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日本のかつて存在したレコード会社 ウィキペディアから
株式会社BMGJAPAN(対外表記:株式会社BMG JAPAN[注釈 1]、ビーエムジージャパン、BMG JAPAN, INC.)は、1987年から2009年まで存在したソニー・ミュージックエンタテインメント日本法人(以下SMEJ)傘下のレコード会社である。2008年9月まではSME米国法人(旧:ソニーBMG・ミュージックエンタテインメント、以下ソニーBMG)の日本法人でもあった。本社は東京都千代田区六番町にあった。
法人格は異なるものの、当社の所在地と規格品番は、株式会社ソニー・ミュージックレーベルズ(以下SML)の社内レーベル「Ariola Japan(旧:株式会社アリオラジャパン)」が引き継いでいる。
旧BMGジャパン( ← BMGビクター ← RVC ← ビクター音楽産業・RCAレコード事業部 ← 日本ビクター・RCAレコード事業部)とファンハウスからなる。
親会社のソニーBMGはコピーコントロールCD(以下CCCD)を積極的に導入した一方、BMGの日本法人であった当社は、2002年7月に導入予定であったが最終的に導入を見送り、その後もCCCDを全く導入しない姿勢を堅持した。
2008年10月に、ソニーBMGがソニー(初代法人、現:ソニーグループ)の完全子会社となったことに伴い、当社もSMEJの完全子会社になった。SMEJ傘下後は、SMEJが音楽協力で関わっているアニメのテーマソングに所属アーティストの楽曲が起用されるようになった。
1975年9月21日、米国RCAレコード(現:米国ソニー・ミュージックエンタテインメント)と日本ビクター(現:JVCケンウッド)、ならびにビクター音楽産業(現:ビクターエンタテインメント〈二代目法人〉)の合弁会社としてRVC株式会社(RCA Victor Corporation)[注釈 2]を設立。旧日本ビクター音楽レコード事業部の、かつて「S盤」と呼ばれていたRCAレーベル部門をそのまま継承した。
1986年に親会社の米国RCA社(現:仏ヴァンティヴァ社)が経営危機に陥り、子会社のRCAレコードがベルテルスマン(BMG Music、西独)の傘下に入ったことにより、1987年にRVCは後述するBMG Musicの日本法人であるBMGビクターに事業を譲渡して解散する。
東芝EMI(現:ユニバーサル ミュージック ジャパン)に制作ディレクターとして勤めていた元ザ・リガニーズの新田和長が1984年4月に独立し、東芝EMIの全額出資を受けて株式会社ファンハウス(FUN HOUSE, INC.)を設立。新田と関わりがあったJ-POPや歌謡曲系の音楽家が東芝EMIから移籍[注釈 4]。東芝EMIが販売元となった。
1988年、東芝EMIにディレクターとして勤務していた石坂敬一[注釈 5]が同社取締役[注釈 6]に就任すると、新田は東芝EMIから全株を取得し、4月にインディーズ系のレコードレーベルとする。
のちに東急グループの傘下となり、Bunkamura内で「TOKYU FUN STUDIO」を設立[注釈 7]。ポップス系等の販売元をポリドール等に移管したが、歌謡曲やタイアップ系等のレコード・CD等は東芝EMI等からの販売が継続された。
1993年に、録音スタジオが設置された自社ビルを東京都渋谷区恵比寿に、滞在リゾート型の録音スタジオを北海道札幌市の札幌芸術の森に隣接する「札幌アートヴィレッジ地区」にそれぞれ竣工。バブル崩壊後共に売却したが建物はスタジオを含め現存。札幌のスタジオはビートルズのプロデューサー「ジョージ・マーティン」が監修した。
1996年3月に、東急グループから離脱。BMGビクターの子会社となり、全作品の販売元を同社に移管して出資母体のビクターエンタテインメント(初代法人)が流通を担当。同時に録音部セクションが独立し「株式会社バーディハウス」として運営開始。恵比寿の旧本社のスタジオおよびBunkamuraの「Bunkamura Studio」(旧TOKYU FUN STUDIO)の運営管理および録音・マスタリング・アーカイブ業務を行っている。札幌市のスタジオは閉鎖状態を経て、2008年に札幌市のイベント会社「WESS」および松山千春の個人事務所「オフィス・ゲンキ」が買取。「芸森スタジオ」としてリニューアル・オープンした。運営は、WESSおよびオフィス・ゲンキの他にCREATIVE OFFICE CUE、ランタイムミュージックエンタテインメント、クリプトン・フューチャー・メディア、デジタルガレージ等が出資した会社「株式会社SAVE」が行なっている。
1987年10月、RCAレコードを買収し、BMG Musicとした西独のベルテルスマンと日本ビクター、並びにビクター音楽産業の合弁会社としてBMGビクター株式会社[注釈 8]を設立。代表取締役社長には日本ビクターの常務取締役だった佐藤修(後にポニーキャニオン社長・会長、日本レコード協会会長)が就任。RVCの保有原盤・従業員等を継承。同時にベルテルスマンが以前買収したアリスタ・レコードを日本フォノグラム(現:ユニバーサル ミュージック ジャパン)から販売権を移行。
1992年8月31日、ビーイング制作音源の発売を担う株式会社BMG ROOMS(ビーエムジールームス)を、ビーイングとBMGビクターの共同出資で設立。これにより当該アーティストの発売元がBMGルームス、販売がBMGビクター(厳密はビクター音楽産業が担当)になる。ビーイングに原盤権がある作品は発売権移管によりBMGルームスより再発売されているが、BMGビクターに原盤権がある初期のB'zのシングル・アルバムやB.B.クィーンズの『おどるポンポコリン』等は再発売されていない。BMGルームスは、1995年にビーイングの完全子会社化に伴い「Rooms RECORDS」へ社名変更(のちのVERMILLION RECORDS)、本社所在地を渋谷から六本木に移転。1996年8月、BMGビクターとの販売委託契約が満了。販売権はJ-DISCに移管。
1996年3月、ファンハウスが子会社となる。ファンハウス創業者の新田は、BMGビクター取締役・RCAアリオラジャパン(2009年に新設のアリオラジャパンとは無関係)社長に就任。同年10月、日本ビクター並びにビクターエンタテインメントとの合弁契約を解消したが、ビクターエンタテインメントによる販売委託は2008年9月まで継続された。
1997年1月、BMGビクターが株式会社BMGジャパン[注釈 9]へ社名変更。
1998年、演歌部門を廃止。これに伴い、全所属演歌歌手が移籍。
1999年7月、株式会社BMGジャパンが株式会社ファンハウスを吸収合併。ベルテルスマン資本による株式会社BMGファンハウス[注釈 10]が発足、ファンハウス創業者の新田は同社副社長に就任。新田は2001年8月、武市智行と共同でドリーミュージックを設立、BMGの経営から退いた。
2003年、ゾンバ・レコーズ・ジャパンを吸収合併。
2004年8月、親会社が、合併によりソニーBMG・ミュージックエンタテインメント(Sony BMG Music Entertainment, Inc. 現:米国ソニー・ミュージックエンタテインメント)となる。
2005年10月、株式会社BMGファンハウスから株式会社BMG JAPANへ社名変更。[3]21年半続いたファンハウスの名称が消滅。
2008年10月、株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメントの完全子会社となる[4]。
2009年6月、社内カンパニー制の導入。以後、国内制作部門をアリオラジャパン、洋楽部門をRCA/JIVEグループと呼称する[5]。
2009年10月、国内制作部門を新設分割により設立されるアリオラジャパンへ、撤退前に制作された演歌・歌謡曲部門等の音源をソニー・ミュージックダイレクト(現:株式会社ソニー・ミュージックレーベルズ)、RCA/JIVEグループを吸収分割によりソニー・ミュージックジャパンインターナショナル(現:ソニー・ミュージックレーベルズ)へそれぞれ承継する形で、BMG JAPANはソニー・ミュージックエンタテインメントに吸収合併され解散[1]。旧日本ビクター・RCAレコード事業部時代から通算して41年に及ぶ歴史に幕を下ろし、規格品番も本来の「BV」、小田和正のプライベートレーベル"Little Tokyo"にて利用されているファンハウス時代からの「FH」共に、アリオラジャパンを経て今日のソニー・ミュージックレーベルズへ引き継がれた。
RCA、およびFUN HOUSE等の各種ロゴ(レーベル)がその後の諸般の事情などにより使用できなくなったのに伴い、旧RVC → BMGビクター → BMGジャパン → BMGファンハウス → BMG JAPAN時代より発売されているアルバムやCD選書などの旧譜は随時GT Music、またはCS RECORDS等の各種レーベルに置き換えられ、更に制作・発売元のクレジットがソニー・ミュージックダイレクトを経て、ソニー・ミュージックレーベルズに変更された上で、製造出荷されている。また、上記のRCA、およびFUN HOUSE等の各種レーベルからリリースされた楽曲の原盤権は2024年現在、ソニー・ミュージックレーベルズが保有している。
※いずれもBMG JAPAN解散時のもの。BMG JAPAN解散時まで所属していたアーティストは2024年4月現在、ソニー・ミュージックレーベルズ(旧アリオラジャパン、および旧ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル、旧ソニー・ミュージックダイレクト)等が管理。
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