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日本の出版社・KADOKAWAのブランドのひとつ ウィキペディアから
角川書店(かどかわしょてん)は、日本の出版社・KADOKAWAのブランドの一つ。東京都千代田区に事業所を置く。
本項では、ブランドカンパニー化以前の株式会社角川書店(英: Kadokawa Shoten Publishing Co., Ltd.)についても解説する。
1945年11月10日、国文学者の角川源義により創業[1]。出版第1号は佐藤佐太郎歌集「歩道」。1949年に「角川文庫」を創刊し、岩波書店の文庫編集者だった長谷川覚を招き入れる。1952年、「昭和文学全集」の成功により文芸出版社としての地位を確立した。1954年4月2日、株式会社角川書店(2019年以降の社名はKADOKAWA Future Publishing、2023年12月以降はKADOKAWA KEY-PROCESS(2代目)、法人番号:1010001013874)を設立。1956年に「角川国語辞典」「角川漢和辞典」を刊行し、辞典分野に進出。翌1957年「高等学校国語 総合」を発刊し、教科書分野に進出。
1970年代に入って角川文庫を文芸路線から横溝正史を初めとする一般大衆向けに路線転換し、成功を収める。1975年に角川春樹が社長就任後、翌1976年には映画製作に進出。書籍を映画化しテレビコマーシャルを利用して大々的に販売するメディアミックス戦略を成功させ、日本映画界に角川映画旋風を巻き起こした。その後、映画製作関連して映像パッケージの製作や音楽著作権ビジネスにも進出した。
1980年代からは『ザテレビジョン』や『東京ウォーカー』などの情報誌の企画なども行う様になり、80年代後半には漫画雑誌やゲーム情報誌を多数創刊。1988年には角川スニーカー文庫を創刊し、後に関連会社(アスキー・メディアワークス・富士見書房)も含めてライトノベル市場の国内最大手となった。
2003年4月1日に持株会社制度に移行し、角川ホールディングス(2019年以降の社名はKADOKAWA Future Publishing)に社名変更して純粋持株会社となる一方、事業会社として新規に株式会社角川書店(二代目法人)を設立する。
角川書店(二代目法人)は事業再編の一環として分社化が進められ、2004年1月に映画製作を担当していたエンタテイメント部門を同グループ傘下の角川大映映画(現:角川映画)へ譲渡、翌2005年10月に富士見事業部を富士見書房(二代目法人)として分社化、2006年4月にはテレビ情報事業を角川ザテレビジョンに、ウォーカー事業部と広告事業部を角川クロスメディアに分社化。2007年には書籍事業部・アニメコミック事業部・カルチャーコンテンツ事業部を新設の株式会社角川書店(三代目法人)、雑誌事業部(CDでーた、DVDでーた、花時間)は角川マガジンズ(初代法人)、映画関連子会社は角川ヘラルド映画(現:角川映画)にそれぞれ分社化され、角川書店(二代目法人)は株式会社角川グループパブリッシングに商号変更した。
角川書店(三代目法人)は2011年1月に角川映画と合併し、同社の映画事業と映像ソフト事業を継承。2013年10月1日にKADOKAWA(現:KADOKAWA KEY-PROCESS)に吸収合併され、ブランドカンパニーとなる。2015年4月1日なKADOKAWAが社内カンパニー制を廃止し、「角川書店」は文芸書のブランド名の一つとなり、社名からは姿を消した[2]。
角川書店 | |
種類 | 株式会社 |
---|---|
市場情報 | 非上場 |
本社所在地 |
日本 〒102-8177 東京都千代田区富士見1丁目8番19号 角川第3本社ビル 3 - 8F |
設立 | 2007年(平成19年)1月4日 |
廃止 |
2013年(平成25年)10月1日 (KADOKAWAに吸収合併) |
業種 | 情報・通信業 |
事業内容 | 出版・編集業、アニメーション・ゲーム製作、映画の企画製作・買付・配給、映像パッケージ販売、スタジオ運営 |
代表者 | 代表取締役社長 井上伸一郎 |
資本金 | 1億円 |
売上高 | 401億76百万円(2012年3月期)[9] |
営業利益 | 21億45百万円(2012年3月期) |
経常利益 | 22億20百万円(2012年3月期) |
純利益 | 18億22百万円(2012年3月期) |
純資産 | 170億30百万円(2012年3月期) |
総資産 | 295億97百万円(2012年3月期) |
従業員数 | 160名 |
主要株主 | 角川グループホールディングス 100% |
関係する人物 |
映画ブランド「角川映画」とアニメブランド「角川アニメ」を有している。また、「角川映画」が立ち上げた劇場アニメ配給レーベル「角川ANIMATION」がある。
1976年に角川春樹事務所(現・KADOKAWA)が『犬神家の一族』で映画製作に参入し、映画ブランド「角川映画」を創設。1983年に「角川アニメ」映画第一弾『幻魔大戦』が公開、以降角川はアニメ製作を行うことになる。1984年に東映ビデオと提携して「角川ビデオ(KADOKAWA VIDEO)」レーベルでVHS『少年ケニヤ』を発売し、映像パッケージ製作に参入した。その後、出版ルートでのパッケージ販売を開始し、1988年にはVHS「角川アニメ」世界名作劇場総集編シリーズを販売している。2002年11月大映の営業権を取得し、映像IPと撮影スタジオを継承。2003年にアニメは「角川アニメ(KADOKAWA Anime)」レーベルへ移行。2004年に角川エンタテインメント(現・KADOKAWA)が設立され角川グループ内で映像パッケージ販売(セル・レンタル)を担うようになった。2005年3月日本ヘラルド映画を子会社化し、洋画配給・映画興行業・日本語版制作事業を取得。2011年11月メディアファクトリーを子会社化し、メディアファクトリーの映像事業が角川グループに加わる。
2018年現在KADOKAWAは、旧角川書店(4997766)、旧角川エンタテインメント(458219484)、旧日本ヘラルド映画(4988132)、旧大映(4988111)、旧エンターブレイン(4541993)、旧メディアファクトリー(4935228)のGS1事業者コードを保有しており、映像ソフトでは、旧大映、旧メディアファクトリー、旧エンターブレインのGS1事業者コードを使用している。
2009年1月31日付の産経新聞オンライン版では、角川グループホールディングスが著作権を有するアニメの違法アップロードは、YouTubeに限り作品によっては「公認バッジ」を与え、広告を動画に入れる事を条件に認めるとし、原則的に広告収入はYouTubeを経営する米グーグルと角川で分配し、優秀なMAD作品に対しては広告収入の一部を動画作成者に還元すると報道された。尚、これらの前提条件として示された物は「対象のアニメ作品に愛情が感じられる事」であった。[49] しかし、2011年10月12日付のJ-CASTニュースによると角川は、Shareにて角川アニメを違法に共有していた人物を告訴したが、その理由として「アニメなどの本編映像を使用する事を許可している訳では無く、MAD映像程度のものだけを許可している」と言った旨を角川書店法務部のコメントとして紹介した。[50]
KADOKAWA(旧・角川書店、旧・角川映画、旧・角川春樹事務所)の製作で、角川ビデオ(KADOKAWA VIDEO)レーベル、角川アニメ(KADOKAWA Anime)レーベルまたはKADOKAWA(旧・角川書店、旧・角川映画、旧・角川エンタテインメント)からパッケージリリース・配給されたアニメ作品を挙げる。KADOKAWA(旧・メディアファクトリー)製作作品は、メディアファクトリー#アニメを参照。
2013年3月29日、子会社であった角川シネプレックスが、ユナイテッド・エンターテインメント・ホールディングスに譲渡されたため、角川シネマは角川書店直営となった。
旧「シネカノン有楽町1丁目」の跡地に2011年2月19日オープン。全席指定・各回入替制を導入している。
パソコンゲーム、特にアダルトゲームを家庭用ゲーム機用にして発売しているものが多い。2003年に新ブランド「WellMADE」を設立したが、現在は角川書店本体に吸収されている。2009年、ホビボックスとの共同ブランド「角川書店×HOBIBOX」(カドカワホビボックス)を設立。2011年4月に家庭用ゲームパブリッシング事業は角川ゲームスに統合されており、以後企画・制作を角川書店が、販売を角川ゲームスが手がけるという体制になっている。1997年にはESPに出資し合同で設立したが、2002年以降は買収され現在は他社と合併している。
以下の各社は上述角川グループとの資本関係はない。
角川書店・幻冬舎・角川春樹事務所の間を転職していく編集者もいる。
1992年9月、当時の社長・角川春樹の下で副社長を務めていた春樹の実弟・角川歴彦が、春樹との路線対立から春樹により辞任させられ、同年10月株式会社メディアワークスを設立。これに伴い歴彦が社長を務めていた角川メディアオフィスの従業員も大挙して退社、メディアワークスに移籍するという分裂状態が発生した。
1949年7月26日角川源義と不倫関係とだった角川書店事務員の中井照子が角川源義と間に生まれた男児を籍のことから悩み絞め殺したことが、同年7月28日朝日新聞ほかより報じられた。
1993年2月に、取締役国際部長兼社長室長を務めていた春樹の長男による角川書店社員へのホモセクハラ疑惑が週刊文春より報じられ、春樹の長男は降格のちに退職。
1993年7月角川書店写真室係長が成田空港にてコカイン密輸の現行犯で逮捕され、8月11日角川書店関連会社役員が逮捕、同月12日ロサンゼルスにあるKADOKAWA PRODUCTIONS U.S. INCを、同月26日角川書店本社を家宅捜索し角川書店労働組合が春樹社長の解任要求、同月27日春樹を除く角川書店役員全員が春樹社長の解任要求、同月28日春樹社長がコカイン密輸容疑で逮捕される。9月2日開催の取締役会で春樹の社長辞任が承認され、後任に大洞國光が社長に就任。同月6日に角川書店発行高校教科書「国語 I 」収録の「無人警察」をめぐり筒井康隆が断筆を宣言。同月15日に歴彦が顧問として復帰。同月24日森村誠一と松原治らが、角川書店の将来を考える会を発足。10月19日開催の臨時株主総会を経て歴彦がメディアワークスの社長を兼務する形で角川書店社長に就任。最終的にはメディアワークスを角川書店の子会社化することで決着を見た。
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