新大阪駅
大阪府大阪市淀川区にある西日本旅客鉄道・東海旅客鉄道・大阪市高速電気軌道の駅 ウィキペディアから
大阪府大阪市淀川区にある西日本旅客鉄道・東海旅客鉄道・大阪市高速電気軌道の駅 ウィキペディアから
新大阪駅(しんおおさかえき)は、大阪府大阪市淀川区西中島五丁目にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)・東海旅客鉄道(JR東海)・大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)の駅。
大阪府内では唯一の新幹線停車駅である。東海道新幹線の終点および山陽新幹線の起点となっており、当駅を営業区間に含む全列車が停車するほか、当駅を始発終着とする列車が数多く設定されている。さらに、現在建設中の北陸新幹線とリニア中央新幹線も当駅が終点となる予定である(後述)[1][2]。新幹線に接続して北陸や山陰、南紀(和歌山)・関西空港方面へのJR西日本在来線特急列車が発着し、北近畿ビッグXネットワークではその一端を担っている。大阪市北部の中心地である梅田(キタ)は淀川を挟んで当駅から南方へ約3kmの距離にあり、同地にあるJR大阪駅までは在来線の東海道本線(JR京都線)で1駅、Osaka Metro梅田駅までは地下鉄御堂筋線で3駅である。
JRの駅には、新幹線の東海道新幹線・山陽新幹線と在来線の東海道本線とおおさか東線が乗り入れている。Osaka Metroの駅には御堂筋線が乗り入れている。JRの在来線の駅の内、東海道本線には「JR-A46」、おおさか東線には「JR-F02」、御堂筋線の駅には「M13」の駅番号が与えられている。前述の通り、東海道新幹線は当駅が終点であり、山陽新幹線は当駅が起点となっている。この両新幹線の路線は当駅を介して相互直通運転が実施されており、総称として「東海道・山陽新幹線」の路線名称が使用されることがある。また2011年3月12日からは、全線開業した九州新幹線からの列車が当駅まで乗り入れを開始し、総称として「山陽・九州新幹線」の路線名称が使用されることがある。
1987年4月1日の国鉄分割民営化以降、東海道新幹線はJR東海、山陽新幹線と東海道本線がJR西日本の管轄となっている。新幹線は当駅がJR東海・JR西日本の境界駅となっているが、新幹線構内はJR東海が全面的に駅を管轄している。また東海道本線の当駅を含む京都駅 - 大阪駅間には「JR京都線」の愛称が設定されており[注 1]、JR西日本の旅客案内では基本的にこの愛称が使用されている。
JR東海・JR西日本の駅は特定都区市内制度における「大阪市内」に属する。JR西日本(在来線)の駅はアーバンネットワークエリアに属しており、管理駅(駅長が配置された直営駅)として東淀川駅およびおおさか東線の南吹田駅、JR淡路駅を管理している。
JRの駅の事務管コードは、▲610155となっている。
JR西日本の駅はICOCA、Osaka Metroの駅はPiTaPaの各IC乗車カードの利用可能エリア内に含まれており、それぞれ相互利用可能なICカードにも対応している。新幹線ではEXサービス(EX予約・スマートEX)で予約を行い、交通系ICカードの登録を行えば利用可能。
1964年10月1日の東海道新幹線の開業に先立ち、大阪市営地下鉄御堂筋線(現Osaka Metro御堂筋線)の駅が同年9月24日に開業した。当時の駅は、用地買収の遅れから現在のホームの南半分(梅田側)のみ完成での開業で、さらに南側に木製の仮設ホームを継ぎ足してホーム長を確保していた。梅田側の上下線がホームの手前から大きく開いているのは、その仮設ホームがあった頃の名残である。当駅 - 江坂駅間が延伸開業した1970年2月24日に、未完成だったホーム北半分が完成して仮設ホームを撤去し、現在の御堂筋線の駅が完成した。
国鉄(現JR)の駅は、1964年の東京オリンピックの開催に合わせて建設された東海道新幹線の終点駅[3]として、1963年10月に完成し、翌年の1964年10月1日に開業した(1964年10月1日国鉄ダイヤ改正も参照)。新幹線の駅が大阪駅に併設されなかったのは、大阪駅(梅田地区)付近が阪急梅田駅や梅田貨物駅などの既存施設で埋め尽くされて再開発の余地がなかったことや、山陽方面への延伸が見込まれており、在来線のように淀川を二度も渡る曲線経路を避けたためである[4]。また、在来線の駅も東海道新幹線開業と同時に営業を開始したため、1985年3月8日までは1番線ホームは在来線ではなく新幹線にあった。
なお、戦前の新幹線計画である「弾丸列車計画」では、1940年4月1日に現在の同駅の隣に設置された東淀川駅が同路線開通後に「新大阪駅」と改称される予定であったが、戦後東海道新幹線が建設される際に、「山陽方面への延伸の際は、北方貨物線の直上に建設した方が用地買収の手間がなくてよい」[注 2]といった理由で大阪付近のルートが一部変更されたため、現在の位置に当駅が設置された。これにより、当駅との統合という形で東淀川駅の廃止計画を発表したが、地元住民の要望により存続することになった。東淀川駅と当駅の間の営業キロが0.7kmと短いのは、そういった理由によるものである。
当駅にはおおさか東線が乗り入れ、同線の起点駅となっている。計画当初は2006年開業を目指していたが、用地買収などで手間取り2009年度着工、2019年春に全線開業を迎えた。
1989年(平成元年)7月22日に天王寺駅構内の阪和短絡線が完成したことにより、くろしおや南紀方面行き快速が梅田貨物線経由で当駅に乗り入れる(後にはるかも運行開始する)ようになったが、それらの列車は、梅田貨物線から転線して11番のりば(東海道本線上り外側線。現在の1番のりば)で客扱いを行っていた。具体的には、下り(天王寺方面行き)の列車は梅田貨物線から当駅の北方で転線して11番のりばで客扱いを行った後、当駅の南方で再び梅田貨物線へと転線する一方、上り(京都方面行き)については、当駅の南方でまず梅田貨物線の下り線路に入り、さらに上り外側線へと転線、11番のりばで客扱いの後、そのまま上り外側線を走って京都方面へと向かっていた。上下とも11番のりばから発着していたため、誤った行先の列車に乗車してしまう事例があった。
このような複雑な客扱いは、上記の改良工事の過程で解消され、まず2016年2月1日には現在の3番のりば(ただし2016年から2018年までは11番と呼称していた。かつての13番のりば)に梅田貨物線の下りが直接乗り入れる構造に改められ(上り列車は下りに転線して客扱いの後、東海道本線上り外側線に転線)、2018年7月23日には梅田貨物線上りは1番のりば(かつての11番のりば)から発着するようになり、上りと下りが分離された。
駅周辺の都市再開発構想がある。日本プロジェクト産業協議会 (JAPIC) 関西委員会では、品川駅や名古屋駅と比べて、新大阪地区の都市機能や交通インフラは不十分であるとして、リニア中央新幹線や北陸新幹線の延伸を見据えて、都市機能の強化を検討してきた[44]。
国土軸上の拠点度 | 都市機能充実度 | 都市基盤整備度 | 広域交通の連携度 | |
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新大阪 | 国土軸上の西端を担い、西日本への玄関口となっている。 | 品川や名古屋と比べて不十分である。 | 都市再生緊急整備地域から外れ、大阪の顔として十分とは言えない。 | 御堂筋線で大阪の中心地梅田、なんば、天王寺や北大阪のターミナル駅の千里中央まで一本で行けるが、神戸方面へのアクセスが課題 |
品川 | 東京駅と並び、国土軸の東端に位置する首都圏の拠点となっている。 | 品川インターシティや高輪ゲートウェイ駅周辺の再開発が進んでいる。 | 国家戦略特区に指定され、世界都市・東京の新たな顔となっている。 | 羽田空港への鉄道アクセスが強みである。 |
名古屋 | 国土軸上の中央部分を担う拠点となっている。 | 業務・宿泊・商業などの都市機能が集積している。 | 特定都市再生緊急整備地域に指定され、栄地区に代わる名古屋の顔となっている。 | 東名阪の中間部分に位置する地理的優位性と中部国際空港への鉄道アクセスが強みである。 |
2018年3月、JAPICは「新大阪駅周辺エリアの都市機能強化の提言 関西の30年後を見据えた"新大阪創生プロジェクト"」をまとめ、国土交通省近畿地方整備局に提言書を手交した[45][46]。想定事業費は合計で1.7兆円となり、大阪府の産業連関表を用いて経済波及効果を試算すると、建設工事による直接的な効果と建設工事雇用者により生じる副次的効果(商業、不動産、サービス等)を合わせて2.5兆円に達すると発表された[44]。JAPICの再開発構想は次の3つの事業から成っている。
駅周辺の再開発(1.2兆円)[44]
鉄道・バスターミナルと新御堂筋バイパスの整備(0.4兆円)[44]
新淀川第二大橋の建設(0.1兆円)[44]
2018年8月29日、内閣府は新大阪駅周辺を容積率の緩和などの優遇を受けられる都市再生緊急整備地域の「候補地域」として公表した[47]。これを受けて、大阪府と大阪市は、年内にも官民で検討協議会を立ち上げ、2019年度を目途にまちづくりの方針を策定し、再開発構想の具体化を進めていく[48][49]。候補地域には阪急の十三駅や淡路駅の周辺も含まれる[50][51]。
本項では、JR西日本が管轄する在来線部分と、JR東海が管轄する新幹線部分とに分けて解説する。ホームはJR西日本が管轄している部分は「のりば」、JR東海が管轄している部分は「番線」と表記・案内されるため、本項でもこれに従う。
3階に改札口とコンコース、2階に商店街と地下鉄への連絡通路がある。のりばは1 - 10番のりばが在来線ホーム(地平)、20 - 27番線が新幹線ホーム(4階)となっている。在来線・新幹線ホームとも改番を経た結果、27番線以外は各ホームの使用開始時と異なる番号を有する。
JR西日本 新大阪駅(在来線) | |
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しんおおさか Shin-Ōsaka | |
所在地 | 大阪市淀川区西中島五丁目16-1 |
所属事業者 | 西日本旅客鉄道(JR西日本) |
電報略号 | シオ |
駅構造 | 地上駅(橋上駅) |
ホーム | 5面10線 |
乗車人員 -統計年度- |
68,995人/日(降車客含まず) -2023年- |
開業年月日 | 1964年(昭和39年)10月1日 |
乗入路線 3 路線 | |
所属路線 | ■東海道本線(JR京都線) |
駅番号 | JR-A46 |
キロ程 |
552.6 km(東京起点) 京都から39.0 km |
所属路線 | ■おおさか東線 |
駅番号 | JR-F02 |
キロ程 |
0.0 km(新大阪起点) 大阪から3.8 km |
所属路線 |
東海道本線貨物支線 (梅田貨物線) |
キロ程 | 5.3 km(吹田(タ)起点) |
(3.8 km) 大阪► | |
備考 | |
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在来線はJR西日本の管轄で、島式ホーム5面10線(12両編成対応)を有する地上駅である。ホームはほぼ南北方向に延びており、新幹線ホームの東側と斜めに交差する。在来線と地下鉄とは距離があるため乗り換えの利便性はあまりよくない。
コンコース在来線部分の北側にはJR西日本の駅ナカ商業施設「エキマルシェ新大阪」があり、土産物、駅弁、軽食を主に扱っている他、飲食店も営業している。
当駅の大阪方には網干総合車両所宮原支所への連絡線があり、大阪駅発着列車の送り込み・送り出し回送列車が通行するが、この連絡線自体も当駅の構内に含まれており、当該回送列車の運転取り扱い上でも当駅を通過駅かつ採時駅として扱っている。
大阪駅と並んで在来線特急のターミナルとして機能しており、山陰方面への特急や、南紀方面への一部の特急は当駅始発として運転されている。
開業以来、当駅の在来線部分は、東海道本線4面8線に加え、西にはホームのない梅田貨物線が複線で並走しており、一方、東には島式ホーム1面2線分の空き地が広がっていた(これとは別にホームの空き地は梅田貨物線の上下線路間にも確保している)。この空き地は将来、大阪外環状線(仮称)を建設する際に専用のホームを増設するためのもので、直上のコンコースにおいても、増設されたホームへの階段を設置するためのスペースがあらかじめ確保されていた。大阪外環状線は、当初の計画では神崎川の北方から東海道本線の東側を並走し、そのままその増設ホームに乗り入れる予定だったからである。しかし2008年3月15日におおさか東線という名称で一部開業したこの新路線は、当駅まで延伸するにあたり、神崎川北方で東海道本線を高架で乗り越えて、西を並走する梅田貨物線へ合流する計画に変更され、その後も路線の起終点が新大阪駅から梅田貨物線上に新設される大阪駅までの計画に再び変更されている(詳しくはおおさか東線#建設の経緯を参照)。
それに伴い、その空き地に1面2線の島式ホームを新設して、既存の乗り場を東へ移し、最も西のホームを大阪外環状線専用とする(その結果おおさか東線の列車も発着できる。一方で梅田貨物線上下線路間の空き地のホーム設置は見送りとなった)5面10線構造へと改良することになった。工事は2012年から2018年にかけて施行され、おおむね一年ごとに乗り場を1面2線分だけ東へ移し、空いたホームの再整備(再舗装およびかさ上げ、上屋の延長、一部ホームの短縮など)を行って、一年後にまたそこに既存の乗り場を西から1面2線分だけ移すという方法が取られた。当駅開業以来、在来線部分の大規模改良はこれが初である。
新17・18番のりばは2012年12月16日に使用が開始され、使用が停止された旧17・18番のりばは約1年かけて改装され、2013年12月8日に新15・16番のりばとして使用が開始された[18]。同様に11 - 16番のりばもホーム1本当たり約1年かけて順次改装され、旧11・12番のりばが2018年7月23日から京都方面行きの特急「はるか」「くろしお」用ホームとしての使用再開を以ってホーム増設工事は終了した[53]。これにより、新大阪駅においての「はるか」と「くろしお」の発着線が事実上の複線に増設されることから、同駅でのすれ違いが可能となるため、ダイヤ設定上のボトルネックが解消されることとなった。なお、旧11・12番のりばの使用が再開されるのに先立って6月24日から在来線ののりば番号が3-10番のりばに変更され、旧11・12番ホームは1・2番のりばとなった[53]。
1号ホーム | 2号ホーム | 3号ホーム | 4号ホーム | 5号ホーム | |
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改良工事前 | 11 関西空港線・きのくに線発着特急 12 京都・北陸方面特急 |
13・14 JR京都線(上り) |
15・16 JR神戸線・JR宝塚線(下り) |
17 大阪・山陰方面特急 18 福知山線特急(当駅始発) |
未設置 |
2012年12月16日 | 使用停止 | 17 大阪・山陰方面特急 18 福知山線特急(当駅始発) | |||
2013年12月8日[18] | 使用停止 | 15・16 JR神戸線・JR宝塚線(下り) | |||
2015年1月18日[54] | 使用停止 | 13・14 JR京都線(上り) | |||
2016年2月1日[14][15] | 使用停止 | 11 関西空港線・きのくに線発着特急 12 京都・北陸方面特急 | |||
2018年6月24日[53] | 3 関西空港線・きのくに線発着特急 4 京都・北陸方面特急 |
5・6 JR京都線(上り) |
7・8 JR神戸線・JR宝塚線(下り) |
9 大阪・山陰方面特急 10 福知山線特急(当駅始発) | |
2018年7月23日[53] | 1 関西空港線・きのくに線経由京都方面特急 2 関西空港線・きのくに線経由特急(当駅止め)[55] |
3 関西空港線・きのくに線方面特急 4 京都・北陸方面特急 | |||
2019年3月16日 | 1 関西空港線・きのくに線経由京都方面特急 2 きのくに線経由特急(当駅止め) おおさか東線 |
3 関西空港線・きのくに線方面特急 4 京都・北陸方面特急 | |||
2023年3月18日 | 1 関西空港線・きのくに線経由京都方面特急 おおさか東線下り 2 きのくに線方面特急 |
3 関西空港線方面特急 おおさか東線上り(梅田貨物線) 4 京都・北陸方面特急 |
JR東海・JR西日本(新幹線) 新大阪駅 | |
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新幹線中央口改札(2023年2月) | |
しんおおさか Shin-Ōsaka | |
所在地 | 大阪市淀川区西中島五丁目16-1 |
所属事業者 |
東海旅客鉄道(JR東海) 西日本旅客鉄道(JR西日本) |
電報略号 | シオ |
駅構造 | 高架駅 |
ホーム | 5面8線 |
乗車人員 -統計年度- |
79,000人/日(降車客含まず) -2023年- |
開業年月日 | 1964年(昭和39年)10月1日 |
乗入路線 2 路線 | |
所属路線 | ■東海道新幹線[** 1](JR東海) |
キロ程 | 552.6 km(東京起点) |
所属路線 | ■山陽新幹線[** 1](JR西日本) |
キロ程 | 0.0 km(新大阪起点) |
備考 |
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新幹線はJR東海とJR西日本の共同使用駅だがJR東海の管轄駅で、JR東海が管轄する駅では最西端となる[注 4]。また、JR九州所属の車両が乗り入れる最東端の駅でもある[注 5]。島式ホーム3面6線と単式ホーム2面2線、合計5面8線を有する高架駅。ホームはほぼ東西方向に延びている。博多方には上下本線の間に引上線(大阪仕業検査車両所新大阪支所)があるほか、25・26番線の博多方には保線用の横取り線がある。
サインシステムや駅名標はJR東海のデザインのものであるが、JR西日本との境界駅のため駅名標にはJR東海のロゴマークは入っていない。
東海道新幹線の開業当初の設計では島式ホーム3面6線のみ(開通時は2面3線のみで1974年12月7日に3面6線となった)で南北に1線ずつ留置線の路盤を準備していたが[5]、その路盤に線路とホームを設置する形で1985年3月9日に20番線が、2013年3月16日に27番線が増設された。なお、27番線のホームは阪急新大阪連絡線として阪急電鉄が確保していた用地を利用して設置された[56]。
山陽新幹線の「みずほ」・「さくら」・「ひかりレールスター」・「こだま」の多くは単式ホームの20番線に着発するため、東海道新幹線が主に発着するホームから遠く、コンコースと20番線を直接行き来するエレベーターも無いため、21・22番線用のエレベーターを利用して乗り換える必要がある。そのため、マルス端末やインターネットの乗換案内サービスなどにおいても、同一ホームで乗り換えが可能な隣駅の新神戸駅での乗り換えを推奨するケースが多い。2011年3月12日の山陽・九州新幹線直通運転にそなえ、20番線のエスカレーターの増設工事が行われた[57]。
一部の「さくら」は21番ホームから発車する。
実際のJR東海とJR西日本の会社境界は駅西方2.8km先(東京起点518.2 km)の十三筋(大阪府道・兵庫県道41号大阪伊丹線)の第二三津屋架道橋を越えたすぐの地点にある[58]。ここにはATCの上り第1場内進路と地上信号機が設置されている[58]。20番線(一部は21 - 23番線)に到着する上り列車はここから下り線を走行することになるため、山陽新幹線のダイヤ構成上の制約が生じるが、反面22番線から27番線までと引き上げ線との間の入換では交差支障が発生せず、東海道新幹線の新大阪折り返し列車と山陽新幹線の新大阪折り返し列車は独立にダイヤ設定が可能である。また東海道新幹線側では同駅では一部相互発着という手法で列車を入線・出発させている。
2006年2月22日のJR東海社長定例会見で、新幹線ホームの改良に伴い、阪急新大阪連絡線の用地の一部を転用して、現在の26番線の北側に27番線を新たに設けることと、博多方にある2本の引上線を4本に増設することを明らかにしていたが、27番線は2013年3月16日のダイヤ改正から使用している。これにより、運転効率の向上ならびに更なる本数増強が可能になった。続いて、引上線の増設が2014年1月26日に完成した[12]。
残る阪急電鉄の所有地は、当駅北側の玄関口として活用する[56]とともに、新大阪連絡線のうち免許が維持されている当駅 - 十三駅間をOsaka Metro四つ橋線の十三延長(西梅田・十三連絡線(仮称))と合わせて一本の路線として、北ヤード・西梅田への接続路線として整備する意向であることを表明している。ただしこれらの計画についての着工・完成時期などは未定である。
また、新幹線コンコースはこれまでの中央入口(入場のみ)・中央出口(出場のみ)が、両者ともに入出場可能となる改良工事が行われた。これに伴い、前者は「中央口」、後者は「南口」と改称されている[59]。
なお、2013年7月10日から新幹線ホームが全面禁煙化され、新たにコンコース内に喫煙ルームが設けられた。
新幹線ホームの直下の地上には北方貨物線が通る。ホーム部分は25・26番線ホームの直下、引上線部分は引上1・2番線(1966年10月1日に設置された当初からある引上線)の直下を通過している[60]。
山陽新幹線側は地下ホームを建設し、北陸新幹線も乗り入れて直通運転する計画案がある[61]。
大阪市高速電気軌道御堂筋線は西側で東海道・山陽新幹線とほぼ直交し、新御堂筋の中央分離帯に位置する島式ホーム1面2線を有する高架駅となっている。高架駅ではあるが、線路を含めすべて屋根に覆われている。
江坂方にY形引き上げ線があり、終日に渡り天王寺方面からの折り返し列車が設定されている。日中は半数の列車が折り返す。かつては夜間の留置にのみ使用されていたが、1990年から中津行きを延長する形で日中にも多く運転されるようになった(当初は「国際花と緑の博覧会」期間中のみの予定であったが、好評だったため期間終了後もこの延長運転は続けられ、後に夜間時間帯にも拡大している)。
ホームの江坂方にトレインビュースポットが設置されており、自由に出入りが可能。
西中島南方駅とは駅間距離が僅か700mしか離れておらず、当駅ホームから西中島南方駅ホームやそこに停まっている電車が見える。
昇降設備は、北東・北西改札内にエスカレーターが上り1基・下り2基とエレベーターがあり、中改札内にエスカレーターが上り2基・下り1基とエレベーターがあり、南改札内に上りエスカレーター1基がある[67]。
トイレは北東・北西改札内、中改札内、南改札内のそれぞれにあり、北東・北西改札内と中改札内にオストメイトに対応した多機能トイレがある。
尚、このトイレは、2015年に、日本トイレ大賞を受賞した。
自動改札機は東芝製が設置されている。JR線との連絡改札はなく、乗り換えの際は一旦改札を出る必要がある。
2010年1月6日、中改札口にファミリーマート地下鉄新大阪駅ナカ店が開店したが、2015年に閉店した(跡地に改札口南側にあった有人窓口を移設)。
2016年3月30日には駅北東・北西改札外に駅ナカ商業施設「新なにわ食堂街」がオープンした[68]。
当駅は梅田管区駅に所属し、同副管区駅長が管轄している。
JR西日本管轄の在来線駅の2023年(令和5年)度の1日平均乗車人員は68,995人である。JR西日本全線では大阪駅・京都駅・天王寺駅・三ノ宮駅・京橋駅・鶴橋駅・広島駅に次ぐ8位[注 8]。
一方、JR東海管轄の新幹線駅の同年度の1日平均乗車人員は79,000人である。JR東海全線では名古屋駅・東京駅に次ぐ3位[注 9]。
各年度の1日平均乗車人員は下表の通り。
年度 | JR西日本 | JR東海 | 出典 | |||||||
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1日平均 乗車人員 |
増加率 | 順位 | 定期利用状況 | 1日平均 乗車人員 |
順位 | JR西日本 | JR東海 | 大阪府 | ||
1日平均 | 定期率 | |||||||||
1988年(昭和63年) | 58,064 | 14,570 | 25.1% | [大阪府 1] | ||||||
1989年(平成元年) | 30,924 | -46.7% | 16,190 | 52.4% | [大阪府 1] | |||||
1990年(平成 | 2年)34,200 | 10.6% | 17,610 | 51.5% | [大阪府 2] | |||||
1991年(平成 | 3年)36,094 | 5.5% | 19,117 | 53.0% | [大阪府 3] | |||||
1992年(平成 | 4年)38,347 | 6.2% | 20,522 | 53.5% | [大阪府 4] | |||||
1993年(平成 | 5年)39,159 | 2.1% | 20,761 | 53.0% | [大阪府 5] | |||||
1994年(平成 | 6年)39,753 | 1.5% | 20,878 | 52.5% | [大阪府 6] | |||||
1995年(平成 | 7年)43,266 | 8.8% | 22,241 | 51.4% | [大阪府 7] | |||||
1996年(平成 | 8年)43,880 | 1.4% | 22,705 | 51.7% | [大阪府 8] | |||||
1997年(平成 | 9年)43,052 | -1.9% | 22,604 | 52.5% | [大阪府 9] | |||||
1998年(平成10年) | 42,244 | -1.9% | 22,559 | 53.4% | [大阪府 10] | |||||
1999年(平成11年) | 42,137 | -0.3% | 22,649 | 53.8% | [大阪府 11] | |||||
2000年(平成12年) | 42,631 | 1.2% | 23,127 | 54.2% | [大阪府 12] | |||||
2001年(平成13年) | 44,154 | 3.6% | 24,023 | 54.4% | [大阪府 13] | |||||
2002年(平成14年) | 44,509 | 0.8% | 25,086 | 56.4% | [大阪府 14] | |||||
2003年(平成15年) | 44,919 | 0.9% | 25,679 | 57.2% | [大阪府 15] | |||||
2004年(平成16年) | 45,276 | 0.8% | 26,361 | 58.2% | [大阪府 16] | |||||
2005年(平成17年) | 45,218 | -0.1% | 26,481 | 58.6% | [大阪府 17] | |||||
2006年(平成18年) | 46,437 | 2.7% | 27,326 | 58.8% | [大阪府 18] | |||||
2007年(平成19年) | 46,855 | 0.9% | 27,798 | 59.3% | [大阪府 19] | |||||
2008年(平成20年) | 47,365 | 1.1% | 27,863 | 58.8% | [大阪府 20] | |||||
2009年(平成21年) | 46,187 | -2.5% | 27,205 | 58.9% | [大阪府 21] | |||||
2010年(平成22年) | 47,674 | 3.2% | 27,312 | 57.3% | [大阪府 22] | |||||
2011年(平成23年) | 48,407 | 1.5% | 27,173 | 56.1% | [大阪府 23] | |||||
2012年(平成24年) | 49,839 | 3.0% | 27,410 | 55.0% | [大阪府 24] | |||||
2013年(平成25年) | 51,720 | 3.8% | 13位 | 28,202 | 54.5% | 72,190 | 3位 | [JR西日本 1] | [大阪府 25] | |
2014年(平成26年) | 53,150 | 2.8% | 12位 | 28,241 | 53.1% | 74,000 | 3位 | [JR西日本 2] | [大阪府 26] | |
2015年(平成27年) | 55,756 | 4.9% | 12位 | 29,170 | 52.3% | 78,000 | 3位 | [JR西日本 3] | [大阪府 27] | |
2016年(平成28年) | 58,487 | 4.9% | 12位 | 30,453 | 52.1% | 79,000 | 3位 | [JR西日本 4] | [大阪府 28] | |
2017年(平成29年) | 60,751 | 3.9% | 12位 | 31,194 | 51.3% | 81,863 | 3位 | [JR西日本 5] | [大阪府 29] | |
2018年(平成30年) | 63,469 | 4.5% | 12位 | 31,789 | 50.1% | 84,467 | 3位 | [JR西日本 6] | [大阪府 30] | |
2019年(令和元年) | 69,089 | 8.9% | 10位 | 34,278 | 49.6% | 79,514 | 3位 | [JR西日本 7] | [JR東海 1] | [大阪府 31] |
2020年(令和 | 2年)46,284 | -33.0% | 12位 | 28,818 | 62.3% | 29,359 | 5位 | [JR西日本 8] | [JR東海 1] | [大阪府 32] |
2021年(令和 | 3年)49,564 | 7.1% | 11位 | 28,306 | 57.1% | 47,000 | 5位 | [JR西日本 9] | [JR東海 2] | [大阪府 33] |
2022年(令和 | 4年)61,154 | 23.4% | 8位 | 30,037 | 49.1% | 66,000 | 3位 | [JR西日本 10] | [JR東海 3] | [大阪府 34] |
2023年(令和 | 5年)68,995 | 12.8% | 8位 | 79,000 | 3位 | [JR西日本 11] | [JR東海 4] |
2023年11月7日の1日乗降人員は139,897人(乗車人員:70,110人、降車人員:69,787人)である。同社の駅では第8位であり、御堂筋線の乗り入れる駅では梅田駅、なんば駅、天王寺駅、本町駅、淀屋橋駅、心斎橋駅(四ツ橋駅と合算)に次ぐ第7位である[注 10]。
各年度の特定日における利用状況は下表の通りである。なお1969・1995年度の調査については、それぞれ1970・1996年に行われている(会計年度上1969・1995年度となる)。
年度 | 調査日 | 乗車人員 | 降車人員 | 乗降人員 | 出典 | |
---|---|---|---|---|---|---|
大阪府 | メトロ | |||||
1966年(昭和41年) | 11月 | 8日14,117 | 15,462 | 29,579 | [大阪府 35] | |
1967年(昭和42年) | 11月14日 | 15,407 | 15,463 | 30,870 | [大阪府 36] | |
1968年(昭和43年) | 11月12日 | 16,095 | 16,702 | 32,797 | [大阪府 37] | |
1969年(昭和44年) | 1月27日 | 16,389 | 15,756 | 32,145 | [大阪府 38] | |
1970年(昭和45年) | 11月 | 6日24,409 | 24,922 | 49,331 | [大阪府 39] | |
1972年(昭和47年) | 11月14日 | 25,714 | 27,500 | 53,214 | [大阪府 40] | |
1975年(昭和50年) | 11月 | 7日38,213 | 39,167 | 77,380 | [大阪府 41] | |
1977年(昭和52年) | 11月18日 | 34,266 | 35,503 | 69,769 | [大阪府 42] | |
1981年(昭和56年) | 11月10日 | 37,444 | 39,023 | 76,467 | [大阪府 43] | |
1985年(昭和60年) | 11月12日 | 38,402 | 40,866 | 79,268 | [大阪府 44] | |
1987年(昭和62年) | 11月10日 | 44,428 | 47,973 | 92,401 | [大阪府 45] | |
1990年(平成 | 2年)11月 | 6日54,522 | 57,043 | 111,565 | [大阪府 2] | |
1995年(平成 | 7年)2月15日 | 54,111 | 57,201 | 111,312 | [大阪府 7] | |
1998年(平成10年) | 11月10日 | 53,429 | 54,677 | 108,106 | [大阪府 10] | |
2007年(平成19年) | 11月13日 | 65,622 | 66,954 | 132,576 | [大阪府 19] | |
2008年(平成20年) | 11月11日 | 62,684 | 64,583 | 127,267 | [大阪府 20] | |
2009年(平成21年) | 11月10日 | 60,883 | 61,248 | 122,131 | [大阪府 21] | |
2010年(平成22年) | 11月 | 9日60,756 | 61,978 | 122,734 | [大阪府 22] | |
2011年(平成23年) | 11月 | 8日60,640 | 61,630 | 122,270 | [大阪府 23] | |
2012年(平成24年) | 11月13日 | 62,337 | 62,658 | 124,995 | [大阪府 24] | |
2013年(平成25年) | 11月19日 | 63,579 | 64,862 | 128,441 | [大阪府 25] | [メトロ 1] |
2014年(平成26年) | 11月11日 | 66,261 | 67,485 | 133,746 | [大阪府 26] | [メトロ 2] |
2015年(平成27年) | 11月17日 | 70,602 | 72,419 | 143,021 | [大阪府 27] | [メトロ 3] |
2016年(平成28年) | 11月 | 8日69,491 | 69,750 | 139,241 | [大阪府 28] | [メトロ 4] |
2017年(平成29年) | 11月14日 | 73,407 | 75,065 | 148,472 | [大阪府 29] | [メトロ 5] |
2018年(平成30年) | 11月13日 | 75,238 | 76,240 | 151,478 | [大阪府 30] | [メトロ 6] |
2019年(令和元年) | 11月12日 | 76,276 | 75,973 | 152,249 | [大阪府 31] | [メトロ 7] |
2020年(令和 | 2年)11月10日 | 53,632 | 52,985 | 106,617 | [大阪府 32] | [メトロ 8] |
2021年(令和 | 3年)11月16日 | 55,294 | 54,868 | 110,162 | [大阪府 33] | [メトロ 9] |
2022年(令和 | 4年)11月15日 | 62,871 | 62,948 | 125,819 | [大阪府 34] | [メトロ 10] |
2023年(令和 | 5年)11月 | 7日70,110 | 69,787 | 139,897 | [メトロ 11] |
駅周辺は住宅地(高層マンション)、オフィスビル、ビジネスホテルなどが立ち並んでいる。梅田の中心地である大阪駅ほどではないが、駅構内は乗り換え客で賑わっている。ただし、新幹線から中心市街地へ移動するための乗り換え駅としての役割が強いため、市内中心部の梅田(キタ)や難波(ミナミ)、天王寺などとと比較すると駅ナカを除いて商業施設はかなり少なく、繁華街としての性格はない。
1990年代以降再開発が進み、駅周辺には超高層ビルが建設されているが、いずれも高さ100m程度に抑えられており、梅田を抱える大阪駅周辺と比べるとかなり低い。これは駅上空が大阪国際空港(伊丹空港)に着陸する航空機の標準計器到着方式のコースに当たり、航空法により高さ制限が設定されているためである。[注 11]
淀川・東淀川区境となる東海道本線が地上線であること、淀川区側を新御堂筋が縦断することもあって、東淀川区側は人通りが少なく住宅地が広がっている。
宿泊施設や教育機関が多い。
Osaka Metro東三国駅までは徒歩10分程度。
宿泊施設などもあるが基本的には住宅地。
JR東淀川駅までは徒歩8分程度。
宿泊施設などもあるが基本的には住宅地。
阪急崇禅寺駅までは徒歩13分程度。
正面口(南口)・北口・東口の3箇所にバス停留所が設置されている。なお、東口にあるバス停は地下鉄駅からかなり離れている。北口には阪急バスグループの高速バスターミナルが設けられている。
なお、中国ハイウェイバスは新御堂筋北行きの側道に停留所を設けている他、地下鉄の駅では新大阪駅北口バス停付近に設置されている「宮原四丁目」バス停を最寄りバス停として案内されている。
なお、湯快リゾートの送迎バスは正面口向かいの駐車場から発車する。
2012年10月31日までは新御堂筋の西側(御堂筋線の西側、山陽新幹線の高架北側)に所在したが、現在は新大阪阪急ビル1階へ移転し、JR・大阪市営地下鉄の両駅舎と直結して利便性が改善された[72]。
※ ()内は駅番号を示す。新幹線と特急・急行列車の停車駅は各列車記事を参照。
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