カナデビア

日本の大阪府大阪市にある機械・プラントメーカー ウィキペディアから

カナデビア

カナデビア株式会社: Kanadevia Corporation)は、環境装置工場設備産業機械発電設備などを製造している日本の機械・プラントメーカーである。

概要 種類, 機関設計 ...
カナデビア株式会社
Kanadevia Corporation
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本社
種類 株式会社
機関設計 監査役会設置会社
市場情報
東証プライム 7004
1949年5月16日上場
本社所在地 日本
559-8559
大阪市住之江区南港北1-7-89
東京本社140-0013
東京都品川区南大井6-26-3
大森ベルポートD館15階
本店所在地 559-8559
大阪市住之江区南港北1-7-89
設立 1934年昭和9年)5月29日
(株式会社日本産業大阪鉄工所)
業種 機械
法人番号 3120001031541
事業内容 環境装置工場設備精密機械産業機械発電設備内燃機関圧力容器鉄骨構造物建設機械などの製造販売
代表者 三野禎男代表取締役会長CEO
桑原道(代表取締役社長COO
資本金 454億4,236万円
(2024年3月31日時点)
売上高 連結:5,558億4,400万円
単独:2,093億1,500万円
(2024年3月期)
営業利益 連結:243億2,300万円
(2024年3月期)
経常利益 連結:256億4,600万円
単独:102億2,300万円
(2024年3月期)
純利益 連結:189億9,900万円
単独:78億2,100万円
(2024年3月期)
純資産 連結:1,689億4,600万円
単独:944億6,500万円
(2024年3月31日時点)
総資産 連結:5,335億9,300万円
単独:3,256億3,100万円
(2024年3月31日時点)
従業員数 連結:12,148人
単独:3,792人
(2024年3月31日時点)
決算期 3月31日
会計監査人 有限責任あずさ監査法人
主要株主 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 7.65%
日本カストディ銀行(信託口) 6.24%
三菱UFJ銀行 3.14%
STATE STREET LONDON CARE OF STATE STREET BANK AND TRUST, BOSTON SSBTC A/C UK LONDON BRANCH CLIENTS- UNITED KINGDOM 2.81%
DFA INTL SMALL CAP VALUE PORTFOLIO 1.99%
(2018年9月30日現在[1]
主要子会社 カナデビアエンジニアリング 100.0%
エイチアンドエフ 54.5%
アイメックス 100.0%
オーナミ 100.0%
地中空間開発 50.0%
(2022年3月31日時点)
関係する人物 E.H.ハンター(創業者)
範多龍太郎(設立者)
外部リンク https://www.kanadevia.com/
特記事項:1881年明治14年)4月1日、大阪鐵工所として創業。
マスタートラストなど所有の株式割合
日本カストディ銀行(株)(信託口) 9.24%
日本マスタートラスト信託銀行(株)(信託口) 6.71%
日本カストディ銀行(株)(信託口9) 1.84%
日本カストディ銀行(株)(年金信託口) 1.01%
(2016年3月31日時点)
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2024年9月30日までの商号は日立造船株式会社(ひたちぞうせん、: Hitachi Zosen Corporation)だが、2002年から造船事業からは撤退しており[2]日立グループにも属していない。

大阪における近代重工業の発祥ともいえる大阪鉄工所を前身とし[3]、現在も大阪市に本社を置いているため関西財界で活動しており、日立造船首脳が関西経済連合会で副会長などの役職を務めることもある[4]東京証券取引所プライム市場に上場しており(証券コード:7004)、日経平均株価の構成銘柄の一つ[5]

概要

旧商号に「造船」の文字が含まれるが、2002年(平成14年)に日本鋼管(現・JFEエンジニアリング)との合弁で両社の船舶・海洋部門を切り離して統合した持分法適用会社ユニバーサル造船(現・ジャパン マリンユナイテッド、現在は持分法適用会社ではない)を設立したことで、本社から主要事業だった造船事業を手放した。ただし船舶用のディーゼルエンジンなどの製造は継続している。2006年(平成18年)に子会社の内海造船の株式を売却したことにより2007年(平成19年)度決算から連結決算においても造船事業が無くなった。

かつて日立製作所の傘下にあったため「日立」の名を冠した商号であったが、太平洋戦争後の財閥解体により、現在では日立グループからは離脱している[注 1]。両社とも旧日産コンツェルン春光グループ)の主要20社で組織する春光会[6]の会員企業でもあり、旧:三和銀行(現:三菱UFJ銀行)の融資系列である三和グループ三水会とその後身社長会である水曜会およびみどり会の主要な構成企業でもあり[7] [8]、1967年に、帝人日本レイヨン(現・ユニチカ)、丸善石油(現・コスモ石油/コスモエネルギーホールディングス)、宇部興産(現・UBE)、大林組、日商(後の日商岩井。現在の双日。)、高島屋など22社と共に三水会を発足した[9]ことに加え、カナデビアはかつては帝人、宇部興産(現:UBE)とともに「三和御三家」と呼ばれていた。

造船不況の打開策として手掛けた事業多角化により、一時期はグループ内で杜仲茶の製造販売[10] や旅行予約ウェブサイト旅の窓口』の運営[11] なども行っていた。その後、杜仲茶は小林製薬[10]、旅の窓口は楽天[11](現・楽天トラベル)、それぞれ事業売却した。

また、子会社東証二部上場日立造船富岡機械があったが、今後の事業展開が見込めないとして2004年(平成16年)に通常清算した。通常清算とは経営破綻していない会社の資産を売却し、残余金を株主に分配し解散させることで、上場企業の通常清算は極めて珍しいケースである。他に上場企業では繊維商社「立川」、不動産会社「甲子園土地企業」[注 2]などが同様の通常解散を行っている。

前述の通り、戦後に日立グループから離脱していることや、造船業からも撤退していることなどから、実際の業務と社名の乖離が長期にわたり続いていたことを踏まえ、2024年10月1日付をもって「カナデビア株式会社」に社名を変更した。新社名は日本語の「奏でる」とラテン語で「道」を意味する「Via」を組み合わせたものである[12]。なお、関連会社である日立造船マリンエンジンには「日立造船」の名称が残されている。

沿革

大阪鐵工所時代

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創業者E.H.ハンター

日立造船に社名変更

造船事業からの撤退

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2002年10月から2024年9月まで使用されたHitzロゴ

カナデビアに社名変更

  • 2024年(令和6年)10月1日 - カナデビア株式会社(Kanadevia Corporation.)に商号変更[18]
    社名変更に際して、同社は「社名に“造船”とついていながらもすでに造船業から撤退していることと、日立グループからも離脱しているため、実際の事業と社名とでの乖離が続いていた」ためとしており、新社名は、「日本語の”奏でる”と、ラテン語の道を意味する”Via”を組み合わせた」としている[12]

歴代社長

さらに見る 代, 氏名 ...
氏名就任日退任日備考
大阪鐵工所
1山岡順太郎1914年3月18日1915年1月29日[19]
2山口力1915年1918年専務
3中山説太郎1918年1921年専務
4津村秀松1921年1930年専務
5飯島幡司1930年1932年専務
6鮎川義介1932年1932年会長
7原田六郎1932年1934年
日本産業大阪鐵工所
7原田六郎1934年5月29日1934年7月31日社名改称[19]
大阪鐵工所
7原田六郎1934年8月1日1936年2月9日在職中に死去[19]
8六角三郎1936年2月29日1943年3月10日[19]
日立造船
8六角三郎1943年3月11日1947年3月31日[19]
9出田孝行1947年4月1日1950年5月30日[19]
10松原與三松1950年5月30日1962年11月30日[19]
11永田敬生1962年11月30日1979年6月29日[19]
12木下昌雄1979年6月29日[19]1983年
13村山利雄1983年1988年
14藤井義弘1988年1995年
15南維三1995年2001年
16重藤毅直2001年2005年
17古川実2005年2013年
18谷所敬2013年2020年
19三野禎男2020年2024年
20桑原道2024年2024年
カナデビア
20桑原道2024年現職
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事業拠点

閉鎖された生産拠点

創業以来の拠点であった桜島工場は、現在の大阪市此花区桜島1丁目および同2丁目南部に所在した。1997年(平成9年)12月に閉鎖[14] された後、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン™の敷地として使用されている。

2016年(平成28年)に東京工場(松戸地区)は閉鎖され、東京工場(柏地区)は柏工場となった。

2020年(令和2年)に柏工場は閉鎖され[17][20]、築港工場へ移転した[17]

主要製品

過去の製品

造船部門

戦前建造された主な艦艇・船舶

  • 小艦艇を中心に受注した。
大阪鐵工所 桜島工場

戦後建造された主な艦艇・船舶

護衛艦
練習艦
補給艦
輸送艦
海洋観測艦
掃海艇
掃海艦
掃海母艦
機雷敷設艦
特務艇
実験艇
巡視船
商船
水陸両用車

鉄軌道車両

健康食品事業部

  • 杜仲茶 - 2002年に小林製薬に譲渡。2003年経営権も小林製薬に譲渡し、健康食品事業から撤退した。

カナデビアグループ

環境・プラント

  • カナデビアE&E
  • カナデビア環境サービス
  • カナデビアエンジニアリング
  • 関西設計
  • セラケム
  • 浅野アタカ
  • エコマネジ
  • 高松環境テクノロジー
  • 四国環境サービス
  • 柏環境テクノロジー
  • 倉敷環境テクノロジー
  • 松山環境テクノロジー
  • T&Iリサイクルフォレスト
  • 別杵速見環境テクノロジー
  • 一宮環境テクノロジー
  • 御殿場小山環境テクノロジー
  • 村上環境テクノロジー
  • はないろ
  • 中・北空知環境テクノロジー
  • 津山圏域環境テクノロジー
  • ふじみのエコウェルズ
  • 上越環境テクノロジー
  • 八代環境テクノロジー
  • ながの環境テクノロジー
  • 水戸環境テクノロジー
  • 浅川環境テクノロジー
  • 大津環境テクノロジー
  • 城南環境テクノロジー
  • ヒルサイドレイク環境テクノロジー
  • つるおかエコ・アース
  • きくち環境テクノロジー
  • ナチュラルエナジージャパン
  • あいづエコ・オペレーション
  • 北三陸アクアサービス
  • Kanadevia Inova AG
  • Osumoflo Holdings Pty LTD
  • Kanadevia VIETNAM CO., LTD.
  • Alam Hzem Sdn. Bhd.
  • 上海康恒昱造環境技術有限公司

機械

  • エイチアンドエフ
  • アイメックス
  • ブイテックス
  • UFT
  • 日本GPSデータサービス
  • 東海精機
  • オー・シー・エル
  • 神港精機
  • グローバル測位サービス
  • 東双みらい製造
  • 日立造船マリンエンジン[注 3]
  • NAC International Inc.
  • 鎮江中船日立造船机械有限公司
  • ISGEC Kanadevia Limited

インフラ

その他

  • 雄物川風力
  • いわき風力
  • オーナミ
  • カナデビア総合サービス
  • エーエフシー
  • 内海造船
  • スチールプランテック
  • ロジネクストハンドリングシステムズ
  • カナデビア保険サービス
  • 大連達同機械工程技術有限公司
  • Kanadevia HOLDINGS U.S.A. INC.

かつてのグループ会社

代理店例

CM

2024年の社名変更時に、影山優佳(俳優・タレント、元日向坂46)が出演する企業ブランドCM「カナデビアなら知っている」篇をテレビにて放送。CMソングにポルノグラフィティの書き下ろし楽曲「ヴィヴァーチェ」が使われている[27]

不祥事 

日立造船の男性社員(当時20代)が2021年、長期出張中のタイ王国で自殺したのは、不慣れな業務や上司からの叱責などにより精神疾患を発症したのが原因として、大阪南労働基準監督署が2024年3月4日付で労災認定した[28]

2024年7月5日、日立造船は子会社2社が手掛ける大型船舶用エンジンの燃料消費率のデータを実際とは違う値に書き換えていたと発表した。改ざんしたエンジン数は、判明しているものだけで過去20年間に出荷した1,364台[29][30][31][32][33]

脚注

参考文献

関連項目

外部リンク

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