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奈良県奈良市にある西日本旅客鉄道の駅 ウィキペディアから
奈良駅(ならえき)は、奈良県奈良市三条本町にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)の駅である。駅番号は大和路線がJR-Q36、奈良線がJR-D21。
奈良駅 | |
---|---|
2代目駅舎(右)・3代目駅舎(左奥) | |
なら Nara | |
所在地 | 奈良県奈良市三条本町1番1号 |
所属事業者 | 西日本旅客鉄道(JR西日本) |
電報略号 | ナラ |
駅構造 | 高架駅[1] |
ホーム | 3面5線[1] |
乗車人員 -統計年度- |
[市統計 1]13,169人/日(降車客含まず) -2020年- |
開業年月日 | 1890年(明治23年)12月27日 |
乗入路線 3 路線 | |
所属路線 |
■関西本線(大和路線)** (■奈良線直通含む) |
駅番号 |
JR-Q36(大和路線) JR-D21(奈良線) |
キロ程 |
133.9 km(名古屋起点) 加茂から13.0 km |
所属路線 | ■桜井線(万葉まほろば線) |
キロ程 | 0.0 km(奈良起点) |
備考 |
|
奈良市の中心駅であり、天王寺・京都方面へ向かう快速列車が多数発着している。第3回近畿の駅百選に選定されている[3]。
2010年の平城遷都1300年記念事業にあわせて行われた駅周辺の土地区画整理事業に伴って、当駅の高架化事業が行われ、同年3月13日に最後まで地上のりばから発着していた桜井線が高架化された[4]。
なお、近鉄奈良線の近鉄奈良駅は、当駅から直線距離で約900mほど東に位置しており(徒歩距離は三条通り経由で約1,100m)、移動に徒歩15分程度を要する。近鉄奈良駅は市中心部や主要観光地に近く、当駅より利用者数が多い。
当駅には以下の路線が乗り入れている。
線路名称上、当駅に乗り入れている路線は以上の2路線であるが、これらに加えて関西本線木津駅を起点・終点とする以下の2路線の列車も乗り入れている。
JR奈良駅周辺は、かつて関西本線(大和路線)と桜井線が地上を走っており、奈良市の新旧市街地を東西に分断していたため奈良市の発展を妨げていた。また、これらと交差する跨線橋も狭く、周辺道路の交通渋滞が著しかった。そこで、街の再生と交通の円滑化を図るため、平城遷都1300年にあたる2010年(平成22年)の高架化完成を目指し、2002年(平成14年)から連続立体交差が進められ、周辺土地区画整理事業(シルクロードタウン)や3箇所の高架橋道路の平坦化が行われた[23]。
地上駅時代は乗り換え跨線橋で東西を結んでおり、東西2箇所に改札口があった。
2003年(平成15年)9月6日まで使われていた2代目駅舎は1934年(昭和9年)に完成したもので、周囲の景観に配慮して方形屋根に相輪を持つ和洋折衷様式が採用されている。大阪鉄道局建築課が京都帝室美術館懸賞設計に応募し落選した設計案を再利用したものだった[24]。高架化に伴い取り壊される予定であったが、その歴史的価値から反対の声は根強かったこともあり、曳家によって元の位置から18m移動された上で保存され、2009年から奈良市総合観光案内所として利用されている[9][25]。
この旧駅舎は、2007年に近代化産業遺産、2011年に土木学会選奨土木遺産となっている[26]。
なお、旧駅舎のホールにはなら・シルクロード博覧会に出品されたサモトラケのニケのレプリカ像が飾られていたが、駅舎移設に際して奈良市立一条高等学校に寄贈されている。
高架化工事中の2006年(平成18年)、旧駅ホームの下から謎の遺構が発見されたため奈良県立橿原考古学研究所による発掘調査が行われた結果、明治時代の転車台と判明した。発掘された転車台は高架化工事に支障するため、そのままの形で保存されることなく撤去されたが、一部のレンガなどは同研究所附属博物館が保存し、展示会も行われている[27]。
奈良駅には奈良機関区(のち奈良気動車区)が所在していたことから、1980年代後半までは転車台と機関庫が存在しており、1986年(昭和61年)8月に蒸気機関車C56形160号機による「SL大和路号」が運転された際にこの転車台が使用されている。
2010年3月13日に完成した3階建ての駅舎の高架駅で、改札口は高架化を機に2階の1ヶ所に集約し、3階がホーム、2階は駅業務施設と商業施設、1階は商業施設が設けられている。ホームと線路の配置は島式ホーム3面5線の構造である。
駅舎ファサードの基本コンセプトは『「奈良らしさの表現」―青丹よし―』であり[28]、3階のホームの側壁には五色のカーテンウォールが設置され[28]、「青丹よし」を現代的に表現している。ホーム部分には寺社の伽藍をイメージした飾り鉄柱を設置、サーモンピンクに塗られている。飾り柱の上には、垂木をイメージした装飾も設置されている。また、2階部分外装は白壁を意識した白塗り、1階部分外装は近隣のなら100年会館のような瓦をイメージした黒タイル張りとなっている。
内装は、改札内は無装飾であるが、改札外部分は天井には格天井を意識した装飾が[28][29]、また柱は吉野杉で美装されており、一部柱には組物を思わせる装飾が施されている。また、柱からは釣灯篭を思わせる照明も吊るされている。
駅舎構内には1階・2階部分に幅員20mの自由通路が作られ、西口2階はデッキと接続、東口2階はJR奈良駅NKビルと接続した上で、1階に降りる階段とエスカレーターが設置されている。また、2010年10月3日には、1階自由通路南側には商業施設「ビエラ奈良」が開業し[19]、2012年3月2日に自由通路北側の1・2階部分に「ビエラ奈良」の第2期分が増床オープンした[30]。
当駅は駅長が配置された直営駅であり、管理駅として関西本線の他駅も管理している。
2020年度の1日平均乗車人員は13,169人である。奈良県内のJR西日本の駅では王寺駅(王寺町)に次ぐ2位。奈良市内では近鉄奈良駅、学園前駅、大和西大寺駅、高の原駅に次ぐ5位(4位以上はいずれも近鉄の駅)。
ジャパンレールパス[32]やJR West Rail Passの発売が開始された後、奈良を訪問する外国人観光客の利用者は増加している。
「奈良県統計年鑑[33]」、「統計なら[34]」によると、近年の1日平均乗車人員は以下の通りである。
年度 | 1日平均 乗車人員 | 備考 |
---|---|---|
1993年(平成 | 5年)19,894 | |
1994年(平成 | 6年)19,748 | |
1995年(平成 | 7年)20,310 | |
1996年(平成 | 8年)20,796 | |
1997年(平成 | 9年)20,218 | |
1998年(平成10年) | 20,434 | |
1999年(平成11年) | 20,332 | |
2000年(平成12年) | 20,023 | |
2001年(平成13年) | 20,052 | |
2002年(平成14年) | 19,574 | |
2003年(平成15年) | 19,201 | |
2004年(平成16年) | 18,973 | |
2005年(平成17年) | 18,700 | |
2006年(平成18年) | 18,548 | |
2007年(平成19年) | 18,371 | |
2008年(平成20年) | 18,362 | |
2009年(平成21年) | 17,829 | |
2010年(平成22年) | 18,161 | |
2011年(平成23年) | 17,250 | |
2012年(平成24年) | 17,469 | |
2013年(平成25年) | 17,543 | |
2014年(平成26年) | 17,486 | |
2015年(平成27年) | 18,071 | |
2016年(平成28年) | 18,152 | |
2017年(平成29年) | 18,307 | |
2018年(平成30年) | 18,350 | [県統計 1] |
2019年(令和元年) | 18,145 | [市統計 2] |
2020年(令和 | 2年)13,169 | [市統計 1] |
奈良市の目抜き通りである三条通り商店街の西端に位置する。春日大社参道の始点であり、参道入口を示す常夜灯が駅前広場に立つ。三条通りは歴史ある地元向け老舗店と観光客向けの土産物店などが混在するが、2000年代以降は全国チェーンのレストランやカフェなども増えている。
寺社の建ち並ぶ観光地である奈良公園へは、駅を東へ、三条通り商店街を徒歩(約15分)で向かうか、奈良交通の市内循環バスなどの公共交通機関を利用することになる。
駅前東側を南北に京都府道・奈良県道754号木津横田線が走る。西側はシルクロードタウン21と称する再開発により、ホテルやショッピングモール、なら100年会館、マンションなどができている。
一般路線はすべて奈良交通によって運行されており、ほぼ全ての路線が近鉄奈良駅も経由する。のりばは西口、東口に分かれている。詳細は奈良交通公式サイトの主要なのりばJR奈良駅を参照。なお、かつては近畿日本鉄道や京阪バスの京都駅行など、比較的運行距離が長い路線も発着していた。
すべて東口4番のりばから発車する。
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