『Solatorobo それからCODAへ』(ソラトロボ それからコーダへ)は、バンダイナムコゲームスより2010年10月28日に発売された、ニンテンドーDS専用のアクションRPG。リトルテイルブロンクスシリーズ2作目。
現代から3000年後の世界を舞台に知的生物へと進化した犬と猫の文明開拓を描くSF作品。
OPアニメーションはマッドハウスが、キャラクターデザインは『天空のエスカフローネ』などで知られる結城信輝が担当している[2]。
本作と過去にサイバーコネクトツーが開発したゲーム『テイルコンチェルト』や同スタッフが作った福岡県の消防・防災・安全キャラクターの『まもるくん』は、同一の世界「リトルテイルブロンクス」を舞台としており[3]、各作品の登場人物も本作に登場する。
本作のテレビCMは『ソラトロボ 大百科』と題して全100種類(CM内では『章』とカウントされている)が作られ、それらは総て違う内容になっている。(キャラに関する情報、システムなど)。これらは2010年10月21日TOKYO MXで8時間をかけて随時放送され、「世界で(特定の時間内に)最も多く(異なる内容の)CMがテレビ放送された(単一)商品」というカテゴリーのギネス記録を打ち立てた(正式にこの記録が認定されたのはギネスブックに申請後、2011年6月下旬ごろであった)。なお、CM内でもこの挑戦について触れているもの(第49章『ギネス記録に挑戦』)がある。web上ではSolatorobo公式サイトで全種類公開中。
舞台となるシェパルド共和国ではフランス語が使われているが、これは世界の成り立ちと深く関わっている。
開発段階では『Solarobo それからCODAへ』(ソラロボ それからコーダへ)という仮題が付けられていた[4]。
イヌヒトとネコヒトと呼ばれる2種族が共存する、浮遊大陸に築かれたシェパルド共和国。主人公のイヌヒトのレッドは、妹のショコラと共に様々な依頼を受け報酬を得るハンターを営んでいる。
ある日、レッドは盗まれた重要ファイルの奪還の依頼を受け、愛機ダハーカを駆り輸送船ヒンデンブルグに潜入。そしてネコヒトの少女エルとの出会いと共に、物語は動き出した。
輸送船内で見つけた謎の物質メダリオン。同時に現れた超巨大物体ラーレスと、それを狙う巨大ハンターギルドのクーバースとの対立。イヌヒトともネコヒトとも異なる姿を持ったハイブリッドと呼ばれる人々の出現。そしてレッドの体にも謎の力トランスが宿る。
数々の事件を経て、レッドは次第にこの世界の秘密を知ることとなるのだった。
戦闘や移動はロボに乗るロボアクション、細かな作業などはロボから降りて行うヒトアクション、この2つのアクションを交互に駆使して、敵やダンジョンなどの仕掛けを攻略していく。ゲーム中に特定の条件を満たすことで、主人公の容姿が変化すると共に能力が向上するトランス能力が使え、戦闘を有利に進めることができるようになる。
町ではハンターのクエスト屋から依頼を受け、様々なサブクエストに参加できる。その他、戦艦を釣り上げる「戦艦釣り」、改造したダハーカに乗って出場する「エアロボグランプリ」などのミニゲームも楽しめる。
Wi-Fi通信を使った、ダウンロードクエストも配信されている。
浮遊大陸にある「シェパルド共和国」を舞台としている。地上・海上は、飛び込めば生きて戻れない「プラズマの雲海」が覆っており、その様子を窺い知ることはできない。所々雲海の無い場所も存在するが、放電の危険があり近づく事もできない。
シェパルド共和国は物語の127年前に建国[5]され、シェパルドという名前はその前に勃発した戦争を終結させた子ども達を纏めた少年(マルト・マジパン)に敬意を込めて名付けられた。つまり、本作は2021年7月29日に配信されたゲーム『戦場のフーガ』の後日譚である。
主要都市
- ファラオ
- シェパルド共和国の首都で唯一電車が走っている街。訪れるのは2部になってから。政治、文化の中心で最新の音楽や映画、ファッションなどの娯楽も集中している。
- エアデール
- 物語開始時のオープニングで出てきて、最初に訪れる町。別名「はじまりの街」。
- スピノー
- 水を湛える美しい町。別名「水をたたえる街」。ただし下水道は汚れているし、ネズミや巨大魚が住み着く始末。結晶石を納める祠も下水道にある。
- ビスラ
- キノコタンポポが生える都市。別名「風の止まる場所」。様々な虫が生息しており、「ムシ使い」と呼ばれる人々とムシが共存をしている。最近は後継者不足やヨウホウコガネの出没に頭を悩ませている。
- シェットランド
- 鉱山の島。別名「世界鉱山」。鉱石を掘り起こすため島自体が減少している。町長の一族は代々結晶石を守る役割を担っている。
- サモエド
- シェパルドで(主にイヌヒト)広く信仰される「アンジュ教」の聖地。別名「聖なる神の森」。鳥が神の使いと崇められているため森が生い茂っている。ちなみに信者は全員ロザリオを持っている。
- バセット
- 56年前の「第二次呪術戦争」で誕生した島。別名「戦艦スラム」。作中で唯一孤児院が出てくる(レッドとショコラが育った孤児院ではない)。
- 戦時中の戦艦などを住処とする、戦艦ヤドカリがいる。近海に結晶石を祭る祠がある。
- マウ
- オシラサマ信仰が最も根強く信仰される島。別名「神の枕」。訪れるのは2部から。島の下にある逆さまの犬の頭の像は「サカサオオカミの像」と言われ古代種であるオオカミ族の力を封じるためにあるものと語られている。様々な修行が行われている。
- シーリハム
- ウミの中に居るような雰囲気の島。別名「空にある風の海」。訪れるのは2部から。たくさんの空魚が飛んでおり漁などで生計を立てている。ダブレン群島のような島の集まりが漁場。超大規模ないけすが有名。ビズラ同様後継者不足が起きている。
- ダブレン群島
- フライトレースが行われる、ヒトが住めないほどの小規模の島が集まっている地域。別名「清らなる英知」。クリステル原石が船舶のクリステルドライブと干渉し、上手く飛べなくなるため大型船にとっては危険地帯。
その他
- ラグドール
- エル、ベルーガの出身地で契約者の一族が住む里。物語開始の300年前に何者か(後にバイオンだとわかる)によって滅ぼされており行くことは出来ない。その名を知る者はエルたち以外いない。
- アース
- 雲海の下にある未知の世界。旧人類達の暮らしていた土地(オーストラリア大陸らしい)で、現在建っている建造物はユルルングルが居る「フツの塔」だけである。
- フツの塔
- ユルルングルがいる塔で太古の時代の研究所。中にはノノが充満しているため空間にリアルな映像を出すことが出来る部屋もある。
- プレーリー王国
- ワッフルたちの国。シェパルドから遠いところにある。
- ニポン国
- まもるたちの国。シェパルドから見て東にある。
- アビシニア連邦
- シェパルド共和国の北部と国境を接する国。旧国名はアビシニア帝国。過去にシェパルドと呪術戦争などで交戦している。現在はシェパルドと外交を行うなど、表面上は平和が保たれている。ちなみにアビシニアはエチオピアのかつての国名でもあり、またこちらも国号が帝国だった事がある。
シェパルド共和国で使用されるロボット。移動用から戦闘用、レース用と多種多彩なロボが出てくる
- ダハーカ
- 正式名称は「DAHAK-AZI03(ダハーカアジゼロスリー)」。9年前にレッドと共に発見されたロボで、「家族」として大切にされている。ボディカラーは赤。
- 一般的なロボと比較すると小型の部類で、内蔵火器は備わっていないが、強靭かつ器用な2本の腕を持つ。飛行用の小型外付けエンジンを搭載した飛行形態の「フライヤーモード」と、戦艦つりを行う用に片腕をアンカー射出装置に換装した「アングラーモード」に換装が可能。色はそれぞれ黄色と青に変わる(公式イラストではその都度ショコラに塗りなおされているらしい情景が描かれている)。因みにダハーカはドラゴンをモチーフとしている(ツイッターでの公式発言より抜粋)。
- ダハーカ Mk2
- ネロ、ブランクとの戦いで大破したダハーカをメルヴェーユが改修した物でメインカラーは白でアクセントに赤が散りばめられている。用途に合わせて、基本機体の「タイプS」の他に「タイプR」「タイプC」「タイプG」「タイプΩ」の合わせて5系統に変形が出来る。また、「タイプSX」など、さらなる強化版もある。
- セプテントリオン
- ダハーカ、ダハーカMk2の最終形態。レッドがタルタロスに突入する際にネロ、ブランクの力を貰い受け、ナノレベルで進化したダハーカの姿。
- 機動性から攻撃力、防御力などあらゆる面で他のロボの追随を許さない性能を備えている。単独飛行能力を持ち、エネルギー弾のチャージショットを打つこともできる。
- サラマンデル
- ベルーガの愛機。正式名称は「Salamander//009(サラマンデルダブルオーナイン)」。
- 両腕にリボルバー式のキャノン、胸部にバスターキャノンを装備しており両足のローラーを生かした高速移動の射撃戦を得意としている。攻略本によるとかなり古い機種らしい。
- ティアマト
- オペラの愛機。正式名称は「Tiamat-FL(ティアマト フェザーライト)」。
- かなり大型のロボで、操縦席は胸部。機動性と、防御力を犠牲に攻撃力を高めている。遠距離攻撃に秀でており機雷の散布や高出力のビームなどによる懺滅戦を得意としている。
- メフィスト
- グレンの愛機。正式名称は「Mephisto TA(メフィスト タクティカルアクション)」。
- 民間量産機「ファウスト」のカスタマイズ機で、グレンの意向で近接戦用の巨大な太刀を装備している。また、遠距離用にクナイも装備。
- オーバーメフィスト
- カルアの愛機。正式名称は「Over Mephisto 9MS(オーバーメフィスト ナインエムエス)」。
- メフィストをベースに、カルアなりのカッコ良さを優先させたカスタマイズ機。遠距離と近距離の攻撃を併用しているが、性能としては他のロボより劣る部分があるらしい。
- ザイリタ
- ネロの愛機。正式名称は「Zairita-AZI02(ザイリタ アジゼロツー)」。
- AZIシリーズの2番機。空中からの強襲を得意としている。他のロボと違い、四足歩行。
- スルワラ
- ブランクの愛機。正式名称は「Srvara-AZI01(スルワラ アジゼロワン)」。
- AZIシリーズの1番機。性能はザイリタとほぼ同じで、こちらも空中からの強襲を得意としている。こちらも四足歩行。
- カサンドラクロス
- ザイリタとスルワラがナノレベルで融合合体した姿でパワー効率は元の姿の2倍以上。機体の大きさも性能も格段にアップしておりその実力はオペラたちを圧倒するほど。
- ザイリタとスルワラを合体したため操縦はネロとブランクが同時に行う。
- ベリウス
- バイオンの愛機。正式名称は「Berius P-2(ベリウス ピーツー)」。今作のラスボス機。
- 機体のあちこちから高温の刃が付いており、高温の玉を放つ、火柱を吹き上げたりと炎を用いた攻撃方法をとる。両腕に仕組まれた炎のムチは変幻自在で威力も絶大。
- シェイドの召喚も行え、接近戦向きの機体。操縦席は腹部に当たる。
飛行艇・戦艦
- アスモデウス
- 全長:14.53m / 全幅(主翼最大展開時):20.32m / 全高:7.87m
- レッドとショコラの飛行船、2人の居住も兼ねている。都市間移動の際の移動手段。ショコラからは「アスモデちゃん」と呼ばれる事もある。元々はレッドの師匠、カーマインのものだった。
- 大きく「ブリッジ」、「格納庫」、「居住区」の3ブロックに分かれており、上半分が基本的な生活空間で下半分が納庫となっている。飛行状態に応じて主翼が変形し、通常飛行モードでは翼は地面と垂直になるが高速移動時は翼の先端部が斜めに変形する。空中で静止する際はプロペラ前面を上空へと向け、ホバリング状態にする。ちなみに空中戦の武装は備えていない。
- スメーグ
- 全長:16.78m / 全幅:15.98m / 全高:3.07m
- ベルーガが乗る高速艇。彼が長年かけてカスタマイズしたものをメルヴェーユがさらに改良した。
- 船室は必要最低限の生活が可能な設備だけのブリッジのみで、上部にサラマンデルをそのまま収納しているため格納庫は存在しない。なお、サラマンデルの頭部と両腕は外に出した状態で収納されるためスメーグの砲台はサラマンデルの両腕にあるリボルバーキャノンである。
- クーバース護衛戦艦
- 全長:90m / 全幅:78m / 全高:35m
- クーバースが所有する戦艦。ロイヤルエンヴィとほぼ同じクラスでロイヤルエンヴィを含めクーバースは3隻所有している。そのうち1隻の艦長がガレットであるが、ガレットの艇はレッドに落とされてしまった。
- ロイヤルエンヴィ
- 特務室が運用するクーバース護衛戦艦とほぼ同じクラスの機体。艦長は特務室室長のオペラ。
- 基本的な構造は他のクーバース艦と同じだがオペラの職権乱用により紫色のド派手な外装になっている。内部はニポン国をイメージしたものでこちらはブルーノの趣味だが、紫色のカラーリングはオペラの趣味である。
- 偵察機
- 特務室の役割の1つである情報収集を効率よく行うための小型艇。親機と子機に分かれており親機は遠隔操作可能な子機を複数射出が出来るため1機だけでも広範囲の偵察が可能である。また、子機は回転しながらの体当たり攻撃が出来、威力偵察も可能。
- ヒンデンブルグ
- 全長:50m / 全幅:130m / 全高:90m
- クーバースのダミー会社が所有する大型輸送船。ゲーム開始直後レッドが侵入する最初のステージでもある。
- 船体のした部に大きな貨物室があり大量の物資を積み込められるうえ、特殊な扉で守られた保管室もある。この部屋は秘密裏に特別な品物を運ぶ際に使われ乗組員たちにも厳重に警護するよう言い渡されている。ラーレスのメダリオンとゲベックの重要ファイルもここにあった。レッドがメダリオンに触れ、ラーレスが現れた際、ラーレスと衝突してしまったことにより墜落した。
- ゴールデンロア
- 全長:270m / 全幅:236m / 全高:160m
- クーバースの旗艦であり本拠地も兼ねる戦艦で、ハンターギルドの中でもこのクラスの戦艦を所持しているのはクーバースのみ。
- 艦体中心が刀のような形だったり、艦橋が五重塔のような形だったり、鳥居が並んでいるなど、ニポン国をイメージしたデザインが散りばめられているが、これらはクーバースの首領ブルーノの趣味。執務室もニポン国のデザインがたくさん散りばめられている。
- 艦首砲ブルーノキャノン
- ブルーノの顔を模したゴールデンロアの艦首にある主兵装。威力はシェパルド軍が所有する戦艦の主砲をはるかに凌駕する。
ティタノマキナ
山ほどの巨体を持つ兵器。今作の重要な存在でもある。
- ラーレス
- 全長推定5kmはある巨大な物体、レッドたちは当初怪物と思っていた。ヒンデンブルグにあったメダリオンに反応し姿を現した。全体の色は青白い。1部のラストステージ。
- 上部に植物が生い茂り始めていることから太古の時代から存在することがうかがえる。ブルーノはラーレスの力を狙っていたが逆に取り込まれてしまった。
- レムレス
- ラーレスと同じく5kmはある体を持つもの。外観はラーレスに比べ赤紫色に近く、太めの体型。登場は2部から。
- ラーレス同様上部に草木が生い茂っている。ラーレスより兵器として上位にあり、メルヴェーユ曰く「ラーレスよりコントロールが難しい」らしく、レムレスをコントロールするためのパワーセルには本物の結晶石を使用した。兵器なのに食道、胃がある。
アース関連
- ヌシ
- アースへ向かう際レッドたちがアスモデウスごと搭乗した太古の船、外見は黒い羽が生えた鯨。アメノフエによって呼び出せる。メルヴェーユによると生物に近いらしい。
- タルタロス
- 「CODA」を発動するためにバイオンたちがラーレスとレムレスの力を使って次元の裂け目から呼び出した球状の兵器。シェパルドに隠されたジュノである。2部のラストステージ。中は正方形のブロックが浮いておりシェイドも多く居る。
- ジュノ
- 旧世界で多数発見された謎の情報体。行き詰った文明を急速に発展させるとともに、数々の戦争や兵器ももたらしたという。しかもレッドたちが生きる世界に関する重大な事実にも関わっていて、それらをレッドたちはフツの塔で知ることになる。
すべて作詞・作曲 - 福田考代、歌 - 三谷朋世(LieN)。
- オープニングテーマ:「それからCODAへ」
- エンディングテーマ:「Re-CODA」
- 挿入歌:「流れ星☆キラリ」
- ココナの新曲という設定の歌。本編中で使われている音源はインストゥルメンタル版だが、歌詞もショコラとココナの会話の中に登場する。
『Solatorobo それからCODAへ presents ソラジオ』は、超!A&G+「A&G GAME MASTER GT-R」内で放送されていた、コーナーである。番組パーソナリティの小野坂昌也、加藤英美里、阿久津加菜がソラトロボの魅力を紹介する。Slatorobo公式サイト内では、放送済みのものを再度聞けるように、youtubeの専門チャンネルへのアーカイブスが用意されている。
2011年7月29日には、その日のGT-Rゲストである緑川光を交えてテレビCM『ソラトロボ 大百科』ギネス認定記念の「特別編」が放送された。
- 配信先
- 超!A&G+
- 2010年8月6日 - 2011年1月28日、2月11日
- 金曜日 22:15 - 22:25頃(リピート放送:土曜日 15:15 - 15:25頃、月曜日 10:15 - 10:25頃) - 「A&G GAME MASTER GT-R」内
- 公式サイト
- 2010年8月16日 - 2011年2月4日、2月25日
- パーソナリティ
- ゲスト
- 第7回 - 田中快(バンダイナムコゲームスCSプロモーション部マネージャー)、松山洋(サイバーコネクトツー社長)
- 第13回 - 柿原徹也、後藤沙緒里
- 第24回 - 緑川光
- 第26回 - 緑川光
- 第27回 - 松山洋(サイバーコネクトツー社長)
- コーナー