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日本の法律に基づき市町村長により指定される避難所 ウィキペディアから
避難所(ひなんじょ、英: refuge, shelter, evacuation area)とは、避難するための施設や場所のこと。
本稿では特に指定が無い限り、日本国内の避難所について解説する。
避難所とは、災害のため自宅で過ごすことが困難になった時、一定の期間、避難生活をする場所のことをいい、主に学校や行政が管理する公民館(コミュニティセンター、市民センター等)などが割り当てられる。
また、災害から身を守るため、一時的に逃げ込む場所のことは「避難場所」という。
避難場所は主に、町内会や自治会が管理する公民館や集会所、グラウンドや河川敷、大きい公園など、広いスペースが指定される。 様々な分類・用語があるうるが、たとえば次のような分類・用語がある。
一般に仮設住宅は避難所に分類されない。
従来の災害対策基本法においては、「切迫した災害の危険から一時的に逃れるための避難場所」と、「損壊した自宅に戻れないなどの理由で避難生活を送るための避難所」が必ずしも明確に区別されておらず、東日本大震災では被害拡大の一因ともなったと指摘されている。
このため、2013年6月に改正された災害対策基本法において、切迫した災害の危険から一時的に逃れるための 緊急避難場所(指定緊急避難場所)と、一定期間滞在し、避難者の生活環境を確保するための 避難所(指定避難所)が明確に区別された[4]。
指定緊急避難場所は、災害が発生し、又は発生するおそれがある場合にその危険から逃れるための避難場所として、洪水や津波など異常な現象の種類ごとに安全性等の一定の基準を満たす施設又は場所を市町村長が指定する(災害対策基本法第49条の4)。
ひとまず危険を回避するための場所であり、災害に対して一定の安全性がある頑丈な建物や、危険が及ばないと考えられる開けた場所(グラウンドや駐車場など)が指定されている。地震、津波、土砂災害、洪水など災害の種類ごとに適した場所が異なり、例えば土砂災害や火事に対しては適しているが洪水や津波の場合浸水の恐れがあるため不可というような場所がある[5]。
指定避難所は、災害の危険性があり避難した住民等を災害の危険性がなくなるまでに必要な間滞在させ、または災害により家に戻れなくなった住民等を一時的に滞在させるための施設として市町村長が指定する(災害対策基本法第49条の7)。
一定の期間滞在するための場所であり、ある程度の人員を屋内に収容できる学校や体育館、公民館などが指定されている。指定緊急避難場所を兼ね、そのまま滞在できる場所もある。
災害対策基本法に基づいて、各自治体で地域防災計画が立てられ、それに沿って設置されている。
一例として東京都の避難所について解説する。
東京都の行政で「避難所」と呼ばれているのは、区・市・町・村によってあらかじめ指定されている避難施設のことである[23][24]、災害発生時に、避難者に安全・安心の場を提供する目的で、区長・市長・町長・村長が開設・管理・運営するものである[24]。対象者(避難者)としては次のような人々が想定されている[24]。
避難所は、被災者の生命の安全を確保する役割と、一時的に生活する施設としての重要な役割を果たす。東京都の避難所では次のような生活支援を提供する[25]。
東京都の避難所は区・市・町・村などが主体となって指定し、学校や公民館などの公共施設を指定している[25]。 耐震構造・耐火構造・鉄筋構造のものが指定され、収容人数は、3.3平米あたり2名と計算している[25]。
災害発生時、様々な理由から、予め自治体が定めている指定避難所以外の場所に滞在して生活する被災住民がしばしばみられる。こうした被災住民は、行政・地域による安否確認が難しい、物資などの支援が行き届きにくいなどの課題があるとされている[27][28]。
避難所以外で過ごす理由としては、指定避難所が満杯である、プライバシーや防犯上の懸念がある、乳幼児や介護の必要な者がいて迷惑をかけたくない・周囲の目が気になる、また、地震や津波等で指定避難所が被災して使えなくなった・余震などで安全性に不安が生じた、避難所の過密を避けたい、ペットと一緒に避難ができない、避難所への距離が遠い・移動手段がないなど、多様な理由が報告されている[27][29][30]。
被災していない親類や友人の家に避難する事例や、公民館・集会所、廃校、行政施設などの(指定外の、あるいは避難所ではなく一時の緊急避難場所に指定された)公共施設に避難する事例があるほか、寺院など宗教施設、老人ホームや保育所などの福祉施設、宿泊施設、飲食店など、住民によく知られた公共性・公益性の高いところに避難する事例がある。これらのような施設がない地域では、民間の施設や近隣の個人の住宅といった公共性・公益性の高くないところに避難した事例もある(東日本大震災など)[注釈 1][28]。
自宅敷地や広場などにて自家用車で寝泊まりすることを車中避難・車中泊と呼び、狭隘なためエコノミークラス症候群の危険性が高いことが知られている。公共施設敷地のほか、スーパーやコンビニの駐車場など車を置き滞在する事例もある(熊本地震)[30]。
また、自宅が損壊しながらも、損壊の程度が軽い部屋などでライフラインの制限を受けながら過ごす在宅避難、 自宅敷地内の物置小屋や倉庫、農業用ハウス、テントなどを代用し”仮住まい”として過ごす軒先避難という言葉は[31][32]、東日本大震災や熊本地震を契機に使われ知られるようになった。
こうした指定外の避難者の課題に対して、行政などの支援側はその把握に努めるべき、また住民側も避難所・避難者の存在を知らせ支援を求める情報発信を行うよう努めるべきという指摘がある[27]。
帰宅困難者への対策として、一時的に帰宅困難者を受け入れる一時滞在施設が各自治体により指定されている。また東京など首都圏では、徒歩で帰宅する者を支援するためにトイレや水の提供などに協力する帰宅支援ステーションの制度があり、コンビニ、ファーストフード店・ファミリーレストラン等の飲食店、ガソリンスタンドなどの企業と協定が結ばれている[33]。
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