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タカラトミー製の着せ替え人形 ウィキペディアから
リカちゃん(Licca-chan)は、タカラトミー(旧:タカラ)製の着せ替え人形玩具。別称リカちゃん人形、フルネームは香山リカ(Licca Kayama)。累計出荷数は2017年時点で約6000万体[1]。人形玩具の域を超え、企業の広告キャラクターなどタレントとしても活動、公式Twitter・Instagramも開設している。
香山 リカ | |
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初登場 | 1967年 |
作者 | タカラ |
詳細情報 | |
フルネーム | 香山 リカ |
愛称 | リカちゃん |
1966年、元々ダッコちゃん等のビニール玩具のメーカーだったタカラ(旧タカラビニール - 1966年)は、そのビニール加工のノウハウを生かして着せ替え人形市場への参入を計画していた。当初は米マテル社のバービーや、米旧アイデアル社のタミー等の他社の着せ替え人形用の、子供が持ち運びできるドールハウスを企画していたが、既存の人形のサイズに合わせると、ハウス自体のサイズが相当大きくなることが予想された。これが日本の住宅事情や子供の持ち運びに適さないとして根本的に企画が見直され、日本の事情に見合った大きさのドールハウスと、それに合ったサイズの独自の着せ替え人形として1967年に企画・開発されたものが本項のリカちゃんである。初代リカちゃんの開発を担当したのは、"育ての親"と呼ばれる小島康宏(旧・タカラ専務)[2]。
企画にあたり、日本の少女たちがより身近に感じられるようなファッションドールというテーマが掲げられ、小学生という設定と、小さな女の子の手の平の中に収まる身長21cmという大きさと、当時流行していた少女漫画のヒロインのような顔立ちが採用された。漫画家の牧美也子が発売当時の広告のイラストを担当し、広告には「牧先生監修」という表記がされていた[3]。「リカちゃん」という名前は月刊少女漫画雑誌「りぼん」の1967年7月号誌上の一般公募で決定されたことになっているが、実際には発表号をずらして、読者でなくタカラ側が命名した[4]。日本人でも外国人でも通用する名前をということでリカとなった[3]。
親しみやすい仕様が日本の子供に受け入れられたことと、マテル社が生産拠点を他国に移して日本でのバービーの販売に力を入れなくなったという市場の追い風を受け、発売から2年後の1969年には日本での売り上げでリカちゃんがバービーを上回った。その年の年末商戦でも他の人形を圧倒し、それ以降、事実上日本の着せ替え人形の女王として君臨しはじめる。それ以前に売上トップを飾った着せ替え人形は、アイデアル社・三栄貿易の「タミーちゃん」(1964年発売)と中嶋製作所(現ナカジマコーポレーション)の「スカーレットちゃん」(1966年発売)だった。
その後、何度か売上が低迷した時期もあった。中嶋製作所はリカちゃん対抗の商品として「カンナちゃん」を発表し、リカちゃんと競い合った[5]。1972年には中嶋製作所の「ロコたん」、シバの「虹のナナちゃん」、国際マテルの「チュリー」、トミーの「サイクリングユッコちゃん」などが登場し、対策としてリカちゃんは2代目(ニューリカちゃん)にモデルチェンジを行った[5]。1977年にはポピーの「キャンディ♡キャンディ人形」とアサヒ玩具の「ピンク・レディー人形」がヒットし苦戦を強いられた[5]。1990年代前半にはバンダイの「美少女戦士セーラームーン人形」のヒットで苦戦した[6]。
現在の日本でも「着せ替え人形のリカちゃん」の認知は極めて高い。あまり人形に詳しくない人が他社の着せ替え人形も全て「リカちゃん」とひとくくりにしてしまうこともあるほどで、日本における着せ替え人形の代名詞と化している。その高い認知から旧タカラ時代から現在のタカラトミーに至るまで、リカちゃんはメーカーのコーポレートアイデンティティ的キャラクターに位置付けられ、広報・宣伝の顔の1つとなっている。また、可愛らしく親しみやすく家庭的なキャラクターイメージから、多くの企業や公共機関のCMキャラクターとして採用されている。
タカラ創業者の佐藤安太は、リカちゃんを米マテル社に売り込もうとしたことがあるが、担当者らに設定を説明し始めると「なぜ少女向けの人形に親が出てくるのか」と一蹴したという[7]。
「香山リカ(商標の称呼はカヤマリカチャン、カヤマリカ、コーヤマリカ)」という設定上の本名をタカラが1999年3月9日に商標出願した際「同名の精神科医香山リカの承諾を得られていない」という理由で一度拒絶されたが、タカラが不服を申し立てた結果、精神科医香山リカの筆名の方が本商品に因んでいることが認められ、翌年9月21日、無事出願が受け付けられた[8]。
低年齢層の子供の「ごっこ遊び」[9]による情操教育をテーマとする商品であるため、メインのリカちゃんと同時に多くの家族人形、ドレス、ハウス、小物が販売されている。メインターゲットは3〜6歳の女児で、その年齢の女児が好むピンク色を多く採用した商品ラインナップであり、仕様的にも幼児が1人で簡単に着せ替えできるようにワンピース型のドレスが多い。マクドナルド、ミスタードーナツ、サンリオ等、子供の好む飲食店やキャラクターとのタイアップ商品も多く、マクドナルドでは2017年からハッピーセットの着せ替え人形も発売しており、こちらはドレスがプラスチック製である。また、2017年から2019年のハッピーセットの人形とドレスは互換性があるので互いにドレスを着せ替えて遊ぶ事もできる(合計25体で625通りのコーディネートが可能)。旧タカラと旧トミーの合併後はディズニーとのタイアップ商品も発売された。
このように基本的に小さな子供向けの玩具だが、長い歴史を持つため、大人のファンやコレクターも多く存在する。まれに大人向けの凝った仕様の商品が発売されたり、レトロ趣味の人の間で旧型のリカちゃんが高額で取引されたりすることもある。
リカちゃんは年代によって改良が加えられ、1967年発売の初代と2009年現在のリカちゃんの仕様は大きく異なっている。ここでは2009年の現行販売されているリカちゃんとして展開されている。歴代の仕様については年表の項目を参照のこと。
胸部は ABS樹脂、腰部はポリプロピレン、腕・足・頭部はポリ塩化ビニル(ソフトビニル)、もしくは足はオレフィン系熱可塑性エラストマーから構成されている。腕・頭部のポリ塩化ビニルはゾル状からの射出成形、足はペレット状からの射出成形。近年、ポリ塩化ビニルに含まれる可塑剤の揮発による健康被害への対策として、使用する可塑剤が非フタル酸系に変更されたり、足の素材変更がされたりしている。腕の内部には、肌色のビニールでコーティングしたステンレス製の針金2本を中央部で合成ゴムで接続し、U字型に曲げたパーツが組み込まれ、この針金の変形の保持と、肩・腰・大腿付け根のジョイント部分の回転により、腕と足、首のある程度の可動やポージングが可能となっている。
リカちゃんの髪にはPVDC繊維が使われている。ごくまれにPVC繊維が採用されることもある。また、乳幼児の誤飲による窒息事故を避けるために、小さな部品には気道確保のための穴が開けられており、リカちゃんの靴や小物等には毒性の無い苦味成分が塗布されている。
人形の仕様は各商品によって細かい差異があり、様々な瞳の色やメイク、髪色・髪型のバリエーションが存在する。ほとんどの商品の製造は1回限りで、完売した場合は同じ仕様の商品が再生産される可能性は低い。
リカちゃんキャッスルの所在地である福島県田村郡小野町において、ふるさと納税の返礼として500体の「特製 リカちゃん人形」が開始から1ヶ月で全て返礼として在庫がなくなったと2017年6月に報じられた[10]。
時代によってバリエーションがあり、一定しない。リカちゃんに設定がつくられたのは、怪獣図鑑を参考にしたものである。2010年度の日本タレント名鑑(VIPタイムズ社刊)にプロフィールが掲載されている唯一の架空キャラクターでもある[11]。理由はプロフィールがタレント並みに細かく設定されている、様々な会社のCMキャラクターとして活躍しており、タカラトミーがリカちゃんをタレントと認識してもらう為にタレント名鑑の掲載をお願いした。
リカがフランス人と日本人のハーフという設定は、発売当時にハーフの少女タレントの高見エミリー(現・鳩山エミリー)が人気だったことによる[20]。宣伝でも高見エミリーを使う予定があり、社内ではまだ名前が未定だったリカちゃん人形をエミリーと呼んでいたという[21])
ここでは1997年に発売された、様々な年齢のリカちゃんを商品化したセット『リカちゃんのアルバム』に記載された設定、及びその延長上の設定を記載する。
公式設定ではリカちゃんの誕生日は5月3日。リカちゃんの人形が発売開始されたのは1967年7月4日[5]とされるが、これについては幾つかの説があり7月1日ともいわれる。
福島県田村郡小野町にあるリカちゃんの工場兼展示施設。以下「キャッスル」と呼称する。 旧タカラの福島工場として設立され、主にリカちゃんやジェニー等の人形の生産を行っている一部門だったが、後にタカラいわき工業株式会社として分社化。2006年2月、旧タカラと旧トミーの合併前に自社株買いにより資本的に独立し[42]、社名を「リカちゃんキャッスル株式会社」に変更。2011年1月1日からは法人名を「リトルファクトリー株式会社」に変更した[43]。OEMとしてはタカラトミー社向け商品の製造以外に、株式会社スターの製品や株式会社アゾンインターナショナルの製品の製造を請け負っている。
小野町の観光名所の1つでランドマーク的存在でもあり、キャッスルの開設に合わせてリカちゃんは小野町の「町おこしプリンセス」に任命された。以降、町とキャッスルは観光や地域雇用に於いて積極的な連携を行っている。キャッスル付近の橋にはリカちゃんの銅像が立っている。キャッスル側でも小野町に伝わる小野小町伝説にちなみ、十二単を着た「小野小町リカちゃん」を製造、販売している。なお、キャッスルの名誉館長は歴代の小野町町長が務めている。
2014年8月1日東京都中央区日本橋に、大人のためのドールショップ「リカちゃんキャッスルのちいさなおみせ」をオープン。リカちゃんキャッスルやイベントで販売していないオリジナル商品も販売している。
2000年10月7日にオープンした、東京都中央区にある玩具販売店「博品館TOY PARK」地下1階にある、リカちゃんとジェニーの専門店のこと。既製品に加え、リカちゃんCLUB67オリジナルの人形や人形用ドレスも販売されている。店名の「67」は、リカちゃんが1967年に販売開始されたことにちなむもの。
かつて富士急ハイランドにあった、ファミリー向けアトラクションの1つ。2002年7月21日にオープンした。人間サイズに再現されたリカちゃんハウスや、CGによりリカちゃんと一緒に写真が撮れるスタジオ、リカちゃんをイメージしたデザートが食べられるカフェ、売店等が併設されていた。
リカちゃんタウンのオープン以降、富士急行が高速バスの富士河口湖線(新宿 - 富士五湖方面間)で、リカちゃんのラッピングバスを運行していた。また、富士急ハイランドに隣接したホテル「ハイランドリゾート・ホテル&スパ」には、リカちゃんの世界観をイメージして内装からアメニティまでがトータルデザインされた客室「リカちゃんルーム」があった。 リカちゃんタウンは2009年1月12日、リカちゃんルームは2009年1月15日に営業終了した。
#Licca(ハッシュタグ リカ)は、2020年9月1日にデビューした、17歳になったリカちゃん。誕生から53周年のリカちゃん(11歳)が17歳になった[44]。
以下は公式プロフィールより[45]:
リカちゃんとの違い
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マキちゃん、ミキちゃんサイズの人形。
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2009年1月2日放送回ぐるぐるナインティナイン「グルメチキンレース・ゴチになります!」で、岡村隆史が持参した「うなずきん ゴチになりますver.」に対抗し、森泉がタカラトミーに特注したリカちゃん人形から、商品化になったシリーズである。
1992年、リカちゃん生誕30周年記念ドールとして発売された。陶器製。パート1と2があった。
身長10cmくらいのリカちゃんのキーホルダーとストラップ。髪は植毛ではなく成型品だが、服は布製で着せ替えができる。
1992年、リカちゃん生誕25周年記念で初代リカちゃんが復刻された際に、初代リカちゃんをそのまま縮小したデザインで制作販売されたキーホルダーが最初。その後、タイアップ商品である琉球リカちゃんキーホルダー・ストラップが35万個も売れたのを受け、全国各地から様々なご当地リカちゃんキーホルダーやストラップが次々に発売されるようになった。現在ではどれぐらいの種類があるのか全て把握するのは困難な程に、全国で様々な企業や公共機関とのタイアップ商品が続々と発売されている。このキーホルダーやストラップだけを専門に集めるコレクターも存在する。
1968年10月から開始された[56]、リカちゃんの声が聞けるテレフォンサービス。1967年[57]、タカラの本社の電話に一人の女の子から「リカちゃんいますか?」と電話がかかってきた事がきっかけで開設された[56]。当初は人間(初期は女性社員、後にアルバイト)が応対していたが、1968年10月からテープによる自動応答となる。公式にはこの自動応答となった時期をもってリカちゃん電話の開設としている[58]。2002年時点で延べ通話数は1000万通話を超え[57]、2007年時点で月に約1万件の電話が来る[56]。電話番号はサービス開始当時のものから変更されている。現在の番号は外部リンクを参照のこと。
タカラトミーも出資している東京都葛飾区のコミュニティFMかつしかFMでは、朝の番組「モーニングジャーナル」内でリカちゃん電話のコーナーが設けられていた。
かつて、平良海上保安署(2019年現在の宮古島海上保安部)の電話番号がリカちゃん電話のそれと酷似していたため、子供たちからの間違い電話が相次いだことがあった[63]。
リカちゃん電話には、都市伝説が存在する。1人で留守番をしている女の子がリカちゃん電話にかけると、リカちゃんが「これからお出かけするところなのよ」という内容が流れる。もう1度電話すると「お出かけ中」、さらに電話すると「あなたの家の前よ」となり、段々近づいてくる。そして、最後は「今、あなたの後ろよ……」というのがオチで、メリーさんの電話という都市伝説のバリエーションである。この他に「3本足のリカちゃん人形」という怪談系都市伝説も存在する[64]。
「劇団ピッカリ座 ぬいぐるみ人形ファンタジー」は、『出演:リカちゃん』のビデオテロップと共に、ジャケット裏表紙にリカちゃんからのコメントが掲載されている。本編はぬいぐるみ(着ぐるみ)のリカちゃんがそれぞれの物語の主人公を演じている。
ここに記載した以外に、講談社や小学館の幼児誌に不定期にリカちゃんの漫画が掲載されることがある。
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