『名探偵コナン 11人目のストライカー』(めいたんていコナン じゅういちにんめのストライカー)[注 1] は、2012年4月14日公開の日本のアニメ映画で、劇場版『名探偵コナン』シリーズの16作目。上映時間は110分。興行収入は32億9000万円。キャッチコピー「オマエら、ちゃんとついて来るんだぞ!」 「フィールド震撼!その謎にニッポンが熱くなる!」[1][2][3][4][5][6]。小学館創業90周年記念作品。
前作『沈黙の15分』から総監督に山本泰一郎が就任し、3代目の監督に静野孔文が就任したため、本作でも監督が2人体制の作品となっている。脚本も前作から引き続き古内一成が担当している。
前々作『天空の難破船』と同様、回想を含めて殺人事件が発生しておらず、「仕掛けられた爆弾の捜索・解除、及び犯人の特定」が物語の主軸になるのは第1作『時計じかけの摩天楼』以来である。また、映画のタイトルが登場人物の台詞から採られる例は第3作『世紀末の魔術師』以来13年ぶりで2作目となる。
本作は、Jリーグ20周年記念プロジェクトとのコラボレーション作品でもあるため、それを記念して本編に現役のプロサッカー選手が本人役で登場している。また、声優としても参加しており、三浦知良(横浜FC)・遠藤保仁(ガンバ大阪)・楢﨑正剛(名古屋グランパス)・中村憲剛(川崎フロンターレ)・今野泰幸(ガンバ大阪)の5人がプロサッカー選手の本人役としてコナンたちと共演を果たした。その他、Jリーグ特命PR部女子マネージャーの女優・足立梨花も同じく本人役、Jリーグメディアプロモーション経営戦略本部放送業務支援部の岩貞和明が特別出演し、夢のコラボレーションが実現することになった[7][8]。また、2011年シーズン・2012年シーズンの両シーズンで、Jリーグ ディビジョン1(J1)に所属していた、15クラブのチーム・所属選手も登場している[8]。
ゲスト出演としてタレントの桐谷美玲が容疑者の1人・香田薫役で出演している[9]。また、『沈黙の15分』に続いてアナウンサーの宮根誠司が、自身が司会を担当している『情報ライブ ミヤネ屋』のキャスター役としてアシスタントの川田裕美(映画公開当時・読売テレビアナウンサー)と本人役で登場した[注 2]。
TVシリーズのキャラクターからは、山村ミサオが第13作『漆黒の追跡者』以来3年ぶり、榎本梓が初登場を果たした[注 3]。小五郎が大ファンであるアイドルの沖野ヨーコも初登場となるが、台詞は無い。他には、プロサッカー選手の赤木英雄、上村直樹、比護隆佑が初登場となる(ただし、上村直樹のみ台詞無し)。なお、比護隆佑に台詞が与えられるのは原作・TVアニメを含めても本作が初めてである。また、2018年10月17日に辻谷耕史が急死したため、辻谷が演じる赤木英雄は劇場版において本作が唯一である。そして本作オリジナルキャラクターとして初登場となった真田貴大は、後のテレビアニメや原作にも登場することとなる。
シリーズ恒例になっている阿笠博士によるダジャレクイズは遠藤が回答したため、第12作『戦慄の楽譜』の秋庭怜子(あきば れいこ)以来、ゲストキャラクターによる回答となった。
本編前半と公式サイトでは、コナンたちが応援するサッカーチーム「東京スピリッツ」の対戦相手は実在のチームである「ガンバ大阪」になっている(本編後半と特報は「ビッグ大阪」)。そのため、J1は実在の18チームに『名探偵コナン』で活躍している「東京スピリッツ」・「ビッグ大阪」の2チームを加えた、全20チームで構成されている(原作のJ1チーム「ノワール東京」は登場していない)。これにより劇中では、映画が公開される4ヶ月前と同じく、柏レイソルがJ1を制覇している。そのため、『沈黙の15分』に続き、本編の季節は秋から冬である(柏のJ1制覇は、2011年12月3日のため[10]。また、オープニング前の毛利蘭はカーディガンを羽織っており、毛利探偵事務所の下の公道に生えている街路樹の葉は黄色に色付いている[11]。)と共に、『コナン』の劇場版シリーズで時事ネタを取り入れた数少ない作品になっている。
旧・国立競技場で開催された、FUJI XEROX SUPER CUP 2012の指定席が「名探偵コナンシート」として特別に設けられ[12]、収録された試合中の歓声が本編で使用されている[13]。
本作からアニメーション制作会社の名義が「東京ムービー」から「TMS/V1 Studio」に変更され、プロデューサーが吉岡昌仁から浅井認・石山桂一に交代し、既存の読売テレビの諏訪道彦を含め劇場版では初のプロデューサー3人体制となった。また、製作委員会のメンバーのクレジットが上映終了時からエンディング冒頭に移動し、上映終了時のクレジットが著作権表示のみとなったのも本作からである。オープニングではスタッフクレジットのバックにもレンガが追加された[注 4]。
公開月の2012年4月7日と4月14日のテレビアニメでは、今作の題材である『サッカー』にちなみ「迷宮のフーリガン(前編・後編)」がデジタルリマスターで放送された[14][15]。以後、公開直前に映画の内容に纏わるリマスターの放送が毎年行われるようになる。
本作の小説版が小学館ジュニア文庫から2012年4月12日に発売されている[16]。コナン映画の文庫版は本作が初となる。
2012年4月には本作の公開を記念した特別番組「容疑者・桐谷美玲の謎に迫る!」が各局で随時放送された[17]。
2014年6月14日には2014 FIFAワールドカップ開催を記念し、本作の後日談となるTVシリーズ第742話「Jリーガーとの約束」が放送され、香田薫が再登場した[注 5]。また、ゲストとして浦和レッズから槙野智章が本人役で登場している。槙野は幼少時からの『コナン』ファンであり、本作の出演者候補に挙がっていたが、当時は都合がつかずに出演できなかったため、後日談でようやく実現することとなった[18]。
さらに、2018年7月14日にはJリーグ開幕25周年を記念したコラボレーション企画としてTVシリーズ第907話「Jリーグの用心棒」が放送され、遠藤が「東京スピリッツ」の対戦相手「ガンバ大阪」の選手として本作に続き、2度目の本人役で登場し、ゲスト出演した[19]。
2023年5月13日にはJリーグ開幕30周年を記念したコラボレーション企画としてTVシリーズ第1083話「Jリーグの舞台裏」が放送され、同作ではFC東京の松木玖生、川崎フロンターレの橘田健人が本人役で出演した他、同じく川崎フロンターレ所属の大島僚太[注 6]の声を本作以来の出演となる中村が担当した[20]。
劇場版シリーズの定番となっているエンディング後の次回作の予告が今作でも放映された。エピローグ終了後に、画面に海が表示され、次回作の制作および公開が決定したという旨の字幕による予告が流れたのちに、大きな船が画面に登場した。のちに次回作は海上自衛隊のイージス艦を主な舞台とした『絶海の探偵』だと発表された。
コナンや少年探偵団は現役プロサッカー選手が指導を行うサッカー教室に参加した。そこで小五郎は、大学時代の後輩の榊良輔と再会を果たす。現在は少年サッカーチームの監督をしている彼はその昔、重要な試合でオウンゴールを決めてしまい優勝を逃すという苦い経験があった。榊は、小五郎のファンだという少年サッカーチームのスポンサーである本浦圭一郎を紹介される。本浦は病死したばかりのサッカー好きの息子の知史のことで心が癒せずにいた。そのほかにも日売テレビに勤める山森慎三、芸能カメラマンの香田薫、怪我でJリーガーへの道を絶たれた中岡一雅など様々な人物がそのサッカー教室に集まっていた。
それから2週間後の昼下がり、毛利探偵事務所に爆破予告の電話が掛かってきた。小五郎は当初イタズラだと考えるが、その直後に事務所前の路上に停められた車が爆発し、爆破予告は本物だと分かる。犯人は「これから言う暗号を解いて爆弾を見つけないと、次は大勢の死傷者が出る」と脅す[注 7]。
- 「青い少年と青いシマウマ、上からの雨、下から人が左の手でそのまま示すのは左の木」
- 「次は米花。ネクスト米花」
2つの暗号を手掛かりに爆弾を見つけるため、蘭と小五郎は目暮警部らと町中を駆け回るが、一向に手掛かりがつかめない。蘭は藁にもすがる思いで新一の携帯へ連絡を取る。
その頃、コナンと少年探偵団は東都スタジアムでJリーグの「東京スピリッツVSガンバ大阪」の試合を観戦していた。前半終了後のハーフタイム、コナンは蘭からの電話で爆破予告のことを知り、暗号解読に乗り出す。タイムリミットが刻々と迫る中、コナンは暗号の解読に成功し、爆弾が今いる東都スタジアムに仕掛けられていることが判明する。爆弾の解除が間に合わず大規模な爆破が起きてしまうが、暗号を解いて事前に観客を避難させていたため、幸い死者を出さずに事なきを得た[注 8]。
だが、犯人からの挑戦はこれで終わらなかった。小五郎宛てに「次はさらに多くの人が集まる場所に爆弾を仕掛ける」という脅迫状が届く。次はどこに爆弾を仕掛けるつもりなのか、コナン達は推理を巡らせる。当初は沖野ヨーコのコンサート会場かと思われたが、数日後に犯人から送られた警告文により、10ヶ所ものスタジアムに爆弾を仕掛けていることが発覚する。爆発を止めるには、該当の各スタジアムのホーム側のチームのストライカーがゴールのクロスバーの中央にボールを当てる必要があり、すなわち10人のストライカーにスタジアムの人達の命運が委ねられることになる。
捜査の中で、今回の事件の発端が小五郎にあった事が発覚。数ヶ月前に行われた東都スタジアムで知史が試合観戦中に心臓発作を起こしてしまい、小五郎とサポーターの妨害で搬送が遅れたことで亡くなってしまったのだった。小五郎はその時の事を思い出したのだが、実は小五郎とサポーターは熱中症で倒れた老人の救助に動いており、老人のために呼んだ救急車と間違えて知史の救急車を止めてしまったのが真相だった。その事で小五郎達に恨みを持つ圭一郎が犯人かと思われたが、圭一郎は自分は今回の事件に関わってないと告げ、コナンも彼を容疑者から外す。そして、コナンは犯人とその狙いに気づき、阿笠博士と少年探偵団と合流して東都スタジアムに向かう。
今回の事件の真犯人は中岡一雅。知史とは高校3年生の時に知り合い、一緒にサッカーを練習する間柄になっていた。交通事故でJリーガーへの道を断たれた後は南米に滞在していたが、後に帰国した際に知史と再会し、彼から一部だけだが試合に出る事を告げられる。その試合でゴールを決める知史を見て再起を決意していたが、その矢先に知史の死を知り、その死の原因を作った小五郎とサポーター達への恨みから今回の事件を計画した。また、東都スタジアムの爆破と共に自害するつもりである事も明かした。コナンから小五郎達の行動の真意を告げられるも、中岡は納得する事が出来ず、起爆装置を起動させる。中岡は東都スタジアムが10ヶ所のスタジアムに入っているとするコナンの推理は間違っており、東都スタジアムは「11番目のスタジアム」であると告げる。実際の10番目のスタジアムは国立競技場であり、今そこにいる小五郎達を抹殺するつもりでいたのだ[注 9]。東都スタジアムは爆破の影響により崩壊しかけるも、コナンと少年探偵団による決死のフリーキックにより、ボールは瓦礫を乗り越えてゴールのクロスバーへと命中して爆弾は停止、爆破事件は1人も犠牲者を出すことなく収束した。
そんなコナンの姿を見た中岡は江戸川コナンこそが「11人目のストライカー」であったと悟るのであった。
レギュラーキャラクター
- 江戸川 コナン(えどがわ コナン)
- 声 - 高山みなみ
- 本作の主人公。
- 本来の姿は「東の高校生探偵」として名を馳せている工藤新一だが、黒ずくめの組織に飲まされた毒薬・APTX4869の副作用で小学生の姿になっている。サッカーは並の高校生を超えた天才的な実力の持ち主。
- 毛利 蘭(もうり らん)
- 声 - 山崎和佳奈
- 本作のヒロイン。
- 新一の幼馴染かつガールフレンドで、新一から想いは伝えられているが、まだ返事はできていない。関東大会で優勝するほどの空手の達人。
- 毛利 小五郎(もうり こごろう)
- 声 - 小山力也
- 蘭の父親で「眠りの小五郎」の異名で有名な私立探偵。コナンの保護者。元警視庁捜査一課強行犯係の刑事。
- 犯人から爆弾予告を受け取って爆破事件の阻止に奔走する。数ヶ月前にサッカーを観戦していたが、その際の行動が本作の事件の発端になっていた。
- 工藤 新一(くどう しんいち)
- 声 - 山口勝平
- コナンの本来の姿で高校生探偵。
- 阿笠 博士(あがさ ひろし)
- 声 - 緒方賢一
- コナンの正体を新一と知る数少ない人物の1人で、発明家。
- 鈴木 園子(すずき そのこ)
- 声 - 松井菜桜子
- 蘭の同級生で親友。鈴木財閥の令嬢で、蘭や新一とは幼馴染でもある。
- 目暮 十三(めぐれ じゅうぞう)
- 声 - 茶風林
- 警視庁刑事部捜査一課強行犯捜査三係の警部。
- 灰原 哀(はいばら あい)
- 声 - 林原めぐみ
- 元黒の組織の一員かつAPTX4869の開発者で、コナンの正体を新一と知る数少ない人物の1人。
- 吉田 歩美(よしだ あゆみ)、小嶋 元太(こじま げんた)、円谷 光彦(つぶらや みつひこ)
- 声 - 岩居由希子(歩美)、高木渉(元太)、大谷育江(光彦)
- 本作のキーパーソン。灰原を含め、少年探偵団の面々。
- 白鳥 任三郎(しらとり にんざぶろう)
- 声 - 井上和彦
- 警視庁捜査一課のキャリア組警部。
- 高木 渉(たかぎ わたる)
- 声 - 高木渉
- 警視庁捜査一課の刑事で巡査部長。佐藤刑事と両想いの恋愛関係。
- 自身の甥っ子ことを話題に出したので、兄弟姉妹がいることが明らかになった。
- 佐藤 美和子(さとう みわこ)
- 声 - 湯屋敦子
- 警視庁捜査一課の刑事で警部補。格闘技に長けていて洞察力も鋭い。高木刑事と交際中。
- 千葉刑事(ちばけいじ)
- 声 - 千葉一伸
- 警視庁捜査一課の刑事で巡査部長。
- 榎本 梓(えのもと あずさ)
- 声 - 榎本充希子
- 「毛利探偵事務所」の下の階の喫茶店「ポアロ」のウェイトレス。「ポアロ」に来る小五郎に時々事件の依頼を持ちかけている。
- 沖野 ヨーコ(おきの ヨーコ)
- 声 - なし[注 10]
- 小五郎が大ファンのアイドル歌手で、女優。優しく控えめな性格。
- 歌手活動だけでなく、料理番組のコーナーや映画に出演するなど、幅広く活動している。小五郎にストーカー事件の調査を依頼したことからコナンたちとも知人になり、その後も何度か自身や友人に関する依頼を持ってきている。
- 劇場版には本作が初登場となるが台詞はない。ただし、第1作『時計じかけの摩天楼』で蘭が提示した雑誌の星占いページにコラムを書く形で、劇場版でも既に存在は示されていた。また、第6作『ベイカー街の亡霊』には、名前のみ登場している。
- 大阪府生まれで、同じく本作で劇場版に初登場するサッカー選手の比護隆佑は、高校時代の先輩であった事が後に判明する[21]。
- 山村 ミサオ(やまむら ミサオ)
- 声 - 古川登志夫
- 群馬県警察刑事部捜査一課の警部。
- 明るい性格だが、洞察力や推理力はどうして警部になれたのかと疑問を持たれるほど低く、「ヘッポコ警部」と呼ばれている。
- 本作は、一連の事件の容疑者の1人である中岡一雅が、群馬県で起こしたバイクの暴走事故について調べるよう警視庁に要請されため、その結果を目暮警部に報告した。
- 比護 隆佑(ひご りゅうすけ)
- 声 - 櫻井孝宏
- 灰原が大ファンのサッカー選手で、プロサッカーチーム・ビッグ大阪に所属。ポジションはFW、背番号は9。灰原によれば、無回転シュートが得意との事。
- 上村 直樹(うえむら なおき)
- 声 - なし[注 11]
- 歩美がファンであるサッカー選手で、プロサッカーチーム・東京スピリッツに所属。ポジションはFW。愛称はナオキ。
- 米花高校出身で、ライバルで親友の赤木英雄ことヒデと共にサッカー部を全国制覇に導き、「黄金のツートップ」と呼ばれた。ヒデと共に東京スピリッツに入団した。一時期は練習試合でのヒデとの接触による負傷を逆恨みした事もあったが、テレビを通じてヒデからエールを受けて自身を悔いて改心し、ヒデへの友情を取り戻した[22]。その後は東京スピリッツで再びヒデと共にプレーしている。
- 劇場版には本作が初登場となるが、台詞はない。
- 赤木 英雄(あかぎ ひでお)
- 声 - 辻谷耕史
- 元太と光彦がファンであるサッカー選手で、プロサッカーチーム・東京スピリッツに所属。ポジションはFW、背番号は11。愛称はヒデ[注 12]。
- 米花高校出身で、高校時代から天才と評され、ナオキとともに東京スピリッツに入団して活躍中。
オリジナルキャラクター
犯人
- 爆弾犯
- 毛利探偵事務所に爆破予告の電話を掛けてきた人物。
- いたずらではない証拠に事務所前に停車していた車を爆破し、爆弾の設置場所を示した暗号の解読を迫る。
- 何らかの理由で小五郎とJリーグに恨みを持っており、東都スタジアムのある場所に無数の爆弾を仕掛け、大勢の東京スピリッツサポーターを危険に晒そうと企んでいる。また、コナンにそれを阻止された後も、Jリーグ全体を巻き込む更なる大規模爆破を画策し、小五郎に暗号を織り交ぜた警告文を送り付ける。
容疑者
- 山森 慎三(やまもり しんぞう)
- 声 - 千葉繁
- 日売テレビスポーツ情報局部長。51歳。
- 上層部からサッカー中継の視聴率アップを厳命され、達成しなければ降格という命令が出されている。サングラスと洒落たスーツを着用して、小五郎に無理やり握手を求める典型的な業界人。常に笑みを浮かべながら、健闘を祈ると挑発的な言動を繰り返している。この口癖から、犯人の脅迫文との関連性を疑われている。
- 香田とは香田ちゃんと呼ぶ親しい間柄のようだが、お互いに重要な情報は隠し合い、彼女が落とした沖野ヨーコの情報が書かれたメモ帖を拾い上げニヤ付いていた。
- 香田 薫(こうだ かおる)
- 声 - 桐谷美玲
- 日売新聞スポーツ・芸能部カメラマン。27歳。
- 美人な芸能カメラマンで、社会部から芸能部に転属させられるが、社会部に戻るべくスクープを獲得するチャンスを窺っている。沖野ヨーコに関するスクープを入手しており、山森にも見せないようにしていたが、情報が書かれているメモ帖を拾われてしまっている。
- その後、真田貴大と同じくテレビアニメにも登場し[注 13]、社会部への復帰が叶った後も、真田貴大に個人的に興味を持った事で、彼への取材を続けている事を明かしている。
- 中岡 一雅(なかおか かずまさ)
- 声 - 東地宏樹
- バイク店アルバイト。21歳。
- 柄の悪い見た目と攻撃的な性格から素行の悪さばかり目立つが、数年前まではプロサッカー選手として将来を期待されていた。
- サッカー高校選手権で活躍して東京スピリッツ入りの内定を受けていたが、バイク事故で足を負傷した後はサッカーを止めている。現在は、実家のある群馬で暴走行為を繰り返す日々を送っており、その姿から、山村警部には「手負いのオオカミ」と評されている。
- 根は子供好きでサッカーへの未練もまだあるようである。
- 榊 良輔(さかき りょうすけ)
- 声 - 中村大樹
- スポーツジムのインストラクターで、少年サッカークラブ監督。32歳。
- 子供達のサッカー教室に付き添っていたクラブ監督。
- 小五郎と同じ米花大学の後輩で、リーグ最終戦で自身のオウンゴールによって優勝を逃した過去を持っており、その事を皆の前で小五郎に指摘されてしまい苦笑いを浮かべていた。本浦知史が所属していた少年サッカークラブの監督で、病弱な知史を何とか試合に出してあげようとするなど、優しい性格で良き理解者だった。
- 捜査本部では、大きな動機が見当たらない事から重要参考人とは見られていないようで、早々に犯人候補から外されている。
- 本浦 圭一郎(もとうら けいいちろう)
- 声 - 井上倫宏
- 町工場経営者で、少年サッカーのチームスポンサー会長。43歳。
- 温厚そうな風貌の中年男性で、3か月前に息子の知史を失っている。
- サッカー教室を訪れた際に小五郎にその事を伝え、携帯で知史の写真を見せていた。大切な息子の知史を亡くしているため、その表情には複雑な思いが表れている。知史の一件が事件に絡んでいる可能性が高いとされ、小五郎や警察から重要参考人として自宅に押しかけられた。自宅にも知史の写真などが残されており、コナンは撮影された映像から、ある重要な証拠に気が付いた。
ビッグ大阪
- 真田 貴大(さなだ たかひろ)
- 声 - 吉野裕行
- 本作のキーパーソン。ビッグ大阪期待の新人フォワード。比護の控えとして、ユースからプロに昇格した。18歳。
- 関西弁の軽い性格で、ヒデにライバル宣言を放つなど自信家な面もあるが、技術は超一流。爆弾の解除装置を狙ってサッカーボールを当てる大役を任され、本心では緊張しながらも、プロとして試合に挑んだ。
- その後、原作・テレビアニメに登場。劇場版オリジナルキャラクターの登場は白鳥任三郎・栗山緑に続き3人目[注 14]。アニメ版では、綾小路文麿[注 15] に続く4人目(香田薫が5人目)である。
- 松崎 幸司(まつざき こうじ)
- 声 - 稲葉実
- ビッグ大阪の監督。
- 警視庁から爆弾の存在を知らされ、真田貴大に、クロスバーの中央に設置された爆弾の解除装置を狙いサッカーボールを当てるよう指示した。
東都スタジアム
- 野本 博昭(のもと ひろあき)
- 声 - チョー
- 東都スタジアムで東京スピリッツVSガンバ大阪の試合を実況したアナウンサー。
- コナンが爆弾の解体に動き出す中、熱い実況でスタジアムを盛り上げた。
- Jリーグスタッフ
- 声 - 岩貞和明
- 東都スタジアムの爆弾事件で観客を誘導していた男性スタッフ。
- 声を担当した岩貞和明は、株式会社Jリーグメディアプロモーションの社員で、本作は特別出演である。
- アナウンス
- 声 - 前田愛、茂呂田かおる
- 東都スタジアム・サッカー教室のアナウンス。
- 東都スタジアムでは爆弾事件のため、一部の応援席にいる観客は避難するようにアナウンスされた。
- カメラマン
- 声 - 川津泰彦、川中子雅人
- 東都スタジアムの試合を撮影していたカメラマン。
- 撮影中に警備員から速やかに移動するようにと促されたので、文句を言っていた。
- 警備員
- 声 - 麻生敬太郎、青山穣、川村拓央
- 東都スタジアムの警備員たち。
- 観客やカメラマンの避難誘導を担当した。また、別の警備員は爆弾を設置するために侵入した犯人に殴り倒され、気絶してしまった。
サッカー関係者
- 本浦 知史(もとうら ともふみ)
- 声 - 雪野五月
- 本作のキーパーソン。本浦圭一郎の一人息子。
- サッカーが大好きだったが、身体が弱く激しい運動は禁じられていた。
- 3か月前、サッカーの試合を観戦中に発作を起こして亡くなった。
警察関係者
- 警察の運転手
- 声 - 蓮池龍三
- コナンや小五郎らを乗せて本浦圭一郎の自宅まで送った警察官。
- 爆弾の起爆装置が解除されたかで一喜一憂している中、一人だけ冷静に運転していた。
メディア関係者
- 多部田 美幸(たべた みゆき)
- 声 - あらいしずか
- 毛利探偵事務所前で実況していた女性レポーター。宮根誠司から現在の状況について質問され、小五郎が暗号の解読をしたことや爆発事件のことを伝えた。
芸能人(本人役)
- 宮根 誠司(みやね せいじ)
- 声 - 宮根誠司
- 『情報ライブ ミヤネ屋』のキャスターとして登場。アシスタントの川田裕美と東都スタジアム爆発事件の解説をしていた。
- 『ミヤネ屋』のスタジオは、第14作『天空の難破船』のニュースで登場していたが、オープニングから登場したのは本作が初である。そのため、スタジオなども忠実に再現されている。
- 足立 梨花(あだち りか)
- 声 - 足立梨花
- 観戦に来ていた子供達にガンバ大阪のマスコットについてインタビューをする。
- 偶然にもインタビューを聞いたコナンが暗号を解くヒントになった。
サッカー選手(本人役)
- 三浦 知良(みうら かずよし)
- 声 - 三浦知良
- キング・カズとして有名な日本サッカー界のスーパースター。
- 朝のジョギング中にコナンと出会い、自主練習の相手役を頼んだ。帰り際、練習のお礼に白のリストバンドをプレゼントした。リストバンドを渡したのはコナンが2人目で、10数年前に赤いリストバンドをある少年に渡して以来であった。
- 遠藤 保仁(えんどう やすひと)
- 声 - 遠藤保仁
- サッカー教室で少年探偵団のコーチをした選手。
- 阿笠博士が出題した問題をいとも簡単に答えるなど柔軟な発想力に富んでいる。
- プロを驚かせるプレイを披露したコナンに注目して、フリーキックのコツを伝授する。これが、爆弾の解除装置を狙ってサッカーボールを蹴るという局面で役に立った。
- 楢﨑 正剛(ならざき せいごう)
- 声 - 楢﨑正剛
- サッカー教室で少年探偵団のコーチをした選手。
- 遠藤がフリーキックの蹴り方をコナン達の前で披露した際にはゴールキーパーを担当している。
- 中村 憲剛(なかむら けんご)
- 声 - 中村憲剛
- サッカー教室で少年探偵団のコーチをした選手。
- 遠藤のフリーキックに協力するため、ゴールポストの前に立って他の選手と並んでディフェンスを担当した。
- 今野 泰幸(こんの やすゆき)
- 声 - 今野泰幸
- サッカー教室で少年探偵団のコーチをした選手。
- 遠藤のフリーキックに協力するため、ゴールポストの前に立って他の選手と並んでディフェンスを担当した。
全国351スクリーンで公開され、2012年4月14日と翌15日で初日2日間の観客動員数54万975人、興収6億2,974万550円となり、これは最終興行収入31億5,000万円の前作『沈黙の15分』との初動興行収入の対比で106.1%に及び、興行通信社の調査による映画観客動員ランキングでは初登場第1位となった[23][24][25]。
さらに見る 回数, 番組名(放送枠名) ...
回数 | 番組名(放送枠名) | 放送形態 | 放送日 | 放送時間(JST) | 放送分数 | 平均世帯視聴率 | 備考 |
1 |
金曜ロードSHOW! |
|
2013年4月19日 |
21:00-22:54 |
114分 |
11.4% |
『絶海の探偵』公開記念として放送。 |
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主題歌
- いきものがかり「ハルウタ」
- 作詞・作曲 - 山下穂尊 / 編曲 - 江口亮 / 弦編曲 - 江口亮、村山達哉
- 本作品より毎年4月に公開されるコナンの映画主題歌はすべて『ミュージックステーション』で披露されている[注 16]。
- また、ビーイング以外の事務所に所属しているアーティストが映画の主題歌を担当するのは、第1作『時計じかけの摩天楼』で杏子(オフィスオーガスタ)が担当して以来15年ぶりとなった。本作の公開時点では、TVシリーズもビーイング所属歌手が担当していたが、本作から第19作までの映画シリーズは、ビーイング以外の歌手が起用されている。また、本作品以降、TVシリーズ及び劇場版主題歌をどちらも担当するのは、既にリピーターのB'zと倉木麻衣のみである。
- なお、本編ラストシーンに挿入されている冒頭サビ部分の歌詞テロップは表示されていない。
サウンドトラック
概要 大野克夫 の サウンドトラック, リリース ...
閉じる
収録曲
- イン トゥ ピッチ
- シャドーA
- 名探偵コナン メイン・テーマ(11人目のストライカーヴァージョン)
- サッカーゲーム
- クッションコントロール
- ナイス リフティング
- イエローカード
- クールボーイ
- ブリッジA
- サイドライン
- CCQ
- デュワップ
- オーバーウェッジ
- シャドーB
- アウェイプレイ
- インターセプト
- ペナルティ モード
- インピード
- フラッグアップ
- カウンターボード
- シャドーC
- モブスクリーン
- ボムトラップ
- サイドチェンジ
- アウェイブルー
- キーパーチャージ
- ブリッジC
- ワイドショー
- クローズドスキル
- シャドーD
- ミドルクロス
- インフロントキック
- オンザフィールド
- インサイドキック
- パープルプレイ
- 光をつかもう〜挿入歌〜
- 光をつかもう スローバージョン
- ブリッジD
- プレイホイッスル
- アンダーグラウンド
- ブリッジE
- アイコンタクト
- ダークエリア
- フォアチェック
- インスピレーション
- オブストラクション
- ネオストラクション
- シャドーE
- エヌ クリアランス
- アウトサイドキック
- プレイヤー
- レッドリストバンド
- ゲームアイエヌジー
- フリージング
- ホールディング
- ボールストーリー
- リスタート
- ホイッスル
- トライ&トライ
- トライ&トライS
- ハリーアップ
- ベースピッチ
- ミーツ メモリー
- スローイン
- ブリッジF
- オフサイドマインド
- ブリッジG
- ラストゲーム
- ウェッジコントロール
- ロールオーバー
- ダメージ
- チームワーク
- ストロングスピリッツ
- ファイナルトライ
- コンセントレーション
- タイムアップ
- カラージャッジ
- DVD - 2012年11月21日発売(初回生産限定盤・同日発売)[26]
- BD - 2012年11月21日発売(初回生産限定盤・同日発売)[27]
『名探偵コナン BONUS FILE ファンタジスタの花』は、『11人目のストライカー』の伏線を描いた2012年のOVA作品。OVA通算第16作で、コナンの新一時代を舞台にした第2作目のOVAシリーズ。
注釈
映画公開当時の番組オープニング映像が、そのままアニメ化された。
高木刑事は小五郎に梓を紹介されるまで知らずにおり、原作とは異なっている(原作・アニメでは、高木刑事は梓を張り込んだことから面識を持っており、小五郎もそのことを知っている)。
ただし、担当声優は変更されている(登場人物の注釈参照)。
本来は大島本人が演じる予定だったが、都合がつかなかったため、中村が大島の声を担当することになった。
劇場版本編では、爆破事件とサッカー教室の描かれる順番が逆になっているため、後者の方は過去の出来事ということになっている[11]。
テレビアニメでは初代が天野由梨で、後に長沢美樹に交代し、本作の公開時期は長沢が担当していた。
愛称がサッカー選手の中田英寿と同じだが、作者によれば「コナンの方が先」であり、名前の由来ではない。
山村ミサエも、第10作『探偵たちの鎮魂歌』に登場するためにデザインされたが、登場順は原作が先である。
出典
単行本84巻File.3「凧揚げ大会」 - File.5「悪魔の声」(アニメ765話 - 766話「堤無津川凧揚げ事件」)。
単行本7巻File.8「新一の恋人!!」 - 8巻File.1「ついに見つけた!!」(アニメ10話「プロサッカー選手脅迫事件」)。