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熊本県熊本市中央区に本所を置く一般財団法人 ウィキペディアから
一般財団法人 化学及血清療法研究所(かがくおよびけっせいりょうほうけんきゅうしょ、The Chemo-Sero-Therapeutic Research Institute)は、熊本県熊本市中央区に本所を置く一般財団法人である。かつてはワクチンを主力事業とする製薬メーカーであった。通称は化血研(かけつけん)。
化学及血清療法研究所 | |
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正式名称 | 化学及血清療法研究所 |
英語名称 | The Chemo-Sero-Therapeutic Research Institute |
略称 | 化血研 |
組織形態 | 一般財団法人 |
所在地 |
日本 〒860-0806 熊本県熊本市中央区花畑町 4-7 朝日新聞第一生命ビル 11 階[広報 1] |
法人番号 | 6330005006672 |
理事長 | 木下統晴[広報 1] |
設立年月日 | 1945年12月26日[広報 1] |
前身 | 熊本医科大学実験医学研究所[広報 2] |
関連組織 |
熊本保健科学大学 城南病院[広報 3] |
特記事項 | 熊本県熊本市北区大窪一丁目6番1号から2018年7月2日に移転 |
ウェブサイト | https://www.kaketsuken.org/ |
2016年(平成28年)1月時点で、人体用ワクチンの国内製造6社[1]、人体用血液製剤の国内製3社の一角を占めていた[1]。
日本での製造シェアは2015年(平成27年)時点で、A型肝炎ワクチンが100%[2]、B型肝炎ワクチンが約80%[2]、日本脳炎ワクチンが約40%[2]、インフルエンザワクチンが約30%であった[3]。
設立は1945年(昭和20年)12月26日。 現在は研究機関への研究支援等の公益事業を行っている[5]。
かつては各種ヒト用ワクチンや血液製剤の他、抗がん剤、動物用ワクチンの生産・販売を行っていたが[3]現在は事業をKMバイオロジクスに譲渡し製薬事業から撤退している。また、熊本・福岡・佐賀の3県・3政令指定都市から新生児マススクリーニング検査を受託していた。
各種ヒト用ワクチンで遅くとも1974年(昭和49年)ごろから、製造時に添加剤の量の変更や国の承認書にないヘパリンの添加を行ったり、加熱方法を変更するなど、本来の製造方法の一部変更の承認手続きを踏むことなく、血漿製剤を承認書と異なる方法で違法に製造し始めた[3]。
こうした法令違反の発覚を避けるために、1997年(平成9年)ごろから、製造記録を実際のものと査察用に分けるなど組織的な隠蔽工作を続け、2015年(平成27年)時点では、製造していた血液製剤全12製品で31の工程での不正が行われるようになっていた[6]。
2015年(平成27年)5月のゴールデンウィーク明けに、匿名の内部告発文書が厚生労働省へ届き、詳細な不法行為が書かれていた事により不正が発覚し[7]、同月に厚生労働省が事前通告なしに立ち入り調査を行ったことを皮切りに[7]、同年12月までに3回の立ち入り調査を行って、不正の証拠を確認した[8]。
この不正に関連して、2015年(平成27年)9月に厚生労働省から、ワクチンなどについて出荷しないよう求められ出荷を自粛したが[9]、A型肝炎ワクチンが100%[2]、B型肝炎ワクチンが80%[2]、日本脳炎ワクチンが40%[2]、インフルエンザワクチンが約30%などという国内シェア率の高さから、同年末には一部医療機関でワクチン不足により、予防接種が停止する混乱が生じた[2]。翌年2016年(平成28年)1月29日に安全性が確認されたとして、厚生労働省から出荷自粛の要請を解除され、混乱は解消した[9]。
2015年(平成27年)12月14日に厚生労働省から製品の質や安全性の確保について行政指導を[10]、2016年(平成28年)1月8日には、厚生労働省から医薬品医療機器法に基づき全35製品のうち8製品を対象とする110日間の業務停止命令を受け[11]、同年1月18日から[12]5月6日まで製造・販売を停止した[13]。
さらに、2016年(平成28年)1月21日には、日本製薬工業協会から除名処分も受けた[14]。
また、この不正を受けて2016年(平成28年)1月19日付で、厚生労働省が全国の医薬品メーカー約1200社に対して、国に承認された方法通りの製造方法が守られているかどうか、製造部門以外の担当者による自主点検を求める通知も出されることになった[15]。
この処分の際に、厚生労働大臣塩崎恭久は「本来は医薬品製造販売業の許可の取り消し処分とすべき事案。化血研という組織のままで製造販売を再開することはない」として、事業譲渡も含めた組織の見直しを求めたことから、2016年(平成28年)4月7日にアステラス製薬へワクチンや血液製剤の製造事業を譲渡する交渉に入った[16]。 しかし、同年9月5日に「交渉先が厚労省に指定され譲渡価格などで公正な交渉ができない」などとして、事業譲渡の断念と自社での存続を厚生労働省へ表明し[17]、同年10月19日にアステラス製薬も事業譲渡の協議を白紙撤回した[18]。
また、動物用ワクチンでも、遅くとも1985年(昭和60年)ごろから、加熱処理をしないなど承認書と異なる方法で違法に製造し始め[19]、2015年(平成27年)2月に同様の不法行為が見つかったことが農林水産省へ報告されて発覚し[20]、同年12月9日に立ち入り調査を行ったことで不正の証拠を確認され[20]、2016年(平成28年)1月19日に農林水産省から医薬品医療機器法に基づき、動物用ワクチンや診断薬全44製品のうち34製品を対象とする1月26日から2月24日まで30日間の業務停止命令を受けた[19]。
2016年(平成28年)4月に発生した熊本地震 (2016年)により、製造設備が甚大な被害を受け、全製品の製造が停止する被害が出た[広報 4]。
2018年7月2日、明治ホールディングス・熊本県企業グループ7社・熊本県庁が出資する「KMバイオロジクス」に製薬事業などの主要事業を譲渡した[5]。化血研はKMバイオロジクスの運営に関与しないとしたため、化血研は製薬事業・新生児マススクリーニング事業より撤退した[5]。化血研は研究機関への研究支援等の公益事業に専念となった[5]。現在「KMバイオロジクス」は、明治ホールディングスの連結子会社となっている[5]。
2015年6月に、化血研が製造販売する複数の血液製剤とワクチンが、承認内容と異なる製造方法により製造されていることが判明したため、血液製剤および既に国家検定も終了していたワクチンについても、厚生労働省は同年9月までの出荷停止を要請した[36]。 対象と成ったのは血液製剤12種類、ワクチン10種類、その他7種類で、主なものは以下の通り。( )内は日本での市場占有率[37]。
2016年1月4日現在の上記を含む出荷状況が発表されている[広報 9]。
2018年7月の製薬事業・新生児マススクリーニング事業譲渡後、化血研の主な事業は以下の通りとなる[5]。
など。
KMバイオロジクスへの事業譲渡後、主に生物学的製剤に関する大学・医療機関への研究助成など公益事業を中心に展開する[5]。
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