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東京都品川区にある競馬場 ウィキペディアから
大井競馬場(おおいけいばじょう、Ohi Racecourse)は、東京都品川区勝島にある地方競馬の競馬場である。施設は東京都競馬株式会社の所有で、特別区競馬組合が賃借し「東京シティ競馬 (TCK)」の愛称で競馬を施行している。川崎競馬場(神奈川県川崎市)、浦和競馬場(埼玉県さいたま市)、船橋競馬場(千葉県船橋市)と共に南関東公営競馬を構成する。SPAT4加盟。
大井競馬場パドック | |
施設情報 | |
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通称・愛称 | 東京シティ競馬 (TCK) |
所在地 | 東京都品川区勝島2-1-2 |
座標 | 北緯35度35分36.4秒 東経139度44分35.9秒 |
開場 | 1950年5月2日 |
所有者 | 東京都競馬株式会社 |
管理・運用者 | 特別区競馬組合 |
収容能力 | 60,350人 |
コース | |
周回 | 右回り、左回り(一部距離) |
馬場 |
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1950年(昭和25年)5月に開場[1]。同年8月には特別区に対し競馬開催が認可[1]され、10月に設立された特別区競馬組合[1]により、11月に第1回区営競馬が開催された[1]。敷地内には1954年から大井オートレース場も併設していたが、大井オートレース場は、1973年に廃止された[注 1]。
かつては特別区のほかに東京都庁も競馬を主催していたが、1967年に東京都知事に就任した美濃部亮吉が都営ギャンブルの全廃を宣言。東京都が年8回開催していた大井競馬については、1970年度(昭和45年度)から開催回数を減少させて1973年度(昭和48年度)までに廃止する方針を打ち出した。これに対して特別区側は、都が減少させる開催分を肩代わりすることを宣言。結果的に東京都が主催者の立場から撤退したのみで開催数に変化はないまま[2][3][注 2]、現在は特別区のみが主催している。ただし東京都庁は、大井競馬場や地方競馬電話投票システムSPAT4の所有および運営を行っている東京都競馬株式会社の筆頭株主でもあり、現在も間接的に公営競技から利益を得ている。
日本の競馬で使用されているゴール写真判定、枠別の帽色、スターティングゲート、パトロールフィルム制度は、いずれも大井競馬場が初めて採用した[1]。また、拡大馬番号連勝複式勝馬投票法(ワイド)も、大井競馬場が日本で最初に発売開始した[4]。
1995年(平成7年)8月には、サンタアニタパーク競馬場と友好交流提携に調印[4]。交換競走として大井競馬場では「サンタアニタトロフィー」が、サンタアニタパーク競馬場では「東京シティカップ」が行われている[4]。
平坦なダートコース[25]。右回りの第3コーナーから第4コーナーにかけて内回りと外回りの2コースが存在し、現在は1500m・1600mのみ内回りを使用する[25]。本馬場内側には、調教用の練習馬場(1周1500m、幅員15m)も設けられている[25]。スパイラルカーブは採用されていない。
2021年に左回りコースが新設され(後述)、世界で唯一の「両回り」のコースとなった[注 3]。
2023年、第23回JBC競走開催に合わせて、砂を入れ替える工事を行い、同時にクッション砂厚を8cmから10cmに変更した[27]。新たに使用するのはオーストラリア・西オーストラリア州の新砂。実際に園田競馬場・船橋競馬場・門別競馬場でも使用されたもので、中日スポーツの小泉恵未の寄稿でインタビューに答えた大井競馬場騎手の和田譲治は、船橋競馬場の経験を踏まえて「船橋の砂は雨が降った時に引っ付かないので、板を取る必要がありません。厩務員さんも、馬の手入れが本当に楽になったと言っていました。馬のためにも、人のためにも今回の砂の入れ替えはうれしいです」とするコメントを残している[28]。
このうち2400mは東京記念、2600mは金盃でのみ使用する。2600mについては、かつては大井記念でのみ使用していたが、大井記念を帝王賞トライアル競走に指定するために2014年から2015年にかけて金盃と距離を入れ替えた。また、1500mについては2018年9月21日の開催を最後に使用されていない。
過去には外回りで2500m・2800m・3000m、内回りで1000m・1200m・1800mの距離設定もあったが、2019年4月現在では全て設定が無い。
2019年度末に開場70周年を迎える2020年度の競走事業について会見を開き左回りレースの導入が発表され、左回り1650mコースを新設し各開催日の最終競走にて同コースを使用した競走を行う方針が発表された[26]。また、左回り1000mコースのスタート地点の設置も予定されており、将来的には左回りでの2000mの競走を施行する意向も示された[26]。
左回りレースの導入に至った経緯のひとつに、海外競馬のダートコースはほとんどが左回りであることが挙げられる。国際交流競走の東京大賞典において回りの問題で海外馬に出走を断られた経緯があることから、大井競馬場でも左回りの環境を整備することにより外国馬の出走誘致を目指す方針である[30]。
左回りコースのゴールは現在のホームストレッチ右手(4号スタンド前・右回りコースにおける残り200m地点)に設定されており、右回りコースにおけるゴール地点が左回りコースにおける残り200m地点に相当する。残り100m地点(ハロン棒が設置されている)はどちらのコースでも共通となっており、他のハロン棒の設置位置も左回りコースにおけるゴールまでの残り距離の100の倍数と一致する。なお、左回りコースのゴール板は内側の調教用走路の奥に設置され、同地点のハロン棒は右回り用の「2」と左回り用の「G」のツートンカラーに塗り替えられている。両回りコースでの競馬開催は、現存する競馬場の中では世界唯一の事例となる[注 3][31][32]。
当初予定では2020年度中の2021年1月頃からのレース施行を見込んでいたが、そこから丸1年近く後の2021年11月19日の13回大井競馬5日・第12競走「Make New Way賞」にて左回り1650mのレースが初めて施行された[33][34]。
プレスリリースでは「将来的にはレース数を増やす」意向を示しているものの、実務上の問題[35]があり、当面は開催最終日の最終レースを基本として設定し、施行されている(なお、2024年からは開催初日の最終レースでの実施と変更されている)。
大井競馬場では、3月下旬から12月上旬の間トゥインクルレースとしてナイター競馬が施行されている。2010年は上記の期間に加え12月24日・25日の2日間もナイター競馬が施行された。2012年も上記期間に加え12月27日・28日に「年忘れカウントダウントゥインクル」としてナイター競馬が施行された[36]。
2021年11月現在、ナイター期間中における最終競走発走予定時刻は20時50分で、有観客で行われるナイター競走としては全国の公営競技場の中でも川崎競馬場、船橋競馬場及び高知競馬場と並んで日本で最も遅い[注 4]。うち高知競馬場は、2012年12月24日まで20時55分に設定されていて、また大井競馬場でも2002年8月から2006年3月まで同じく20時55分の設定となっていた[注 5]。
また、年末開催では薄暮競走(プチ・トゥインクル)を実施している[注 6]。
競馬開催時の入場料は100円。
勝馬投票券発売開始時刻 12:00 - 大井競馬場・各場外・在宅投票共通。なお重賞競走前日[開催日に限る]において、当該競走の前日発売を実施する発売場では、同時刻に前日発売を開始する。但しSPAT4等の在宅投票システムでは前日発売は行わない。
大井競馬場開門予定時刻 14:40 - 但し12レース制がとられる日など、第1競走の発走予定時刻が15:20より前になる場合は開門時刻はその40分前となる。
最終競走発走予定時刻 20:50 - 但し「地方競馬IPAT」対応に伴い20:40となる場合がある。(脚注参照)
2011年は3月28日からの予定だったが東日本大震災の影響により3月28日から4月1日までの開催は中止、4月18日から4月22日までは電力事情を踏まえて昼間開催(同時期、川崎競馬場も昼間開催、かつレース数を制限)となったため、5月9日から12月2日までの13開催・71日間となる。
また2014年には浦和競馬場との2元リレー開催を実施(浦和は基本昼間開催。大井はナイター)された。翌年以降は暫く実施されなかったが2018年に再び実施され、翌年以降も年に数回実施されるようになった(2022年現在継続中)。
現在のスタンドはL-WING、G-FRONT、4号スタンドの3つからなる。
会員制の「TCKカード」を発行し、来場ポイントに応じて抽選で景品がもらえるサービスも行っている。
2024年10月31日に東京都競馬は品川区と包括連携協定を締結、その中で大井競馬場の敷地内に大規模文化スポーツ施設の新設を目指すほか、東京湾臨海部の立地を生かした防災拠点としての機能強化などで協力することになった[39][40]。また、読売新聞が報じた中には老朽化した観客席の一部を解体、用地を確保して収容人員1万人規模のアリーナ施設の建設を計画、2030年度完成を目指すとしている[41]。
毎年3月下旬に次年度テーマが発表され、4月より実施される。以下は各年度のコミュニケーションテーマと、その年度のテレビCM出演者。
以下は2024年度施行の重賞。
競走名の後に付く重賞名は、その準重賞がトライアル競走として指定されている。なお、準重賞の正式名称は、全て「'○○(西暦の下二桁)△△△△(レース名)」となる。
サラ系の競走のみ記載。距離欄の「内」は内回り、「左」は左回り。
距離 | タイム | 競走馬 | 性別 | 斤量 | 騎手 | 記録年月日 |
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1000m | 0:57.7 | ノアヴィグラス | 牝5 | 51kg | 藤本現暉 | 2023年6月29日 |
1200m | 1:10.0 | ドンフランキー | 牡4 | 56kg | 池添謙一 | 2023年10月4日 第57回東京盃 |
1400m | 1:23.8 | アガリスピード | 牡3 | 53kg | 赤間清松 | 1977年8月30日 |
内1500m | 1:31.5 | キクマツオー | 牝4 | 53kg | 佐々木竹見 | 1980年6月14日 |
内1600m | 1:37.2 | アジュディミツオー | 牡5 | 57kg | 内田博幸 | 2006年4月12日 第12回マイルグランプリ |
左1650m | 1:42.3 | ロンコーネ | 牡5 | 57kg | 笹川翼 | 2023年9月22日 |
1700m | 1:43.2 | ムツヒカリ | 牡5 | 52kg | 赤嶺本浩 | 1977年7月12日 |
1800m | 1:49.6 | ミラクルレジェンド | 牝4 | 55kg | 岩田康誠 | 2011年11月3日 第1回JBCレディスクラシック |
2000m | 2:00.4[注 9] | スマートファルコン | 牡5 | 57kg | 武豊 | 2010年12月29日 第56回東京大賞典 |
2400m | 2:29.7 | グツドボーイ | 牡3 | 57kg | 高橋三郎 | 1977年11月4日 第14回東京王冠賞 |
2600m | 2:42.8 | アグネスチカラ | 牡5 | 54kg | 高柳恒男 | 1977年5月27日 第22回大井記念 |
1970年代のアイドルホースハイセイコーのデビュー地であり、大井競馬では6戦6勝(重賞・青雲賞も含む)。死去後に青雲賞はハイセイコー記念と改称し、あわせて馬像が作成され、大井競馬場の場内に設置されている(他に中山競馬場、新冠町)。
またハイセイコー以外の大井競馬場に所属し、活躍した名馬を称えて、以下の14頭14枚のレリーフが大井競馬場内のレストラン「STAR LIGHT」に飾られている(2023年1月6日現在)。
前年の大井競馬場で優秀な成績をおさめた人馬や、大井競馬場の発展に功績のあった人馬等を年1回顕彰している。2014年創設[52]。
過去の受賞者はTCK大賞の項目を参照
テレビ中継は地上波およびCSテレビ、インターネット配信にて行われている。
地上波では1960年代から1985年頃までは日本教育テレビ→テレビ朝日、1985年頃から1995年頃までは千葉テレビとTVKテレビの共同制作でそれぞれ中継を行っていたが、いずれも終了しており、1995年11月6日以降現在まではTOKYO MXが行っている。
2008年以降はTOKYO MXの番組編成が変更となり、アナログ放送および地上デジタル放送メインチャンネル(TOKYO MX 1)での放送が打ち切られ、地上デジタル放送サブ(TOKYO MX 2)、ワンセグのみでの放送となった。後にメインチャンネル(TOKYO MX 1)に復帰。また、2015年7月から2024年6月まではTOKYO MXが提供する同時配信アプリ「エムキャス」でもライブ配信されていた[53]。
東京大賞典は2018年まで日本BS放送(BS11)にて中継を行っていたが[54]、2019年以降はフジテレビに放映権が移動し、同局並び東名阪札のフジテレビ系列局(東海テレビ・関西テレビ・北海道文化放送[注 12])とBSフジにて同時中継を行っている[55]。
なお、BS11は帝王賞と3歳ダート三冠競走(羽田盃・東京ダービー・ジャパンダートクラシック)の中継も行っているが、該当競走はナイター開催であることから、引き続き同局にて中継を行っている[56][57]。
また、スカパー!の南関東地方競馬チャンネル (Ch.120、Ch.678) では全レースを放送している(Ch.120は標準画質からHD放送への移行にともない、2014年5月31日をもって放送終了)。
2012年4月からはダートグレード競走、同年10月以降は、ほとんどの重賞競走[注 13]についてはグリーンチャンネルでも放送されている。
定額制動画配信サービスのDAZNでも、2020年11月3日開催のジャパンブリーディングファームズカップから重賞競走を含む一部のレース中継をライブ配信[58]されていたが、2022年12月31日をもって終了している[59]。
J-PLACE大井 | |
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基本情報 | |
開設日 | 2013年(平成25年)4月7日 |
施設設置者 | 東京都競馬株式会社 |
発売単位 | 100円単位 |
開催日営業時間 | 大井本場開催時の日曜祝日12:00頃 - |
外部リンク | TCK・TCKについて |
2013年4月7日よりL-WINGにおいて、日本中央競馬会からの委託により「J−PLACE大井」としてJRAの馬券を発売する。ただし発売は大井本場開催日の日曜祝日、並びに有馬記念・ホープフルステークスの開催日(この2競走実施日は大井本場開催の有無にかかわらず発売)で12:00頃以降のレースのみとなる。2024年9月8日からJRAの馬券発売レースを全レースに拡大する。なお、開門までは外向発売所でのみ発売する。 払戻は大井のほか全国のJ−PLACE施設・offt後楽園・offt汐留(offt後楽園・汐留は、南関東4競馬場での場外発売実施日に払い戻し可能)で可能。
大井競馬場では馬券を9種類発売しており、これは中央・地方通じて最も多い。
○…発売 ×…発売なし
各地で場外発売を行っており、地方競馬としては幅広く展開している。
特に記述のない発売所では、大井競馬場の他、浦和競馬場・川崎競馬場・船橋競馬場の場外発売も行っている。
詳細は場外勝馬投票券発売所#地方競馬の場外勝馬投票券発売所や、「南関東4競馬場共同サイト」内の場外発売案内ページを参照。
いずれも廃止された旧新潟県競馬から引き継いだ施設。
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