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強くてニューゲーム(つよくてニューゲーム)とは、コンピュータゲーム(主にロールプレイングゲーム)のシステムの一つであり、ゲームをクリアしたあとにクリア時点のステータスや所持アイテム等を引き継いで最初からプレイできるシステムのことである。
このシステムに統一的な公式名称はなく、「強くてニューゲーム」は通称である。海外版では「NewGame+」と表記される。
ロールプレイングゲームなどの、本来はひとたびシナリオが進展したら初めからやり直さない限り前のシナリオをやり直せないゲームにおいて、ゲームをクリアすれば、クリア時点でのセーブデータの情報(キャラクターのレベルや所持アイテムなど)を引き継いで新たに初めからゲームを遊ぶ(ニューゲームを始める)ことができるようになるシステム。「強くてニューゲーム」という名前の初出は『クロノ・トリガー』[1]だが(この作品内では表記に漢字が使われず、「つよくてニューゲーム」と表記された)、同様のシステムとしては同作以前のゲームにおいても「クリア時のアイテムやステータスなどを引き継いだまま2周目以降へ突入する」という周回プレイ要素として散見されるため、『クロノ・トリガー』がこのシステムの元祖という訳ではない。
このシステムを用いると、プレイヤーキャラクターは序盤から無敵といえるだけの強さを持った状態で始まるため、戦闘が非常に簡単になり、初回のプレイでは「ボスが強い」などの理由でクリアできなかったイベントが容易にクリアできるなど、ゲームバランスを損ねる恐れはあるものの、ゲーム全体の難易度を引き下げ、より容易にシナリオを味わうことができる[注 1]。
また、所持品が引き継がれる場合、本来は入手数が限られる強力なアイテムを再度入手できることから、初回のプレイ時よりもキャラクターを強化させることができる場合がある。「強くてニューゲーム」を繰り返して、強力なアイテムを集めることは、やり込みのひとつである。
『クロノ・トリガー』以降、その続編『クロノ・クロス』を初めとしたスクウェア(当時)製のゲーム作品に、同様あるいは類するシステムが数多く採用されている[注 2]。例外的にファイナルファンタジーシリーズでは長らく採用されなかったが、『ファイナルファンタジーX-2』にて初めて採用された。また、スクウェア以外のメーカーも、こぞって同様のシステムを採り入れた作品を出すようになった[注 3]。
『ファイナルファンタジーXIIインターナショナル ゾディアックジョブシステム』にも同名のシステムがあるが、これはセーブデータの引き継ぎが行われない(詳細は『ファイナルファンタジーXII』を参照のこと)など、『クロノ・トリガー』のそれとは大きく異なるものである[注 4]。
また、海外でもNew Game+として多様な作品で使われている。RPGで使われることは少なく、主にファーストパーソン・シューティングゲーム (FPS) やサードパーソン・シューティングゲーム (TPS) で使われることが多い。例を挙げれば、FPSの『Bioshock』はDLCで強くてニューゲームを解放した[2]。また、サバイバルホラー・TPSの『DEAD SPACE』シリーズでは前周でのすべてのアイテムの引継ぎはもちろん、多くのバックストーリーログや高度な装備、アイテムなどが解放された。
なお、実績システムが存在するゲームでは、特定の実績を獲得するために強くてニューゲームをクリアすることが要求される場合がある。例を挙げれば『Bastion』の「Calamity Kid」[3] や、『バットマン アーカム・シティ』のTwice Nightlyなどである。
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