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日本の殺虫剤・日用品メーカー。「金鳥」「KINCHO」の商標で知られる。 ウィキペディアから
大日本除虫菊株式会社(だいにほんじょちゅうぎく、登記上の商号:大日本除蟲菊株式会社)は、大阪府大阪市西区土佐堀一丁目に本社を置く、殺虫剤など衛生薬品の製造・販売をおこなう日本の日用品メーカーである。
大日本除虫菊本社ビルである 金鳥土佐堀ビル(大阪市西区土佐堀一丁目) | |
種類 | 株式会社 |
---|---|
市場情報 | 非上場 |
略称 | 金鳥(KINCHO) |
本社所在地 |
日本 〒550-0001 大阪市西区土佐堀1-4-11 |
設立 | 1919年(大正8年)4月21日 |
業種 | 化学 |
法人番号 | 7120001044993 |
事業内容 | 衛生薬品、殺虫剤、防虫剤等の製造販売 |
代表者 | 代表取締役社長 上山 直英[1] |
資本金 | 4億4000万円 |
売上高 |
251億円(2021年12月期) 236億円(2022年12月期)[2] |
従業員数 | 497人(2022年4月現在)[2] |
決算期 | 12月 |
主要子会社 | ダンヘルスケア株式会社 |
関係する人物 |
上山英一郎(創業者) 上山英介 |
外部リンク | https://www.kincho.co.jp/ |
「金鳥」「KINCHO」(きんちょう)の商標名で知られる。正式な社名より商標が浸透しているが、創業のきっかけを忘れないため「大日本除虫菊」の社名は堅持している。また、2020年現在でも東京証券取引所を含め、国内外の株式市場に上場していない。みどり会の会員企業で、三和グループに属している[3]。
企業スローガンは「昔も今も、品質一番の金鳥」。
アース製薬、フマキラーと並び、家庭用殺虫剤では日本の主要シェアを誇る。金鳥蚊取り線香は東南アジアでも市場占有率は高く、ほぼ日本と変わらぬ包装で市販されている。自社の製品で多くの害虫を殺虫していることから、毎年1月に加盟している業界団体の「日本家庭用殺虫剤工業会」で虫供養を実施している[4]。
1885年(明治18年)、和歌山県有田郡の蜜柑農家の四男であった創業者の上山英一郎が、福沢諭吉の紹介で、アメリカの植物会社社長H・E・アモアと出会う。アモアから殺虫効果のある除虫菊の種苗を手渡された上山は、除虫菊の栽培農家を求めて各地を行脚する。そしてまず、乾燥させた除虫菊の粉末からノミ取り粉の製品化に成功する。その後、農家から蚊に効く除虫剤の製造を依頼された上山は、澱粉に除虫菊を混ぜた線香(蚊取線香)「金鳥香」の製造を開始する。最初は棒状であったが、燃えている時間が短い、細いため効果を上げるには何本も焚かなければならない、といった短所があった。
1895年(明治28年)上山英一郎の妻ゆきが、蚊取り線香を渦巻型に改良する着想を得る。改良の着想を得てから7年の歳月を費やし、1902年(明治35年)、現代にも続く「渦巻型蚊取り線香」を発売[5][6]。これが評判となり、1905年(明治38年)には日本除蟲菊貿易合資會社を設立し、海外にも蚊取り線香の販売を開始する。1934年(昭和9年)には今日まで発売されている液体噴霧殺虫剤「キンチョール」(キンチョー+オイルの造語)を発売。本格的な虫駆除を目的とした殺虫剤、日用品製造企業としての知名度を築き上げた[7]。
なお1960年代から、除虫菊の殺虫成分であるピレトリンは使われておらず、住友化学が開発した合成ピレスロイドの「アレスリン」を使用している。
1910年(明治43年)に商標登録された「金鳥」は、同社発売の蚊取り線香の「金鳥香」に由来している。シンボルマークにはニワトリが描かれており、これは「鶏口となるも牛後となるなかれ」という故事成語から採られている。上山英一郎は、この一節を信条としており、業界の先駆者として「鶏口」になり、品質をはじめ、あらゆる面で他より優れたトップの存在でありたいという願いが込められている。また、シンボルマークのニワトリの胸の辺りには「上山」の判子を模したロゴが入っている[8]。
※特定業者以外の購入は不可。
(ウールマーク認定商品)
(「ティンクル」「アミライト フィルター洗浄スプレー」「ノロキンクリアPRO」「お米に虫コナーズ」「カーテンにカビがはえなくなるスプレー」「クリーンフロー トイレのニオイがなくなるスプレー」を除き、旧サンポールからの譲渡品)
発売は住友化学園芸が行っている。
家庭用殺虫剤・虫よけ剤
業務用殺虫剤
防虫剤
住宅用洗剤他(「キンクリア」「ノロキンクリア」「サピカ サンポールスプレー」「手指のキンクリア」を除き、旧サンポールからの譲渡品(一部旧サンポール時代に生産完了))
ワンタッチぞうきん
芳香剤・消臭剤・制汗剤(「コロンZ」は旧サンポールからの譲渡品、「サンポールコロン」「ニューゼット」は旧サンポール製品)
使い捨てカイロ
入浴剤
園芸用品
その他医薬品
金鳥のテレビCMは、長年電通関西支社の堀井博次、田井中邦彦、石井達矢、中治信博、山崎隆明らが中心となった堀井グループが制作しており、ユニークでシニカルな表現をされるものが多い。過去には、CMディレクターとして知られる川崎徹、市川準らが演出を担当していたこともある。
起用するタレントとの新鮮なミスマッチ感も相まって毎回話題となり、CM中のフレーズが流行語になる事も少なくない。CMには大阪を本拠とする企業であることから、掛布雅之、桂文珍、西川のりお、板東英二、岸部一徳、沢口靖子、藤原紀香、豊川悦司、ファーストサマーウイカなど関西出身、若しくは関西にゆかりのある芸能人・スポーツ選手を起用することが多い。またキンチョウリキッドのCMは、長年にわたり河童に扮した山瀬まみが出演している。
ただし「蚊取り線香」のCMに限り、博報堂関西支社が制作しており、基本的に笑いを指向しない、夏の情緒あふれるものとなっている。たいていはBGMにも演歌が用いられる[注 1] が、1988年のみ原由子「GIRL」が使用された。CMの最後は「金鳥の夏、日本の夏。」のナレーションの後に『KINCHO』[注 2][注 3] のロゴをあしらった仕掛花火で締めることが恒例となっている。CMがハイビジョン撮影になった後も長らく90年代からのSDサイズ版を使ってきたが、2019年度のCMより、仕掛け花火の部分が再収録された[25]。実写撮影のものを高速再生で編集しており、CGは一切使っていない。
ここでは代表的なものを紹介する。
(※ 当時のサンポールは金鳥ではなく、旧サンポール時代のコピー)
ラジオではスポンサードしている番組がないため、スポットとしても流れることがほぼないが、夏場にキンチョール、おでかけカトリスと絡めたラジオCMをニッポン放送やABCラジオなどのAM局で放送している。毎年5月下旬に情報が公開され、その後放送される。このラジオCMも関西出身者が関西弁を使用する例が多々ある。また、キンチョールやおでかけカトリス以外でも大日本除虫菊の扱う商品をさらに絡めることもある。
2016年・2017年は『金鳥少年』シリーズ。学生の恋愛模様を題材としており、高山さん役を野田琴乃、大沢くん役を 山隈祐太郎 が務める。また、ナレーションはライス大、2017年度から後藤くん役を 遠岳大河 がつとめており、これらはすべて公式サイト上でも公開されている[27][28]。このCMはリスナー間をはじめ多方面に話題を呼ぶこととなる。
また、2016年・2017年のACC TOKYO CREATIVITY AWARDS(2016年はACC CM FESTIVAL)において、ラジオCM部門の最高賞である総務大臣賞・ACCグランプリを受賞している。
2018年度は『殺虫剤占いシリーズ』『金鳥のいなくなるシリーズ』『いま聞きたいストーリー』。2019年度は『それを言ったら終わりの会』『G作家の小部屋』。2020年度は『なな子と光三郎』『もやる人』。2021年度は『虫コナーズで名言を』『Hさんの話』『ゴキブリと少年』。
2022年度は蚊に効く 虫コナーズプレミアムを用いた『「棒」シリーズ』で三坂賢二郎、内山絢貴、安富史郎、春木真里奈、アッテンベルジェ北田あやめ、りんが出演。
(2024年4月現在)
主に4月から9月までの間に集中的に番組のスポンサーにつき、残りの半年はスポットCMのみになる。番組によっては同業者のアース製薬もスポンサーになることがある。
※関西テレビの制作でフジテレビ系列で日曜日の放送(在阪テレビ局の中では関西テレビと最も密接であり、時間帯問わずスポット枠が流れている)。提供ナレーション時の読みは「昔も今も品質一番の金鳥 創業明治18年(1885年)」であった。
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