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埼玉県志木市の企業 ウィキペディアから
株式会社平成エンタープライズ(へいせいエンタープライズ)は、埼玉県志木市に本社を置くバス事業者・旅行業者である[1]。インバウンド系貸切バス事業者から出発し、ツアーバス参入を経て高速バスへ移行した「VIPライナー」[2]の運行会社として知られる。
平成エンタープライズ標準色の貸切車 | |
種類 | 株式会社 |
---|---|
市場情報 | 非上場 |
略称 | 平成バス・平成観光・平成観光バス・VIPライナー |
本社所在地 |
日本 〒353-0004 埼玉県志木市本町5丁目22-26 HEGビル[1] |
設立 | 1992年12月11日[1] |
業種 | 陸運業 |
法人番号 | 5030001048782 |
事業内容 |
乗合バス事業 貸切バス事業 特定バス事業 旅行業 他 |
代表者 | 代表取締役社長 田倉貴弥[1] |
資本金 | 7,600万円[1] |
従業員数 | 750名(2021年1月現在)[1] |
決算期 | 3月末 |
主要株主 |
平成コミュニティバス株式会社 総合観光株式会社 有限会社西東京メンテナンス |
外部リンク | https://www.busde.com/ |
本項では、系列のバス事業者である平成コミュニティバス株式会社(へいせいコミュニティバス)[3]についても記述する。
貸切バス、高速バス(旧ツアーバス)の運行を中心事業とする。また東京都練馬区・板橋区・北区・足立区および多摩地域の一部で、特別支援学校のスクールバスの運行受託も行っている。ツアーバス「VIPライナー」の高速乗合バスへの移行を機に乗合バス事業へも進出し、かつては埼玉県内で一般路線バスやコミュニティバスの運行受託も行っていた。
バス事業以外では、フィットネスクラブ「カーブスジャパン」のフランチャイズチェーン契約としてフィットネス事業に進出した(#フィットネス事業を参照)。また宿泊事業としてドミトリー「ホステルわさび」などを運営する(#ホテル事業を参照)。過去にはラーメン店やサブウェイのフランチャイズ店などの外食事業(#外食事業を参照)、ネイルサロン、介護事業所などを運営していた。
年に一度、高速バス「VIPライナー」や一般路線バス、平成コミュニティバスの利用者や、カーブス東京都内3店舗と埼玉県内4店舗の会員に感謝して、謝恩イベントを実施している。
平成エンタープライズとして、以下の団体に加盟している[1]
「車の運転が好きなバスオタク」と自称する創業者の田倉貴弥が、1992年(平成4年)に25歳で起業し会社設立[4]。田倉は父の会社が倒産したため、高校を中退し佐川急便に就職してセールスドライバーとして働いていた[5]。田倉は「運転が好きだったから運送会社に就職した」と言う[5]。しかしバブル景気の最中に早朝から深夜まで働きづめで体調を崩して退職[4][5]。大切にしていた愛車の外車を売り[4][5]、中古の日野・ブルーリボンRU(観光型12m車、1982年式)[5]を800万円で購入[4]。そのたった1台のバスを元手にバス会社を始めた[4][5]。
田倉は「大きいバスが好きだったから(最初に)大型バスを買った」と言う[5]。創業時に購入した最初のブルーリボンRUは「EF750型エンジンを積んだ乗りやすいバスだった」と田倉は述べるとともに、その「初代車両」は中古車として売却してしまったが「残しておけばよかった。今となっては残しておけばよかったと思うバスがたくさんある」と語っている[5]。
父の知人の台湾人旅行業者から観光客の送迎とバスツアーを依頼されたことが契機で事業を始め[4]、台湾人観光客の訪日外国人旅行をターゲットにしたインバウンド輸送から始めた[5]。そして台湾や香港から仕事が入るようになり、台湾人経営者から2,000万円の融資を受けてバスを3台に増車[4]。さらに華僑経営者らから約1億円の融資を受けて1992年に会社を設立した[4]。借金は4 - 5年で返済できたという[4]。まだ政府がインバウンド観光に力を入れ始める前の時代、当時の観光バス業界は国内需要が中心で、1980年代から1990年代には台湾人観光客を受け入れない観光バスも多かったため需要はあった[5]。
当初は旅行会社から仕事を受け、田倉自身が運転手として観光客を乗せており[5]、入社してきた従業員にも田倉自身が運転を教えていた[5]また田倉は自ら運転するかたわら旅行会社への営業も行っていたが、この際に佐川急便でセールスドライバーとして勤務していた経験が役立ったという[5]。こうして平成エンタープライズは、インバウンド向け観光バス会社の先駆けとして急成長していく[4][5]。
2000年代のバス事業規制緩和を受け、2007年8月に東京 - 大阪間で高速ツアーバス「VIPライナー」を運行開始[6]、ツアーバス業界に参入。首都圏と京阪神を結ぶツアーバスは需要の高さから多くの貸切バス事業者が運行に参入し、特に東京 - 大阪間は激戦区となり熾烈な価格競争が繰り広げられた。その中で「VIPライナー」では乗客の快適性を追求し、2009年8月には「VIPライナー」に女性専用車「プルメリア」[8]を運行開始[6]。女性客をターゲットとしたパウダールーム付きの待合室「VIPラウンジ」[9]を設置し[5]、2010年7月には第1号として新宿VIPラウンジがオープン(2020年9月閉鎖)[6]、同年10月には関西に京都VIPラウンジ、なんばVIPラウンジを同時開設した[6]。また夜行バスで後ろの乗客に気を遣わなくて済むよう、運転手が一斉リクライニングを促すなどの工夫もしていた[5]。ツアーバスブームで「VIPライナー」の知名度は向上し「平成エンタープライズ」という社名よりも知られるようになった[5]。2013年(平成25年)にツアーバスが高速乗合バスへ統合され「新高速乗合バス」制度が発足すると、ツアーバスから撤退する貸切バス事業者が相次ぐ中、平成エンタープライズは「VIPライナー」を高速乗合バスへ移行して運行を継続した。
2012年(平成24年)2月2日には、関連会社として平成コミュニティバス株式会社を設立し、大阪市住之江区に大阪営業所を置いた[3][6]。また、平成エンタープライズとして地方自治体の入札にも参加し、スクールバスなどの福祉輸送にも進出した[4][5]。
2010年代後半にはインバウンド観光の好調を受け、2017年(平成29年)時点では従業員800人、バス保有台数は400台に達した[4]。2017年3月期の連結業績は売上高は約70億円、純利益は約2億円を見込み、売上高は創業時の約230倍にまで成長を遂げた[4]。同年2017年1月時点では、翌2018年12月を目処に株式上場を予定し、時価総額で100億円程度を目指すとしていた[4]。しかし乗合バス事業者の7割は赤字で新規上場が難しい業界とされ、上場企業は神奈川中央交通など4社のみにとどまる[4]。
2017年10月には、バス車両を使用した移動型キッズスペース「あそびばす」を開始[6]。翌2018年2月に商標登録しており[6]、名称は「遊び場」と「バス」を組み合わせたかばん語である。中古車両の座席を撤去して車内をキッズスペースとしたもので、専用車両は日野・ブルーリボン、いすゞ・キュービックなどを使用している。
最初のバスが日野自動車製であったことから、創業以来新車は日野車を中心に購入しており[5]、平成エンタープライズで購入するバスは現在でも全て社長の田倉自身が選んでいる[5]。ある年には年間48台を新車購入し[5]、その年の関東地方での購入数トップになったと日野自動車のディーラーから知らされたこともあったという[5]。ただし他事業者からの移籍車など中古導入車には日野自動車製以外の車両も在籍する。
前述の通り、都市間高速バスを中心に運行している。 後に通常の路線バスやコミュニティバスの受託運行にも参入していたが、最盛期より順次廃線が進み、2024年3月までに全路線が運行終了となり、路線バスとしては祖業の高速バスに注力することになる。 また、路線バス以外にも、特定バスとして福祉バスや送迎バスの運行を受託している。
VIPライナーのブランドで高速路線バスを運行している(前述)。もともとツアーバスとしての運行時から高速路線バスへの移行を見越しており[11]、所有車両には2010年から全車両にドライブレコーダーを標準装備し[11]、ドライバーの教育にも力を入れている[11]。
一部の便において低反発素材を内蔵した座席「エアリィソファ」や、電動バックシェル3列もしくは同4列シートを使用している。VIPライナーで使用しているブランケットや低反発枕は常に自社専属のコインランドリーで洗濯・乾燥を行い清潔に保たれている。
オプションとして、自社経営の和風カプセルホテル「ゲストハウスWASABI」宿泊・休憩プラン(#ホテル事業参照)、都営交通一日乗車券「都営まるごときっぷ」、京都市営バス・京都バス、京都市営地下鉄・嵐電の一日乗車券、TDRのパスポート券、マンボー・自遊空間・メディアカフェポパイのネットカフェ利用券、大江戸温泉物語の入浴券などを組み込むことが出来る。また毎年大晦日から元日・2日にかけては全便運休となる。
また、神姫観光バスが運行する「LimonBus」の運行支援及び予約・発券業務も行っている。
乗車地・降車地の組み合わせは路線によって異なるので、ウェブサイトで確認されたい。
2024年1月1日以降、運行路線なし
羽生駅西口を起点に埼玉県道60号羽生外野栗橋線、国道122号を通りイオンモール羽生へ向かう路線である。朝(7-9時台)羽生駅発の便はイオンモール羽生南口に停車する[13]。
開業当時の途中停留所は下岩瀬のみだったが、2015年9月24日に新しい停留所が新設された[14]。通勤時間帯は工業団地入口、小松台1丁目を経由し、通勤時間帯以外は新設された小松台工業団地を経由する[14]。
2018年5月1日、羽生総合病院の移転に伴い[15]、羽生病院を経由する系統が新設された[16]。
2019年10月1日よりWAONでの運賃支払いに対応した[17]。
2020年8月25日、時刻とルートを改正[18]。羽生第一高校、愛藍タウン停留所を新設した一方で、羽生病院、下岩瀬停留所は同日開設の新路線「愛藍タウン循環バス(羽生病院経由)」へ移行した[19]。
2022年9月1日、愛藍タウン循環バスと路線を統合し時刻改正。イオンモール羽生南口停留所を新設[13]。
2023年12月31日を以って廃止となった。なお、翌2024年1月1日からは、朝日自動車が羽生駅-イオンモール羽生間の路線を新設した(工業団地や高校・愛藍タウンには一切経由せずショートカットルートになり、1時間に1本程度に削減されるなど、当社路線に比べて簡素化される)。
週末や祝日には自家用車での来客が多いため、イオンモール羽生発の便は1車線しかない国道122号への道路が断続的に渋滞し、埼玉県道32号鴻巣羽生線とイオンモール羽生の南側を結ぶ道路の交差点の信号機が整備されていないため[20]、定時運行ができないことが多い[21]。
モラージュ菖蒲の開業に合わせて開設された。JR高崎線北本駅東口を起点に、途中朝日4丁目を経由し埼玉県道312号下石戸上菖蒲線、埼玉県道310号笠原菖蒲線を通り[22]、モラージュ菖蒲へ向かう路線である。開業当初は直行バスであったが、後に朝日4丁目バス停が追加設置された。
2010年に隣駅である桶川駅からの朝日自動車の急行バスが開設されてからは本数が削減され[23]、2012年12月7日からはさらに削減[24][25]、2013年2月3日に路線廃止となった[26]。
イオンモール春日部開業1か月前の2013年2月6日より運行開始された[27]。春日部駅東口を起点に、埼玉県道2号さいたま春日部線、国道16号春日部野田バイパス、埼玉県道321号西金野井春日部線[28] を経由して、南桜井駅へ向かう路線である。
開業当初はイオンモール春日部で路線が分割されており、南桜井駅発着便も国道16号を経由していたが、2014年4月1日より路線を統合し、西金野井春日部線上の庄和高校バス停を新設して経由地の変更を行った。
2016年3月13日にダイヤ改正を行い、開設以来の全日ダイヤを平日・土休日ダイヤに変更し土休日の増便を行った。これに伴い、日野・メルファ プラグインハイブリッドを導入し、日本初のPHV(プラグインハイブリッド)バスによる営業運行が開始された[29]。
2017年9月15日より、春日部駅東口 - ヤマダ電機前間に停留所(古利根公園橋北、湯楽の里)を新設。2018年6月1日より龍Q館に停留所を新設、一部の便が経由を開始[30]した。
2019年10月1日からは、WAONでの運賃支払いに対応した。
2020年4月1日に時刻改正[31]。2020年4月4日より、新型コロナウイルスの影響により龍Q館経由は運休した[32][33]。
2020年9月1日の時刻改正で大幅に減便され、また同年内で廃止予定と発表された[34]。2020年12月31日をもって路線廃止となった[35]。
2024年3月31日以降、運行路線なし
東京・京都・大阪(梅田)・名古屋にVIPラウンジ、なんばにVIPヴィラを開設している。かつてはなんば・新宿にもVIPラウンジがあったが、前者は2016年10月31日・後者は2020年9月6日をもって閉鎖している。
VIPラウンジは乗車・降車両日に高速バス利用者が利用できる施設で、フィッティングルームやインターネットスペースなどを備えている。2011年1月よりツアーバスを利用しなくても有料で使用できるようになった[39] ほか、東京では日中「HUBcafe TOKYO」という名称で営業している。また、高速バスの各種オプションをその場で購入することができる。2016年4月4日のバスタ新宿開業に伴い、新宿VIPラウンジはリラクゼーションスペースとしてリニューアルオープン。同年4月4日にVIPヴィラなんばがオープンした。また大阪(梅田)は当初はVIPスタンドだったが、2017年3月1日にVIPラウンジへと変更になった。
2019年3月29日より、2階建てオープントップバスによる東京都内観光バス「VIP view Tour」を運行開始した[40]。八重洲の東京VIPラウンジから皇居・六本木・東京タワー・銀座方面を周回する「シティコース」とレインボーブリッジや臨海副都心を周回する「ベイコース」の2コースで運行開始され[40]、2019年7月16日からは、上野発の「ダウンタウン浅草コース」と新宿発の「ライブTOKYOコース」が追加された。
専用車両として三菱ふそう・エアロキングが使用される。
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