べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜
2025年放送のNHK大河ドラマ第64作 ウィキペディアから
『べらぼう 〜蔦重栄華乃夢噺〜』(べらぼう つたじゅうえいがのゆめばなし)は、2025年(令和7年)1月5日から放送されているNHK大河ドラマ第64作[1]。
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江戸時代中期の田沼時代から寛政の改革にかけて活躍し、板元として喜多川歌麿や東洲斎写楽らを見出した江戸のメディア王・蔦重(つたじゅう)こと蔦屋重三郎の波瀾万丈な生涯を描く。
制作
2023年4月27日に制作発表が行われた。主演を横浜流星が、脚本を森下佳子が担当し2024年夏にクランクイン予定であることが発表された。なお、横浜はNHKドラマおよび大河ドラマ初出演となる[1]。
本作では大きな戦が全くなかった18世紀後半を舞台としており、この時代が描かれるのは大河史上初である[2]。
出演者発表は第一弾が2023年10月5日に[3]、第二弾が2024年2月19日に[4]、第三弾が2月21日に[5]、第四弾が4月15日と4月16日に[6][7]、第五弾が4月30日に[8]、第六弾が6月10日に[9]、第七弾が7月15日に[10]、第八弾が8月27日に[11]、第九弾が9月19日に[12]、第十弾が9月27日に[13]、第十一弾が2025年1月11日に[14]行われた。
2024年6月7日、題字が発表された[15]。10月26日、音楽・指揮者の発表と、グローバルVer.のビジュアルならびに特報動画が公開された[16]。11月12日、「放送100年企画」と冠したメインビジュアルが公開された[17][18]。
2024年12月12日、劇中の語りをかつて吉原遊廓内に存在した九郎助稲荷という設定で綾瀬はるかが担当することが発表された[19]。
タイトルの『べらぼう』とは「たわけ者」「バカ者」、転じて「甚だしい」「桁外れな」という意味[20]。制作統括の藤並英樹は「蔦屋重三郎はきっと『べらぼう
国際放送での英語タイトルは、「とらわれない」「縛られない」などを意味する『UNBOUND(アンバウンド)』。なお、Unboundには「未製本」の意味もあり、出版に携わる蔦重を暗喩している[16]。
あらすじ
安永の初め、江戸・吉原。茶屋「蔦屋」の蔦屋重三郎は、義兄の次郎兵衛、大火の中で救った少年唐丸とともに、茶屋を切り盛りしつつ、幼馴染の花の井ら女郎に貸本を行うことで生計を立てていた。しかし非公認の岡場所や宿場の隆盛により、吉原は閑古鳥が鳴くようになっており、多くの女郎が病や飢えに苦しんでいた。思い悩んだ重三郎は、今をときめく老中・田沼意次に面会し、岡場所の取締り「警動」を発してもらうよう訴える。しかし意次は岡場所の存在意義を説き、逆に重三郎が吉原を栄えさせるために何かしているのかと問いただす。勝手な行動を取ったことで養父の駿河屋市右衛門や女郎屋の経営者たちに罵倒されつつも、重三郎は吉原のガイドブックである『吉原細見』の質を上げることで客を呼ぼうと思いつく。そして、吉原細見の板元である地本問屋・鱗形屋孫兵衛に話をつけると、評判の文人である平賀源内に自腹を切って序文を依頼し、ある程度の評判は得る。続いて絵師・北尾重政とともに女郎たちを花に見立てた『一目千本』を制作し、本作りの面白さに目覚める。さらに地本問屋・西村屋与八と組んで『雛形若菜初模様』制作のために奔走し、重三郎は板元「耕書堂」として本格的に出版事業に参入しようとする。しかし西村屋が重三郎に接近してきたのは鱗形屋の罠であり、鱗形屋と地本問屋のまとめ役・鶴屋喜右衛門によって、『雛形若菜初模様』の出版権も西村屋単独のものとされてしまう。
登場人物
吉原
蔦屋と駿河屋
- 蔦屋重三郎(つたや じゅうざぶろう)
- (柯理 → 蔦屋重三郎)
- 演:横浜流星(幼少期:高木波瑠[22])
- 主人公。大門外の茶屋「蔦屋」を事実上経営しつつ貸本業を営む青年。通称は蔦重(つたじゅう)・重三(じゅうざ)、別名は蔦唐丸(つたのからまる)[注釈 1]。幼名は柯理(からまる)。書肆としての号は耕書堂。
- 曲がった事が嫌いな熱血漢だが、聡明で勘が鋭く、発想力と行動力に優れる。成功のための努力を惜しまず、多少の挫折にも挫けない気性で、養父・市右衛門や鱗形屋孫兵衛からその才覚を評価されている。
- 7歳の頃に両親に捨てられ駿河屋に拾われるが、他の孤児たちにいじめられる。その頃に寄り添ってくれた朝顔に恩義を感じており、彼女の死をきっかけに女郎たちを飢えさせないよう吉原に客を呼び戻そうと奔走するようになる。
- 駿河屋市右衛門(するがや いちえもん)
- 演:高橋克実
- 引手茶屋「駿河屋」の主人。重三郎の養父。重三郎からは「親父様(おやじさま)」と呼ばれる。
- 海千山千のしたたかな商売人だが、立腹すると暴力を振うなど粗野な一面も持つ。右肩に入れ墨を入れている。
- 吉原の孤児を拾っては大人になるまで育て奉公に出すなどしているが、重三郎は手元に残し蔦屋で働かせている。重三郎が本づくりに勤しむようになると激怒し、度々折檻するが、それは重三郎の商才を誰よりも買い、駿河屋を継がせることも考えていたためであった。
- 扇屋宇右衛門に真意を指摘され、『一目千本』に込められた吉原への想いを理解し、重三郎を見守ることとなる。
- ふじ
- 演:飯島直子
- 駿河屋の女将。重三郎の養母。
- 蔦屋次郎兵衛(つたや じろべえ)[注釈 2]
- 演:中村蒼
- 駿河屋市右衛門とふじの実子。重三郎の義兄。
- 蔦屋の主人だが駿河屋の跡取り息子と見なされているためか仕事熱心ではなく、蔦屋を重三郎に事実上経営させている。頼りないが義弟想いで、重三郎を駿河屋市右衛門からたびたび庇う。
- 唐丸(からまる)
- 演:渡邉斗翔
- 明和の大火にて炎上する建物の方へ一人で歩いているところを重三郎に保護される。火事のショックで記憶喪失となり自分の名前も覚えていないと言うので重三郎の幼名である「からまる(唐丸)」と命名される。しかし、過去の記憶があるような言動を時折見せる。蔦屋に引き取られ、重三郎の仕事を手伝っていたが、恐喝にやってきた浪人から重三郎を守るために浪人とともに川に落ち、消息を絶つ。
- 礒田湖龍斎の絵を本物そっくりに再現するほどの絵の才能を持っており、重三郎は「当代一の絵師」にすると約束していた。
- 留四郎(とめしろう)
- 演:水沢林太郎
- 蔦屋の奉公人。
松葉屋
- 花の井(はなのい)
- (あざみ → 花の井)
- 演:小芝風花(幼少期:前田花[23])
- 女郎屋「松葉屋」の呼出花魁。重三郎とは幼馴染で気軽に言い合いができる間柄。のちの五代目・瀬川[4]。店内での序列は松の井に次ぐ二番手。
- 勝ち気で言うべき事ははっきり言う気性だが、自分が「籠の鳥」である事もわきまえている。踊りの名手でもある。
- 幼い頃は朝顔付きの禿であり、朝顔が見世を去った後も慕い続け、食事や薬を重三郎に届けさせるなど気にかける。朝顔が死ぬと重三郎と同じように悲しみ、吉原のために奮闘する重三郎に協力するようになる。
- 松葉屋半左衛門(まつばや はんざえもん)
- 演:正名僕蔵
- 松葉屋の主人。
- いね
- 演:水野美紀
- 松葉屋の女将。
- うつせみ
- 演:小野花梨
- 松葉屋の座敷持花魁。店内での序列は松の井、花の井に次ぐ三番手。
- 上位の二人とは違い内気でおとなしい性格。新之助に思いを寄せられる。
- 松の井(まつのい)
- 演:久保田紗友
- 松葉屋の呼出花魁。松葉屋では一番の売れっ子。
- 重三郎が田沼意次と出会った事を知って、意次を松葉屋に連れて来るように頼むなど大胆な性格の持ち主。
- とよしま
- 演:珠城りょう
- 松葉屋の番頭新造。
- まさ
- 演:山下容莉枝
- 松葉屋のやり手[24]。
- さくら、あやめ
- 演:金子莉彩(さくら)、吉田帆乃華(あやめ)
- 花の井付きの禿。
- はなぞの、はなさと
- 演:平尾菜々花(はなぞの)、齋藤さくら(はなさと)
- 振袖新造[23]。
大文字屋
二文字屋(にもんじや)
- きく
- 演:かたせ梨乃
- 浄念河岸の女郎屋「二文字屋」の女将。
- 行き場所がなくなった女郎たちの居場所であろうと女郎屋を経営してきたが経営難に陥り、一度は見世を畳む決心をするが、花の井が平蔵に払わせた五十両を重三郎が横流ししたことにより救われる。重三郎が一時的に蔦屋を追い出されると店に住まわせ、『一目千本』の製本作業を店の女郎たちとともに手伝う。
- 朝顔(あさがお)
- 演:愛希れいか
- 二文字屋の女郎。重三郎と花の井にとっては幼い頃世話になった恩人で、「朝顔姐さん」と呼ばれ慕われる。
- 元は松葉屋の花魁であったが、優しい性格が災いし、きつい客を引き受けたり食事を周囲に分け与えたりしていた結果、体を壊して二文字屋に行きつく。重三郎の見舞いを楽しみにしていたが、飢えと胸の病から亡くなり、身ぐるみを剝がされて他の死んだ女郎たち(演:吉高寧々、藤かんな、与田りん[25])と共に投げ込み寺に打ち捨てられる。
- ちどり
- 演:中島瑠菜
- 二文字屋の女郎。
- 空腹にあえいでいた時に朝顔に弁当を譲られて食べ、その後まもなく朝顔が死去してしまったことを気に病み、重三郎と花の井に朝顔の死を伝える。
- 春風(はるかぜ)、音羽(おとわ)、歌浦(うたうら)
- 演:青山美郷(春風)、大田路(音羽)、馬渡綾(歌浦)
- 二文字屋の女郎。
- 店の経営難のため、音羽は新潟の古町に売られ吉原を去る。
その他(吉原)
- 半次郎(はんじろう)
- 演:六平直政
- 蔦屋の向かいにあるそば屋「つるべ蕎麦」の店主。
- 重三郎の相談相手であり理解者。
- りつ
- 演:安達祐実
- 女郎屋「大黒屋」の女将。
- 扇屋宇右衛門(おうぎや うえもん)
- 演:山路和弘
- 女郎屋「扇屋」の主人。
- 理知的な性格で、重三郎が本屋になった事に激怒する市右衛門を宥め、重三郎の考えを商売に活かすように説得する。
- 志津山(しづやま)
- 演:東野絢香
- 玉屋の座敷持ち花魁。『一目千本』では葛の花に見立てられる。
- 花の井を「床下手」とけなすなど気が強く口が悪い。
- 丁子屋長十郎、長崎屋小平治、桐屋伊助、伊勢屋九平治、玉屋庄兵衛、万字屋半四郎、泉屋与市、井筒屋孫兵衛、山口巴屋平助
- 演:島英臣(丁子屋)、千葉清次郎(長崎屋)、キンタカオ(桐屋)、会田泰弘(伊勢屋)、岡山和之(玉屋)、岡けんじ(万字屋)、車邦秀(泉屋)、佐藤政之(井筒屋)、真木仁(山口巴屋)
- 吉原の大店の主人たち。
- 亀菊(かめぎく)、勝山(かつやま)、常磐木(ときわぎ)、玉川(たまかわ)、嬉野(うれしの)
- 演:大塚萌香(亀菊)、平館真生(勝山)、椛島光(常磐木)、木下晴香(玉川)、染谷知里(嬉野)
- 『一目千本』にて花に見立てられた花魁たち。
江戸市中
平賀源内とその関係者
- 平賀源内(ひらが げんない)
- (厠の男 → 平賀源内)
- 演:安田顕
- 山師にして炭売り。中津川鉱山の開発を主導する傍ら、副産物である炭を細々と売っていたが、鉱山事業が頓挫すると本格的に炭焼き事業に乗り出す。他にも本草学者、蘭学者、浄瑠璃作者、戯作者などさまざまな顔を持ち[注釈 3]、漱石香の宣伝文句を考えてヒットさせる、解体新書の挿絵師に絵を教えるほど絵の心得があるなど、多才な人物。重三郎と出会った当初は貧家銭内(ひんかぜにない)と名乗っていた。
- 重三郎が奉行所に岡場所の警動を依頼するも取り合ってもらえず、文句を言っていたのを偶然聞き、田沼意次に訴え出ることを提案する。重三郎に吉原細見の序の執筆を依頼されるが、男色家であるために一度は断る。しかし、重三郎と花の井の働きにより了承し、福内鬼外(ふくうちきがい)の名前で序を提供する。その後は重三郎と親交を深め、重三郎が板元になろうとすると「耕書堂」の号を贈る。
- 田沼意次の信任が厚く、元の仕え先から奉公構を出されているため表立っては仕えられないものの、裏から資金援助を受けている他、意次の依頼で吉宗の書を偽造するなど汚れ仕事にも関わっている。
- 小田新之助(おだ しんのすけ)
- 演:井之脇海
- 源内とともに行動する浪人。吉原を訪れた際、うつせみに一目惚れする。
- 平秩東作(へづつ とうさく)
- 演:木村了
- 内藤新宿の煙草屋。源内の仕事仲間。
- 源内が鉱山事業に失敗するとその出資者に詰められ人質に取られるが、炭焼き事業への転換の目途が立ったため解放される。
- 瀬川菊之丞(せがわ きくのじょう)
- 演:花柳寿楽[注釈 4]
- 歌舞伎の女形。源内の亡き恋人。
鱗形屋
出版人たち
- 小泉忠五郎(こいずみ ちゅうごろう)
- 演:芹澤興人
- 浅草の本屋。吉原細見の発行も行う。
- 西村屋与八(にしむらや よはち)
- 演:西村まさ彦
- 錦絵で有名な地本問屋「西村屋」の主人。
- 『雛形若菜初模様』制作時に重三郎に協力を申し出て、呉服屋からの入銀や江戸市中での販売を実現させるが、手配をすべて重三郎にさせた上で騙し、版権を自分だけのものとする。
- 忠七(ちゅうしち)
- 演:斉木テツ
- 西村屋の手代。
- 鶴屋喜右衛門(つるや きえもん)
- 演:風間俊介
- 地本問屋「鶴屋」の主人。
- 鱗形屋、西村屋と組み、重三郎の板元としての新規参入を阻む。
- 須原屋市兵衛(すわらや いちべえ)
- 演:里見浩太朗
- 書物問屋「須原屋」の主人。
- 平賀源内の紹介で重三郎と知り合い、板元になるにはどうすべきか相談に乗り、のれん分けを目指して奉公に出ることを提案する。
- 岩戸屋源八(いわとや げんぱち)、村田屋治郎兵衛(むらたや じろべえ)、奥村屋源六(おかむらや げんろく)、松村屋弥兵衛(まつむらや やへえ)
- 演:中井和哉(岩戸屋)、松田洋治(村田屋)、関智一(奥村屋)、高木渉(松村屋)
- 地本問屋。
絵師・戯作者
その他(江戸市中)
- 和泉屋三郎兵衛(いずみや さぶろべえ)[注釈 5]
- 演:田山涼成
- 花の井の馴染客。
- 田沼屋敷に出入りしており、田沼意次に会おうとする重三郎に利用される。
- 八五郎(はちごろう)、熊吉(くまきち)
- 演:阿部亮平(八五郎)、山根和馬(熊吉)
- 重三郎が名案を思いついたときに登場する空想上の江戸市中の人たち。
- 湯屋の主人
- 演:ジェームス小野田
- 重三郎が『一目千本』の見本を配った湯屋の主人。
- 薪炭問屋主人
- 演:綾田俊樹
- 薪炭問屋「山崎屋」の主人。
- 店じまいを考えており、株と店を源内に売る。
- 向こう傷の男
- 演:高木勝也
- 浪人風情の男。
- 唐丸の過去を知っており、それを出しに唐丸を強請って蔦屋の金を盗ませるが、唐丸により川に落とされ、水死体となって発見される。
- 斎藤茂右衛門
- 演:蔵本康文
- 小島藩松平家江戸家老。
- 四五六(しごろく)
- 演:肥後克広
- 彫師。
江戸幕府
徳川将軍家と関係者
徳川御三卿の人々
- 一橋治済(ひとつばし はるさだ)
- 演:生田斗真
- 一橋家当主。徳川家治の従兄弟。
- 傀儡に凝っている。
- 豊千代(とよちよ)
- 治済の嫡男。
- 大崎(おおさき)
- 演:映美くらら
- 豊千代の乳母。
- 田安治察(たやす はるあき)
- 演:入江甚儀
- 田安家当主。徳川家治の従兄弟。
- 賢丸の養子縁組が決まった直後、後継ぎを残すことなく謎の死を遂げる。
- 田安賢丸(たやす まさまる)
- 演:寺田心
- 治察の弟。のちの松平定信。
- 徳川吉宗を尊敬し、その血筋であることを誇りとしている。武士は学問・武芸が第一という考えを持ち、生真面目な性格で治済の冗談にもはっきりと反論する。
- 田安家先代の頃から白河松平家への養子入りの打診があったが、難色を示していた。しかし「兄・治察に万一があれば田安家に戻れること」を条件に受け入れる。治察の急死後、田安家を継ごうとするが、意次により断念させられ、意次を激しく憎むこととなる。
- 宝蓮院(ほうれんいん)
- 演:花總まり
- 治察の母。
- 種姫(たねひめ)
- 演:小田愛結
- 治察と賢丸の妹[26]。
- 清水重好(しみず しげよし)
- 演:落合モトキ
- 清水家当主。徳川家治の弟。
老中・田沼家
- 田沼意次(たぬま おきつぐ)
- 演:渡辺謙
- 江戸幕府老中。武家官位は主殿頭。
- 幕府の財政難や日本の経済状況を憂い、南鐐二朱銀発行や鉱山開発などの改革を積極的に進め、商業の発展により民を潤そうとしているが、松平武元らに煙たがられている。父・田沼意行が足軽上がりの成り上がり者であることから家柄の低さを度々揶揄されている。
- 度々賄賂を受け取る一方で、町人の話を広く聞き届ける度量を持つ。重三郎が不躾に岡場所の警動を訴え出てきた際も、その話を聞いた上で吉原のために国益を損なわせることはできないと説き、まずは自ら客を呼ぶ工夫をすべきと指摘する。
- 田沼意知(たぬま おきとも)
- 演:宮沢氷魚
- 意次の嫡男。
- 冷静沈着な切れ者で意次の懐刀的存在。常に丁寧な物言いをする。
- 屋敷の来客用に用意されていた料亭製の弁当を下女(演:景井ひな[27])にこっそり分け与えるなど心優しい一面も持つ。
- 三浦庄司(みうら しょうじ)
- 演:原田泰造
- 田沼家用人。
幕閣とその関係者
その他の幕臣とその関係者
- 長谷川平蔵宣以(はせがわ へいぞう のぶため)
- 演:中村隼人
- 旗本。明和の大火の放火犯を検挙した火付盗賊改め・長谷川平蔵宣雄の息子。のちに鬼平と称される。
- 当主になって間もなく訪れた吉原で、花魁道中をしていた花の井に一目ぼれする。吉原のしきたりを何も知らない振る舞いから重三郎に「世間知らずの鴨」と見なされて利用され、花の井との初会から豪快に紙花を巻いたり、入銀本のためと五十両出したりする。これによって親の遺産を食いつぶし、吉原通いを止めざるをえなくなる。
- 磯八(いそはち)、仙太(せんた)
- 演:山口祥行(磯八)、岩男海史(仙太)
- 長谷川平蔵の腰巾着。
- 佐野政言(さの まさこと)
- 演:矢本悠馬
- 旗本。
その他
登場予定の人物
- 朱楽菅江(あけら かんこう)
- 演:浜中文一[14]
- 大田南畝(おおた なんぽ) / 四方赤良(よもの あから)
- 演:桐谷健太[14]
- 勝川春章(かつかわ しゅんしょう)
- 演:前野朋哉[11]
- 北尾政演(きたお まさのぶ) / 山東京伝(さんとう きょうでん)
- 演:古川雄大[14]
- 喜多川歌麿(きたがわ うたまろ)
- 演:染谷将太[3]
- 倉橋格(くらはし いたる) / 恋川春町(こいかわ はるまち)
- 演:岡山天音[14]
- 杉田玄白(すぎた げんぱく)
- 演:山中聡[14]
- 誰袖(たがそで)
- 演:福原遥[6]
- 田沼意致(たぬま おきむね)
- 演:宮尾俊太郎[11]
- 土山宗次郎(つちやま そうじろう)
- 演:栁俊太郎[14]
- てい
- 演:橋本愛[9]
- 唐来三和(とうらい さんな)
- 演:山口森広[14]
- 富本午之助(とみもと うまのすけ)
- 演:寛一郎[14]
- 鳥山検校(とりやまけんぎょう)
- 演:市原隼人[11]
- 鳥山石燕(とりやま せきえん)
- 演:片岡鶴太郎[14]
- 若木屋与八(わかぎや よはち)
- 演:本宮泰風[28]
スタッフ
- 脚本:森下佳子
- 音楽:ジョン・グラム
- テーマ音楽「Glorious Edo」
- 語り:綾瀬はるか
- 副音声解説:宗方脩
- タイトルバック:TAKCOM
- 題字:石川九楊
- 制作統括:藤並英樹、石村将太
- プロデューサー:松田恭典、藤原敬久、積田有希
- 音楽プロデューサー:備耕庸
- 演出:大原拓、深川貴志、小谷高義[29]、新田真三[29]、大嶋慧介[29]
紀行
放送
放送時間
ダイジェスト
放送日程
放送回 | 放送日 | サブタイトル | 演出 | 紀行 | 地上波視聴率 |
---|---|---|---|---|---|
第 | 1回1月 5日 | ありがた山の寒(かん)がらす[注釈 8] | 大原拓 | 吉原神社(東京都台東区) 浄閑寺(東京都荒川区) | 12.6%[31] |
第 | 2回1月12日 | 吉原細見『嗚呼(ああ)御江戸』 | 大クスノキ(東京都文京区) 神田橋(東京都千代田区) | 12.0%[31] | |
第 | 3回1月19日 | 千客万来『一目千本』(ひとめ・せんぼん) | 西尾市岩瀬文庫(愛知県西尾市) | 11.7%[31] | |
第 | 4回1月26日 | 『雛(ひな)形若菜』の甘い罠(わな) | 深川貴志 | 北の丸公園(田安門)(東京都千代田区) | 10.5%[31] |
第 | 5回2月 2日 | 蔦(つた)に唐丸因果の蔓(つる) | 大原拓 | 埼玉県森林科学館(埼玉県秩父市) | 10.6%[31] |
第 | 6回2月 9日 | 鱗(うろこ)剥がれた『節用集』 | 深川貴志 | 日枝神社(東京都千代田区) | 10.2%[31] |
第 | 7回2月16日 | 好機到来『籬(まがき)の花』 | 山谷堀公園(東京都台東区) | 10.0%[31] |
- 視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯・リアルタイム。
ドラマ舞台地の対応と関連イベント
要約
視点
- 蔦重ゆかりの地(東京都台東区)
- 新吉原花園池(弁天池)跡
- 九郎助稲荷神社を合祀する
吉原神社 - 蔦重墓碑(浅草・正法寺)
大河ドラマ館
2025年2月1日 - 2026年1月12日、東京都立産業貿易センター台東館のうち台東区民会館の9階ホールを「べらぼう 江戸たいとう 大河ドラマ館」として開設し、土産物販売を行う「たいとう 江戸もの市」を併設している[32]。また、同期間中はドラマ館から法正寺(蔦重墓碑)、平賀源内墓所、江戸新吉原耕書堂、浅草見番を巡回する「蔦重ゆかりの地 循環バス」を運行する。めぐりんとは別車両別系統による20分間隔の運行で、ドラマ館の当日入場券があれば何度でも無料で乗車可能となっている[33]。
関連イベント
NHK公式
- 大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」展
- 2024年11月17 - 19日 / 日本橋プラザビルにおいて「べらぼう展」が開催。スチル写真のテイザービジュアルやデジタルサイネージでのダイジェスト映像上映に加え、当会場では撮影に協力する中央区 (東京都)の関連団体による衣装展示や浮世絵重ね刷りの実演と体験などが行われた[34][リンク切れ][35]。
- 2024年12月24日 - 2025年2月24日 / NHK放送博物館において「べらぼう展」開催[36]。
- 2025年1月26日 - 2026年1月12日 / 田沼意次所領であった静岡県牧之原市の市史料館で、大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」展・静岡まきのはらを開催(企画展「田沼意次の新時代展」同時開催=下記展覧会一覧参照)[37]。
- 「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~ パネル展』
- べらぼうフェスティバル[39]
- 2025年1月11日 - 13日 / 渋谷スクランブル交差点に面したQFRONTにて、「べらぼうフェスティバル」を開催。吉原の通りをイメージした空間での衣装展示が行われた。なお、渋谷のでの開催では、隣接する渋谷蔦屋書店が、べらぼうの世界観や江戸の風情を感じるオリジナル商品の販売も実施[40]。
- 2025年1月24日 - 2月2日 / 同企画を高松駅のイベントスペースにて開催。
- 2025年2月15日 - 24日 / 同企画を福島県のこむこむ(福島市 子供の夢を育む施設 こむこむ館)にて開催。
- 2025年3月1日 - 2日 / 同企画をNHK横浜放送局(NHK横浜フェスタ会場)にて開催。
- 2025年3月2日 / 同企画をみなとみらい線日本大通り駅のイベントスペースにて開催。
- 大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」特別展示in丸の内…2025年2月21日 - 25日 / 丸の内ビルディング(1階イベントスペース マルキューブ)にて[41]。
- 大河ドラマ「べらぼう」全国巡回展[42]
- 2025年3月25日 - 30日 / 高松市立美術館にて。
- 2025年3月29日 - 4月7日 / NHK新潟放送局(新潟局会館)にて。
- 2025年4月12日 - 18日 / NHK岡山放送局(岡山局会館)にて。
- 2025年4月12日 - 18日 / NHK大分放送局にて。
- 2025年4月21日 - 27日 / NHK鹿児島放送局(鹿児島局会館)にて。
- 2025年4月22日 - 28日 / NHK徳島放送局(徳島局会館)にて。
- 2025年5月3日 - 5日 / NHK広島放送局(広島局会館)にて。
- 2025年5月3日 - 9日 / NHK福岡放送局にて。
- 2025年5月11日 - 19日 / NHK札幌放送局(札幌局会館)にて。
- 2025年5月13日 - 18日 / 茨城県立歴史館にて。
- 2025年5月22日 - 28日 / NHK旭川放送局にて。
- 2025年5月22日 - 30日 / NHK静岡放送局(静岡局会館)にて。
- 2025年5月31日 - 6月6日 / NHK北見放送局(北見局会館)にて。
- 2025年6月4日 - 10日 / NHK福井放送局(福井局会館)にて。
- 2025年6月9日 - 15日 / NHK帯広放送局(帯広局会館)にて。
- 2025年6月14日 - 22日 / NHK京都放送局(京都局会館)にて。
- 2025年6月20日 - 26日 / NHK甲府放送局(甲府局会館)にて。
- 2025年7月1日 - 6日 / 宮崎県立図書館にて。
- 2025年7月5日 - 13日 / NHK放送技術研究所(東京)にて。
- 2025年7月19日 - 27日 / NHK松山放送局(松山局会館)にて。
- 2025年7月19日 - 27日 / NHK大阪放送局にて。
- 2025年7月31日 - 8月6日 / NHK佐賀放送局(佐賀局会館)にて。
- 2025年8月2日 - 11日 / NHK仙台放送局(仙台局会館)にて。
- 2025年8月18日 - 24日 / NHK金沢放送局(金沢局会館)にて。
- 2025年8月26日 - 9月1日 / NHK松江放送局(松江局会館)にて。
- 2025年9月6日 - 15日 / NHK名古屋放送センタービルにて。
- 2025年9月6日 - 15日 / NHK横浜放送局(横浜局会館)にて。
- 2025年9月19日 - 26日 / NHK秋田放送局(秋田局会館)にて。
- 2025年9月27日 - 10月5日 / NHK熊本放送局(熊本局会館)にて。
- 2025年9月30日 - 10月8日 / 白河市立図書館にて。
- 2025年10月11日 - 19日 / 関門海峡ミュージアムにて。
- 2025年10月12日 - 19日 / 栃木市立美術館にて。
- 2025年10月27日 - 11月3日 / NHK富山放送局(富山局会館)にて。
- 2025年10月29日 - 11月5日 / NHK山口放送局(山口局会館)にて。
- 2025年11月8日 - 14日 / 長崎県美術館にて。
- 2025年11月9日 - 17日 / NHK奈良放送局(奈良局会館)にて。
- 2025年11月19日 - 28日 / NHK神戸放送局(神戸局会館)にて。
- 2025年11月22日 - 30日 / NHK大津放送局(大津局会館)にて。
- 2025年12月6日 - 12日 / NHK千葉放送局(千葉局会館)にて。
- べらぼう展 - 衣装展示(主要キャスト以外)
- べらぼう展 - 浮世絵摺実演
- 九郎助稲荷像(NHK放送博物館にて)
- 『べらぼう』の台本(台東区役所にて)
- 耕書堂の模型(都立中央図書館にて)
- べらぼうフェス(渋谷QFRONT) - 衣装展示
- べらぼうフェス - TSUTAYA SHIBUYA関連商品販売
- 九郎助稲荷祠(丸ビルにて)
その他の主催
- 2025年1月6日 - 12月25日 / 日本橋耕書堂跡に近い中央区で創業200年を超す老舗呉服屋・和装用品の田源が自社ビル内に設けたイチマス田源きものクリニック&呉服問屋ミュージアム(中央区まちかど展示館認定)にて、耕書堂の店頭を原寸大立体再現[43]。
- 2025年1月18日 - 2026年1月12日 / 蔦重が吉原で開業した貸本屋の耕書堂を模した観光案内所と土産物屋を兼ねた江戸新吉原耕書堂を開設[44]。
- 2025年2月2日 - 25日 / 歌舞伎座にて松竹創業130周年記念として猿若祭(初代 中村勘三郎・猿若が1624年に江戸で初めて芝居小屋を旗上げしたことを記念する中村座の伝統行事)を開催し、蔦重役を中村勘九郎 (当代)が務める『きらら浮世伝 版元蔦屋重三郎 魁申し候』が上演される[45][注釈 9]。
- 2025年2月10日 - 3月2日 / 浅草の奥山おまいりまち商店街と浅草西参道商店街で、蔦重が携わった浮世絵などを大型のぼり旗や提灯化あるいは巨大床アートとして飾ったり、江戸のライブパフォーマンスを行う「浮世絵と歌舞伎まつり THE ASAKUSA」を開催[46]。
- 耕書堂の店先復元(田源ビルにて)
- 江戸新吉原耕書堂
- 浮世絵と歌舞伎まつり 大提灯
- 浮世絵と歌舞伎まつり 路面アート
展覧会
ドラマ放送期間およびその前後に、ドラマの舞台地を始め全国各地で蔦屋重三郎や同時代の浮世絵、出版文化に関する展覧会が開かれている。
展覧会の例(都道府県コード順ではなく、開催日時順で掲載) | |||||
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都道府県 | 市町村 | 施設名 | 会期 | 内容 | 出典 |
福井県 | 福井市 | 越前ふくい美術館 | 2024年12月18日 - 2025年2月24日(予定) | 「蔦屋重三郎への道:浮世絵事始め」 | [47] |
東京都 | 台東区 | 台東区立中央図書館 郷土・資料調査室 | 2024年12月20日 - 2025年2月16日(予定) | 「吉原細見の世界3 後編」[注釈 10] | [48] |
港区 | 東京都立中央図書館 | 2025年1月24日 - 3月23日(予定) | 「情報、江戸を駆ける!蔦屋重三郎が生きた時代の出版文化」[注釈 11] | [47] | |
墨田区 | すみだ北斎美術館 | 2025年3月18日 - 5月25日(予定) | 「北斎×プロデューサーズ 蔦屋重三郎から現代まで」 | [47] | |
台東区 | 東京国立博物館 | 2025年4月22日 - 6月15日(予定) | 「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」 | [49] | |
渋谷区 | 太田記念美術館 | 2025年8月30日 - 11月3日(予定) | 「蔦屋重三郎と版元列伝」 | [50] | |
神奈川県 | 藤沢市 | 藤沢市藤澤浮世絵館 | 2024年12月24日 - 2025年2月24日(予定) | 「藤沢と江戸の出版事情 ~蔦屋重三郎と絵師たち~」 | [47] |
静岡県 | 牧之原市 | 牧之原市史料館 | 2025年1月26日 - 2026年1月12日(予定) | 「田沼意次の新時代展」[注釈 12] | [37] |
千葉県 | 野田市 | 茂木本家美術館 | 2025年2月5日 - 3月23日(予定) | 「浮世絵黄金期 -蔦屋重三郎とその時代-」 | [47] |
大阪府 | 大阪市 | 大阪浮世絵美術館 | 2025年2月18日 - 7月13日(予定) | 「べらぼうな浮世絵師18人展」 | [51] |
岐阜県 | 恵那市 | 中山道広重美術館 | 2025年4月3日 - 6月15日(予定) | 「潜入! 江戸の浮世絵出版社」 | [47] |
関連商品
書籍
- 公式ガイドブック
- NHK大河ドラマ・ガイド べらぼう(NHK出版)
- 前編(2024年12月19日発売、ISBN 978-4149233987)
- NHK大河ドラマ歴史ハンドブック べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~ 蔦屋重三郎とその時代(NHK出版、2024年11月29日発売、ISBN 978-4149112053)
- NHK大河ドラマ・ガイド べらぼう(NHK出版)
- ノベライズ
- べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~ 一(2024年12月19日発売、ISBN 978-4140057506)
脚注
参考文献
外部リンク
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