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文字や図形などで構成されるデジタル情報を放送信号の隙間に重畳して伝送する放送 ウィキペディアから
文字多重放送(もじたじゅうほうそう、英:Teletext)とは放送信号の隙間(視覚・聴覚に影響の出ない部分)に、文字や図形などの符号化されたデジタルデータを多重(重畳)して送信される放送である[1]。
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本項目では日本のデジタルテレビ放送で実施されている「字幕放送」に関しても取り扱う。
この節の加筆が望まれています。 |
世界初の文字放送(テレテキスト)は、BBC(英国放送協会/イギリス)のシーファクス(Ceefax)である[2]。シーファクスは1970年頃に聴覚障害者や少数言語話者に向けた補助字幕放送を『必要とする利用者に限定して提供する方法』として研究が始まり、1972年までに基本システムが完成した。この頃には字幕放送の他に各種ニュースソースや現在時刻の送出なども要件に盛り込まれた。1973年の中頃には試験放送が開始されたが、内容は無意味な文字パターンが並ぶテストページのみだった[3]。1974年9月23日にサービスを開始、BBCの視聴者に対し様々な情報を提供した。イギリスの文字放送システムは制御符号・英数文字・64種のモザイクパターンが全て7ビットコードで表され、仕様が簡素であることから殆どのテレビにデコーダーが搭載され、最盛期には週に2000万人の利用があった[2]。2012年10月23日、アナログ放送のサービスは終了したが、サービス自体は「Red Button」に名称を変えてデジタル放送に引き継がれた[2]。
日本では漢字の様に文字数が多くフォントROMが高額になることや、文字コードが複雑でビット誤りが起きた際の文字化けが人間側で容易に(想像による)訂正できないことから当初はパターン方式での放送が検討された[4][5]。NHKは1976年2月に文字放送に関する趣意書を発表し、1978年にはNHK技術研究所で文字放送や補助字幕放送の各種実験放送を行っている。この時に採用された仕様はCIBS方式と呼ばれる332×200ドットのモノクロビットイメージを垂直帰線区間を利用して送出する方式だった[3]。NHK方式以外にも朝日放送と松下電器(現在のパナソニック)が開発した方式もあった[6]が、1983年10月3日、東京と大阪のNHK総合テレビで、パターン方式による試験放送を開始[7][8][9]。ニュースと天気予報の他に、連続テレビ小説『おしん』の字幕放送も行われた。
文字多重放送の本格実用化にあたり、NHKが試験放送を実施してきたパターン方式と、民放各局が実験してきた情報を符号化して受信機側で文字・図形に再生するコード方式の要素を併せ持つ符号化伝送方式(ハイブリッド方式)の導入が1985年に決定し[5][10][11][12][13]、1985年11月29日にNHK総合(東京・大阪)と日本テレビがハイブリッド方式による文字多重放送の本放送を開始した[9]。NHKが全国でニュース・天気・生活情報などを提供する本格的な文字放送を開始したのは1986年11月29日である[14][15]。2008年3月31日、地上デジタル放送への完全移行の準備のため、字幕放送とNHKの一部サービスを除く文字多重放送の番組が全て終了し、データ放送に集約された。
日本のハイブリッド方式は、1986年にCCIRにより「CCIR Teletext System D(JTES)」として規格化されている。日本以外での採用例は韓国文化放送の文字多重放送「MINDS」がある。英国方式はSystem B(WST)で規格化され、仕様が簡素であることから世界規模で広く普及した。米国ではNAPLPSの仕様を組み入れたSystem C(NABTS)が規格化されたが、デコーダーが高価になることから支持されたのはWSTだった。
番組番号 | 項目 | 放送時間 | ページ数 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | 目次 | 総合テレビと同一 | 1 | |
2 | 主なニュース | 0:00〜22:00 | 1 | ニュースの見出し |
3 | ニュース | 0:00〜22:00 | 8 | |
4 | ローカルニュース | 0:00〜22:00 | 4(東京2、大阪2) | |
5 | 天気予報 | 0:00〜22:00 | 2(東京1、大阪1) | |
6 | おしらせ | 総合テレビと同一 | 4(東京2、大阪2) | 聴力障害者向けお知らせ |
7 | 連続テレビ小説 あらすじ | 総合テレビと同一 | 3 | 『おしん』のあらすじ 日曜日は「おしん」以外の番組紹介 |
8 | 字幕番組 | 8:15〜8:30 12:45〜13:00 | 『おしん』の字幕。月〜土 |
かつては独自放送が行われていた関係で、主に大都市圏の放送局では「JO○○-TCMx」(xは独立系事業者が放送を行う場合に付与される連番。以下同じ)というコールサインが付与されていた。
その後、放送法改正で字幕放送が「本来業務」に加えられ実質義務化された関係で、字幕放送分のコールサインは本体に包含され、それ以外の独立データ放送部分のコールサインが「JO○○-TDMx」と改められた。このとき、字幕放送のためだけにTCMコールサインを取得していた放送局はコールサインが廃止された。
2011年7月24日(宮城・岩手・福島は2012年3月31日)の全国地上アナログ放送終了に伴い、TDMコールサインは全廃された。なお、デジタルテレビ放送は字幕も独立データも最初から含まれているため、独立したコールサインは無く全て「JO○○-DTV」でまとめられている。
1999年3月31日現在。
放送区域 | 放送局 | |
---|---|---|
NHK総合 | 民放 | |
北海道 | 日本文字放送 | 北海道テレビ放送 |
青森 | 青森朝日放送 | |
秋田 | 秋田朝日放送 | |
岩手 | 岩手朝日テレビ | |
福島 | 福島放送 | |
山形 | 山形テレビ | |
宮城 | 東日本放送 | |
関東広域 | 日本テレビ放送網(アクセス・フォア) 東京放送(東京データビジョン) フジテレビジョン テレビ朝日(朝日レタービジョン) テレビ東京(日経テレプレス) | |
東京 | 東京メトロポリタンテレビジョン | |
長野 | 中部文字放送 | 長野朝日放送 |
新潟 | 新潟テレビ21 | |
山梨 | - | |
中京広域 | 中部日本放送(中部日本データビジョン) | |
石川 福井 |
- | |
静岡 | 静岡放送 | |
富山 | 北日本放送 | |
近畿広域 | 西日本文字放送 | 毎日放送 朝日放送 関西テレビ放送 読売テレビ放送 |
大阪 | テレビ大坂(日経テレプレス大阪) | |
岡山 島根 広島 鳥取 山口 愛媛 香川 高知 徳島 |
- | |
福岡 | 九州朝日放送 福岡放送 | |
大分 | 大分朝日放送 | |
鹿児島 | 鹿児島放送 | |
熊本 | 熊本朝日放送 | |
佐賀 | - | |
長崎 | 長崎文化放送 | |
宮崎 | テレビ宮崎 | |
沖縄 | - |
文字多重放送の英名(teletext)。一般にはテレビ放送に多重される文字多重放送の事を指す。日本では「文字放送」と同義語として使われるが、ヨーロッパでは「文字多重放送」と同義語として使われる事が多い。
ただ地上デジタル放送が始まってからは、それに対応するデータ放送への移行などから、字幕放送以外の独立番組が相次いで終了した。因みに、かつて海外向け国際放送のNHKワールドで放送されていた「NHK文字ニュース」は、地上アナログ放送の901#(ヘッドライン)と902#で放送されている内容が、BGMを加えた上でそのまま放送されていた(2007年度いっぱいで事実上終了)[注釈 6]。
字幕放送のこと。狭義には北アメリカで行われている字幕放送を指す。
NHKによって開発された、FM文字多重放送技術(DARC=Data Radio Channel)、その受信端末であるパパラビジョン、パパラジーコムについて本項で扱う。
「見えるラジオ(見えラジ)」という愛称で、エフエム東京(TOKYO FM)が1994年10月1日に開始したのを始めとしてJFN系列のラジオ局が用いて放送していた。わかりやすい愛称で全国的に展開されたため、FM文字多重放送一般を指す言葉として用いられる事があるが、TOKYO FMの登録商標(第4005056号)である。1画面は全角15文字×2行で、ラジオ番組と連動した番組情報、ニュースや交通情報などの独立情報、緊急時の緊急情報を見ることができた。
TOKYO FM・JFN系列では、AIR-G'を除き2014年3月31日を以てサービスを終了し[38]、その後もJR車内向け等に唯一放送を続けていたAIR-G'も2016年9月30日をもってサービスを終了した[39]。これについてTOKYO FMは「近年のインターネット環境の浸透で、携帯電話などで様々な情報を見ることができるようになり、見えるラジオの役割を果たし終えるのが妥当と考える」としている。
JFN系列以外のFM放送局においても実施された実績がある。
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