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英雄伝説 軌跡シリーズ(えいゆうでんせつ きせきシリーズ)は、日本ファルコムが開発・発売しているコンピュータRPGの《英雄伝説シリーズ》第3期の総称である。2004年(平成16年)に発表された『英雄伝説VI 空の軌跡』から始まる進行中のシリーズであり、これまでに『英雄伝説VI』と『英雄伝説VII』、『英雄伝説 閃の軌跡』、『英雄伝説 創の軌跡』、『英雄伝説 黎の軌跡』、『英雄伝説 界の軌跡』『英雄伝説 暁の軌跡』の6作品が発表されている。
英雄伝説 軌跡シリーズ | |
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ジャンル | コンピュータRPG |
シリーズ構成 | |
| |
テンプレート - ノート |
シリーズ全般及びシリーズに共通する部分を中心として記述するが、登場人物については英雄伝説 軌跡シリーズの登場人物で扱う。またシリーズ各作品の詳細についてはそれぞれの各項を参照。
2004年に第1作「英雄伝説VI 空の軌跡」が発売され、2022年現在、『英雄伝説VI 空の軌跡』、『英雄伝説VII』、『英雄伝説 閃の軌跡』、『英雄伝説 創の軌跡』、『英雄伝説 黎の軌跡』、『英雄伝説 暁の軌跡』の6作品が発表されている。『創の軌跡』、『暁の軌跡』以外の各作品はそれぞれ複数のゲームタイトルで構成されており、ゲームタイトル数としては『暁の軌跡』を含めて通算で13作が発表され、シリーズは現在も継続している(詳細は#シリーズ一覧を参照)。
シリーズ作品は全てゼムリア大陸と呼ばれる架空の大陸を舞台としており、同一の世界設定を共有している。また、時間的な隔たりも短く、一部のキャラクターは作品を跨いで登場する(登場人物については英雄伝説 軌跡シリーズの登場人物を参照)。作品中の世界では導力と呼ばれるエネルギーによって動く導力器がインフラストラクチャーとして広く普及しており、魔法も基本的には導力器によって発動する(詳細は#世界設定を参照)。
コンピュータRPGとしては、シンボルエンカウント方式、コマンド入力方式の戦闘を基本にしたものになっている。一部に作品固有のシステムなどもあるが、ゲームシステムに関しても基本的な部分は共通している。(詳細は#システム、#戦闘システムを参照)
2022年9月末までのシリーズ累計販売本数は公称700万本[Web 1]。
軌跡シリーズは、〈英雄伝説シリーズ〉としては、第1期〈イセルハーサ編〉、第2期〈ガガーブトリロジー〉に続く第3期シリーズにあたる(下表参照)。〈イセルハーサ編〉、〈ガガーブトリロジー〉のいずれとも世界設定は共有しない。
〈英雄伝説シリーズ〉のナンバリング作品としては、『空の軌跡』の3作品は『英雄伝説VI』にあたり[書 1]、「零の軌跡」と「碧の軌跡」は『英雄伝説VII』にあたる[注 1]。『閃の軌跡』については、『英雄伝説VIII』という表記や呼称が日本ファルコムによって公式に用いられたことはない。
第1作の「空の軌跡FC」は発売当初は『英雄伝説VI 空の軌跡』のタイトルを付けられていたが、「空の軌跡SC」以降ではタイトルから〈英雄伝説シリーズ〉としてのナンバリングは外されている。
第1期:イセルハーサ編 | 『I』・『II』 | ||||||||||||||||||||||||||||||
第2期:ガガーブトリロジー | 『III』・『IV』・『V』 | ||||||||||||||||||||||||||||||
英雄伝説シリーズ | |||||||||||||||||||||||||||||||
【本編作品】 | |||||||||||||||||||||||||||||||
英雄伝説VI 空の軌跡 | 空の軌跡FC | ||||||||||||||||||||||||||||||
第3期:軌跡シリーズ | 空の軌跡SC | ||||||||||||||||||||||||||||||
空の軌跡 the 3rd | |||||||||||||||||||||||||||||||
英雄伝説VII | 零の軌跡 | ||||||||||||||||||||||||||||||
碧の軌跡 | |||||||||||||||||||||||||||||||
英雄伝説 閃の軌跡 | 閃の軌跡 | ||||||||||||||||||||||||||||||
閃の軌跡II | |||||||||||||||||||||||||||||||
閃の軌跡III | |||||||||||||||||||||||||||||||
閃の軌跡IV | |||||||||||||||||||||||||||||||
英雄伝説 創の軌跡 | 創の軌跡 | ||||||||||||||||||||||||||||||
英雄伝説 黎の軌跡 | 黎の軌跡 | ||||||||||||||||||||||||||||||
黎の軌跡II | |||||||||||||||||||||||||||||||
英雄伝説 界の軌跡 -Farewell, O Zemuria- | 界の軌跡 | ||||||||||||||||||||||||||||||
【番外作品】 | |||||||||||||||||||||||||||||||
ファルコム制作 | イースvs.空の軌跡 | ||||||||||||||||||||||||||||||
那由多の軌跡 | |||||||||||||||||||||||||||||||
スピンオフ | 英雄伝説 暁の軌跡 | ||||||||||||||||||||||||||||||
英雄伝説 閃の軌跡 Northern War | |||||||||||||||||||||||||||||||
2004 | 空の軌跡FC |
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2005 | |
2006 | 空の軌跡SC |
2007 | 空の軌跡 the 3rd |
2008 | |
2009 | |
2010 | 零の軌跡 |
2011 | 碧の軌跡 |
2012 | |
2013 | 閃の軌跡 |
2014 | 閃の軌跡II |
2015 | |
2016 | 暁の軌跡 |
2017 | 閃の軌跡III |
2018 | 閃の軌跡IV |
2019 | |
2020 | 創の軌跡 |
2021 | 黎の軌跡 |
2022 | 黎の軌跡II |
七耀暦 | 作品名 | 前作終了時点との間隔 |
---|---|---|
1202年 - 1203年 | 空の軌跡FC | |
空の軌跡SC | 「FC」の直後 | |
1203年 | 空の軌跡 the 3rd | 「SC」の約半年後[3] |
1204年 | 零の軌跡 | 「the 3rd」の数カ月後 |
閃の軌跡 | 「零」・「碧」と同時期 | |
碧の軌跡 | 「零」の数カ月後 | |
暁の軌跡 | 「碧」と同時期 | |
1204年 - 1205年 | 閃の軌跡II | 「閃の軌跡」の約1カ月後 |
1206年 | 閃の軌跡III | 「閃の軌跡II」の約1年後 |
閃の軌跡IV | 「閃の軌跡III」の半月後 | |
1207年 | 創の軌跡 | 「閃の軌跡Ⅳ」の約5カ月~半年後 |
1208年 | 黎の軌跡 | 「創の軌跡」の約1年半後 |
1209年 | 黎の軌跡II | 「黎の軌跡」の約2カ月後 |
界の軌跡 | 「黎の軌跡II」の数カ月後 |
これまでに発表されているシリーズ作品全てが、ゼムリア大陸という名の架空の大陸を舞台とし、七耀暦という架空の暦を用いている。第1作「空の軌跡FC」から2022年現在の最新作「黎の軌跡II」までの事件はおよそ7年ほどの範囲に収まっているため、ある国を舞台にした作品で登場した人物が、他の国を舞台にした作品で登場することもある。
作品の舞台となっている時期から約50年前に起きた「導力革命」と呼ばれる技術革命によって、導力と呼ばれる神秘のエネルギーを使って動く導力器が広く普及しインフラストラクチャーとなっている(詳細は#導力を参照)。
ゼムリア大陸の国家・地域が各作品の舞台となっており、大陸西端に位置する『閃の軌跡』の舞台であるエレボニア帝国とその東隣に位置する『黎の軌跡』の舞台であるカルバード共和国の2大国が覇権を争っている。『空の軌跡』の舞台であるリベール王国と『VII』の舞台であるクロスベル自治州は、共にこの2大国に挟まれた弱小地域となっている。
〈軌跡シリーズ〉の世界では、神秘のエネルギーである導力(どうりょく)によって動く、導力器(オーブメント)という機械が広く普及している。導力は七耀石から取り出される神秘のエネルギーであり、消費しても時間が経てば自然に充填されるという特性を持つ。導力器はエプスタイン博士が古代遺物(アーティファクト)の研究から50年前に発明したものであり、この技術革命は導力革命と呼ばれる歴史の大きな転機となっている。以降、導力器は照明・暖房・通信・兵器・乗り物と非常に幅広く使われるインフラストラクチャーとなっている。内燃機関も存在してはいるが、導力に比べて効率が悪いため、作中ではほとんど用いられていない。
シリーズ内の魔法は導力魔法(オーバルアーツ)と呼ばれ、戦術オーブメントと呼ばれる魔法用の導力器によって発動される設定となっている。
古代遺物(アーティファクト)は大崩壊以前の古代ゼムリア文明の時代に作られた道具であり、この古代遺物の研究から導力器が生まれている。古代遺物も導力器も導力によって稼働する点では同じだが、異なる機械体系を持つ[5]。字義どおりに古代の遺物であるため、多くはその力を失った状態で遺跡などから発掘されるが、力を失わずにいるものも存在し、その中には強大な力を持つ物もある。
七耀教会では古代遺物を「早すぎた女神の贈り物」と定義して、個人が無断で所持したり使用したりすることを禁止しており[5][6]、力を持ったままのアーティファクトを回収・管理している[5][3][注 5]。力を失った物は教会の回収対象から外れるが、力を失ったアーティファクトは解析することも出来ず、役に立たない[3]。
民間人の安全と地域の平和を守ることを第一の目的とした遊撃士(ブレイサー、ゆうげきし)たちによる民間団体。『空の軌跡』の主人公であるエステルとヨシュアも遊撃士(当初は準遊撃士、後に正遊撃士)であるため、協会に所属している。本部はレマン自治州にあり、「国家権力に対する不干渉」を規約として掲げることにより、ゼムリア大陸各地に支部を持っている。その中立性から、時には国家間交渉の仲介役を担う場合もある。「brace(支える)」と「bracer(籠手)」から「ブレイサー」と呼び[12]、「支える籠手」の紋章を掲げる。
遊撃士はまず見習いである準遊撃士となり、実績を重ねて階級を上げ(準遊撃士の階級は1~8級に区分)正遊撃士となる。正遊撃士はその人格・実績に応じてAからGの7階級に区分されているが、停戦などの国家間交渉を担う関係上、上位の正遊撃士にはある程度の外交術が要求される。公式での最上級階級であるA級遊撃士は大陸全土で20数名程度。非公式にはさらに上となるS級が存在し、国家に大きく関わる事件の解決をした者に与えられている。S級遊撃士は大陸全土で4人しか存在しない。エステルの実父カシウス・ブライトはS級遊撃士の1人であったが、リベールのクーデター事件後に王国軍に復帰し遊撃士を辞めているため、「空の軌跡SC」以降は3人しかいない。ただしアリオス・マクレインのようにS級への昇級を断っているA級遊撃士も存在する。
ゼムリア大陸で最も広い信仰を集める宗教組織で、空の女神エイドスを信奉している。《大崩壊》直後に成立し[Web 11]、その教義によって人々を導き《暗黒時代》を平定させ、《暗黒時代》後のゼムリア大陸で教会を中心とした新たな秩序を形成した[13]。総本山はアルテリア法国。封聖省、典礼省、僧兵庁といった複数の組織から構成されている。
世界に暗躍する謎の結社で、単に《結社》とも呼ばれる。《盟主》(グランドマスター、めいしゅ)と呼ばれる人物を筆頭に、蛇の使徒(アンギス、へびのしと)や、執行者(レギオン、しっこうしゃ)と呼ばれる常人離れした戦闘力を持つエージェントを多数従えている。他を大幅に超えた高度な導力技術を有し、大小の様々な人形兵器、導力ネットワーク技術、更には巨大な飛行戦艦まで、独自開発し運用する。作中で起きる多くの事件の影で暗躍している。特に《教会》とは長い間対立しており、歴史の裏で幾度も渡り合った宿敵となっている。またその活動内容から民間人の保護を理念とする遊撃士協会とも浅からぬ因縁がある。
「身喰らう蛇」の読みは「ウロボロス」だが、単に「みくらうへび」と呼ばれることも多い。
特に優秀な傭兵部隊を呼ぶ称号で、作中には名前だけのものも含め様々な猟兵団が登場している。ミラ次第でどのような(非武装の民間人を虐殺するような)仕事であっても請け負うため、民間人保護を目的とした遊撃士協会とはしばしば対立するほか、国や地域によっては雇う事を法律で禁止している。
最上位の猟兵団である「赤い星座」と「西風の旅団」の幹部たちは《黒の工房》製の「Sウェポン」[25]と呼ばれる強力な装備を所持している。
いずれも各国を代表する技術機関、メーカーで、製品を他国に輸出をしているため、その名前はシリーズをまたいで登場している。
〈軌跡シリーズ〉では七耀暦と呼ばれる暦が用いられており、『空』は七耀暦1202年から1203年、「零」・「碧」と『暁』は七耀暦1204年、『閃』は七耀暦1204年から1206年、『創』は七耀暦1207年、『黎』は七耀暦1208年が舞台となっている。複数シリーズで語られる(過去の)主な出来事としては下記のようなことがあった。
長さは「アージュ」、「リジュ」、「セルジュ」で表され、1アージュは現実世界の1メートルに相当する[12]。作品中で、1リジュは0.01アージュ(0.01メートル、1センチメートル)、1セルジュは100アージュ(100メートル)に相当する[12]。長さについては、《大崩壊》以前から同じ単位が用いられている[40][41]。
七耀暦1168年(本編の時代のおよそ35年前)にアルバート・ラッセルとツァイス技術工房によって実用化された、空を飛ぶ乗り物。ヘリウムなどの気体を使って浮く現実世界の飛行船とは異なり、浮力は導力によって発生させ、速度も速い[注 29]。導力機関から生み出されたエネルギーを飛翔機関によって変換し反重力フィールドを生み出すことで[42]自ら浮力を発生させ、垂直離着陸やホバリングが可能。作品世界中では、国内や国外の都市間を結ぶ公共交通として旅客飛行船が広く普及しているほか、軍事用途でも用いられている。小型の飛行艇も含め、船内は多層構造になっており、導力機関を用いる都合上、船内に機関室を持つ。
作品中の世界には翼による揚力を用いた飛行機は存在せず、熱気球の類も登場しないため[注 30]、一般的な乗り物としては空を飛ぶ唯一のものとして登場している。以下、作品中に登場する主だった導力飛行船について記述する。
導力エンジンを使った車両。軍事用の戦車、装甲車のほか、民間用の導力車、導力リムジン、導力バス、運搬用の導力トラックなどがある。
作品本編の時代の頃になって、導力機関の小型化に伴って開発が進み、自家用導力車の普及も始まっている[44][30]。カルバ―ド共和国で発達している一方[49]、『空の軌跡』の舞台のリベール王国は山がちなため普及していない[28]
七耀暦1158年にエレボニア帝国において、G・シュミットとラインフォルト工房(後のラインフォルト社)が軌道上を走る「導力駆動車」を開発。その後の20年足らずの間にエレボニア帝国では主要都市が鉄道で結ばれ[49]、一般的な公共交通機関として利用されている。
七耀暦1184年には大陸鉄道が開通し、エレボニア帝国、クロスベル自治州、カルバ―ド共和国が鉄路で結ばれる[49]。
大陸横断鉄道の旅客鉄道は時速1,000セルジュ程度[注 40]、エレボニア帝国の鉄道憲兵隊(TMP)の高速列車は時速1,800セルジュ[書 8]で走行する。
作品中に登場する人型の大型兵器の大部分は、古代ゼムリア文明時代に作られた人形兵器(オーバーマペット、「機械人形」)と、それらを結社《身喰らう蛇》の十三工房が解析して作成した人形兵器のふたつに大別できる。本項では主だった物について記述する。
本項ではシリーズ作品に共通するシステムを解説し、作品毎に固有の部分については各記事(英雄伝説VI 空の軌跡#ゲームシステム・英雄伝説VII#システム)で扱う。また、戦闘に関するシステムについては#戦闘システムとして別途節を設けている。
『空の軌跡』3作・『VII』・『閃の軌跡』ともに基本システムは同一であり、操作方法等も共通している部分が多い。主人公となるプレイヤーキャラクターを操作して、フィールドの移動やNPCとの会話、敵キャラクターとの戦闘などを行っていくことで物語を進行させ、最終的な物語の結末を目指すオーソドックスなスタイルのRPGとなっている。
フィールドやオブジェクト等は3Dで構成され、その上を2Dで描かれたキャラクターが動くスタイルとなる。『空の軌跡』では視点を左右に回転させることができるが、『VII』では各マップ毎に視点が固定されている。『閃の軌跡』ではキャラクターも3Dで描画され、視点も左右だけでなく上下にも動かすことが可能となっている。
プレイヤーキャラクター移動時のフィールドには町や平原、洞窟や建造物といった場所が存在し、フィールド上にはプレイヤーキャラクターのほかに、多くの場合NPCまたは敵が徘徊している。また、戦闘時には各々のフィールドに応じて特別な戦闘用のフィールドが出現する。なお、描画されたキャラクターの大きさに対する各フィールドの縮尺に、極端な差は生じない。
プレイヤーキャラクターとフィールド上の特定のオブジェクトが接触した場合、プレイヤーキャラクターの周りに吹き出しが出現し、決定 / 会話ボタンを押すとイベントが発生する。NPCであれば会話が始まる。また、フィールド上の敵キャラクターと接触した場合は戦闘が始まる。敵との接触方向により戦闘の開始状況が変わり、敵の後ろから接触すれば先制攻撃、逆に敵に後ろから接触されると敵の先制攻撃となる。
他の《英雄伝説シリーズ》同様、メインとなるシナリオの進行状況に応じて「章」[注 54])に分けられている。また各作品によって呼び方は異なるが、『英雄伝説IV 朱紅い雫』のオープンシナリオのシステムを発展させた短いサブシナリオが、メインシナリオと並行して多数用意されている。
サブシナリオは原則としてプレイが必須ではなく、ほとんど達成せずにクリアすることも可能となっている。ただし達成することによって報酬が得られ、また作中でのキャラクターの評価(昇進)にも影響がある。
操作キャラクターの能力を決定するステータスは以下の通り。
武器・衣服・靴・アクセサリーの4種類で装備することによってステータスにさまざまな変化を与える。主な効果は下記の通りとなるが、必ずしも下記の効果が出るとは限らず、また特殊な効果を持つ装備も多く存在する。各キャラクターにつきアクセサリーは2つまで、他は一つずつ装備可能となっている。ゲームが進行するに連れて、行く先々の店でより強力な装備を購入出来るようになっている他、任意のイベントや宝箱、あるいは敵を倒して手に入れる場合もある。
料理のレシピを覚えると「レシピ手帳」に記録され、食材をそろえることで料理を作れるようになる。レシピは対象料理を食べる(『空の軌跡』のみ)、またはレシピを発見することにより覚えることが出来る。料理は基本としてHPの回復効果を持ち、さらに種類による追加効果を持つ場合がある。また種類は少ないが攻撃アイテムとして使用する攻撃料理もある。
料理には「大皿料理」と「携帯料理」の2種類があり、「大皿料理」は作ったその場で消費され、パーティ全員に効果を及ぼす。「携帯料理」はその名の通り作ってもすぐには消費されず、持ち歩き、任意のタイミングで使うことができるが、薬などと同様に1人にしか効果を及ぼさない。
食材には、小麦粉 / 砂糖 / 塩の様な一般的な食材と、魔獣の骨 / 牙 / 甲羅 / 鶏肉など、魔獣の体の一部がある。入手方法は、一般的な食材の場合は店で購入し、魔獣食材は敵キャラクターを倒して得る。どちらも、釣った魚や宝箱から入手できる場合があるが、魔獣の体の一部は原則として購入できない。ただし、一定の条件を満たすことにより購入可能となる。
釣り場で餌と釣り竿を選択し[注 55]、タイミング良くボタンを押すことで魚を釣り上げるミニゲーム。「the 3rd」以外では、釣れた魚はアイテムとして追加される。「FC」・「the 3rd」では特定条件でしか行えないが、「SC」・『VII』・『閃』ではフィールド上に釣場が散在しており、原則としてフィールド移動が可能であればいつでも楽しめるミニゲームとなっている。
「SC」・『VII』・『閃』では、釣果(魚の種類・魚・餌・釣場・今までに釣った回数の合計)が「釣り手帳」に記録される。また、釣った魚がセピスやアイテムを吐き出すことがある。ゲーム開始当初は餌を店で購入することはできず、敵キャラクターを倒して入手する他、釣れた魚を餌として利用できる。ただし条件を満たせば、釣公師団で餌を購入することが可能になる。釣り竿はイベントや宝箱で入手することになる。
PSP版のみのシステム。今までに戦ったモンスターのステータス、弱点、落とすアイテム、落とすセピスが記録される。ただし『情報(または天眼)』のクオーツを装備(『空の軌跡』)しないと完全に記録されない。
同一タイトル内で、保存したクリアデータを引き継いで、2周目を開始することが出来る[注 56]。引継ぎでは、レベル・アイテム・装備品・手帳データ・通貨・セピスなどが対象となるが、取捨選択の自由度についてはタイトルや移植版ごとに若干異なる。
また「FC」→「SC」・「SC」→「the 3rd」・「零」→「碧」・「閃」→「閃II」・「閃III」→「閃IV」と、シリーズナンバーが同じであれば前作のデータを作品を跨いで引き継ぐことができる。引き継げるのはレベル[注 57]と前作でのクエストの達成状況などで、持ち物は一切引き継がれない。クエストの達成状況は引き継ぐことにより一部でセリフが前作の状況を踏まえたものに変更されるといった効果がある。
戦闘はフィールド上の敵キャラクターとの接触及びイベントによって発生し(シンボルエンカウント方式)、戦闘用フィールドに切り替わった後、戦闘が始まる。戦闘はフィールドに用意された特定の範囲で行われる。コマンドから選択することによって各プレイヤーキャラクターの行動を決定し、全ての敵キャラクターを倒す、あるいは特定の条件を満たすと戦闘は終了し、経験値とセピスおよびアイテムを入手し、通常フィールドに戻される。退却した場合も同様に通常フィールドに戻されるが、敵キャラクターはそのままとなる。全プレイヤーキャラクターのHPが0になった場合、ゲームオーバーとなり、戦闘をやり直すか最初のメニュー画面に戻るかを選択する。
戦闘は、「AT(Action Time)バトル」と呼ばれる方式が採られたターン制である。戦闘画面に表示されるATバーが、戦闘中における敵味方全キャラクターの行動順を示している。ATバーに表示されたキャラクターのアイコンは、敵味方各キャラクターに対応している。
アイコンがATバーの先頭に来るとそのキャラクターのターンとなって行動を起こすことができる。行動を実行すると後方に回され、2番目に位置していたキャラクターが先頭に回り行動可能となる……という動作の繰り返しとなる。ATバーの順番はキャラクターの取った行動やSPD値によって決定し、移動等の簡単な行動であれば比較的早く次の行動順が回ってくるが、高度なアーツやクラフトを使った場合、次の行動順が回ってくるのはかなり遅くなる。SPD値が高いと、行動順は全体的に早くなる。
行動順は、Sブレイク・チェインクラフト・一斉攻撃・コンビネーションクラフトによって一時的に無視することができるが、その分、次の行動順の遅れとして蓄積される。行動順を早める、または遅らせるクラフトも存在する。また、フィールド上の敵キャラクターとの接触時に、接触の向きによっていずれかの先制攻撃となる場合があり、その際は最初の行動順が有利または不利に働く。
行動順に応じて取得可能なボーナス。ATバーの横にアイコンで表示されてATバーの進行と共にアイコンが進み、敵・味方関係なくアイコンがATバーの先頭に来た時に行動するキャラクターに対してボーナスが与えられる。ATボーナスは特定のキャラクターではなく全体の行動順に従っているため、Sブレイクによる割り込みや行動順の調節等によってボーナスを狙う事が可能となる。
種類 | 効果 | FC/SC | the 3rd | VII | 閃 | 暁 |
---|---|---|---|---|---|---|
HP HEAL | HPが回復する。 | ● | ● | ● | ● | ● |
EP HEAL | EPが回復する。 | ● | ● | ● | ● | ● |
CP HEAL | CPが回復する。 | ● | ● | ● | ● | ● |
STR UP | 与ダメージ増幅。 | ● | ● | ● | ||
CRITICAL | 攻撃・魔法・回復の効果が1.5倍。 | ● | ● | ● | ● | ● |
SEPITH UP | 攻撃ヒット数に応じてセピスを奪取。 | ● | ● | ● | ● | ▲ |
RUSH | 2回連続行動 | ● | ● | ● | ||
VANISH | 攻撃相手が一時的に消滅し、EPを0にする。 | ● | ○ | ○ | ||
DEATH | 一撃で攻撃相手を殺す(即死耐性をもつ場合は無効)。 | ● | ○ | ○ | ▲ | |
GUARD | 攻撃が相手に必ずガードされる。 | ● | ○ | ○ | ||
ITEM GET | 取得時に敵を倒せば100%アイテム取得。 | ● | ||||
TEAM RUSH | 味方が取得すると一斉攻撃が可能となる。 敵が取得すると敵全員のディレイ値が0になる。 | ● | ||||
ZERO ARTS | 駆動時間なし、消費EPなしでアーツを発動できる。 | ● | ||||
BAD ATTACK | 物理・魔法を問わず、攻撃が当たった相手にランダムで状態変化が発生する(耐性をもつ場合は無効)。 | ● | ||||
CP LOSE | CPが0になる。 | ● |
戦闘中に選択出来るコマンドは以下の通り。
戦技(クラフト)はCP(クラフトポイント)を消費して発動する、キャラ固有の特殊技。効果は千差万別で攻撃だけには限らず、回復やステータスアップなどの効果を持つ物もある。それぞれのキャラクターが規定のレベルに達すると新しいクラフトを覚える。
クラフトにはCPの消費量が固定されている通常のクラフトと、CPが100以上の場合にすべてを消費して使用するSクラフトの2種類に大別される。Sクラフトは、CPを最大値の200まで貯めた状態で発動すると、通常よりも効果が強化される[注 58]。
現在の行動順に関係なくATバーの先頭に回り、Sクラフトを発動させる必殺技。Sクラフトが使える状態(つまりCP100以上)であればいつでも発動できる。
本作における魔法は導力魔法(オーバルアーツ、通称:アーツ)と呼ばれる。戦術オーブメントにクオーツをセットし、連結構造(ライン)がアーツ毎に定められた属性値を満たすことによって使用可能となる。アーツの使用にはマジックポイントに相当するEP(エネルギーポイント)を消費する。
「Tactics」によって戦闘開始時のキャラクターの初期配置や、Sブレイク発動時におけるSクラフトの選択が出来る。
初期配置は先頭突入時の位置関係を決定するもので、前後5マス、左右7マスに区切られたスペースにキャラを配置して決定する。前方に設置すれば戦闘開始時の敵との距離が近くなり、後方に配置すれば遠くなる。
No | タイトル | Windows | PS3 | PS4 | PS5 | PSP | PSV | Switch | オリジナル版 発売日 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
98 | Me | 2k | XP | Vi | 7 | 8 | 10 | ||||||||||
6 | 空の軌跡 | FC | ★ | ○ | ○ | ○ | △ | 2004年6月24日 | |||||||||
SC | ★ | ○ | ○ | ○ | △ | 2006年3月9日 | |||||||||||
the 3rd | ★ | ○ | ○ | ○ | △ | 2007年6月28日 | |||||||||||
7 | 零の軌跡 | △[注 59] | ○ | ★ | △ | △ | 2010年9月30日 | ||||||||||
碧の軌跡 | ○ | ★ | △ | △ | 2011年9月29日 | ||||||||||||
8 | 閃の軌跡 | I | 〇[注 60] | ★ | ○ | ★ | △ | 2013年9月26日 | |||||||||
II | 〇[注 61] | ★ | ○ | ★ | △ | 2014年9月25日 | |||||||||||
III | ★ | △ | 2017年9月28日 | ||||||||||||||
IV | ★ | △ | 2018年9月27日 | ||||||||||||||
創の軌跡 | ★ | △ | 2020年8月27日 | ||||||||||||||
9 | 黎の軌跡 | I | ★ | ○ | ○ | 2021年9月30日 | |||||||||||
II | ★ | ★ | 2022年9月29日 | ||||||||||||||
界の軌跡 | ★ | ★ | 2024年9月26日 | ||||||||||||||
– | 暁の軌跡 | ★ | △ | △ | △ | △ | 2016年8月31日 | ||||||||||
派生 | イースvs.空の軌跡 オルタナティブ・サーガ | ★ | 2010年7月29日 | ||||||||||||||
那由多の軌跡 | △ | ★ | ○ | 2012年7月26日 |
いずれも日本ファルコムによる自社移植。PlayStationプラットフォームで発売されたタイトルをそれぞれ当時の最新機種に移植したもので、基本的に内容には変更がなく[注 63]、高解像度画面への対応を主眼にした変更がされている。オリジナル版のセーブデータを読み込む手段が用意されており、オリジナル版から移行してプレイすることができるようになっている。
いずれもキャラアニの企画によるもので、PSPで発売されたタイトルがPS Vitaに移植された。日本ファルコムは監修として携わり、企画・制作はキャラアニとピラミッド(Pyramid,Inc.)、販売は角川ゲームスが扱う[Web 22]。
移植に伴い、ストーリー部分のフルボイス化、主題歌リニューアル、BGMのアレンジ、新たなクエストの追加などがされている。PS Vitaの仕様に合わせて画面解像度が向上しているほか、通常画面のエフェクトも一部追加されている。上記のリマスター版とは異なり、オリジナルのPSP版との間でセーブデータの互換性はない。
本節ではドラマCDを主体として発売されたものを一覧としてまとめる。各作品の詳細やゲーム付属特典のドラマCDについては英雄伝説VI 空の軌跡#ドラマCDおよび英雄伝説VII#ドラマCDを参照。『閃の軌跡』では、ゲーム付属特典用として以外でドラマCDは製作されていないため、本節では扱わない。
ドラマCD1作目となる「去り行く決意」は元々「SC」の初回特典であり、同じ特典のフォトストーリーブックと共に 『空の軌跡 ドラマCD&フォトストーリーブック』として「SC」と同時に日本ファルコムから発売された。後に2作目となる「繋がる絆」の発売に合わせてキャラアニからドラマCD単品でも再発売されている。
「繋がる絆」以降はキャラアニより2本同時に発売されており、同社の直販限定で同日発売の2本をセットにしたパッケージも販売されている。
タイトル | 脚本 | 品番 | 発売日 | |
---|---|---|---|---|
単体 | セット | |||
空の軌跡 ドラマCD&フォトストーリーブック(去り行く決意) | 田沢大典 | NW10107390 | --- | 2006年3月9日 |
英雄伝説 空の軌跡 ~去り行く決意~ | CADC-0003 | CADC-0001/2 | 2009年4月25日 | |
英雄伝説 空の軌跡SC ~繋がる絆~ | CADC-0004 | |||
英雄伝説 空の軌跡 the 3rd ~魂の刻印~ | 香取真理 | CADC-0007 | CADC-0005/6 | 2009年7月25日 |
英雄伝説 空の軌跡 ヨシュア物語 ~封じられた記憶~ | 田沢大典 | CADC-0008 | ||
英雄伝説 空の軌跡 ティータ物語 ~繋がる想い~ | CADC-0017 | CADC-00015/16 | 2009年11月28日 | |
英雄伝説 空の軌跡 クローゼ物語 ~翼、羽ばたく刻~ | CADC-0018 | |||
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いずれも原作は日本ファルコム。
いずれも原作は日本ファルコム。
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