九州産交バス
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九州産交バス株式会社(きゅうしゅうさんこうバス、英: Kyushu Sanko Bus Co., Ltd.)は、熊本県熊本市に本社を置く九州産業交通ホールディングス傘下のバス事業者。本社は熊本県熊本市西区の熊本営業所内に所在する。
九州産交バス・産交バス 本社 | |
種類 | 株式会社 |
---|---|
略称 | 産交バス |
本社所在地 |
日本 〒860-0068 熊本県熊本市西区上代四丁目13番34号 北緯32度46分37.3秒 東経130度40分2.4秒 |
設立 | 2006年4月1日 |
業種 | 陸運業 |
法人番号 | 9330001006723 |
事業内容 |
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代表者 | 岩﨑 司晃(代表取締役社長) |
資本金 | 9,000万円 |
従業員数 | 639人(2018年6月1日現在) |
決算期 | 9月30日 |
主要株主 | 九州産業交通ホールディングス株式会社 100% |
主要子会社 |
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関係する人物 | 森 敬輔(元社長) |
外部リンク |
www |
熊本市近辺の路線バスおよび、熊本県内から各都市への高速バスを中心に運行し、2015年10月1日からは貸切バス事業も行っている。
なお本項では、九州産業交通株式会社時代に地域分社化され、後に合併して設立された子会社の「産交バス株式会社」についても記載する。両社とも略称は産交バス(さんこうバス)。
九州産交バスおよび産交バスの乗合バス営業所はバスの行き先案内などで○○産交と呼ばれることがある。たとえば、松橋営業所へ向かうバスは松橋産交行きと案内される。ただし、熊本営業所に向かうバスは西部車庫行き、天草営業所は産交車庫前と案内される。また一般の路線バス車両のリアガラスの左下には、「熊本」「八代」「木山」「松橋」といったステッカーが貼り付けてあり、所属営業所がひと目で分かるようになっているが、最近は各営業所も新規(中古車も含む)、転属ステッカーを貼り付けていない。
本社・熊本営業部においては2007年10月1日開設時より熊本営業所とした1つの営業所としてすべての路線を運営していたが、2012年4月1日の組織改正において業務ごとに分割された。さらに子会社の産交バスにおいても一部営業所においては地区ごとに営業部を設けていたが、産交バスでは2021年4月の組織改編に伴い、阿蘇・天草の営業部を廃止した。また九州産交バスは2021年10月の組織改編に伴い、それまで別れていた路線バス担当の運行本部、貸切バス担当の貸切バス事業本部、ランプバス担当のランプバス事業本部の3つを運行本部に一本化、さらに熊本営業部を廃止し、路線バス営業所を熊本営業所、高速バス営業所を高速営業所と変更した[14][15]。
現在、路線バスの分離子会社は同社のみ。実際は、旧産交観光バス営業所を併設していた上記の九州産交バス直轄営業所(高速営業所・光の森営業所・松橋営業所[注 2]を除く)を含め熊本県内全域に営業所を持つが、以下は九州産交バス直轄営業所に併設された営業所を除く地方営業所のみ記載。[注 3]
※上記営業所とは別。
同社直轄路線および子会社である産交バスの路線を合わせると、ほぼ県下全域にネットワークを持つ。路線バスを運営する分離子会社として、天草産交(天草・牛深)、熊北産交(荒尾・玉名、高森)、熊南産交(八代・水俣・人吉)、産交観光バス(菊池・阿蘇・小国・三角)の4社があったが、2005年4月1日付けで合併し、産交バスとして統合された。
路線バスの車両は、熊本都心部などでは大型車がほとんどで、それ以外の地域では中型車が比較的多い。また、乗客の極端に少ない路線や、山間部のローカル線では小型車を使用することがほとんどで、小型車は主にレインボー・リエッセ・ポンチョ・エルガミオの四種類が存在するが、最も保有台数の多いリエッセのBDG-RX6JFBA型を使うことが多い。最近では自家用マイクロタイプのローザ・リエッセⅡも導入している。また、近年一部地域において新規に開設した路線(これまで路線バス空白地域だった区間など)においては一般乗用車タイプのワンボックスカー(トヨタ・ハイエースコミューター〈12人乗り〉)が使用されている。
路線の詳細については各営業所の記事を参照のこと。
熊本県内の主要都市間を結ぶ快速バスと、主に他県の主要都市へ向かう特急バスからなる。高速道路を経由する特急バスは、とくに高速特急と呼ばれる。また、本渡線においては2011年3月12日より超快速バスも運行開始した。
このほか過去においては急行バス(福岡、杖立、高森、三角、日奈久線等)、準急バス(杖立、高森、山鹿、本渡線等)も存在したが、現在は上記四種だけである。
下記の路線のほか、九州国際観光バスから引き継いだ九州横断バスも運行している。
高速バスにおいては、熊本桜町バスターミナルを発着する路線の他、同BTを経由しない八代(新八代駅)発着便と福岡発着便がある。
カッコ内は共同運行会社。
九州産交バス側の担当ならびに共同運行会社の熊本側運行支援業務は全て本社・高速営業所。★は夜行便。
運行ならびに八代における共同運行会社への運行支援業務(待機・休憩・折返し整備等)は産交バス八代営業所が担当。
いずれも運行は本社・高速営業所が担当。車両は、フェニックスにおいては宮崎へなんぷう号(一部福岡における乗務員交替はひのくに号にて出入り)として、黒川線においては福岡へひのくに号としてそれぞれ熊本から送り込みをおこなう。
九州産業交通時代の1986年に貸切バス専業の子会社として九州産交観光を設立し貸切バス事業を分社化したが、2015年10月1日の会社統合により九州産交観光を合併し、現在は当社にて貸切バス事業も行っている。
なお、イベントなどで多くの乗客が見込まれると主催者が判断した場合、手続きを経て一般路線バスまたは都市間バスの車両を「貸切」または「臨時バス」として使用されることもある。
2020年4月に熊本空港ターミナルビル建て替えに伴う措置として、熊本空港内のランプバス運行を受託、新たにランプバス事業本部を設置し、空港内のランプバスを担当するランプバス営業所を開設した。[18][19]その後2021年10月の組織改編に伴い、ランプバス事業本部は解散、ランプバス営業所は九州産交バスの他の営業所と同じく、運行本部に組み込まれている。
一部の自治体において下記のコミュニティバスの運行を受託している。
この項では、運行撤退・廃止・休止・運行終了した路線について記す。高速・特急・快速・急行・準急バスほか空港線その他特殊路線のみ述べる(一般路線バスについては各営業所記事を参照)。
原則、県外路線は特急、県内路線は快速となっていた。おゝあそ号とさつま号が例外。1980年代ころまで運賃とは別に特急または快速料金の設定があった。1970年代の特急快速料金は30円。ひのくに号とありあけ号は座席指定だった。他の路線は、乗車券購入時に番号が書かれた乗車整理券が配られ、その順番で乗車していた。
準急バスは区間急行のものも存在した。
日本国内の4メーカーの車種は全て導入しているが、いすゞ車と日野車の比率が高い。地域柄、西日本車体工業製の車体架装車も多い。このほか、観光・高速路線・空港リムジン用にヒュンダイ製バスといった輸入車も保有。かつては路線用にネオプラン製バスも保有していたが、2014年3月までに廃車となっている。
路線車は1970年代までは地元車体メーカーの松本車体や永田ボデー、隣県の西日本車体工業[注 10]などが架装を行うケースも多く、純正車体も導入していたため、大変バラエティに富んでいた。また、1990年頃までは貸切車からの格下げ車が多く、中扉増設や前面方向幕取付けなどイズミ車体による大規模な転用改造を行なった車両が大変多く見られた。この他、阿蘇山の観光路線用に、マウントカーという特殊な仕様のバスを導入していたり、トヨタ自動車がかつて製造していた大型バスを、同社の撤退まで山形交通と共に多数購入していた事でも知られる。
路線車に冷房車が導入されたのが1974年夏と比較的早かったが、天草地区では非冷房の新車を1982年頃まで導入された[20]為全車の冷房化は遅れた。
その後、貸切車からの格下げはエンジン出力の差が大きくなってきたことやハイデッカー化の進行から行なわれなくなってきており、現在の路線車は新車または移籍車での導入である。近年はノンステップバスも導入されているが、その中でも特筆すべきものとしては、1998年に導入されたネオプラン・セントロライナーN4011で、日本の路線バス車両としては数少ない輸入車であったが、最後の1台が2014年2月に運用離脱・廃車された。
熊本都市圏では系統番号の導入に即し、後面の行先表示も大型化した(熊本市営や熊本電鉄バスも同様)。1999年以降の新車及び近年の移籍車にはLED方向幕が採用され、それ以前の車両においても徐々にフィルム式方向幕からLED方向機への取替が進み、2019年9月時点では九州産交バスは全車、産交バスでは一部車両を除き全てがLED表示式となっている。運行車両のほとんどがLED化された2019年9月には従来の「回送」表示に関して、当社グループ発足77周年を記念し本体・子会社全ての一般路線バス全車両には「九州産交グループ77年目のありがとう 次の未来へ回送中」と表示していたが、2020年6月5日からは新型コロナウイルス感染拡大に対応している全ての医療従事者に感謝の意を表した「医療従事者のみなさまに感謝! 回送中」という表示に変更されている[21]。
かつては創業以来長きにわたり新車での導入を推進してきた当社であったが、2005年頃以降においてはコスト削減の面からか、子会社を含む大半の営業所において経年を迎えた車両の置き換えには本州大都市などにおいて使用されていた他事業者からの移籍車による導入となっており、新車はごく稀にしか購入されなくなっていたが、2017年以降また少しずつ新車導入が復活しつつある。
2018年に環境省の委託プロジェクト「EVバス、トラックの普及拡大を可能とする大型車用EVシステム技術開発」に協力するため、路線車の一台を電気自動車に改造、「よかエコバス」の愛称で熊本市内の路線で実証運行が行われている[22][23]。
主な中古車の移籍元
車両は基本的に熊本都市圏を運行する路線では一般路線向け大型車(中扉仕様)、道幅が狭い道路等を走行する路線をはじめ熊本都市圏に乗り入れない県内各地のローカル路線においては日野レインボー(KR系)やいすゞエルガミオなどの中型車や日野・リエッセまたは日野・ポンチョなどの小型車が幅広く用いられている。最近(2010年代より)では熊本都市圏に乗り入れない県内各地のローカル路線では日野リエッセや日野ポンチョをはじめ、三菱ローザや日野リエッセⅡなどのマイクロバスタイプの車両といった小型車両での運用がメインとなっている。かつては、中型車両ではいすゞ・ジャーニーKが熊本県内全域において多く導入されていたが、経年により現在ではそのほとんどが姿を消している。
2012年5月頃より、路線車の多くはドライブレコーダーを導入しており、走行時には車内外における全ての状況が映像データとして記録されるようになっている。また、2013年4月からは熊本都市圏を運行する九州産交バス所属車(山鹿営業所を除く)においてau Wi-Fi SPOTサービスを開始した(auのIDを持つすべてのスマートフォン・タブレット端末・ノートPC等の接続が可能。au以外のユーザーが利用する場合は事前に契約が必要)が、2022年3月31日を以って一般路線バスにおけるau Wi-Fi SPOTサービスは終了。
ここで言う長距離路線車とは、空港リムジンバスを除く、一般道のみで主要都市間を結ぶ路線(あまくさ号など)や九州横断バスで使用される車両のことを指す。
長距離路線車において、かつては一般路線車をベースにした大型標準床仕様だが、前乗り前降りのトップドア(1扉)車で側窓も大型の引き違い窓、車内はリクライニング機構で背面には灰皿・小物入れが付いた4列(横2+2列)配置で中央通路側に補助席を設けたハイバックシートを備えるなど、長距離乗車に適した一般観光タイプ仕様であった。このタイプの車両は過去に数多く導入され、その多くは県内完結の快速バスや一部の特急バス(ありあけ号など)に使用されていた。大半は新車での導入であったが、貸切車を塗装変更した上でワンマン機器を取り付けた改造転用車もあった。
だが、このタイプの車両は1990年の購入を最後に導入されなくなり、その後は県内完結の快速路線が次々と廃止されたのに伴ってその大半が中扉増設などの改造が施され一般路線車に格下げられた。やがてこれらを含む車両も経年化により2010年頃までには離脱している。
現在では、すべて高速用路線車や観光バスなどから転用されたハイデッカー車が使用されている。そのほとんどは当社ならびに系列貸切事業者からの転用または県外他事業者からの移籍車両であるが、この他に新車として韓国からの輸入車であるヒュンダイ・ユニバースも2017年までにあわせて6台導入されている。また、当社高速車の過半数を占める2代目日野・セレガが長距離路線用としても2017年と2018年に各1台ずつ新車で投入され、主に大分線「やまびこ号」を中心に、時として空港リムジンの予備車としても使用されている。尚、当該車両は高速車と違い車内にトイレは設置されていない。 因みに、「あまくさ号」専用車にはパウダールーム付きの2代目セレガが投入されているが、元は新八代駅 - 宮崎線「B&Sみやざき号」からの転用車であり、2018年から2019年及び2023年末に八代営業所から天草営業所に転属したものである。
空港リムジンバスは、窓に「空港線」「空港専用」の表示がされた車両。ベース車は前述の長距離用路線車と同じ観光バスタイプ車で、一般路線シャーシのトップドア車やハイデッカー車が使用される。過去においては前から7列目より最後列までコの字型にロングシートが採用され(別称:サロンバスとも呼ばれていた)、尚且つ車内はビデオ放送(テレビフォトCM)も流されていたが、後に全て廃止され、現在では当初からの車内左前方に荷物置き場が設置されている以外は一般観光車両と同じ全席リクライニングシートとなっている。その中でも特異車として、2002年式車である標準床車両の日野ブルーリボンシティ(セレガマスク)が2台存在したが、この2台は新製当時はトイレが設置され天草 - 空港線「あまくさ号」専用車として天草営業所に配置された。だが、2年ほどで「あまくさ号」の運用を離れ中央営業所(現:高速営業所)に転属し、トイレを撤去ならびに荷物置き場新設などの改造が施された上で空港リムジンバスとして転用されたものである。その後、2台の内1台は熊本港オーシャンアローシャトルバスとして再転用されたのち、現在は白ナンバーに変更され教習車(社員用教育車)となった。もう1台も2010年代後半頃より予備車となり、2020年には定期運用から離脱ののちナブテスコオートモーティブ社によって開発されたドライバー異常時対応システム(「EDSS」)の試験車両に転用されたが、2022年8月時点では運用を離脱した模様。
当初は一般路線シャーシの標準床トップドア車が新車で投入されていたものの、1990年代中盤頃より新車での購入を差し控え、自社高速用路線車や系列貸切事業者から改造転用されたハイデッカー車両が使われるようになり、これらによって一時期は古い車両ばかりが揃っていたが、2010年代に入ると韓国製輸入車であるヒュンダイ・ユニバースが新車で投入されるようになり、旧年式車両を徐々に置き換えている。
この他、2008年より空港リムジンバスとしては珍しいノンステップバス(日野PKG-KV234N2、西日本車体工業ボディ、一般路線用のノンステップバスと同じ中乗り前降り)も2台投入されていた。約10年間運用されたのち、2020年に同じく中乗り前降り仕様でスロープ付きのワンステップバスである三菱ふそう・エアロスターが新車で2台投入。新車投入によってこれまで使用されていた旧ノンステップバスは空港リムジンバスとしての使命を終え、一般路線カラーに塗り替えられ木山営業所に転属し、一般路線車として転用されている。
ここで言う高速車とは、サンライズ号やひのくに号など高速道路を経由して県外主要都市間とを結ぶ路線に使用される車両を指す。長距離路線車と同様、ベース車は観光タイプ車であるが、車内にはトイレが設置されている事(一部車両を除く)や、路線によっては3列シート(昼行便は2+1列・夜行便は3列独立)であるのが特徴で、全車ともETC、高性能無線機、追突防止・車線逸脱防止警報装置を搭載している。
高速車については基本的に国産4メーカーでの導入とはなっているが、現在は日野車の割合が大半を占め、次いで三菱ふそう車となっている。1990年代初頭の高速路線開業ラッシュ時においてはいすゞ車をメインとして大量に購入され、高速車の過半数をいすゞ車で占めていたが、経年による代替によって徐々に日野または三菱車に置き換えられ、現在いすゞ車はごく少数派に留まっている。2016年には高速車においてもヒュンダイ・ユニバースが導入され、2018年現在では6台ほど在籍している。過去には日デ(現:UD)車もあったが、現存していない。因みに車体シャーシについては、メーカー純正車体(ジェイバス車体も純正扱いとする)と西工車体のどちらも導入していたが、現在は純正車体のみで、西工車は高速車としては全廃[注 12]となっている。また、かつては夜行高速バスと「フェニックス号」はスーパーハイデッカー車、それ以外の路線は基本的にハイデッカー車での導入であったが、2008年以降の新車は昼行・夜行用ともハイデッカー車で購入されている。また、高速車両としては九州圏内において現行型日野セレガ(ADG-RU1ESAA・2005年式)をいち早く導入した事も有名である。
当社の高速車は一貫して新車での入れ替えが慣例であったが、2000年代以降は新車の購入を差し控えていた時期もあり、一部の路線を除きあまり新車での入れ替えがおこなわれず、一定の路線に新車として導入し、これまで使われていた経年となった車両を他路線に転用する方法へと変化した事もあり、路線によっては車齢20年を経過した車両の姿が多く目立っていた。2021年には名鉄バスからの移籍車が4台導入され、元夜行車のスーパーハイデッカー車両(三菱ふそう・エアロクイーン)は「なんぷう号」「フェニックス号」専用車として、4列シート仕様でパウダールーム付のハイデッカー車両(三菱ふそう・エアロエース)の3台は「りんどう号」専用車としてそれぞれ置き換えられた。高速車としての移籍車による導入は初となる。
かつて1990年代における高速バス開設ブーム時期においては、全車に車内公衆電話[注 13]・テレビ(ビデオ映画→DVD映画)・マルチステレオ(音楽サービス)などの設備やおしぼり・飲み物(コーヒー・お茶)・情報誌(Full Fullくまもと)サービスなども備えられていたが、現在はすべて廃止されている。その反面、最近では一部車両において新たに携帯電話・スマートフォン等の携帯端末充電用コンセントを各座席に設置したり、除菌設備やWi-Fi(公衆無線LAN)などを備えるなど、時代のニーズに合わせた設備は今後においても順次導入されつつある。
行先方向幕は、2005年導入以降の新車(一部車両を除く)またはそれ以前導入の一部車両において大半がLED行先方向器による表示となっているが、経年式車では従来からのフィルム巻取式方向幕のままの車両も存在する。
新人教育、または社員教育用車両である。
かつては営業車両の貸切及び快速車両の中扉増設車の経年車をワンマン機器の搭載は勿論、教育機材を追加設置した上で教育車両専用への塗装、白ナンバーへ変更となり、営業車両と区別を図っていた。 近年では一般低床車両が主で、現在は松橋営業所最終配属の三菱ふそう・エアロスターM(九州産交では一台のみの新規導入車(KC-MP617M)でLED改造取付車)と阪東自動車から教育車として導入した日野・ブルーリボンHU、そして、かつて新製導入時は天草営業所において快速「あまくさ号」で使われたのち熊本営業所において空港専用リムジンバスに転用された日野ブルーリボンシティ(初代セレガマスク)の3台が在籍している。日野ブルーリボンシティについては、前扉で観光仕様のままの転用は初である。過去には松橋営業所・砥用駐在所に最終配属していた旧空港専用リムジンバス(日野ブルーリボンHU)の中扉増設車もあったが、廃車となっている。 また、阪東自動車からの車両は水色と紺色の教習車専用色になったものの、残りの2台については一般路線用カラー・空港リムジン色のまま、白ナンバーに変更となった位で、方向幕に「教習車」と記載している以外は営業車との区別はあまりない。
3台とも熊本営業所(西部車庫)に配置している。
2015年10月からは貸切バスも運営するようになった事から、4列シート(横2+2列 全席リクライニングシート)を備えた観光タイプの貸切車も多数保有する事となった。新車が導入される2018年3月以前の車両は全て九州産交観光からの移管である。基本的に国産4メーカーとも取り揃えていたが、2023年現在、大型車は日野セレガまたはいすゞガーラがメインとなっており、三菱車は小型車のみの配置となっている[注 16]。過去にはUD車も存在していたが、現在は全廃となっている。
2015年4月1日より運用開始。イメージキャラクターにくまモンが採用され、通称・くまモンのIC CARDまたはくまモンカード、くまモンICとも呼ばれる。実質的に後述の回数券やTO熊カードの後継的なカードで、2016年3月31日まではTO熊カードと併用という形で両方のカードが使用できた。当カードは、従来TO熊カードを使用していた熊本都市圏を運行する当社グループ及び熊本県内他事業者(熊本電気鉄道・熊本バス・熊本都市バス)運行の一般路線バスをはじめ、熊本空港専用リムジンバスや、天草線「あまくさ号」・高森線「たかもり号」・福岡線「ひのくに号」・延岡線「たかちほ号」といった一部の都市間バスに加え、かつてはTO熊カードが使えなかった産交バス路線(熊本都市圏に乗り入れない地域を運行する路線)や、大分線「やまびこ号(産交便のみ)」・九州横断バスでも使用出来る[注 20]。また、熊本市電においては諸般の事情により同年8月から使えるようになった。電子マネー機能も有しており、バス運賃のほか加盟店の店舗における支払いなどでも使える。チャージはバス車内の他、窓口や加盟店店舗・チャージ機により1,000円~30,000円までの間であればできるが、車内におけるチャージでは残高が20,000円を超えている場合では不可。
2016年3月23日からは熊本市電が導入している「でんでんnimoca」との相互利用が可能となり、さらにはJR九州と連携し同社が導入している「SUGOCA」ならびに「SUGOCA」と相互利用している全国10社交通系ICカード(「Suica」・「PASMO」など)との片利用が可能[27]。各種カードの車内でのチャージも出来る[注 21]。
2024年11月15日を以ってSUGOCAほか全国10社交通系ICカードの片利用が終了する予定[28]。
定期券は、一般の通勤定期券・学生のための通学定期券が販売されている。これらは、2015年8月31日より前述の熊本地域振興ICカード(くまモンのIC CARD)に搭載されるようになり、『ICカード定期券』として販売されるようになった[29]。このため、従来からの紙式定期券は販売が終了し、全てICカード定期券へと移行している[注 22]。
このほか、以下の券種も販売されている。
これ以外にも、都市間バスの中では唯一福岡線に『ひのくに号定期券』がある(産交便・西鉄便共通)。ひのくに号定期券は、窓口にて発行される紙式定期券と、ウェルネット製スマートフォンアプリ『バスもり!』 によるスマホ定期券の2種類があり、いずれも使用可能。ただし、スマホ定期券は窓口での申込は出来ず、支払はクレジットカードまたはコンビニ決済となる。
その他、下記の乗車券等が使用できる。
一般路線バスにおいては、回数券を古くから導入していた。かつては当社専用とされていたが、1990年頃からは共通回数券とし、熊本県内の他社(熊本市交通局・熊本電気鉄道・熊本バス)と共通使用できるようになった。熊本都市圏を運行する当社ならびに前出3社のバス事業者においては、1997年から1999年にかけて、共通回数券に代わるものとして熊本県内4事業者共通のTO熊カードが導入されて以降(後述)は九州産交バス各営業所での販売を徐々に中止し、完全導入後において廃止された。共通回数券廃止後においては、TO熊カードが使えない地域(熊本都市圏に乗り入れない路線)を運行する産交バス車内ならびに県内各営業所(熊本営業所を除く)において当社専用回数券として販売されていた。券種としては、1000円券(100円×11枚、120円×8枚+40円… 他)・2000円券(200円×11枚)・3000円券(300円×11枚)・10円単位を集めたミックス券、このほか学生を対象とした通学回数券などがあった。
だが、これらの回数券は前述の熊本地域振興ICカード(くまモンのIC CARD)の導入ならびに全国交通系ICカードとの片利用開始に伴い、2015年8月31日に販売を終了し、2016年3月31日をもって廃止となった。[32](ただし、各コミュニティバス専用の回数券は除く)。
なお、都市間バスにおいては各路線ごとにスーパー回数券(4枚綴り)として現在も販売されている[注 24]。ひのくに号においては、ウェルネット製スマートフォンアプリ『バスもり!』によるスマホ回数券(4枚綴り・2枚綴り)もあり、往復乗車券・ペア乗車券としても使用可能。
前述のとおり、熊本都市圏を運行する路線においては1997年から1999年にかけて上記の共通回数券に代わるものとして、磁気式のバスカード(TO熊カード)が導入され、九州産交バスの全営業所ならびに産交バスの一部営業所のカードリーダーが設置された車両において使用できた。一般路線バス以外にも熊本空港専用リムジンバスや天草線「あまくさ号」・高森線「たかもり号」でも使用できたほか、福岡線「ひのくに号」・延岡線「たかちほ号」といった一部都市間バスでも使用可能だった(いずれも産交便のみ。また、予約制の都市間バスや定期観光バスなどでは使用できなかった)。
前述の熊本地域振興ICカード導入により、回数券と同様に、2015年8月31日に販売が終了し、2016年3月31日をもって廃止された。
運賃表示器は1989年頃において熊本都市圏を運行する路線車ならびに高速車などはそれまでの幕式からデジタル方式に変更され、1995年までには残る子会社の車両など全車においてデジタル方式に切り替えられた。メーカーは小田原機器製である。なお、デジタル運賃表示器の導入当初は次の運賃区界停留所名(次に運賃が切り替わる停留所名)を表示していたが、1992年からは次停留所名(車内案内と同時に次の停車停留所名に自動で切り替わる)が表示される方式に変更されている。また、2009年以降に導入(移籍車を含む)された高速車や空港リムジンバスなどにおいては液晶2画面式の運賃表示機が導入されている(こちらは指月電機製が使用されている[注 26])。尚、車内案内装置に関してはテープ案内からの移行時には全車小田原機器製のものが一貫して導入されていたが、2022年より子会社の全車両と本体の一部における一般路線車の車両にはレシップ製に変更されると共に、液晶2画面式運賃表示器も同社製のものに取換えが進んでいる。このため、車両によっては音声合成案内における声のトーンが従来のものとは大きく異なる。
運賃箱・整理券発行機・ICカードリーダーは、いずれも小田原機器製である。
当社は2019年頃よりバス事業の他にも、フランチャイズ事業としてコンビニエンスストア大手のファミリーマートと締結し、以下の店舗を運営している。
また、2020年に発生した新型コロナウイルスの世界的感染拡大による影響を受け、これを機会にバス車両の徹底的除菌作業を教訓に、抗菌の知識・技術を生かして、抗ウイルス・抗菌コーティングの施工及び除菌・抗菌商品の販売取り扱いを開始した[35]。バス以外にも、病院・介護施設や学校・飲食店・宿泊施設・その他各商業施設など幅広く技術員を配置し施工に取り組んでいる。それに関連して、通信販売事業(オンラインショップ)「BUSMO(バスモ)」を運営し[36]、富士フイルムと提携して同社が開発した除菌薬「Hydro Ag+(ハイドロ エージープラス)」の関連商品を取り扱っている。かつてはオンラインショップとして他にも「バスもっと!」を運営しており、主に「産太くんグッズ」やバスに関連した文具や玩具、その他バスマニア向けとしたバス廃品等も多く取り扱っていた[37]が、2024年10月1日をもって熊本県特産品購入サイト「KUMATOKU(くまトク)」[38]へ統合され、運営を九州産交グループのKASSE JAPANに引き継がれた。
かつて、本体1社直営体制時代においてはロープウェイ事業として阿蘇山上の阿蘇山西駅-火口西駅間で阿蘇山ロープウェーを運営していたが、2006年4月1日の持株会社に移行ならびに分社化により、九州産業交通ホールディングス傘下の「九州産交ツーリズム株式会社」に移管したが、諸事情により現在は廃止されている。 ロープウェイ事業としては他にも、阿蘇山東駅-火口東駅間の仙酔峡ロープウェイ及び本渡市(現:天草市)において天草海上ロープウェイも運営していた。天草海上ロープウェイは系列の天草海洋レジャーランド(現在は系列を離れ天草アレグリアガーデンズ)内のホテル・水族館側と対岸の展望台・自然動物公園側との間を結ぶ本渡海水浴場上空を跨ぐ形で設置されていた。
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