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『熱闘甲子園』(ねっとうこうしえん、英: Nettoh Koshien)は、朝日放送テレビ(ABCテレビ)[注 1] とテレビ朝日の共同制作により、テレビ朝日系列局で、1981年から(2020年を除く)毎年8月に全国高校野球選手権大会期間中に放送される同大会のダイジェスト・ドキュメンタリー番組である。2006年からはハイビジョン放送ならびに番組連動データ放送が取り入れられ、2007年からステレオ音声で放送されている。
熱闘甲子園 | |
---|---|
収録が行われている 大阪市福島区の朝日放送テレビ | |
ジャンル | スポーツ番組/ドキュメンタリー番組 |
出演者 |
古田敦也 ヒロド歩美 斎藤佑樹 歴代出演者も参照 |
オープニング | #歴代テーマソングを参照 |
エンディング | 同上 |
製作 | |
制作 |
朝日放送テレビ(ABCテレビ) テレビ朝日 |
放送 | |
音声形式 | ステレオ放送(2007年 - ) |
放送国・地域 | 日本 |
放送期間 | 1981年8月 - (全国高校野球選手権大会開催期間中) |
放送時間 | 放送時間の変遷を参照 |
放送分 | 30分 |
朝日放送テレビによる公式サイト | |
特記事項: 雨天中止及び休養日は放送休止。 朝日放送テレビの社名は、2017年度まで「朝日放送」。 大会の開催が見送られた2020年には、放送を全面的に休止。 |
現在の冠スポンサーはコカ・コーラで、2006年までは「コカ・コーラサマースペシャル」として放送していた。2007年度から2015年度までは、同社のスポーツドリンクのブランド名である「アクエリアス」名義で単独提供。2016年からは、「コカ・コーラサマースペシャル」というタイトルを復活させている(2021年からは同社のキャンペーンスローガンにちなむ「コカ・コーラ Real Magic」[1]という副題になっている)。
ただし2020年には、8月に開催を予定していた第102回全国高等学校野球選手権大会が新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となったことから、当番組を放送しなかった[2]。その一方で、選手権大会と当番組の放送が再開された2021年からは、男子選手権の本大会と同じく阪神甲子園球場を使用する全国高等学校女子硬式野球選手権大会決勝の模様も取り上げている[3]。
朝日放送(ABC)が腸捻転解消のネットチェンジでANNに加盟した1975年、当時の最終版全国ニュース『ANNニュースファイナル』終了後の深夜枠で20 - 30分程度のハイライト番組『高校野球ハイライト』が制作されるようになった。『ハイライト』は朝日放送を発局として日本教育テレビ(NET)→テレビ朝日などで放送されていた。
1979年の第61回大会決勝戦翌日に『水曜スペシャル』枠で「熱闘!甲子園」として単発ながらこの大会のダイジェスト番組を全国放送[注 2] したところ反響が大きかったため、1981年から大会期間中の平日は21:00、週末は23:00(その後、1982年から平日は22:00に繰り下げ[注 3])から30分枠で「熱闘甲子園・高校野球ハイライト」と銘打って連日放送されるようになり、朝日放送のスポーツ担当アナウンサーらをキャスターに据えその日の熱戦を振り返った。
1990年以降は、平日については大会の前半は『ニュースステーション(Nステ)』がフルスペックで放送された後の23:18→23:20から、後半は23:00から放送を開始した。
1989年まで、地上波未放送(試合延長により18時以後も継続されていた試合、及び1984年までの3回戦までで、定時番組放送枠確保のため中断していた昼休みの時間帯)は、事実上当番組で放送するための映像資料素材用の収録だった。
1993年からキャスターを廃し、この頃より大物選手への密着、試合に関わるすべての人間への特集(いわゆる「企画もの」「感動もの」)などに軸足を置いた番組になった。1996年と1997年には日替わりで出演者を代えて番組を進行していた(1996年は各界の高校野球ファン、1997年は女性アイドルタレントが日替わり出演した)。この流れで、2000年代にもタレントがナレーターを務めた(#ナレーター参照)。
1998年からは長島三奈(テレビ朝日スポーツ局記者→同社嘱託)が進行を担当するようになる。ただし、2000年は長島がテレビ朝日を一旦退社・充電中だったため、元フィギュアスケート日本代表選手の八木沼純子が担当した。また、2000年からは『Nステ』が21:54スタートになったことで、大会後半の繰上げスタートが無くなり、平日は23:09スタートになる(2002年から23:10スタートに変更)。
2006年には、土・日曜の放送でスタジオにゲストを招いた。そして同年より藤崎健一郎(朝日放送〈当時〉アナウンサー)が、ナレーションを長きに渡って担当するようになる。
2009年の放送では、元プロ野球選手から初めて、栗山英樹を司会者に起用(詳細は後述)。以下のように、番組構成の一部を変更している。
2010年には放送開始30周年を記念して、番組タイトルを『熱闘甲子園30th』として放送。番組構成は、上記2009年の内容の下2つが継続された。
2012年は栗山が北海道日本ハムファイターズ一軍監督就任のため、工藤公康を司会者に起用。また前年10月の番組改編[注 5] に伴い、日曜日の放送時間が通常23:15スタートに変更した。
2013年には、長島・工藤に加えて竹内由恵(当時テレビ朝日アナウンサー)を司会(進行役)に起用する一方で、土・日曜日の放送時間を23:15 - 23:45に統一[注 6]。初日(8月8日)の放送に松井秀喜をゲストに迎えたほか、スポットCMには松井・藤浪晋太郎・大谷翔平が「甲子園のスーパースター」として登場した。なお、最終日(8月22日)の放送には、同年の朝日放送での高校野球テーマソング「ダイヤモンド」の作詞・作曲・歌唱を手掛けたコブクロをゲストに招いている。
2014年には、1月末でテレビ朝日との嘱託契約が終了した長島と、竹内が司会を降板。高校野球の経験者である三上大樹と、2人の実兄が経験者という新人アナウンサーの山本雪乃(共にテレビ朝日アナウンサー)が、工藤と共に司会を務める。ちなみに、長島は当番組へ通算15年間出演。その一方で、新人アナウンサーの起用は番組史上初めてである[4]。また、8月17日(日曜日)の放送には、葛西紀明(スキージャンプ選手、ソチオリンピックラージヒル個人銀メダリスト)をゲストに迎えている。
番組開始35周年に当たる2015年は、工藤が福岡ソフトバンクホークスの一軍監督へ就任したため、古田敦也を司会者に起用。前年から続投した山本とのコンビで、取材・進行を担当した。また、高校野球全国大会の開催が(前身である全国中等学校野球大会の第1回大会からの通算で)100年目に当たることを記念して、「高校野球100年 ことだま」という特集コーナーを編成。過去の大会を湧かせた著名な元・高校球児(松井や斎藤佑樹など)や監督経験者が事前収録で語った現在の球児へのメッセージを、連日放送している。
放送期間がリオデジャネイロオリンピックと重なった2016年には、前年までキャスターを務めていたテレビ朝日のアナウンサーに代わって、朝日放送〈当時〉アナウンサーのヒロド歩美が古田とのコンビで進行。ただし、大会初日(8月7日・日曜日)の20:58から翌8日6:00までの時間帯をオリンピック競技中継(テレビ朝日担当分・全国ネット)に充てたため、当番組の放送を大会2日目(8日)から開始した。このため、7日の23:20 - 23:50には、「バーチャル高校野球」(朝日新聞と朝日放送が共同で運営する大会関連のポータルサイト)から、放送と同じ構成で当日の試合のダイジェストなどを収録した動画『高校野球開幕 熱闘甲子園スペシャル』のライブ配信を実施した(詳細後述)。また、オリンピック中継との兼ね合いで、テレビ朝日からはナレーション担当のアナウンサーも派遣されなかった。このため、朝日放送・テレビ朝日両局のアナウンサーではない関西在住のナレーター・有田洋之を、初めてナレーターに起用している。
2017年の土・日曜日には、テレビ朝日系列の4月改編で21 - 23時台前半の特別番組枠(『土曜プライム』『日曜エンタ』)が撤廃されたことに伴って、当番組の放送時間を変更(土曜日は23:05 - 23:35、日曜日は月 - 金曜と同じ23:10 - 23:40)。2014年のサブ司会だった三上がテレビ中継の実況担当へ復帰するとともに、テレビ朝日のアナウンサーとしては2年振りにナレーターを務めた。
大会が100回を迎えた2018年からは、朝日放送グループの再編に伴ってラジオ・テレビ兼営局だったABCからテレビ放送事業を承継した朝日放送テレビ(ABCテレビ)が、ABCに代わって当番組の制作に関与している。同年には、「高校野球100年記念スペシャルナビゲーター」に起用された相葉雅紀(嵐)が、『速報!甲子園への道』と共に出演。当番組では、「相言葉」(あいことば)というロケコーナーで取材とナレーションを担当する一方で、スタジオへの出演を大会の序盤(1日目および2日目)・終盤(準決勝以降)および中盤の週末に限っていた。放送時間については、土曜日のみ、『サタデーステーション』の枠拡大および『陸海空 地球征服するなんて』の枠移動・縮小の影響で、前年より10分繰り下げて23:15 - 23:45に放送した(他曜日については従前通り)。さらに、一部の放送日では、以下のようにスペシャルゲストを迎えていた。
2019年には、月 - 木曜分の放送時間を23:15 - 23:45に変更した。前年の10月改編から『報道ステーション』(報ステ)の放送枠を従前より5分拡大していることに伴う措置で、金 - 日曜分は従前通り。地上波で放送済みの本編動画については、TVerで放送終了後から1週間限定で無料配信。放送の翌日からは、AbemaTVのオンデマンドサービスでも配信している[6]。また、8月14日(水曜日)放送分には、長島が出演。スタジオには前年と違ってゲスト扱いで登場したが、当日の開催カードが2回戦の3試合だけだったことから、キャスター時代に担当していた出場校選手への取材企画を1日限定で本編に復活させた[7]。
2020年には、日本高等学校野球連盟(日本高野連)が第102回全国高等学校野球選手権本大会および全地方大会の中止を5月20日に決めたため、選手権本大会のダイジェスト番組としては放送しなかった。日本高野連では、本大会の開催を予定していた期間に甲子園球場で「2020年甲子園高校野球交流試合」(新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止された第92回選抜高等学校野球大会への出場32校による招待試合)を開催したため、朝日放送グループのテレビ・ラジオやテレビ朝日グループのBS朝日では全16試合を中継(スカイAでは中継映像の録画を放送)[8]。地上波の朝日放送テレビでは、当番組を放送しない代わりに、交流試合の模様や出場選手の様子を30分で伝える関西ローカル番組『2020高校野球 僕らの夏』を初日(8月10日)から8日間にわたって放送した(前年までの『熱闘甲子園』に続いて古田とヒロドがMCを担当)[9]。朝日放送テレビ社長の山本晋也は、この編成を発表した7月8日の定例記者会見で、「『熱闘甲子園』は(あくまでも選手権)本大会のダイジェスト(番組)で、交流試合のダイジェスト(番組)を『熱闘甲子園』の名で放送することはない。例年『熱闘甲子園』を放送している時間帯(23時台)には、(関西)ローカルだけど、交流試合にかける球児の思いを詰め込んだ番組を通じて、交流戦の模様や高校生のさまざまなことを伝えたい」と説明している[10]。
これとは別で、大会後の8月23日21時から22時54分に『高校野球特番2020 君だけの甲子園』を、テレビ朝日単独主管製作にて放送されたが、上記関西ローカルのハイライトと同じ形で、古田、ヒロド、長嶋がナビゲーターを務めたほか、朝日放送テレビも試合中継の映像素材を提供する協力局として制作に関わった。
日本国内における新型コロナウイルス感染症の流行は2021年も続いていたが、朝日放送テレビでは第103回全国高等学校野球選手権大会が同年の8月9日以降に開催された場合に、古田・ヒロドのMCで当番組の放送を2年振りに再開することを4月4日に発表[11]。6月30日(水曜日)に阪神甲子園球場で催された阪神タイガース対東京ヤクルトスワローズのナイトゲーム(朝日放送テレビではサンテレビとのトップ&リレー方式で関西ローカル向けに中継)では、ヒロドが白地に「HIRODO」という黒色のロゴを入れたユニフォーム姿で、当番組のPRを目的に、ヤクルトのOBでもある古田とのバッテリーで「ファーストピッチセレモニー」に臨んだ[12]。実際には、台風接近の影響で大会の開幕が当初の予定から1日順延されたことを受けて、8月10日(火曜日)から2年振りに放送を再開。生放送で使用する朝日放送テレビ本社内のスタジオでは、「前年の選手権大会中止に伴って都道府県・地区単位で開催された独自大会を全勝で終えた79校からの寄贈品や貸与品(当時の3年生部員からの寄せ書きが入ったTシャツなど)を、ダッグアウトをかたどったセットへ飾る」という演出を施している[13]。また、古田・ヒロドが出場校の選手や関係者を取材する場合には、新型コロナウイルスへの感染拡大を防止する観点から、セット内のモニターを通じたリモート中継方式で収録。8月15日(日曜日=大会第3日)には第4試合(高川学園対小松大谷戦)が大会史上最も遅い時刻(21:40)に終了したが、当日の放送枠が23:25 - 23:55に設定されていたことから、試合の終了から約2時間後に生放送でダイジェストを伝えた。
なお、2021年の第103回大会期間中の8月23日(月曜日)には、全国高等学校女子硬式野球選手権大会の決勝が甲子園球場で初めて開催された。朝日放送テレビではこの試合の中継映像を(当初は生放送を想定していたが、実際には「バーチャル高校野球」でのライブ配信や、地上波・スカイAで後日放送のダイジェスト番組向けに)制作[14][15][16]。当日は決勝の前に第103回大会2回戦の1試合(近江対大阪桐蔭戦)だけが組まれていたため、当番組で初めて女子選手権大会の試合を男子大会と同じフォーマットで紹介した[3]。決勝開催日(8月29日=日曜日)での最終放送でも、女子選手権大会の決勝や女子選手に関する映像を、男子の選手権大会全体を振り返る特集映像の中に初めて盛り込んだ。
2022年には、3試合が組まれていた日の生放送に、以下の人物を「スペシャルゲスト」としてスタジオに相次いで迎えている。
なお、古田は2022年に第12日(8月18日放送分)まで当番組へ出演していたが、大会2度目の休養日に充てられていた翌19日にPCR検査で新型コロナウイルスへの感染を確認。所轄の保健所から療養を求められたため、第13日(20日)に予定していた準決勝第1試合テレビ中継へのゲスト出演を急遽取り止めたほか、20日・22日(決勝当日)の当番組、21日(大会最後の休養日)に放送の『サンデーLIVE!!』(テレビ朝日・朝日放送テレビ・メ~テレの共同制作によるANN全国ネット番組)向け生中継、22日の決勝戦テレビ中継への出演も相次いで見合わせた。このような事情から、準決勝第1試合と決勝のテレビ中継には、古田に代わって斎藤が出演。20日・22日の当番組と21日の『サンデーLIVE!!』には、朝日放送テレビ本社のスタジオからヒロドが単独で登場した[19]。
ヒロドは『サンデーLIVE!!』からの降板と朝日放送テレビからの退社(いずれも2023年3月)を経て、翌4月からフリーアナウンサーに転身。当番組では、転身と同時に起用された『報道ステーション』のスポーツキャスターと並行しながら、2023年も古田と共にMCを務めている。この年からは斎藤がMC陣に加わっている[20]が、ヒロドは放送期間中に『報道ステーション』を休演する一方で、当番組を全日にわたって進行。古田と斎藤については、2人揃って出演するパターン(初日・第13日・最終日)、斎藤のみが出演するパターン(第2日 - 第6日)、古田のみが出演するパターン(第7日・第8日・第10日 - 第12日)、2人とも出演しないパターン(第9日)のいずれか対応している。さらに、当番組と縁の深い人物を、以下のようにゲストに迎えている。
2024年には、前年に続いてヒロド・古田・斎藤がMCを担当する一方で、アニメーションによる告知CMを新たに制作した。このCMには、沖縄県立八重山商工高等学校3年時の2006年に春夏連続で甲子園大会に出場していた大嶺祐太(元・千葉ロッテマリーンズ→中日ドラゴンズ投手)や、高校時代に本大会の試合で苦渋を味わっていた日本プロ野球(NPB)の現役選手(ロッテ投手の小島和哉・東北楽天ゴールデンイーグルス投手の林優樹など)などが声を当てている。なお、第2日(8月8日)の放送に際しては、男子選手権大会の開幕前週(8月3日)に甲子園球場で催された女子選手権の第26回大会決勝(花巻東対神戸弘陵学園戦)のダイジェストにヒロドの優勝校(神戸弘陵学園)取材を交えた特集を終盤に編成。第4日(10日)・第7日(13日)の放送で古田に代わって松坂を迎えた一方で、第9日(15日)にはヒロドと古田だけで生放送を進行した。斎藤に代わって長島三奈が出演した第10日(16日)には、前年に脳梗塞を発症していた栃木県立石橋高等学校硬式野球部の𠮷田光来マネジャー(当日の2回戦第3試合に「記録員」としてベンチ入り)を長島が取材した特集を、第3試合(対青森山田高等学校戦)のダイジェストに先駆けて放送。
前述した「熱闘!甲子園」や当番組は、それまでの高校野球ハイライト番組と違って、試合内容よりも試合に関わる選手たちの人間ドラマに重点を置いている。このため、朝日放送での中継映像以外に番組独自のカメラから撮影した画像も随所に盛り込んで(バックスクリーン側から打球の行方を追う「ホームランカメラ」[注 7] やネット裏最前列から選手の表情をクローズアップしたカメラなど)、実況の音声[注 8] や球場の歓声を被せるという構成になっている。大きな特徴として、緊迫する瞬間の際にあらゆる音を消す無音編集を売りにしており、2018年7月29日放送の「日曜もアメトーーク!」の「高校野球大好き芸人」において本番組の無音編集がピックアップされたほどである。
初期のオープニング (OP) では、当日注目の1試合のハイライト映像に続いて、大会のテーマソング「君よ八月に熱くなれ」(吹奏楽バージョン)をBGMに当日の試合組み合わせの字幕だけを表示。エンディング (ED) では、放送当日までの試合に敗れ去った学校や選手たち(または翌日以降登場する注目の学校や選手たち)を取り上げた映像をバックに、テーマソングを流した後で、翌日の試合組み合わせの字幕だけを出していた。この時期には、放送当日に複数の試合があれば、第1試合から順に試合のハイライトを放送していた。
開始当初は、粗編集の試合ダイジェスト映像に、キャスターがアドリブでコメントを入れることもあった。この番組構成にはキー局やスポンサーからも異論があったが、視聴者には好評で、その後NHKの高校野球のニュース映像も独自映像(こちらはネット裏記者席付近より打球の行方をクローズアップする)プラス実況音声、キー局のテレビ朝日のプロ野球のニュース映像(主に外野スタンドに据えつけたクレーンカメラで打球の行方をクローズアップ)という風に他局にも影響を及ぼすことになる。
近年の放送では、その年のテーマソングをBGMに当日の各試合の注目選手やハイライト映像ならびに特集の内容をOPで紹介。EDでは、翌日(休養日をはさむ場合には翌々日)に予定されている試合から注目のカード1試合に焦点を当てるとともに、当該カードに臨む出場校や選手の特集を予告している。2000年代以降は、当日の注目カードの放送を優先することが増えている。放送年によっては、当日の最終試合(第3・4試合目)のハイライトを最初に放送する日が多いこともある。
なお、試合ダイジェストのナレーションは、朝日放送テレビのアナウンサーとテレビ朝日の男性アナウンサーで分担。最終日(決勝戦当日)は生放送で、決勝戦のダイジェストについては、上記のアナウンサーが前半→後半のリレー形式でナレーションを担当する。いずれの場合にも、当日の放送で取り上げる試合や選手を甲子園球場で取材してからナレーションを収録。テレビ朝日からの派遣アナウンサーについては、テレビ中継での実況と並行しながらナレーションを担当する年がある。
また、平日に当番組の前枠でテレビ朝日制作・全国ネットの最終版ニュース番組(『ニュースステーション』→『報道ステーション』)が編成されるようになってからは、当該番組のスポーツコーナーでも当番組の予告を1試合分紹介している。『ニュースステーション』(『Nステ』)時代の2008年までは予告以外に当日の試合の結果を簡潔に伝えるだけだったが、『Nステ』スポーツキャスターの栗山を当番組のキャスターへ起用した2009年以降は、スポーツキャスターが本大会の試合を取材した後に、当番組スタジオからの生中継でスポーツコーナーへ登場する日も多い(詳細後述)。さらに、2017年以降の『報道ステーション』内のスポーツコーナーでは、大会期間中のみ「熱盛甲子園」(あつもりこうしえん)というミニ企画で高校野球の話題を締めくくる。「熱盛甲子園」は、「きょうの熱盛」(放送当日のプロ野球公式戦から名シーン・好プレーの映像をダイジェスト形式で紹介するプロ野球シーズン限定企画)の高校野球版で、当番組のタイトルロゴに似た書体をタイトルロゴに用いている。
少なくとも2021年(第103回大会)と2022年(第104回大会)では、地上波テレビ向け試合中継の冒頭で、当番組の放送概要を当該試合の実況アナウンサーが紹介。当日に放送を予定している企画から、当該試合に関する内容(注目の選手など)を伝えている。ただし、2023年(第105回記念大会)の中継では、紹介のタイミングを試合後(基本として「インターバルゾーン」内)に変更。当日に放送する予定の企画で取り上げる選手が試合に出場した場合には、試合中に撮影したばかりの出場シーンの映像を組み込んでいる。
開始当初は、「昼間の熱気をゴールデンタイムに」、「真昼の感動を夜再び」、「今夜(放送開始時間)感動と興奮が蘇る」といったコピーを使用。2007年から2009年までは「あしたのヒーロー、本日誕生。」、2010年には「伝説は、つづく。」、2022年には「主役、ジブン」、2023年には「声が夏を熱くする」が採用されている。
年度 | 放送時間(日本時間) | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
月曜 - 木曜版 | 金曜版 | 土曜版 | 日曜版 | |||
前半 | 後半 | |||||
1981 | 21:00 - 21:30(30分) | (月曜 - 木曜版と同じ) | 23:00 - 23:30(30分) | |||
1982 - 1989 | 22:00 - 22:30(30分) | |||||
1990 - 1994 | 23:18 - 23:48(30分) | 23:00 - 23:30(30分) | ||||
1995 - 1999 | 23:20 - 23:50(30分) | |||||
2000 - 2001 | 23:09 - 23:39(30分) | |||||
2002 - 2011 | 23:10 - 23:40(30分) | |||||
2012 | 23:00 - 23:30(30分) | 23:15 - 23:45(30分) | ||||
2013 - 2015 | 23:15 - 23:45(30分) | |||||
2016 | 23:20 - 23:50(30分) | 23:15 - 23:45(30分) | (後述) | |||
2017 | 23:10 - 23:40(30分) | 23:05 - 23:35(30分) | 23:10 - 23:40(30分) | |||
2018 | 23:15 - 23:45(30分) | 23:15 - 23:45(30分) | ||||
2019 | 23:10 - 23:40(30分) | |||||
2021 - | 23:10 - 23:40(30分) | (月曜 - 木曜版と同じ) | 23:00 - 23:30(30分) |
通常の放送時間の変遷は前述の遍歴を参照。ここでは規定放送時間以外での変更を扱う。
現在は、朝日放送グループのCS放送局スカイAでも時差放送をしている。2012年度までは地上波放送後の翌朝に時差放送(例として2008年の放送時間は7:45 - 8:15だった(稀に前日のプロ野球中継や高校野球完全録画中継の延長により放送時間変更の場合がある)を行い、年末にはその年の分をまとめて再放送[注 13] していた。
2013年は一旦大会翌朝の再放送は実施せず、大会終了後[注 14] 一挙集中放送日を設けた[22]。
2014年から2016年は再び試合翌日(試合日によっては当日深夜[注 15])の放送だったが、脚注に記した通り日程によってはCSでの完全中継前のネタバレになることもあったため、これを解消する目的で、2017年は4年ぶりに翌朝の再放送は行わず、大会終了後[注 16] に一挙集中放送日を設けて対応し、以後も同様に大会終了後のまとめて再放送に移行している。
(注)
○は現在のネット局。一部の放送局は時差ネット。△は製作協力局。 他系列局は、ネットしないものの、VTRの取材協力に参加している局も含む(ただし、1981年以降、系列は現在の系列。●は現在他系列局だが、当時はテレビ朝日系列とのクロスネットだった局)。
放送対象地域 | 放送局 | 現在の系列 | 備考 |
---|---|---|---|
近畿広域圏 | 朝日放送テレビ[注 1] | テレビ朝日系列 | 共同制作局 |
関東広域圏 | テレビ朝日 | ||
北海道 | 北海道テレビ | ○△ | |
青森県 | 青森放送 | 日本テレビ系列 | ● |
青森朝日放送 | テレビ朝日系列 | ○ | |
岩手県 | IBC岩手放送 | TBS系列 | |
岩手朝日テレビ | テレビ朝日系列 | ○ | |
宮城県 | 東日本放送 | ○ | |
秋田県 | 秋田放送 | 日本テレビ系列 | [注 30] |
秋田朝日放送 | テレビ朝日系列 | ○△ | |
山形県 | 山形放送 | 日本テレビ系列 | ● |
山形テレビ | テレビ朝日系列 | ○ | |
福島県 | 福島中央テレビ | 日本テレビ系列 | ● |
福島放送 | テレビ朝日系列 | ○ | |
山梨県 | 山梨放送 | 日本テレビ系列 | |
テレビ山梨 | TBS系列 | ||
新潟県 | 新潟総合テレビ | フジテレビ系列 | ● |
新潟テレビ21 | テレビ朝日系列 | ○ | |
長野県 | 信越放送 | TBS系列 | |
テレビ信州 | 日本テレビ系列 | ● | |
長野朝日放送 | テレビ朝日系列 | ○△ | |
静岡県 | 静岡朝日テレビ | ○△ | |
富山県 | 北日本放送 | 日本テレビ系列 | |
富山テレビ | フジテレビ系列 | ||
石川県 | 北陸放送 | TBS系列 | |
北陸朝日放送 | テレビ朝日系列 | ○ | |
福井県 | 福井放送[注 31] | 日本テレビ系列 | ● |
中京広域圏 | 名古屋テレビ | テレビ朝日系列 | ○△ |
滋賀県 | びわ湖放送 | 独立局 | |
京都府 | 京都放送 | ||
兵庫県 | サンテレビ | ||
奈良県 | 奈良テレビ | ||
和歌山県 | テレビ和歌山 | ||
鳥取県・島根県 | 日本海テレビ | 日本テレビ系列 | ● |
山陰放送 | TBS系列 | ||
広島県 | 広島ホームテレビ | テレビ朝日系列 | ○△ |
山口県 | 山口放送 | 日本テレビ系列 | ● |
山口朝日放送 | テレビ朝日系列 | ○ | |
徳島県 | 四国放送 | 日本テレビ系列 | |
香川県・岡山県 | 瀬戸内海放送 | テレビ朝日系列 | ○△ |
愛媛県 | 南海放送 | 日本テレビ系列 | |
愛媛朝日テレビ | テレビ朝日系列 | ○ | |
高知県 | 高知放送 | 日本テレビ系列 | |
テレビ高知 | TBS系列 | ||
福岡県 | 九州朝日放送 | テレビ朝日系列 | ○△ |
長崎県 | 長崎放送 | TBS系列 | |
長崎文化放送 | テレビ朝日系列 | ○ | |
熊本県 | 熊本放送 | TBS系列 | |
熊本朝日放送 | テレビ朝日系列 | ○ | |
大分県 | 大分放送 | TBS系列 | |
大分朝日放送 | テレビ朝日系列 | ○ | |
宮崎県 | 宮崎放送[注 32] | TBS系列 | |
鹿児島県 | 鹿児島テレビ | フジテレビ系列 | ● |
鹿児島放送 | テレビ朝日系列 | ○ | |
沖縄県 | 琉球放送 | TBS系列 | |
琉球朝日放送 | テレビ朝日系列 | ○[注 33] |
2018年以降は「バーチャル高校野球」、2019年以降はTVerとAbemaTV(2023年まで)で、放送済み動画の見逃し配信サービスを実施している。
当番組を放送しない2020年には、ベリーグッドマンを「2020ABC高校野球パワーソングアーティスト」に起用。甲子園高校野球交流試合の中継や、『2020高校野球 僕らの夏』向けにオリジナルソング「Dreamer」を提供している[33]。
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