実行役として奮闘する。若木屋がこの発案を横取りする形で世話人として名乗りを上げ、しかも同じ雀踊を出し物として選んだたため、憤慨し大いに張り合うが、1ヶ月に渡り雀踊で勝負をした末に心を通じ合わせ、和解する。重三郎に書肆としての独立を勧める一方で、自身は神田にある空き屋敷の購入を目論むが町名主の妨害に遭い、町奉行に訴訟を提起するも退けられるのみならず「吉原者は四民の外」と差別的な扱いを受けてしまう。
かをり
演:稲垣来泉
大文字屋の振袖新造で秘蔵っ子。重三郎に一方的な好意を寄せ、お座敷で聞き覚えた芝居がかったセリフとともに迫って来る。重三郎の発案で富本豊志太夫を歓待する出張宴席に参加、太夫の吉原俄祭り出演の承諾に貢献する。
志げ(しげ)
演:山村紅葉
大文字屋のやり手。かをりの見張り役。

二文字屋

きく
演:かたせ梨乃
浄念河岸の女郎屋「二文字屋(にもんじや)」の女将。
行き場所がなくなった女郎たちの居場所であろうと女郎屋を経営してきたが経営難に陥り、一度は見世を畳む決心をするが、花の井が平蔵に入銀の名目で払わせた五十両を重三郎が横流ししたことにより救われる。重三郎が一時的に蔦屋を追い出されると見世に住まわせ、『一目千本』の製本作業を見世の女郎たちとともに手伝う。
朝顔(あさがお)
演:愛希れいか
二文字屋の女郎。重三郎と花の井にとっては幼い頃世話になった恩人で、「朝顔姐さん」と呼ばれ慕われる。
元は松葉屋の花魁であったが、優しい性格が災いし、きつい客を引き受けたり食事を周囲に分け与えたりしていた結果、体を壊して二文字屋に行きつく。重三郎の見舞いを楽しみにしていたが、飢えと胸の病から亡くなり、身ぐるみを剥がされて他の死んだ女郎たち(演:吉高寧々藤かんな与田りん[26])と共に投げ込み寺に打ち捨てられる。
ちどり
演:中島瑠菜
二文字屋の女郎。
空腹にあえいでいた時に朝顔に弁当を譲られて食べ、その後まもなく朝顔が死去してしまったことを気に病み、重三郎と花の井に朝顔の死を伝える。
春風(はるかぜ)、音羽(おとわ)、歌浦(うたうら)
演:青山美郷(春風)、大田路(音羽)、馬渡綾(歌浦)
二文字屋の女郎たち。
店の経営難のため、音羽は新潟の古町に売られ吉原を去る。

その他(吉原)

半次郎(はんじろう)
演:六平直政
蔦屋の向かいにあるそば屋「つるべ蕎麦」の店主。
重三郎の相談相手であり理解者。
りつ
演:安達祐実
女郎屋「大黒屋」の女将。駿河屋での寄合の紅一点で、中心人物の一人。
「ひんむきゃみんな、人なんて同じ」という信念を持ち、謂れなき差別への怒りを隠さない。
富本豊志太夫の熱烈なひいき客であり、太夫を吉原俄祭りに参加させる事を提案、大文字屋や重三郎と共に実現に奔走する。大文字屋が奉行所から差別的な扱いを受けた際には激怒した。
扇屋宇右衛門(おうぎや うえもん)
演:山路和弘
女郎屋「扇屋」の主人。駿河屋での寄合における中心人物の一人で、駿河屋とともに上座に着く。
理知的な性格で、重三郎が本屋になった事に激怒する市右衛門を宥め、重三郎の考えを商売に活かすように説得する。
若木屋与八(わかぎや よはち)
演:本宮泰風
女郎屋「若木屋」の主人。
駿河屋たちが市中の地本問屋たちを吉原出禁にしたことに納得せず、地本問屋と交流を続ける派閥を結成して吉原を二分する。大文字屋から俄祭りの構想を聞くと、その場では懐疑的な反応を示すが、彼を出し抜く形で世話人として名乗りを上げる。出し物も大文字屋と同じ雀踊りを選んで大いに張り合い、それをきっかけにして和解し、以後は駿河屋の寄合にも顔を出すようになる。
丁子屋長十郎(ちょうじや ちょうじゅうろう)
演:島英臣
女郎屋「丁子屋」の主人。駿河屋での寄合の出席者。左頬に切り傷があるのが特徴。
長崎屋小平治(ながさきや こへいじ)
演:千葉清次郎
引手茶屋「長崎屋」の主人。駿河屋での寄合の出席者。白髪交じりの男。
桐屋伊助(きりや いすけ)
演:キンタカオ
引手茶屋「桐屋」の主人。駿河屋での寄合の出席者。大柄な体格の男。
若木屋が反主流派を形成した際には伊勢屋、玉屋、井筒屋らと若木屋派についたが、俄祭を経て他の店主たちともども寄合に復帰した。
伊勢屋九平治(いせや くへいじ)、玉屋庄兵衛(たまや しょうべえ)、万字屋半四郎(まんじや はんしろう)、泉屋与市(いずみや よいち)、井筒屋孫兵衛(いづつや まごべえ)、山口巴屋半助(やまぐちともえや はんすけ)
演:会田泰弘(伊勢屋)、岡山和之(玉屋)、岡けんじ(万字屋)、車邦秀(泉屋)、佐藤政之(井筒屋)、真木仁(山口巴屋)
吉原の駿河屋での出席者たち。いずれも女郎屋・引手茶屋の大店の主人。
志津山(しづやま)
演:東野絢香
玉屋の座敷持ち花魁。花の井を「床下手」とけなすなど気が強く口が悪い。『一目千本』では葛花見立てられる。
亀菊(かめぎく)
演:大塚萌香
桐菱屋の座敷持ち花魁。気高くツンとした性格から、『一目千本』では山葵の花に見立てられる。
勝山(かつやま)
演:平館真生
四ツ目屋の座敷持ち花魁。非常に無口で、『一目千本』ではくちなしの花に見立てられる。
常磐木(ときわぎ)
演:椛島光
角か那屋の呼出花魁。何人もの客を腹上死させた魔性の女で、『一目千本』では鳥兜に見立てられる。
玉川(たまかわ)
演:木下晴香
角たま屋の呼出花魁。美声の女郎で、『一目千本』では蒲公英の花に見立てられる。
嬉野(うれしの)
演:染谷知里
扇屋屋の呼出花魁。陽気な性格で、『一目千本』では丈菊の花に見立てられる。

江戸市中

平賀源内とその関係者

平賀源内(ひらが げんない)
(厠の男 → 平賀源内)
演:安田顕
鉱山技師、本草学者、蘭学者、浄瑠璃作者、戯作者などさまざまな顔を持ち[注釈 3]、漱石香の宣伝文句を考えてヒットさせる、解体新書の挿絵師に絵を教えるほど絵の心得があるなど、多才な人物。一山当てようと大金をかけて事業を興しては失敗するものの、口の上手さで乗り切っている。その仕事内容と生き様から「山師」と呼ばれるが、自身はそれを誇りとしている。重三郎と出会った当初は貧家銭内(ひんか ぜにない)と名乗っていた。
重三郎が奉行所岡場所の警動を依頼するも取り合ってもらえず、文句を言っていたのを偶然聞き、田沼意次に訴え出ることを提案する。重三郎に吉原細見の序の執筆を依頼されるが、男色家であり、過去に書いた序の出来も悪かったと、一度は断る。しかし重三郎と花の井の働きにより了承し、吉原を自ら見て回った上で、福内鬼外(ふくうち きがい)の筆名で序を提供する。その後は重三郎と親交を深め、困ったときは頼り合う間柄となる。重三郎が板元になろうとすると「耕書堂」の号を贈る。
中津川鉱山の開発を主導する傍ら、副産物である炭を細々と売っていたが、鉱山事業が頓挫すると本格的に炭焼き事業に乗り出す。その後はエレキテルの再現に成功し、病気を治す医療器具として売り出し、評判を取る。
田沼意次の信任が厚く、元の仕え先から奉公構を出されているため表立っては仕えられないものの、裏から資金援助を受けている他、意次の依頼で八代将軍吉宗の書を改竄するなど汚れ仕事にも関わっている。
しかしエレキテルの製法を弥七に盗まれて模倣品が出回ったことと、エレキテル自体に病気を治す効き目がないという評判に苦悩し、焦燥していく。
小田新之助(おだ しんのすけ)
演:井之脇海
源内とともに行動する浪人。源内の助手的存在で、吉宗の書の改竄やエレキテル製作の手伝いなどもする。
生真面目で実直な青年で、湯島長屋に住み、源内を居候させている。重三郎からは「新さん」と呼ばれ親しく付き合い、細見製作などを手伝う。腕力沙汰は不得手で、剣術の腕前もからっきしである。
源内にしたがって吉原を訪れた際、座敷に出たうつせみに一目惚れし、吉原に通うようになる。やがて相思相愛の仲となり「新さま」と呼ばれるようになる。しかし、うつせみが自分との逢瀬のために変な客をとってまで自ら揚げ代を稼ごうとする様子を見て自身の不甲斐なさに苛まれ、足抜けをさせようとするが失敗してうつせみと引き離される。彼女が罰として殺されるのではないかと思い詰め、居宅で切腹を図るが重三郎に止められる。その後もうつせみを諦めきれず、俄祭りの際に吉原に紛れ込みうつせみと二度目の足抜けを決行する。
平秩東作(へづつ とうさく)
演:木村了
内藤新宿煙草屋。源内の仕事仲間。
源内が鉱山事業に失敗するとその出資者に詰め寄られ人質に取られるが、炭焼き事業への転換の目途が立ったため解放される。
杉田玄白(すぎた げんぱく)
演:山中聡
解体新書』で有名な蘭方医。元は源内の弟子のような存在。
ひさ
演:東雲うみ
新之助と同じ長屋に住む町娘。玉菊灯籠の見物に訪れるが、通行切手を発行してもらいながら大門をくぐらなかったことで、新之助のうつせみとの足抜け計画に利用される。その後は源内のエレキテル製作を手伝う。
弥七(やしち)
演:片桐仁
エレキテルの製作を手伝う町人。
手先の器用さを源内に評価され気に入られていたが、エレキテルの図面を盗んで模倣品を作り、源内の商売を行き詰まらせる一因となる。
瀬川菊之丞(せがわ きくのじょう)
演:花柳寿楽[注釈 4]
歌舞伎の女形。源内の亡き恋人。
久五郎(きゅうごろう)
演:齊藤友暁
大工。空き家に源内を無料で住まわせる。
丈右衛門(じょうえもん)
演:矢野聖人
自称旗本用人。源内に屋敷の普請を依頼する。

鱗形屋

鱗形屋孫兵衛(うろこがたや まごべえ)
演:片岡愛之助
地本問屋「鱗形屋」の主人。吉原細見の大手板元。重三郎からは「鱗の旦那様(うろこのだんなさま)」と呼ばれる。
重三郎とは元から知り合いであり、重三郎が提案する吉原細見の改善案を飲むが、金は出さずに利用だけしようとする。重三郎の才覚を評価しつつも自分の手元に置き、さらには吉原の取り込みをも目論む。西村屋、鶴屋と組んで『雛形若菜初模様』の版権を横取りしてしまう。
本づくりへの情熱は本物で、青本の改良をしようと意気込む。しかし、明和の大火により店の経営状況は厳しくなっており、密かに丸屋源六の名で偽板づくりに手を染め、逮捕される。逮捕の原因を重三郎による密告と思い込み、さらに自身の拘留中に取って代ろうとされたとして、重三郎を激しく憎むようになる。市兵衛の口添えを得て軽い処分で釈放されると、重三郎と温めたネタを元に人気戯作者の恋川春町に『金々先生栄花夢』を一大ブームを巻き起こした。しかしなおも莫大な借金に苦しみ、富本豊前太夫や朋誠堂喜三二が重三郎に協力することになったことに焦りを覚える。さらに債権の一部が当道座にわたったことで厳しい取り立てを受けるようになり、手代の徳兵衛が再び偽板作りに手を染めたことで罰金刑を課せられ、信用を失い落ちぶれて行く。
りん
演:蜂谷眞未
鱗形屋孫兵衛の妻。
長兵衛(ちょうべえ)
演:三浦獠太
鱗形屋孫兵衛の長男。
万次郎(まんじろう)
演:野林万稔
鱗形屋孫兵衛の次男。
父親を助けるために利益率のよい書物問屋になろうと漢字の勉強に励む孝行息子。父親が逮捕された後、版権を高値で買い取ると持ち掛けてきた西村屋をきっぱりと拒絶する。
藤八(とうはち)
演:徳井優
鱗形屋の番頭
店の経営状態悪化により多くの従業員に暇を出してしまったため、番頭ながら雑用をこなす。鱗形屋の一度目の偽板づくりに関与し、共に逮捕される。
徳兵衛(とくべえ)
演:山本圭祐
鱗形屋の手代
店の資金難を見かね、孫兵衛に無断で再度偽板作りをおこない摘発される。

出版人たち

小泉忠五郎(こいずみ ちゅうごろう)
演:芹澤興人
浅草摺物屋。もともと独自の吉原細見を発行していたが、西村屋が細見作りに参入するとその改(あらため)となる。
重三郎とは元から知り合いで、西村屋の下で共に細見を作ろうと誘うが、きっぱりと断られると敵意を燃やす。
西村屋与八(にしむらや よはち)
演:西村まさ彦
錦絵で有名な地本問屋「西村屋」の主人。
口八丁手八丁の策士で、吉原者を軽蔑しつつも吉原での一儲けを企んだり、入獄した鱗形屋の版権買取りを家族に持ちかけるなど商魂たくましい人物。
『雛形若菜初模様』制作時に重三郎に協力を申し出て、呉服屋からの入銀や江戸市中での販売を実現させるが、手配をすべて重三郎にさせた上で騙し、版権を自分だけのものとする。鱗形屋が逮捕されると吉原細見の出版に参入し、重三郎と売り上げを競う。鱗形屋、鶴屋と共に市右衛門らから吉原への出入り禁止を申し渡されるが、若木屋と結託して巻き返しを図り、俄祭りに合わせて『青樓俄狂言』を出版する。
忠七(ちゅうしち)
演:斉木テツ
西村屋の手代。
鶴屋喜右衛門(つるや きえもん)
演:風間俊介
地本問屋「鶴屋」の主人。地本問屋仲間のまとめ役。童顔で駿河屋市右衛門からは「赤子面(あかごづら)」と言われる。
慇懃な口調と物腰だが、重三郎ら吉原者に対して露骨な差別意識を持つ。一方で出版に対しては怜悧な分析力の持ち主でもある。
鱗形屋、西村屋と組み、重三郎の板元としての新規参入を阻む。吉原の楼主たちの寄合に乗り込み嫌味な口調で吉原者を侮蔑する言辞を並べ立て、激怒した市右衛門に階段から突き落とされ吉原への出入り禁止を申し渡される。
須原屋市兵衛(すわらや いちべえ)
演:里見浩太朗
書物問屋「須原屋」の主人。
江戸の出版業界の長老で、重厚だが気さくな人物。鶴屋とは違い重三郎ら吉原者への差別意識は持たない。大坂の板元にも顔が利く。
平賀源内の紹介で重三郎と知り合う。板元になるにはどうすべきか相談に乗り、自身の経験からのれん分けを目指して本屋へ奉公に出ることを提案する。重三郎を見どころのある若者と認め、その後も何かと目をかけている。鱗形屋が逮捕された際には大坂の板元と掛け合い、穏便に済ませてもらう。
岩戸屋源八(いわとや げんぱち)
演:中井和哉
地本問屋。
重三郎が売れそうな細見を作ると競うように仕入れる。
村田屋治郎兵衛(むらたや じろべえ)、奥村屋源六(おかむらや げんろく)、松村屋弥兵衛(まつむらや やへえ)
演:松田洋治(村田屋)、関智一(奥村屋)、高木渉(松村屋)
地本問屋。
重三郎のことを吉原者として蔑む。

絵師・戯作者

朋誠堂喜三二(ほうせいどう きさんじ)
(平沢常富 → 朋誠堂喜三二)
演:尾美としのり
佐竹家江戸留守居役にして売れっ子の戯作者。朋誠堂喜三二は戯号であり、本名は平沢常富(ひらさわ つねまさ)。吉原に長年通い、「宝暦の色男(ほうれきのいろおとこ)」の異名を持つ。道陀楼麻阿(どうだろう まあ)など別の戯号も用いる。重三郎からは「まあさん」と呼ばれる。
藩重役の身分が露見しないよう気を使いつつ、活発な創作活動を展開する。好奇心旺盛で享楽的な性格。
留守居役の仕事で吉原を使うだけでなく自腹でも通う吉原マニアで、重三郎の作った『青楼美人合姿鏡』を絶賛する。頻繁に吉原を訪れ、吉原で起きる様々な事象の傍観者になっていた[注釈 5]。俄祭りの開催を面白がり、大文字屋陣営の参謀を自ら買って出る。祭りの準備を共にする中で重三郎を気に入り、鱗形屋との板挟みになりつつも重三郎とも仕事をすることを選び、『明月余情』の序を担当する。
北尾重政(きたお しげまさ)
演:橋本淳
挿絵を数多く手掛ける人気絵師。重三郎から入銀本の作画を依頼される。その際に単色の版画では大勢の人物を描き分けるのは困難だと重三郎に教えたことが、女郎を花に見立てる『一目千本』のアイデアにつながる。その後も重三郎と交流を持ち、『青楼美人合姿鏡』の作画を勝川春章とともに手掛ける。
北尾政演(きたお まさのぶ)
演:古川雄大
重政の弟子。のちの山東京伝。絵に関しても女に関しても「手が早い」と重政に評されている。
礒田湖龍斎(いそだ こりゅうさい)
演:鉄拳
美人画で有名な絵師。西村屋の斡旋により『雛形若菜初模様』の作画を請け負う。その後も西村屋の『青樓俄狂言』の作画を請け負う。
勝川春章(かつかわ しゅんしょう)
演:前野朋哉
役者絵で有名な絵師。名前や画風を真似た浮世絵が市中に多く出回るほど人気を集める。北尾重政の紹介で『青楼美人合姿鏡』の作画をともに請け負うことになり、女郎たちの普段の姿を興味津々に観察して描く。重政とともに俄祭りの見物に訪れ、その盛り上がりを体感したことと、礒田湖龍斎の『青樓俄狂言』に対抗心を燃やしたことから、祭りの風景を速報する墨摺り絵を急遽描くことになり、耕書堂から『明月余情』として出版される。
恋川春町(こいかわ はるまち)
(倉橋格 → 恋川春町)
演:岡山天音
小島松平家の内用人。武士としての本名は倉橋格(くらはし いたる)。絵師や戯作者としても活動し、鱗形屋から『金々先生栄花夢』などを出している。
自藩の家老が偽板作りの件で迷惑をかけたことから、経営が傾いた鱗形屋からほぼ謝礼を受け取れないにもかかわらず鱗形屋から本を出し続ける。
歳が離れた喜三二と親しく付き合っており、共著も出している。重三郎との面識はなく、鱗形屋から聞いた話から悪印象をもっている。

芸人とその関係者

富本豊前太夫(とみもと ぶぜんだゆう)
(富本豊志太夫 → 富本豊前太夫)
演:寛一郎
富本節の太夫。初名は富本午之助(とみもと うまのすけ)。
馬面太夫(うまづらだゆう)」とあだ名されるほどの面長な顔立ちだが、美声と男ぶりの良さで絶大な人気を博す。11歳のときに父・初代富本豊前太夫を亡くしたため後ろ盾がなく、襲名がなかなか認められずに豊志太夫(とよしだゆう)を名乗っていたものの、重三郎の働きにより当道座の鳥山検校が動き、豊前太夫襲名が実現する。
かつて門之助とともに素性を隠して吉原に行っていたものの、門之助が役者と露見して見世を追い出された経験から吉原を嫌っており、吉原俄への出演の打診を一度は断る。しかし、重三郎の働きにより心を動かされて了承し、さらに耕書堂から直伝正本を出版することを認める。
市川門之助(いちかわ もんのすけ)
演:濱尾ノリタカ
歌舞伎役者。午之助とは兄弟同然の仲。
名見崎徳治(なみざき とくじ)
演:中野英樹
富本節の三味線方。
初代豊前太夫に代わって豊志太夫を指導し、人気の太夫にまで育て上げるもなかなか襲名が認められないことに悩む。
烏亭焉馬(うてい えんば)
演:柳亭左龍[注釈 6]
大工の棟梁にして浄瑠璃作家。
座元
演:本村健太郎
芝居小屋の座元。

当道座

鳥山検校(とりやま けんぎょう)
演:市原隼人
当道座検校。瀬川の上客、のちに夫。名は玉一(たまいち)。
盲目だが他の感覚が鋭く、まるで見ているかのように人の動きを察したり、声色から他人の感情をも読み取ることができる。女郎たちに細かい気遣いができ、仮名手本忠臣蔵の台詞を用いた会話をするなど洒落っ気もある人物。一方で高利貸しで巨万の富を築いてもおり、重三郎からは「ヒル」と評されている。
瀬川を1400両という大金で身請けし、「瀬以」の名を与え高価な装飾品を惜しみなく買い与え、「望むことは何でもかなえてやる」と述べるなど溺愛する。しかし数年たっても瀬以が打ち解けず女郎と客のような関係性が続く一方で、彼女が重三郎と会った際に声が弾んでいるのを鋭く聞き取り嫉妬を覚え、不義密通を疑う。
重三郎を呼び寄せ、瀬以とともに斬ろうとするが、幕府によるお調べが入ったために重三郎と会うことはなかった。お白州では瀬以に累を及ぼさないため、離縁を申し出る。
座頭
演:ドンペイ
当道座の座頭
高利貸しを生業とし、借り手から厳しく取り立てるのみならず、返済の目途が立たない武家から跡目を奪うことにも手を染めている。

その他(江戸市中)

和泉屋三郎兵衛(いずみや さぶろべえ)[注釈 7]
演:田山涼成
花の井の馴染客。
田沼屋敷に出入りしており、意次に会おうとする重三郎が強引に同行する。
湯屋の主人
演:ジェームス小野田
重三郎が『一目千本』の見本を配った湯屋の主人。
薪炭問屋主人
演:綾田俊樹
薪炭問屋「山崎屋」の主人。
店じまいを考えており、と店を源内に売る。
向こう傷の男
演:高木勝也
浪人風情の男。
唐丸の過去を知っており、それを出しに唐丸を強請って蔦屋の金を盗ませるが、唐丸により川に落とされ、水死体となって発見される。
四五六(しごろく)
演:肥後克広
彫師
重三郎に吉原細見の版木の彫りを依頼される。割の合わない仕事ながら吉原での宴会という報酬に釣られて引き受ける。
去る客、懲りない客
演:児玉智洋(去る客)、赤羽健壱(懲りない客)
吉原の客。
豪商
演:林家三平
松の井、うつせみの客。
松葉屋から俄祭りを見物していたものの、興奮して外で見物しようと松の井、うつせみを連れ出したことがうつせみの足抜けにつながる。

江戸幕府

徳川将軍家と関係者

徳川家治(とくがわ いえはる)
演:眞島秀和
江戸幕府第10代将軍
田沼意次を信任し政務を任せており、意次の傀儡と見なされている。しかし、意次が日光社参を止めさせようと動いていた際には、将来のことを考えると意次のためにならないと諭して受け入れさせるなど、実際には意次の手綱を握っている。将棋を好み、意次と指すこともある。
知保の方(ちほのかた)
演:高梨臨
家治の側室で家基の母。低い身分の出身で意次の助力を得て大奥入りしたものの、現在は反田沼の立場をとる。意次より「欲張り」と評される。
徳川家基(とくがわ いえもと)
演:奥智哉
家治の嫡男。将軍の世子として「西の丸様」と呼ばれる。
文武に優れた聡明な人物ではあるが、財政問題より旧来の秩序や幕府の権威を重視しており、膨大な経費のかかる日光社参の実施を主張するなどしている。そのため意次を「成り上がりの奸賊」と嫌っており、父・家治に対しても憚ることなく意次への不信感を口にする。考え込むときに指の爪を噛むという、母譲りの癖を持つ。田安賢丸や松平武元と手を結び、意次の追い落としを図る。
当道座の一件で幕臣が経済的に困窮していることを痛感し、経済に対する勉強をも始める。
高岳(たかおか)
演:冨永愛
大奥老女
将軍・家治に話を通すことのできる力を持つ。

徳川御三卿の人々

一橋治済(ひとつばし はるさだ)
演:生田斗真
一橋家当主。徳川家治の従兄弟。
飄々と振る舞っているが、実は権謀術数に長けた野心家で、様々な政局の裏側で不気味な暗躍を見せる。
傀儡に凝っており「傀儡師にでもなろうか」と冗談を飛ばし賢丸にたしなめられる。田沼意次とは共に傀儡を披露するなど交流が深く、意次の甥・意致を自家の家老として受け入れている。
豊千代(とよちよ)
治済の嫡男。のちの11代将軍家斉。
大崎(おおさき)
演:映美くらら
豊千代の乳母
田安治察(たやす はるあき)
演:入江甚儀
田安家当主。徳川家治の従兄弟。
弟・賢丸の養子縁組が決まった直後、後継ぎを残すことなく謎の死を遂げる。
宝蓮院(ほうれんいん)
演:花總まり
治察の母。賢丸と種姫の嫡母にあたり、2人を我が子同様に育てる。
意次の策謀で賢丸が白河藩に養子に出された際は激怒し、意次を罵る。
種姫(たねひめ)
演:小田愛結
賢丸の妹。
賢丸の策により、将来的に家基に嫁ぐことを前提に家治の養女となり、大奥に入る。
清水重好(しみず しげよし)
演:落合モトキ
清水家当主。徳川家治の弟。

老中・田沼家

田沼意次(たぬま おきつぐ)
演:渡辺謙
江戸幕府老中武家官位主殿頭。通称は「主殿(とのも)」
幕府の財政難や日本の経済状況を憂い、南鐐二朱銀発行や鉱山開発などの改革を積極的に進め、商業の発展により民を潤そうとしているが、松平武元らに煙たがられている。信念のためならば手段を選ばないなど清濁併せ持つ人物。父・田沼意行が足軽上がりの成り上がり者であることから家柄の低さを度々揶揄されているが、成り上がり者であることは事実として意に介していない。
度々賄賂を受け取る一方で、町人の話を広く聞き届ける度量を持つ。面会に訪れた和泉屋に同行した重三郎が不躾に岡場所を警動するよう訴え出てきた際も、その話を聞いた上で吉原だけのために国益を損なわせることはできないと説き、まずは自ら客を呼ぶ工夫をすべきと指摘する。治察の死を契機に経費抑制のために田安家の取り潰しを目論み、吉宗が残した書物を改竄して賢丸の田安家復帰を防ぐという際どい策を用いている。自分の追い落としを図る家基を牽制するために当道座の高利貸し一味の調査・摘発を断行、家基の側近たちが高利貸しの負債に苦しむ事実を暴露する。
田沼意知(たぬま おきとも)
演:宮沢氷魚
意次の嫡男
冷静沈着な切れ者で常に穏やかな言動をしている。意次の懐刀的存在でもあり、吉宗の書物改竄の際には意次と源内との連絡役を担っている。
屋敷の来客用に用意されていた料亭製の弁当を下女(演:景井ひな[28])にこっそり分け与えるなど心優しい一面も持つ。
田沼意致(たぬま おきむね)
演:宮尾俊太郎
意次の甥。
西の丸で起きた進物窃盗騒ぎの責任をとらされる形で目付を罷免され、意次の取り計らいで一橋家の家老となる。
三浦庄司(みうら しょうじ)
演:原田泰造
田沼家用人
意次の参謀格であり、重要な謀議に参加する。
楠半七郎(くすのき はんしちろう)
演:宮澤寿
田沼家家臣。

幕閣とその関係者

松平武元(まつだいら たけちか)
演:石坂浩二
江戸幕府老中首座。武家官位は右近衛将監。幕閣の長老で賢丸からは「(じい)」と呼ばれる。白く長い眉毛が特徴で、意次らからは密かに「白眉毛(しろまゆげ)」と呼ばれる。
保守的な価値観の持ち主で、意次を成り上がり者であると嫌っており、賢丸や家基の気概ある言動に期待をかける。
松平康福(まつだいら やすよし)
演:相島一之
江戸幕府老中。
松平輝高(まつだいら てるたか)
演:松下哲
江戸幕府老中。
松本秀持(まつもと ひでもち)
演:吉沢悠
勘定吟味役。田沼派官僚の一人。
稲葉正明(いなば まさあき)
演:木全隆浩
御用取次。田沼派官僚の一人。

その他の幕臣とその関係者

長谷川平蔵宣以(はせがわ へいぞう のぶため)
演:中村隼人
旗本。明和の大火の放火犯を検挙した火付盗賊改方長谷川平蔵宣雄の息子。のちに「鬼平」と称される。
当主になって間もなく訪れた吉原で、花魁道中をしていた花の井に一目ぼれする。遊び人であったが吉原のことは何も知らず、重三郎に「世間知らずのカモ」として利用される。花の井との初会から豪遊し、入銀本のために五十両を支払うなどして家産が尽き、吉原通いを止めざるをえなくなる。
御書院番士の役目を得てのちに進物番にも選ばれるが性に合わず、奉行所に移ろうと仕事を手伝っており鱗形屋の逮捕にも関わる。鱗形屋を見殺しにしたことに悩む重三郎の背中を押す言葉をかけた。また、意次に配置換えを頼み、まずは働きを見せるように要求されたために、座頭金の調査をおこなう。
磯八(いそはち)、仙太(せんた)
演:山口祥行(磯八)、岩男海史(仙太)
長谷川平蔵の腰巾着で、岡場所や吉原に同行する。平蔵の指示で座頭金の調査もおこなう。
佐野政言(さの まさこと)
演:矢本悠馬
旗本。通称は善左衛門(ぜんざえもん)。
出世を目論んで意知に面会し、かつて田沼家の主家であった佐野家の系図を渡し、田沼家の由緒改竄に利用するよう申し出る。しかしこの話を意知から聞いた意次は取り合わず、家系図は庭の池に投げ捨てられている。
森忠右衛門(もり ちゅうえもん)
演:日野陽仁
西の丸小姓組。
質素倹約を重んじる真面目な旗本だが、20年間が変わらず、息子・震太郎も役目を得られず部屋住みのまま妻子を持ったため、家族を養いきれなくなり、座頭金に手を出す。借金がふくらみ、西の丸で窃盗騒ぎを起こし、切腹しようとするまで追いつめられるが、息子に止められ一家で逐電、出家する。意次によって父子ともに身柄を保護され、家治と家基の御前で経緯の説明を行った。
森震太郎(もり しんたろう)
演:永澤洋
森忠右衛門の嫡男。
自身のために父が借金し、切腹するまで追いつめられたことを知り、必死になって父を止めて共に逐電、出家する。
奉行[注釈 8]
演:井上和彦
町奉行

大名家とその家臣

松平定信(まつだいら さだのぶ)
(田安賢丸 → 松平定信)
演:寺田心
田安家の出身で治察の異母弟。田安家にいた頃の名は賢丸(まさまる)。白河藩世子。
徳川吉宗を尊敬し、その血筋であることを誇りとしている。武士は学問・武芸が第一という考えを持ち、生真面目な性格で治済の冗談にも正面から反論する。
田安家先代の頃から白河松平家への養子入りの打診があったが、難色を示していた。しかし「兄・治察に万一があれば田安家に戻れること」を条件に受け入れる。治察の急死後、田安家を継ごうとするが、意次により断念させられ、意次を激しく憎むこととなる。養子入りのあとも自身が将軍家に対して影響力を持ち続けられるように妹・種姫を家治の養女としてから田安家を去る。白河藩世子となってからは家臣らの指導に励むが、家臣の一人が持っていた『金々先生栄花夢』を読んで庶民の文化にも興味を持つ。
白河藩松平家家臣
演:園田祥太[29]
白河松平家の江戸詰め家臣。青本を読んでいたところを定信にたしなめられる。
斎藤茂右衛門(さいとう もえもん)
演:蔵本康文
小島松平家江戸家老
鱗形屋の偽板づくりに手を貸して藩の資金源としていたものの、捜査の手が及びそうになると手を引き、すべての責任を鱗形屋に押し付ける。

江戸・吉原外の人々

船頭
演:佐々木健介
秩父中津川船頭
中津川鉱山から鉄を運び出す船を用意していたため、鉱山事業が頓挫しそうになると憤るが、炭焼き事業の目途が立ち、それに転用できると聞いて納得する。
柏原屋与右衛門(かしわばらや よえもん)[注釈 9]
演:川畑泰史
大坂の板元。
自身が発行する『増補早引節用集』の偽板が『新増早引節用集』として出回っているのを尾張熱田古書店で見つけ、江戸に来て板元を探し回り、奉行所にも訴え出る。
吾作(ごさく)
演:芋洗坂係長
徳川家基が行った鷹狩で勢子を務めた百姓のひとり。家基が倒れる際の一部始終を目撃した。

その他

九郎助稲荷(くろすけいなり)
演:綾瀬はるか
本作の語り手。現代的な観点からの解説も交えつつ物語を案内する。第一回では人間の姿に化けて登場し、スマートフォンを用いて解説を行った。
九郎助稲荷は吉原内の稲荷社であり、女郎たちの信仰を集める。明和の大火では、重三郎が稲荷社の祠を背負って運び出し、狐像をいったんお歯黒どぶに沈めることで難を逃れた。
社は重三郎と花の井の思い出の場所であり、たびたび待ち合わせに使われる。重三郎の悩みを聞いて返答することもあるが、重三郎には聞こえていない。
八五郎(はちごろう)、熊吉(くまきち)
演:阿部亮平(八五郎)、山根和馬(熊吉)
重三郎がアイデアを思いついた際の空想に現れる人物。役名は同じだが毎回役柄は異なっている[30][31]

登場予定の人物

朱楽菅江(あけら かんこう)
演:浜中文一[14]
大田南畝(おおた なんぽ) / 四方赤良(よもの あから)
演:桐谷健太[14]
喜多川歌麿(きたがわ うたまろ)
演:染谷将太[3]
熊野屋(くまのや)
演:峰竜太[32]
誰袖(たがそで)
演:福原遥[6]
智恵内子(ちえの ないし)
演:水樹奈々[15]
土山宗次郎(つちやま そうじろう)
演:栁俊太郎[14]
つよ
演:高岡早紀[15]
てい
演:橋本愛[9]
唐来三和(とうらい さんな)
演:山口森広[14]
徳川治貞(とくがわ はるさだ)
演:高橋英樹[15]
鳥山石燕(とりやま せきえん)
演:片岡鶴太郎[14]
松前廣年(まつまえ ひろとし)
演:ひょうろく[15]
松前道廣(まつまえ みちひろ)
演:えなりかずき[15]
みの吉(みのきち)
演:中川翼[15]

スタッフ

出典:[34]

紀行

放送

放送時間

  • 本放送
    • 総合:毎週日曜 20時 - 20時45分
  • 先行放送
  • 再放送
    • 総合:毎週土曜 13時5分 - 13時50分

ダイジェスト

放送日程

  • 初回は15分拡大[36]
  • 4月27日は休止となり、「大河ドラマべらぼう ありがた山スペシャル」が放送された[37]
さらに見る 放送回, 放送日 ...
放送回放送日サブタイトル演出紀行地上波視聴率
01回01月05日ありがた山のかんがらす[注釈 11]大原拓吉原神社東京都台東区
浄閑寺(東京都荒川区
12.6%[38]
02回01月12日吉原細見『嗚呼ああ御江戸』大クスノキ(東京都文京区
神田橋(東京都千代田区
12.0%[38]
03回01月19日千客万来『一目千本ひとめせんぼん西尾市岩瀬文庫愛知県西尾市11.7%[38]
04回01月26日ひな形若菜』の甘いわな深川貴志北の丸公園田安門)(東京都千代田区)10.5%[38]
05回02月02日つたに唐丸因果のつる大原拓埼玉県森林科学館(埼玉県秩父市10.6%[38]
06回02月09日うろこ剥がれた『節用集』深川貴志日枝神社(東京都千代田区)10.2%[38]
07回02月16日好機到来『まがきの花』山谷堀公園(東京都台東区)10.0%[38]
08回02月23日逆襲の『金々先生』新田真三瀧泉寺(目黒不動尊)(東京都目黒区09.8%[38]
09回03月02日玉菊燈籠恋の地獄鷲神社長國寺(東京都台東区)10.4%[38]
第10回03月09日『青楼美人』の見る夢は大原拓堺町・葺屋町芝居町跡(東京都中央区10.6%[38]
第11回03月16日富本、仁義の馬面小谷高義日光東照宮栃木県日光市
錫杖寺(埼玉県川口市
利根川(栗橋関所房川渡跡)(埼玉県久喜市
09.6%[38]
第12回03月23日にわかなる『明月余情』佐竹家上屋敷跡(佐竹商店街)(東京都台東区)09.9%[38]
第13回03月30日お江戸揺るがす座頭金深川貴志八橋検校顕彰碑(東京都台東区)
杉山流鍼治稽古所跡地(東京都墨田区
09.6%[38]
第14回04月06日蔦重瀬川夫婦道中新田真三西徳寺(東京都台東区)10.8%[38]
第15回04月13日死を呼ぶ手袋大原拓池上養源寺(東京都大田区
浜離宮恩賜庭園(東京都中央区)
09.9%[38]
第16回04月20日さらば源内、見立は蓬莱ほうらい平賀源内墓(東京都台東区)
平賀源内記念館(香川県さぬき市
09.6%[38]
閉じる
  • 視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯・リアルタイム。

関連番組

  • まだ間に合う!大河ドラマべらぼう(総合:2月11日 8:15 - 8:45、BS:2月14日 20:00 - 20:30)[39]
  • 大河ドラマべらぼう ありがた山スペシャル(4月27日、総合:20時 - 20時45分、BS:18時 - 18時45分、BSプレミアム4K:12時15分 - 13時)[37]

ドラマ舞台地の対応と関連イベント

要約
視点

大河ドラマ館

2025年2月1日 - 2026年1月12日、東京都立産業貿易センター台東館のうち台東区民会館の9階ホールを「べらぼう 江戸たいとう 大河ドラマ館」として開設し、土産物販売を行う「たいとう 江戸もの市」を併設している[40]。また、同期間中はドラマ館から法正寺(蔦重墓碑)、平賀源内墓所、江戸新吉原耕書堂、浅草見番を巡回する「蔦重ゆかりの地 循環バス」を運行する。めぐりんとは別車両別系統による20分間隔の運行で、ドラマ館の当日入場券があれば何度でも無料で乗車可能となっている[41]

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ドラマ館外観
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ドラマ館内/貸本屋つたやのセット
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たいとう 江戸もの市
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循環バス(浅草雷門付近にて)

関連イベント

NHK公式

  • 大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」展
  • 「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~ パネル展』
    • 2024年12月23日 - 2025年1月24日 / 台東区役所のアートギャラリーにて、「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~ パネル展in台東区」を開催[46]
    • 2025年2月7日 - 28日 / 東京都立中央図書館で、「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~ パネル展at都立中央図書館」を開催(企画展「情報、江戸を駆ける!蔦屋重三郎が生きた時代の出版文化」を同時期に並行開催=下記展覧会一覧参照)。
  • べらぼうフェスティバル[47]
    • 2025年1月11日 - 13日 / 渋谷スクランブル交差点に面したQFRONTにて、「べらぼうフェスティバル」を開催。吉原の通りをイメージした空間での衣装展示が行われた。なお、渋谷のでの開催では、隣接する渋谷蔦屋書店が、べらぼうの世界観や江戸の風情を感じるオリジナル商品の販売も実施[48]
    • 2025年1月24日 - 2月2日 / 同企画を高松駅のイベントスペースにて開催。
    • 2025年2月15日 - 24日 / 同企画を福島県こむこむ(福島市 子供の夢を育む施設 こむこむ館)にて開催。
    • 2025年3月1日 - 2日 / 同企画をNHK横浜放送局(NHK横浜フェスタ会場)にて開催。
    • 2025年3月2日 / 同企画をみなとみらい線日本大通り駅のイベントスペースにて開催。
  • 大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」特別展示in丸の内…2025年2月21日 - 25日 / 丸の内ビルディング(1階イベントスペース マルキューブ)にて[49]
  • 大河ドラマ「べらぼう」ワールド…2025年3月1日 - 11日 / 渋谷キャストで開催された「放送100年 NHK超体験フェス」の企画コーナーとして設置[50]
  • 大河ドラマ「べらぼう」全国巡回展[51]
    • 2025年3月25日 - 30日 / 高松市立美術館にて。
    • 2025年3月29日 - 4月7日 / NHK新潟放送局(新潟局会館)にて。
    • 2025年4月12日 - 18日 / NHK岡山放送局(岡山局会館)にて。
    • 2025年4月12日 - 18日 / NHK大分放送局にて。
    • 2025年4月21日 - 27日 / NHK鹿児島放送局(鹿児島局会館)にて。
    • 2025年4月22日 - 28日 / NHK徳島放送局(徳島局会館)にて。
    • 2025年5月3日 - 5日 / NHK広島放送局(広島局会館)にて。
    • 2025年5月3日 - 9日 / NHK福岡放送局にて。
    • 2025年5月11日 - 19日 / NHK札幌放送局(札幌局会館)にて。
    • 2025年5月13日 - 18日 / 茨城県立歴史館にて。
    • 2025年5月22日 - 28日 / NHK旭川放送局にて。
    • 2025年5月22日 - 30日 / NHK静岡放送局(静岡局会館)にて。
    • 2025年5月31日 - 6月6日 / NHK北見放送局(北見局会館)にて。
    • 2025年6月4日 - 10日 / NHK福井放送局(福井局会館)にて。
    • 2025年6月9日 - 15日 / NHK帯広放送局(帯広局会館)にて。
    • 2025年6月14日 - 22日 / NHK京都放送局(京都局会館)にて。
    • 2025年6月20日 - 26日 / NHK甲府放送局(甲府局会館)にて。
    • 2025年7月1日 - 6日 / 宮崎県立図書館にて。
    • 2025年7月5日 - 13日 / NHK放送技術研究所(東京)にて。
    • 2025年7月19日 - 27日 / NHK松山放送局(松山局会館)にて。
    • 2025年7月19日 - 27日 / NHK大阪放送局にて。
    • 2025年7月31日 - 8月6日 / NHK佐賀放送局(佐賀局会館)にて。
    • 2025年8月2日 - 11日 / NHK仙台放送局(仙台局会館)にて。
    • 2025年8月18日 - 24日 / NHK金沢放送局(金沢局会館)にて。
    • 2025年8月26日 - 9月1日 / NHK松江放送局(松江局会館)にて。
    • 2025年9月6日 - 15日 / NHK名古屋放送センタービルにて。
    • 2025年9月6日 - 15日 / NHK横浜放送局(横浜局会館)にて。
    • 2025年9月19日 - 26日 / NHK秋田放送局(秋田局会館)にて。
    • 2025年9月27日 - 10月5日 / NHK熊本放送局(熊本局会館)にて。
    • 2025年9月30日 - 10月8日 / 白河市立図書館にて。
    • 2025年10月11日 - 19日 / 関門海峡ミュージアムにて。
    • 2025年10月12日 - 19日 / 栃木市立美術館にて。
    • 2025年10月27日 - 11月3日 / NHK富山放送局(富山局会館)にて。
    • 2025年10月29日 - 11月5日 / NHK山口放送局(山口局会館)にて。
    • 2025年11月8日 - 14日 / 長崎県美術館にて。
    • 2025年11月9日 - 17日 / NHK奈良放送局(奈良局会館)にて。
    • 2025年11月19日 - 28日 / NHK神戸放送局(神戸局会館)にて。
    • 2025年11月22日 - 30日 / NHK大津放送局(大津局会館)にて。
    • 2025年12月6日 - 12日 / NHK千葉放送局(千葉局会館)にて。

その他の主催

  • 2025年1月6日 - 12月25日 / 日本橋耕書堂跡に近い中央区で創業200年を超す老舗呉服屋・和装用品の田源が自社ビル内に設けたイチマス田源きものクリニック&呉服問屋ミュージアム(中央区まちかど展示館認定)にて、耕書堂の店頭を原寸大立体再現。入場無料[52]
  • 2025年1月18日 - 2026年1月12日 / 吉原大門跡と吉原神社の中ほどにある千束四丁目交差点角に、蔦重が吉原で開業した貸本屋の耕書堂を模した観光案内所と土産物屋を兼ねた江戸新吉原耕書堂を開設。入場無料[53]
  • 2025年2月2日 - 25日 / 歌舞伎座にて松竹創業130周年記念として猿若祭(初代 中村勘三郎・猿若が1624年に江戸で初めて芝居小屋を旗上げしたことを記念する中村座の伝統行事)を開催し、蔦重役を中村勘九郎 (当代)が務める『きらら浮世伝 版元蔦屋重三郎 魁申し候』が上演される[54][注釈 12]
  • 2025年2月10日 - 3月2日 / 浅草の奥山おまいりまち商店街と浅草西参道商店街で、蔦重が携わった浮世絵などを大型のぼり旗や提灯化あるいは巨大床アートとして飾ったり、江戸のライブパフォーマンスを行う「浮世絵と歌舞伎まつり THE ASAKUSA」を開催[55]
  • 2025年2月24日 / 台東区で毎年恒例のスタンプラリー「広い浅草ウォークラリー」が開催。今年は『べらぼう』ゆかりの江戸新吉原耕書堂・平賀源内墓所・法正寺(蔦重墓碑)をコースに盛り込む[56]
  • 2024年3月3日 - 2026年1月末(予定) / 日本橋耕書堂跡に近い中央区のユニホームメーカー・ボンマックスが自社ビル1階のロビーを改修し、「蔦重通油町(とおりあぶらちょう)ギャラリー」を開設。江戸料理文化研究家の車浮代による解説パネルや、江戸小物の販売を行う。入場無料、土・日・祝休[57]
  • 2024年3月10日 - / 『べらぼう』に関連する台東区・中央区を盛り上げる「耕書堂プロジェクト」を立ち上げ、蔦重・歌麿・写楽らを現代風のイケメンキャラ化。日本橋エリアでは、そのグッズなどをCOREDO室町1の日本橋案内所の一角に設けた「耕書堂においでなんし」で販売。上野エリアでは松坂屋上野店内の上野案内所でシャンシャン (ジャイアントパンダ)が蔦重の衣装を着たマスコットも販売。いずれも入場無料、営業はテナントビルの休業日に準じる[58]

展覧会

ドラマ放送期間およびその前後に、ドラマの舞台地を始め全国各地で蔦屋重三郎や同時代の浮世絵、出版文化に関する展覧会が開かれている。

さらに見る 展覧会の例(都道府県コード順ではなく、開催日時順で掲載), 都道府県 ...
展覧会の例(都道府県コード順ではなく、開催日時順で掲載)
都道府県 市町村 施設名 会期 内容 出典
福井県 福井市 越前ふくい美術館 2024年12月18日 - 2025年2月24日 「蔦屋重三郎への道:浮世絵事始め」 [59]
東京都 台東区 台東区立中央図書館 郷土・資料調査室 2024年12月20日 - 2025年2月16日 「吉原細見の世界3 後編」[注釈 13] [60]
港区 東京都立中央図書館 2025年1月24日 - 5月25日(予定) 「情報、江戸を駆ける!蔦屋重三郎が生きた時代の出版文化」[注釈 14] [59]
渋谷区 國學院大學博物館 2025年2月22日 - 4月20日 「江戸の本屋さん - 板元と庶民文学の隆盛 -」 [61]
墨田区 すみだ北斎美術館 2025年3月18日 - 5月25日(予定) 「北斎×プロデューサーズ 蔦屋重三郎から現代まで」 [59]
台東区 東京国立博物館 2025年4月22日 - 6月15日(予定) 「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」 [62]
渋谷区 太田記念美術館 2025年8月30日 - 11月3日(予定) 「蔦屋重三郎と版元列伝」 [63]
神奈川県 藤沢市 藤沢市藤澤浮世絵館 2024年12月24日 - 2025年2月24日 「藤沢と江戸の出版事情 ~蔦屋重三郎と絵師たち~」 [59]
静岡県 牧之原市 牧之原市史料館 2025年1月26日 - 2026年1月12日(予定) 「田沼意次の新時代展」[注釈 15] [45]
千葉県 野田市 茂木本家美術館 2025年2月5日 - 3月23日 「浮世絵黄金期 -蔦屋重三郎とその時代-」 [59]
千葉市 千葉市美術館 2025年5月30日 - 7月21日(予定) 「江戸の名プロデューサー 蔦屋重三郎と浮世絵のキセキ」 [64]
大阪府 大阪市 大阪浮世絵美術館 2025年2月18日 - 7月13日(予定) 「べらぼうな浮世絵師18人展」 [65]
岐阜県 恵那市 中山道広重美術館 2025年4月3日 - 6月15日(予定) 「潜入! 江戸の浮世絵出版社」 [59]
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関連商品

書籍

公式ガイドブック
  • NHK大河ドラマ・ガイド べらぼう(NHK出版
    • 前編(2024年12月19日発売、ISBN 978-4149233987
      • ガイドブック前編には『八代将軍吉宗』の主演であった西田敏行とナレーションの江守徹、『天下御免』の主演であった山口崇のインタビューが掲載されている。なお、西田は放送前年の2024年10月17日に、山口は放送期間中の2025年4月18日にそれぞれ死去した。
  • NHK大河ドラマ歴史ハンドブック べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~ 蔦屋重三郎とその時代(NHK出版、2024年11月29日発売、ISBN 978-4149112053
  • NHK2025年大河ドラマ「べらぼう 〜蔦重栄華乃夢噺〜」完全読本(産経新聞出版、2024年12月19日発売、ISBN 978-4819153317
ノベライズ
  • べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~ 一(2024年12月19日発売、ISBN 978-4140057506
  • べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~ 二(2025年3月25日発売、ISBN 978-4140057513

脚注

参考文献

外部リンク

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