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熊本県熊本市に本社を置く鉄道・バス事業者 ウィキペディアから
熊本電気鉄道株式会社(くまもとでんきてつどう、英: Kumamoto Electric Railway Co., Ltd.)は、熊本県熊本市中央区黒髪に本社を置く鉄道・路線バス・貸切バス事業者。熊本市と合志市を結ぶ上熊本駅・藤崎宮前駅 - 御代志駅間の鉄道と、熊本市・菊池市・山鹿市などの地域で路線バスを運営する。通称は熊本電鉄。鉄道ファン等が熊電(くまでん)と呼ぶ場合もあるが、地元では電車を菊池電車(菊電)、バスを電鉄バスと呼ぶことが多い。
種類 | 株式会社 |
---|---|
市場情報 | 非上場 |
略称 | 熊本電鉄、菊電、菊池電車 |
本社所在地 |
日本 〒860-0862 熊本県熊本市中央区黒髪3丁目7番29号 |
設立 | 1909年(明治42年)8月15日 |
業種 | 陸運業 |
法人番号 | 1330001001517 |
事業内容 |
鉄道事業 一般乗合旅客自動車運送事業 一般貸切旅客自動車運送事業 不動産業 損害保険・生命保険代理業 自動車整備事業 ほか |
代表者 | 代表取締役社長 中島敬髙 |
資本金 |
1億円 (2018年3月31日現在[1]) |
発行済株式総数 | 388万8609株[2] |
売上高 |
21億4873万6000円 (2018年3月期[1]) |
営業利益 |
1億3454万円 (2018年3月期[1]) |
純利益 |
1億1062万6000円 (2018年3月期[1]) |
純資産 |
2589万9000円 (2018年3月31日現在[1]) |
総資産 |
26億3512万1000円 (2018年3月31日現在[1]) |
従業員数 | 201名[2] |
決算期 | 3月31日 |
主要株主 |
熊本マタニティサービス 35.5% 富洋 24.6% テレビ熊本 10.3% 肥後銀行 4.5% 熊本第一信用金庫 4.1% (2018年3月31日現在[3]) |
関係する人物 | 松野鶴平、松野頼三、松野頼久 |
外部リンク | https://www.kumamotodentetsu.co.jp/ |
長らく西日本鉄道(西鉄)が筆頭株主であったが(ただし同社の系列・グループ会社ではない)[4]、2008年(平成20年)に減増資を行い解消した[5]。
藤崎線の一部(藤崎宮前駅 - 黒髪町駅間)では、路面電車のように軌道が自動車が走る道路上にある併用軌道となっている。
また、列車運行の便宜上、藤崎宮前駅 - 北熊本駅 - 御代志駅間を通称「本線」、上熊本駅 - 北熊本駅間を通称「上熊本線」と呼んでいる。
車両の搬入については車体は西鉄の筑紫車両基地内にある整備工場からポールトレーラーで北熊本駅へ陸送され、北熊本駅構内でクレーンを使用して搬入される。かつては上熊本駅に国鉄との連絡線が敷かれており、車両搬入は連絡線を介して行われていた。
除籍もしくは運行終了した車両。
電気機関車
旅客車
貨車
大人旅客運賃(小児半額・10円未満切り上げ)。2023年10月1日改定[48]。
キロ程 (km) | 普通運賃 (円) | 通勤定期 1か月(円) | 通学定期 1か月(円) |
---|---|---|---|
- 2 | 180 | 6,480 | 5,400 |
3 | 190 | 6,840 | 5,700 |
4 | 230 | 8,280 | 6,900 |
5 | 280 | 10,080 | 8,400 |
6 | 330 | 11,880 | 9,900 |
7 | 350 | 12,600 | 10,500 |
8 | 420 | 15,120 | 12,600 |
9 | 450 | 16,200 | 13,500 |
10 | 460 | 16,560 | 13,800 |
11 | 490 | 17,640 | 14,700 |
1985年5月1日に普通乗車券の発行が廃止され、全区間において整理券方式・運賃後払いとなっており、鉄道路線でありながら一般的な路線バスとほぼ同じ運賃支払い形態となっている。整理券は車両入口横の整理券発行機で発行されるが、藤崎宮前駅と北熊本駅では改札口にも整理券発行機が設置されている。列車乗り換え駅である北熊本駅では駅係員が終日常駐しているほか、黒髪町駅では平日朝、藤崎宮前駅では平日朝や一部の日・時間帯に係員が駐在し、このような場合は係員に運賃を支払うことになっている。それ以外の駅は終日にわたり無人であり、藤崎宮前・黒髪町の両駅における係員非駐在時間と同様、降車する際に運転士に直接運賃を支払う。
乗車券発行廃止と同日に連絡運輸も廃止したため、JRとの連絡乗車券・定期券はないが、JR九州が発売する旅名人の九州満喫きっぷは全線で利用可能である。また、熊本電鉄バスと共通利用できる定期券や、熊本電鉄バス・他社バスと共通利用できる乗車券がある。
IC乗車カードとして、2015年4月1日から熊本地域振興ICカード(くまモンのIC CARD)が導入された。このICカード導入に伴い、車内および有人駅の運賃箱が小田原機器製からレシップ製に置き換えられたほか、運賃表示機もLED7セグメントディスプレイによるデジタル型からLCD型に更新されている。また、すべての駅に乗車(入場)用の直立型カードリーダが設置されており、電車乗車の際はこのカードリーダにタッチしてから乗車する(降車の際は一部の駅・時間帯を除き、運賃箱に設置してある降車用カードリーダにタッチする)。
全線において、平日・土曜は9:00 - 15:30の間、日曜祝日は終日、列車内に自転車を無料で持ち込むことができる。ただし、団体利用時や悪天候時は利用不可の場合もある。
3代社長松野鶴平は、西日本鉄道成立時の社長であった村上巧児と親交があり、5社合併で西日本鉄道成立にあたり、合併の母体となった九州電気軌道社長であった村上から相談を受け、助言を行っていた。これらの信頼関係により松野は西鉄の株主となり、電鉄株も一部を西鉄に預けたものである[49]。 長らく西日本鉄道が筆頭株主であったために[5]、同社との関係は深く、新人運転士の育成や教習を西鉄久留米(宮の陣)教習所と柳川乗務所で行っているほか、車両の改造も西鉄筑紫工場で行われたものが多い。
熊本市側の起点である藤崎宮前駅は中心部から若干離れているため、改軌・LRT化の上で国道3号の上に軌道を敷き、熊本市電の水道町電停に直結する構想を熊本電気鉄道は提案した。完成の暁には熊本駅方面と合志市方面が直結され、利便性が大幅に向上する。
その一方で、事業費が100億円近くかかり、同社単独での実施は不可能であり、行政などの理解・支援が得られない場合は2008年3月で鉄道線を全廃する方針を明らかにしていたが、2007年6月20日電鉄側は鉄道事業撤退の撤回を明らかにした。これと関係して熊本県・熊本市・合志市は電鉄案のほか、市電の藤崎宮前までの延長と同一ホーム乗り換えという形も含め、都心結節計画検討委員会を設けて事業計画の策定を行い、2008年3月、鉄道を廃止して線路敷きをバス専用道に転用し、連節バスやガイドウェイバスを走らせる新バスシステム導入を軸に検討を進める方針を決めた。その後同年6月に熊本電気鉄道が7カ年の経営再建計画を発表し、投資がすぐにできる環境にないことから、2008年8月、検討委員会は都心部結節計画の検討自体を凍結することを決定した。現在、経営体質の改善をはかっており不動産関連の売却やバス路線の整理統廃合を進める一方で鉄道線の利便性を少しでも高めるべく2009年4月のダイヤ改正で電車本数の増発をはかり、それまで20時台で営業を終えていた電車運転時間帯を大幅に拡大し、22時台まで電車が走るようになった。
また、2012年からは劣化した保安設備の更新(踏切警報機や遮断機の更新、警報灯のLED化や全方位型踏切警報灯の導入、コンクリート製架線柱やPC枕木の大幅導入、バラストの更新工事など)にも力を入れるようになり、2013年秋には藤崎宮前駅 - 御代志駅間を走る電車の車内放送を一新して車内メロディーを採用した。さらに2014年度には川崎重工業が開発した、台車枠の主構造に炭素繊維強化プラスチック (CFRP)を採用して、台車枠の側梁の部分にCFRP製の弓形状ばねを取付けることで、軸ばねの機能を持たせて軸ばねを不要とし、台車の軽量化と構造の簡素化を図った、世界初の鉄道車両向けCFRP台車「efWING」を導入して6000形1編成(6221A-6228A)のうち1両(6221A、台車交換に伴い6221efに改称[50])に装着し、6228Aとともにくまモンの装飾を施して「くまモン電車」として2014年3月14日より運行を開始した[50][51]。2015年度にもう1編成に導入することになり[52]、2015年3月16日から運転が始まった元東京メトロ01系電車にも、この台車が装着された。
線路設備などの交換と合わせ、運行車両の更新についても進められることになっており、2014年度から2022年度までの間に2両×7編成の車両を導入して約20年使用した従来の車両(200形・5000形・6000形)から入れ替える計画となっている[48][注釈 2]。2021年2月18日に静岡鉄道が同社の1000形電車1編成(1009号編成)を[39]、2023年2月16日に1012号編成を熊本電気鉄道へ譲渡すると発表した[43]。
2016年3月28日から電車・バスにおいて全国交通系ICカードが利用可能となっているが、熊本県民の利用者に多く利用されているくまモンのIC CARDシステムの優位性を発揮しつつ、熊本県へのTSMC進出に伴う外国人労働者の増加を見込んで、2024年11月15日を以て電車・バスにおける全国交通系ICカードでの決済対応を終了することになった[53][54]。代わりに、新しくクレジットカードのタッチ決済に対応することが決定されたほか、QRコード決済も検討されている。なお、くまモンのIC CARDでの決済は継続して利用可能となった。
鉄道事業を補完する目的で乗合バス事業が始められた。乗合バスは熊本駅・熊本桜町バスターミナルを起点に熊本市北東部方面に向けて放射状に路線が広がっている。貸切バス事業も行われており、観光バスは県内でもいち早くスーパーハイデッカーを導入するなど積極的な運営で知られる。特定輸送としては、養護学校のスクールバスや、菊陽町・菊池市・合志市などの委託を受けてコミュニティバスを運行している。
過去には高速バス(熊本 - 神戸)、特急、急行、準急、快速バス(熊本 - 菊池)を運行していたことがあるが、現在はいずれも廃止されている。
乗合バスの現在の運行路線は、大別して菊池線と市内線に分けられる。
運行地域は以下の市町村である。
熊本電鉄バスには元々系統番号は存在していなかったが、1995年より熊本市街に乗り入れるバスには、同市内で営業する他社と共通の案内番号が表示されるようになった。熊本の事業者は「案内番号」で系統を案内している。熊本電鉄バスには、北1 - 北6・北9(北7・北8は廃止)・子1・子18・壺2・県33 - 35が割り当てられていた。北は清水経由、子は子飼橋経由で、原則往復とも同じ番号を表示する。但し、県庁発着便のみ案内番号が異なっていた(菊池方面からの便は県33で折り返しの下り便は北1、新地団地方面からの便は県34で折り返しの下り便は北5、楠団地方面からの便は県35で折り返しの下り便は北9となる)。
その後、2019年9月11日より熊本交通センターから再開発整備され完成した複合施設「SAKURA MACHI Kumamoto」内バスターミナル(熊本桜町バスターミナル)乗り入れ開始に伴い、案内番号も一新し、これまでの「漢字1文字+番号」から「アルファベット+番号-(ハイフン)番号」に変更された。熊本電鉄バスがこれまで使用していた「北」は「C」となり、「子」は「E」に、「壺」は「B」に、「県」は「K」にそれぞれ改められると共に、同一の案内番号からさらに運行路線ごとに番号が付加されて細分化された。
以下の路線は全便土曜・休日運休。
また以下の路線は、案内番号再編時には運行していたものの、その後路線短縮等により案内番号が廃止された。
桜町バスターミナル=熊本桜町バスターミナル。
浄行寺 - 北熊本間はすべて国道3号線経由 (C1 - C3のみ。なお、途中の浄行寺バス停は、下りの菊池方面行きのみ混同を避けるため運用上、北浄行寺と案内している)。
市内線のうち新地・楠・武蔵ヶ丘方面では案内番号の枝番が統一されており、1=楠団地発着(九州産交バスの楠団地線と同一)、2=光の森駅発着、3=武蔵ヶ丘車庫発着、4=杉並台団地発着(北バイパス線を除く)、5=泉ヶ丘・下群発着となっている。なお2と3については九州産交バス光の森営業所が運行している武蔵ヶ丘団地線(E3のうち武蔵塚駅前・武蔵ヶ丘中央を経由するバス)と合わせている(ただし2はゆめタウン光の森から光の森駅に入らず光の森産交発着、3は武蔵ヶ丘車庫発着ではなく武蔵ヶ丘車庫・南が丘小学校経由光の森産交発着)。[58]
この項では休止・廃止・運行撤退した路線を記す。交通センター=熊本交通センター(現:熊本桜町バスターミナル)。※は途中折り返しのある停留所。案内番号は全て当時のもので、2019年9月14日以前のものは旧案内番号を記す。
1990年から神戸市・姫路市と熊本市を結ぶ夜行高速バス「ユウヅル号」を山陽電気鉄道(現:山陽バス)と共同運行していたが、1998年3月30日に廃止されている。その後、2007年4月1日から9月30日の期間限定で金・土・日曜日および祝日に福岡市と山鹿市・菊池市を結ぶ昼行高速路線を西日本鉄道・九州産交バスと共同運行していたが、これも運行期間満了により運行終了しており、2007年10月1日以降は高速バスに参入していない。
2011年3月から2014年3月まで、熊本市の桜の馬場 城彩苑 - 熊本城(頬当御門)を結ぶシャトルバスの運行を、九州産交バスと共同で担当していた。
日本国内大型4メーカー全社の車両を使用している。かつて車体は西日本車体工業製が中心であった。近年はノンステップバスの導入が進む一方、中古車の購入も多くなっている。
塗装は一般路線車は白地に赤・青の帯であるが、2000年代導入のノンステップ車を中心に黄色地に熊をモチーフにした熊本電鉄のマスコットキャラクター「アイミーくん」のイラストを入れた塗装となっている車両もある。貸切車は白地に濃紺、赤色濃淡4色の帯である。
2016年には8年ぶりの新車となる三菱ふそうエアロスター (QKG-MP38FK) が導入された。この車両から新塗装となり、白をベースに3本の紺と1本の赤の帯が入るシンプルなデザインとなっている。また社名表記も、従来の漢字(熊本電鉄)と英字 (KUMADEN) から英字のみに変更された。
運賃表示器は交通電業社製のデジタル方式が導入されている。整理券発行機は小田原機器製を採用している(整理券発行機はSAN-V型、ただし一部車両には感熱方式のSAN-VT型を導入)。かつては運賃箱も小田原機器製のものが採用されていたが、2015年4月1日からの熊本地域振興ICカード(くまモンのIC CARD)導入に伴い、電車同様レシップ製の新型運賃箱に置き換えられた。
かつては熊本 - 菊池間の路線で2階建てバスの日産ディーゼル・スペースドリームを運行していたが、1994年(平成6年)頃に廃車となった。一般路線への投入という点で日本国内では希少な例である。
不動産業、保険代理店、自動車整備事業などを行っている。
かつてはタクシー事業も行っていたが、子会社の熊本電鉄タクシーに移管され、2014年(平成26年)12月1日にはミハナタクシー傘下へ移管、社名も菊熊タクシーとなり[62]、2021年(令和3年)4月1日に菊熊タクシーを含むミハナグループ3社と熊本県内全域においてタクシー事業を中心に営む肥後交通グループ7社の計10社が対等合併した事によって、現在は「TaKuRoo(タクルー)」となっている[63][64][65]。
また、書店「あみゅ〜ず」の経営を行っていたが、市街中心部に大型書店の進出が相次いだため、2007年(平成19年)6月末をもって閉店した。その他、中華レストラン「一品香」や藤崎宮前駅前にある熊電プラザビル最上階に温泉施設「藤崎温泉 天望の湯」などの経営も手掛けていたが、いずれも閉店している。
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