「特選!時代劇」(とくせんじだいげき)は、NHK総合テレビでテレビドラマの時代劇を放送する番組枠に冠せられたシリーズタイトルのひとつ。
NHKは「大河ドラマ」とこの番組を2大時代劇として位置づけているが、「大河ドラマ」が史実を題材にした歴史性重視の内容であるのに対し、前身となった「(第一次)木曜時代劇」などの時代から通して娯楽性を重視した内容が多い。
ここでは「大衆名作座」「(第1・2・3期)金曜時代劇」「水曜時代劇」「時代劇ロマン」「(第1・2期)木曜時代劇」「(第1・2期)土曜時代劇」、「土曜時代ドラマ」および2012年度以後の地上波での時代劇(ゾーン名定めず)なども含め記述する。
- 大衆名作座
- 1965年4月から1966年4月までは金曜20時枠で「大衆名作座」として『人形佐七捕物帳』が放送された。
- (第一次)金曜時代劇
- 1966年4月から1975年10月までは同じ枠で「金曜時代劇」として『赤ひげ』 『天下御免』などが年間(4クール)シリーズとして放送されていた(ただし第3クール〈10月〉に始まりほぼ翌年の10月初めに終了という変則的な枠であった)。この枠の時代劇は、1975年10月 - 1977年3月には『新・坊っちゃん』『いごっそう段六』『丼池太閤記』などの近・現代劇(明治・昭和戦後初期が舞台)が放送されたため一時中断されたものの、1977年4月 - 1978年3月には『鳴門秘帖』が放送され復活した。
- 水曜時代劇
- この後1978年4月 - 1984年3月には、時代劇の放送枠が水曜20時枠(この枠はもともと1960年代から毎週水曜日20時 - 20時45分に放送していた「水曜劇場」〈または水曜ドラマ〉で、当初は現代劇の放送枠であった)に移動して「水曜時代劇」として放送され、『日本巌窟王』『風神の門』『御宿かわせみ』『いのち燃ゆ』などの名作を輩出した。
- 1984年4月 - 1986年12月は大河ドラマが近・現代劇路線に方向を転換したため、それに代わるシリーズ「新大型時代劇」として、1作品1年間のペースで『宮本武蔵』『真田太平記』『武蔵坊弁慶』の3本を放送した。しかし、1987年から大河ドラマが時代劇に再び路線を戻したため、それ以後の水曜日20時からは時代劇と現代劇路線を混在した「水曜ドラマシリーズ」を放送していた。この時期に放送された時代劇が『びいどろで候〜長崎屋夢日記』(1990年4月 - 7月)である。
- (第二次)金曜時代劇・時代劇ロマン・(第三次)金曜時代劇
- 1991年4月から水曜日20時枠は「NHKスペシャル」(19時30分 - )に変更されることになり、これに代わる新しい時代劇枠を金曜日の20時 - 20時45分の枠に「金曜時代劇」として放送するようになる。なお1992年度のみコンプレックス形式が採られたため、19時30分 - 20時15分の枠で時代劇を放送、後半30分枠は現代劇の「金曜ドラマ」が併せて放送された。
- その後2000年4月の番組大幅改定に伴い、番組枠を月曜21時15分 - 21時58分に移動して「時代劇ロマン」として1年間放送した後、2001年4月から再び金曜日の21時15分 - 21時58分に戻り、「金曜時代劇」のタイトルも復活した。しかし1999年まで原則として年2本(2クールのドラマが2本)の制作であった時代劇枠は、TV時代劇総体の不振という状況もあって、2000年度以降1本ごとの回数が大幅に減らされた。これを補うため、過去に「正月時代劇」として放送され好評を博した作品を2回分に再編集しアンコール放送することもこの時期から行われるようになった。
- (第一次)木曜時代劇
- 2006年4月の改編でNHK時代劇枠は木曜日の20時 - 20時45分に移動、タイトルも「木曜時代劇」となった。およそ年5本程度が制作された。2008年1月から3月まで放送された『鞍馬天狗』を以って木曜時代劇は終了した。
- (第一次)土曜時代劇
- 2008年4月からは土曜日19時30分から20時の30分番組となり、タイトルも「土曜時代劇」に変更された(NHKプロ野球や、定期的に放送されている特別番組『日本の、これから』などで休止になる日もあった)。
- アナログ総合はステレオ放送のみだが、デジタル放送では解説放送が実施されていた。またNHKデジタル衛星ハイビジョンで原則毎週金曜日18時25分から18時55分に先行放映があった。NHKワールド・プレミアムでも同時放送(音声はモノラル)されていたが、NHKプロ野球のクライマックスシリーズや日本シリーズの中継(衛星第1テレビおよびデジタル衛星ハイビジョン単独放送時の同時放送のみ)がある場合は当該週の放送を休止し、翌週に2週分のまとめ放送実施や、総合テレビより先行放送で開始時刻を繰り上げることもあった(2008年11月1日は18時 - 18時30分に繰り上げ放送を実施)。
- 地上波での終了・BS時代劇へ
- テレビの完全デジタル化に伴う編成の抜本見直しに伴い、2011年3月を以て土曜時代劇は終了した。45年間続いてきた総合テレビでの娯楽時代劇枠は終了し、NHK BSプレミアムで毎週日曜日に放送する『BS時代劇』に事実上移行した。
- 地上波放送での娯楽時代劇再開
- 2012年4月度の改編は正式な定時の枠としての放送はされていないものの、過去にBS時代劇として放送した作品のアンコールとして、『テンペスト』を木曜22時台、『新選組血風録』が日曜13時台の「ドラマアンコール枠」にそれぞれ編成したが、地上波・BSを含めた連続ドラマ枠再強化に伴い、同10月度改編[1] で開始した「薄桜記」以後から正式に木曜20時台を「時代劇」のゾーンとすることが決定。地上波では1年半ぶりとなる娯楽時代劇ゾーンの復活となった。
- なお2013年4月度の改編以後は同時に原則として月1回ペースで『ごきげん歌謡笑劇団』が同枠で編成されることも決まっており、これが放送されるときには休止する。
- (第二次)木曜時代劇
- 2013年8月まで木曜日の20時 - 20時45分では、前年度後期に引き続いて過去にBS時代劇として放送した作品のアンコールを編成していたが、先述の連続ドラマ枠の再強化の一環として、2013年9月19日から放送される『あさきゆめみし 〜八百屋お七異聞』で、土曜時代劇で2011年1月から3月まで放送された『隠密八百八町』以来2年半ぶりに地上波でのオリジナル新作時代劇が再開されると同時に、ゾーン名も「木曜時代劇」として放送されることになった(またこれまで「ドラマアンコール」<近畿地方など一部地域を除く>としていた日曜 13時5分 - 13時50分の枠も当該週の木曜時代劇の再放送に充てることになったが、2014年は1月からスポーツ中継などの単発枠が放送されることになり、水曜日 0時40分 - 1時25分<火曜日 24時40分 - 25時25分>→4月から1時25分 - 2時10分<同25時25分 - 26時10分>に移転。2015年度は日中の情報番組の編成見直しなどにより、放送次週の同じ木曜 14時5分 - 14時50分<国会中継、スポーツ中継などにより変更有>に再放送を再移動している)。
- 「大河ドラマ」「BS時代劇」もそれぞれ継続されているので、NHKの時代劇番組は地上波・BSを含め週3本放送となる(大河ドラマは地上波・BSで同じ作品を放送)
- 2016年1月から3月まで放送された『ちかえもん』を以って木曜時代劇は終了する予定だったが、2016年4月14日より『鼠、江戸を疾る(第2シーズン)』が放送される為、期間限定で木曜20時台の時代劇が放送される。
- (第二次)土曜時代劇
- 2016年4月改編で(第二次)木曜時代劇が放送されていた時間に『ファミリーヒストリー』と『所さん!大変ですよ』が移動するため、時代劇枠を土曜日の18時10分 - 18時45分に移動し、ゾーン名も「土曜時代劇」として放送されることになった。同様に作品の入れ替わり時期を中心として年数回程度、同じ時間帯で新番組『歌う!SHOW学校』(五木ひろし司会の公開音楽バラエティ)を放送する。
- 土曜時代ドラマ
- 2017年4月改編より土曜日の18時5分 - 18時45分に放送枠を拡大し、「土曜時代ドラマ」へと改称してリニューアル。シニア層が多い時代劇の視聴者を若年層にまで広げるため、「新しい時代劇」に挑戦。描かれる時代を明治、大正、昭和(戦前)まで拡大して、エンドロールにミニ料理コーナーを配した第1弾『みをつくし料理帖』、戦前の昭和を舞台としたおしゃれなラブコメディの第2弾『悦ちゃん〜昭和駄目パパ恋物語〜』、人気コミックを原作に戦国時代へのタイムスリップを描いた第3弾『アシガール』と、旧来の時代劇とは一線を画した時代劇作品をラインアップしている[2]。時代劇の枠を外したことで、昭和初期を描く『悦ちゃん』がラインナップされている。2018年4月から2021年3月までは、『土曜ドラマ』(21時枠 不定期で年数回中編放送)、『よるドラ』(23時30分枠、2021年4月より月曜日22:45 - 23:15に移動)と夜間帯の連続ドラマ枠が3本放送されていたが、同時期から当番組枠は過去にNHK BSプレミアムの「BS時代劇」として過去に放送されたものを再編集したものも随時放送されているが、「土曜時代ドラマ」のためのオリジナルは2018年10月期に放送された『ぬけまいる〜女三人伊勢参り』を最後に途絶え、以後はBS時代劇の再編集のみとなった(これにより事実上新作はBS時代劇に再統合されることになる)。
- 2021年6月26日より7月10日までの3週、同時間帯にて『超速パラヒーロー ガンディーン』を放送[3]。これ以降の「土曜時代ドラマ」枠としての処遇は未定・不明であったが、同年9月11日より再開された[4]。2022年度の番組改編で土・日曜日に教養新番組を放送するため、本枠が終了することになった。
- 特選!時代劇
- 2022年4月より、地上波での娯楽時代劇の枠は日曜6:10-6:53にて『特選!時代劇』を放送開始。当面は『土曜時代劇・時代ドラマ』枠と同じく、オリジナル版は放送せず、過去に総合テレビもしくはBSプレミアムで放送された娯楽時代劇の再放送・または再構成したものを充当させる[5]。
- なお、地上波では2022年12月まで新作の娯楽時代劇は放送されなかったが、2023年1月期と、2023年10月期に、普段は現代劇を放送している火曜日22時からの「ドラマ10」の枠で「大奥」が放送されている。
水曜・木曜・金曜時代劇(大衆名作座・時代劇ロマン含む)では、次のような作品が放送されてきた。
土曜時代劇(2008 - 2010年度)
このシリーズを最後に、チャンネル再編で総合テレビでの放送枠はいったん消滅。
2012年度 - 2013年8月
基本的にBS時代劇の地上波放送。
- テンペスト(2012年4月 - 6月 木曜日22:00 - 22:45放送)
- 新選組血風録(2012年4月 - 6月 日曜日13:05 - 13:50放送)
以下は木曜日20:00-20:45放送
土曜時代ドラマ(2017年5月 - 2022年3月)
特選!時代劇(2022年4月 - )
- 雲霧仁左衛門(2022年4月10日 - 5月15日 主演:中井貴一、國村隼) - 2013年10月 - 11月「BS時代劇」で放送されたものを再編集して放送。
- 雲霧仁左衛門2(2022年5月22日 - 7月10日 主演:中井貴一、國村隼、田村亮) - 2015年2月 - 3月「BS時代劇」で放送されたものを再編集して放送。
- 赤ひげ(第1シーズン)(2022年7月24日 - 9月25日 主演:船越英一郎) - 2017年11月 - 12月「BS時代劇」で放送されたものを再編集して放送。
- 伝七捕物帳(第1シーズン)(2022年10月2日 - 11月27日 主演:中村梅雀)- 2016年7月 - 9月「BS時代劇」で放送されたものを再編集して放送。
- 五瓣の椿(2022年12月4日 - 2023年1月8日 主演:国仲涼子)- 2001年11月 - 12月「金曜時代劇」で放送されたものを再編集して放送。
- 大富豪同心(2023年1月15日 - 3月19日 主演:中村隼人)- 2019年5月 - 7月「BS時代劇」で放送されたものを再編集して放送。
- 大富豪同心2(2023年3月26日 - 5月21日 主演:中村隼人)- 2021年5月 - 7月「BS時代劇」で放送されたものを再編集して放送。
- 雲霧仁左衛門3(2023年5月28日 - 7月16日 主演:中井貴一)- 2017年1月 - 2月「BS時代劇」で放送されたものを再編集して放送。
- 雲霧仁左衛門5(2023年7月23日 - 9月17日 主演:中井貴一)- 2022年1月 - 3月「BS時代劇」で放送されたものを再編集して放送。
- お登勢(2023年9月24日 - 12月17日 主演:沢口靖子)- 2001年4月 - 6月「金曜時代劇」で放送されたものを再編集して放送。
- 善人長屋(2023年12月24日 - 2024年2月18日 主演:中田青渚)- 2022年7月 - 8月「BS時代劇」で放送されたものを再編集して放送。
- 柳生十兵衛七番勝負(2024年2月25日 - 3月31日 主演:村上弘明)- 2005年4月 - 5月「金曜時代劇」で放送されたものを再編集して放送。
- 茂七の事件簿 ふしぎ草紙(2024年4月14日 - 6月16日 主演:高橋英樹)- 2001年6月 - 9月「金曜時代劇」で放送されたものを再編集して放送。
- 広重ぶるう(2024年6月23日 - 7月7日 主演:阿部サダヲ) - 2024年3月23日BSプレミアム4K「特集ドラマ」で放送されたものを再編集して放送。
- 塚原卜伝(2024年7月14日 - 9月1日 主演:堺雅人) - 2011年10月 - 11月「BS時代劇」で放送されたものを再編集して放送。
- 大富豪同心3(2024年9月8日 - 主演:中村隼人)- 2023年6月 - 8月「BS時代劇」で放送されたものを再編集して放送。
さらに見る NHK総合テレビジョン 金曜日 20:00 - 21:00, 前番組 ...
NHK総合テレビジョン 金曜日 20:00 - 21:00 |
前番組 |
番組名 |
次番組 |
シャープさん・フラットさん(1964.4.17 - 1965.4.2) ※20:00 - 20:30
馬六先生人生日記 ※20:30 - 21:00
|
大衆名作座 ↓ (第一次)金曜時代劇
|
|
NHK総合テレビジョン 水曜日 20時台 |
|
|
|
NHK総合テレビジョン 金曜日 20時台→19:30 - 20:15枠→20時台 |
|
(第二次)金曜時代劇
|
|
NHK総合テレビジョン 月曜日 21:15 - 21:58 |
|
時代劇ロマン
|
|
NHK総合テレビジョン 金曜日 21:15 - 21:58 |
|
(第三次)金曜時代劇
|
|
NHK総合テレビジョン 木曜日 20時台(第1次) |
|
(第一次)木曜時代劇
|
|
NHK総合テレビジョン 土曜日 19時台後半枠 |
|
(第一次)土曜時代劇
|
|
NHK総合テレビジョン 木曜日 22時台 |
|
時代劇(ゾーン名定めず)
|
|
NHK総合テレビジョン 木曜日 20時台(第2次) |
|
時代劇(ゾーン名定めず) ↓ (第二次)木曜時代劇
|
ファミリーヒストリー※19:30 - 20:15 【金曜日 22:00 - 22:50枠から移動】 所さん!大変ですよ※20:15 - 20:43 【木曜日 22:55 - 23:20枠から移動】
|
閉じる
さらに見る NHK総合テレビジョン 土曜日 18:05 - 18:10, 前番組 ...
NHK総合テレビジョン 土曜日 18:05 - 18:10 |
前番組 |
番組名 |
次番組 |
|
|
|
超速パラヒーロー ガンディーン ※18:05 - 18:43
|
土曜時代ドラマ
|
-
|
NHK総合テレビジョン 土曜日 18:10 - 18:42 |
|
(第二次)土曜時代劇 ↓ 土曜時代ドラマ 又は 歌う!SHOW学校
|
超速パラヒーロー ガンディーン ※18:05 - 18:43
|
超速パラヒーロー ガンディーン ※18:05 - 18:43
|
土曜時代ドラマ
|
-
|
NHK総合テレビジョン 土曜日 18:42 - 18:43 |
|
(第二次)土曜時代劇 ↓ 土曜時代ドラマ 又は 歌う!SHOW学校
|
超速パラヒーロー ガンディーン ※18:05 - 18:43
|
超速パラヒーロー ガンディーン ※18:05 - 18:43
|
土曜時代ドラマ
|
-
|
NHK総合テレビジョン 土曜日 18:43 - 18:45 |
週末プレマップ ※18:42 - 18:45
|
(第二次)土曜時代劇 又は 歌う!SHOW学校
|
|
閉じる
さらに見る NHK総合テレビジョン 日曜日 6:10 - 6:53, 前番組 ...
NHK総合テレビジョン 日曜日 6:10 - 6:53 |
前番組 |
番組名 |
次番組 |
目撃!にっぽん(2021.4.4 - 2022.3.27) ※6:10 - 6:40 10分で巡る にっぽんの廃線(2021.4.4 - 2022.3.27) ※6:40 - 6:50
ミニ番組 ※6:50 - 6:53
|
特選!時代劇 (2022.4.10 - 2023.3.19)
|
特選!時代劇 (2023.3.26 - ) 【13分縮小して継続】 ミニ番組 (2023.3.26 - ) ※6:40 - 6:53
|
閉じる